一面の、世界。
を、見た気がした、荒地の春。
「火星には昔、いきものが居たんじゃないかって」
「どうしてそう言えるのさ?」
「火星には昔、水が在ったらしいから」
「水が在れば、いきものが出来るの?」
「水が無けりゃ、可能性はゼロ・パーだね」
一面の、荒地。
を、見た気がした、世界の夏。
「こんな時代遅れのもの買ってきて、どうするつもりだい、ハニー?」
「創造主の気持ちとやらを感じてみたくなったのよ、ダーリン」
「丈夫なガラスで出来てるんだね、ほら、揺らしてみようか、ゆらゆら、」
「そのうち もそうやって揺れるわよ、ゆらゆら、」
一面の、水の大地。
を、見た気がした、箱庭の秋。
「君、この研究材料ね、ちょっと量が多すぎやしないかい?」
「そんなことはありませんわ、これでも少なすぎるくらいですのよ」
「ああ、居た、ねえねえ、この前ポッドで出かけた時、面白い惑星見つけたんだって?」
「ええ、まるで荒地よ、だけど庭のような」
箱庭のような
箱庭から伸びた茎は大地を探し
茎を伝ったいきものたちは大地を見付け
一面の、箱庭。
を、見た気がした、水の大地の冬。
緑の大地の冬。
芽吹く力の充つる冬、
いきものたちの冬。
「だけどあたしはね、そこに人間は要らないんじゃないかって思ったの。
だからあたし以外の人間には、これは内緒。
・・・と、思ったんだけど、いたずらってバレないとつまんないでしょ、
だからこうして吹き込んでるのね。
結論から言えって?
そうね、つまり、あたしの箱庭には人間は居ないの。
だからいきものたちが箱庭から抜け出すかどうか、人間は見られないってことね」
いざ選べ
荒地か、箱庭か
「この宇宙飛行士の音声記録が今回の宇宙戦争の勃発の・・・」
いざ探せ
世界を、大地を
「その、 はどこだ!」
何を言う、我らの世界は今ここだ
いざ生きろ
我らはここで身を引かん
滅ぶを選ぶか、
何を言う、見えるだろ、一面の・・・
ゆらゆら。
私達はこの辺で・・・失礼するよ。
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先に(訪問者の場合)を上げてしまいましたがこちらがメインです。