イズマエルとの戦いから一月の時が経った。空気は肌寒くなり始めた頃である。一夏の体は完全に回復した。とは言えど箒達からは常に大丈夫かと心配をかけられる。
「皆そんなに心配しなくても大丈夫だから。」
「一夏、お前にそのような言葉を言われてもな・・・」
「そうですわ。」
「いままで隠してきたことが多すぎるんだから。」
「皆の言うとおりだよ。」
「まあこれからその信用を取り戻すことだな。」
一夏に反論できる隙はなかった。
「そういえば一夏。」
「何だラウラ?」
「今度クラリッサがこっちに来るそうだ。」
「その人って確か・・・・・お前に日本文化を教えた人か?」
「肯定だ。」
一夏は頭を抱える。
「どうかしたか?」
「いや・・・・なんでもない。」
本人に話そう、俺の今の心境は。
「だが軍の人間がここに来るのは大丈夫なのか?」
「日本政府から許可をもらっているそうだ。」
「ん!今日本政府って言ったか?」
明らかにおかしかった普通なら有給を使うなどというはずが日本政府という単語が出てきた。
「あの・・・ラウラさん。もしかして・・・・」
「ああ。一夏との対戦を望んでいるぞ。」
皆してやっぱりと表情に出ていた。
「どうかしたか?」
「いや、大体予想できる展開だったって思ってな。」
「で、いつ来るのよ。その人は?」
「ここにいます。」
『・・・・・え!?』
一同教室の扉の方を向くとそこにはクラリッサの姿があった。
「・・・・・・・・イロイロとツッコミたいところはありますが・・・・・初めまして、織斑一夏です。」
一夏はお辞儀する。
「これはご丁寧にどうも。私はクラリッサ・ハルフォーフ大尉であります。」
クラリッサは敬礼する。
「ハルフォーフさん。」
「クラリッサで構いません。何かといいづらいでしょうし。」
「ではクラリッサさん。ここで話すのはなんなのでアリーナの方に向かいましょう。」
「わかりました。」
一夏達は第二アリーナの方に向かった。
廊下を歩いていると千冬とばったり出会う。
「織斑先生、こんにちは。」
『こんにちは。』
「うむ。クラリッサ、今から織斑と戦うつもりか?」
「はい。織斑教官。」
「そうか、なら私も立ち合わせてもらおう。」
第二アリーナのグラウンド。一夏とクラリッサは向かい合っていた。クラリッサのISは
シュヴァルツェア・ツヴァイク。
「手加減は必要ですか?」
「いえ、本気でいくんで。」
『クラリッサ、一夏、準備はいいか?』
「はい、ボーデヴィッヒ隊長。」
「いつでも。」
『それでは・・・・・始め!』
ラウラの合図と同時にクラリッサは瞬間加速で一夏に急接近し殴る蹴るの格闘コンボを一夏に仕掛ける。一夏はその攻撃を受け止め、流す。
(流石軍人というべきか。ラウラほどじゃないがキレがある。それに一撃一撃が重い。)
(隊長から聞いている以上の実力ですね。まぐれで勝っていたと思ってましたが訂正します。)
クラリッサは距離を取り小型レールカノンをコール、一夏に向け放つ。一夏はそれを飛行しながら回避する。
「回避まで上手いとは・・・・・・隊長の言っていたとおりですね。」
クラリッサは感心しながら的確に一夏を捉えるように打つ。
(小型化がここまで出来るなんてな。ラウラのより威力こそは小さいものの厄介だな。)
一夏は雪片をコールしクラリッサに急接近する。クラリッサは小型レールガンを収め
マチェテをコールする。雪片とマチェテがぶつかり合う。クラリッサは地を這うように動き一夏に攻撃を仕掛ける。
「ふ、は、は、はぁ!」
一夏は雪片を逆手に持ちその攻撃を受け流す。
(ここまでとは。流石に驚かされます。)
クラリッサは後ろに下がりマチェテを収める。
「なんだ?」
クラリッサのシュヴァルツァ・ツヴァイク両手、両膝からプラズマブレードが出る。
「わおっ!そんな隠し芸があったとは。」
「いきます!」
クラリッサは急接近し右膝を一夏に向ける。一夏は雪片を収めアームドネクサスでその攻撃を受け止める。
(推進力で威力を上げて攻撃とは・・・・・・軍人って恐いな。)
クラリッサは左足で蹴ってくる。一夏は後ろに飛び回避し、パーティクルフェザーを放つ。クラリッサはそれをプラズマブレードで相殺する。
「やっぱ簡単にはいかないか。」
クラリッサは一夏に接近する。一夏は構えるがクラリッサは急停止と同時に一夏の上を飛ぶ。
(しまった!)
クラリッサは一夏の両腕に手錠状の道具を取り付けそれを地面に突き刺し一夏を鎖で地面に繋ぐ。クラリッサは一夏の後ろに回りマシンガンをコールする。
「舐めんな!」
一夏は逆さまに浮きクラリッサの方を向く。
(馬鹿な!普通なら思いつかない行動だぞ!)
一夏はコアインパルスをクラリッサに向け放つ。
「まずい!」
クラリッサはマシンガンを捨て急加速急上昇し回避する。一夏はコアファイナルを使い両腕に光を集め鎖を壊す。
「っ!(なんて力だ!)」
一夏は左手を胸にかざし振り下ろす。白式はアンファンスからジュネッスブルーに変わる。
「あれがジュネッスブルー・・・・・噂に聞いていたが本当に青いな。」
クラリッサは白式・ジュネッスブルーの姿を見て驚く。それと同時に警戒心を強める。
「はあっ!」
一夏はマッハムーブを使いクラリッサの後ろに回る。クラリッサは後ろに向けワイヤーブレードを六本放つ。一夏は雪片をコールし体を回転させワイヤーブレードを全て斬る。
「おおおっ!」
一夏は雪片を突く。クラリッサは両手のプラズマブレードクロスさせ攻撃を受け止める。クラリッサは弾き飛ばされる。
「くっ・・・・・!」
一夏はクラリッサの上に回り踵落としを喰らわせる。
「おおおお!」
「がぁっ!」
クラリッサは地面に向けて落ちてゆく。クラリッサは体勢を立て直しスラスターを点火させ急停止する。
「なかなかやりますね。ですがここからです!」
クラリッサは両手にパンツァーファウストをコールし一夏に向けて放つ。一夏はパーティクルフェザーを放ち相殺する。爆煙が舞いクラリッサの姿が見えなくなる。クラリッサは両手にサブマシンガンをコールし一夏に急接近、爆煙を突破する。クラリッサは両手に持ったサブマシンガンを一夏に向けて放つ。一夏は雪片を回転させ弾を全て斬る。
「馬鹿な!」
クラリッサはサブマシンガンを収め両手のプラズマブレードで一夏に攻撃する。一夏は雪片で対応する。
「はああああ!」
「おおおおおお!」
クラリッサは右膝のプラズマブレードを一夏にぶつける。
「ぐおっ!」
一夏はその攻撃を喰らい、地面に向け落ちていく。クラリッサは落ちていく一夏に追撃を仕掛けようとする。一夏はクラリッサの右腕にセイビングビュートを絡ませ、強く引っ張る。
「こんの!」
「ぬわっ!」
クラリッサは地面に向けて落ちていく。クラリッサはスラスターを使い急停止し反転、一夏のほうを向く。だが一夏はアローアームドネクサスを構えていた。一夏はソードレイシュトロームを喰らわせる。クラリッサはその攻撃を両腕のプラズマブレードで対応しようとするが両腕のプラズマブレードはその攻撃に耐えられず壊れる。
「くっ!」
クラリッサはスラスターを点火しスライド移動し一夏から離れる。一夏は体を回転させソフト地上に着地する。
(あの速度であんな芸が出来るとは・・・・・ここまでくると恐ろしいですね。)
クラリッサはシュバルツェア・ツヴァイクの両膝のプラズマブレードを分離させ両手に逆手でプラズマブレードを持つ。
「これはまた・・・・」
「らああ!」
クラリッサは一夏に急接近する。
「はっ!」
一夏は上にジャンプしクラリッサの後ろに回る。その間に一夏は右腕を胸にかざし発射体制に移る。クラリッサは反転し攻撃しようと思った瞬間、一夏はクラリッサにアローアームドネクサスを向けていた。
「っ!」
クラリッサは腕をクロスされ防御体制をとる。一夏は逆さまの状態でアローレイ・シュトロームを放つ。攻撃はクラリッサに直撃し、クラリッサのシールドエネルギーは0になる。
『そこまで!勝者・織斑一夏。』
「いやはや、まさかあそこまでの力量があったとは・・・・」
「こっちも驚きましたよ。ラウラのシュヴァルツァ・レーゲンと違って格闘中心型の期待。近接戦闘をクラリッサさんがやって後方をラウラが援護する。なかなかバランスの取れた期待ですね。」
「褒めていただきありがとうございます。あなたの技術もなかなかでした。AICを使わせる隙が全くなかったです。」
「それより聞いていいですか?」
「なんでしょう。」
「・・・・・日本文化をどのような形で知ったんですか?」
「え?それは漫画で知ったのですが・・・・・・なにか?」
「大有りですよ!おもいっきし間違っていますよ!」
「どこがですか!」
「男を嫁というのはないですって!」
「それはあなたの考えでしょ!」
「いやいやいや、織斑先生も全力で否定しますから。」
IS学園のゲートでクラリッサはラウラに別れの挨拶をしていた。
「どうしたクラリッサ、なんだか抜け殻のような顔をしているが?」
「え、ええ・・・・・少々織斑教官に指導をいただきまして・・・・」
「一夏との模擬戦の後に教官に指導してもらったのか・・・・・・感心するな。」
ラウラは腕組みをしながら笑うが別の意味の指導を受けました。
「それでは私はこれで。」
「うむ。隊のやつらにもよろしくと言っておいてくれ。」
「はっ。」
「ちなみにクラリッサ、この後は・・・・」
「日本のアニメ○トでDVDと同人誌と漫画本を買う予定です。あとスクリーントーンも。」
「日本のコ○ケに出る予定だと聞いたが・・・・そんなにすごいものなのか?」
「ええ。日本が誇る文化にぜひとも参加したいですから。」
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イズマエルとの戦闘から一ヶ月が過ぎたIS学園。そこへあの人がきた。