No.587095

新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第014話

おはようございます。

なんか投稿スピードが、以前に比べたらとんでもないことになっていますが、そのうち息切れ起こして遅くなると思いますので、ヌルッと見守っていてください。

今回から反董卓連合の話に移りますが、いつもの如く文章力に期待はしないで見てくださいね。

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2013-06-14 09:19:14 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1938   閲覧ユーザー数:1754

劉弁「……仲穎殿、そなたは美しい。そなたの瞳を見るだけで、今日の一日の激務が癒される様だ」

 

???「も、勿体お言葉――」

 

仲穎と呼ばれた者は、董卓。

白髪のウェーブのかかったショートカットで、肌はまるで雪のような白さが目立つ。

そしてここは劉弁の寝室であり、董卓は用があるからと呼び出されたのだ。

 

劉弁「あぁ、ホントに美しい肌だ……」

 

彼の手は彼女の顔に腰に、そして太ももへとのびていった。

 

董卓「あ、あの、ダメですよ劉弁様。この様なことは――」

 

彼女が部屋に呼び出された時、「椅子がちょうど壊れてしまったので、スマナイが寝具に座ってくれ」と言ってきた時点でオカシイと思っていた。

劉弁は椅子に腰かけ彼女と向かい合って話し、初めのうちはこれからの洛陽の統制についてなど話していたが、話が続くにつれて劉弁との距離が近くなっていき、最終的には自分が座っている寝具の隣にまでいるのだ。

 

劉弁「何故だ?」

 

董卓「その、やっぱり、主従との間でこのようなことは――」

 

劉弁「ならばそれも越えればいい。そなたならば我が妻としても迎えても申し分ない」

 

董卓「つ、妻……!?」

 

やがて劉弁の唇が彼女の震える唇と重なろうとした瞬間――

 

董卓「や、やっぱり駄目です!!」

 

彼女は劉弁を振り払うと、彼をつい突き飛ばしてしまい、劉弁は寝具の上の方で倒れこんでしまう。

 

董卓「………!?し、失礼しました!!」

 

彼女は緩んだ自身の着ている物をサッと直すと、慌てて部屋を出て行った。

部屋には沈黙が走り、暫くすると劉弁は怒りの形相で立ち尽くす。

 

劉弁「――っ、sぬ、許さぬぞ!あの淫売め!朕の申し出を断るとは面白い。必ずあの顔を地べたに這いつくばらせてくれるわ!」

新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第014話「反董卓連合軍」

黄巾の乱終結後、一時の安息を迎えた大陸に衝撃が走った。

“霊帝『劉宏』の死”、劉宏は元々体が弱っていたこともあり、明日をも知れない命であったため、”死”に関しては大陸の諸将も驚きはしなかったのだが、問題はそこではない。

劉宏は病死したのではなく、殺されたのだ。

実はそれより以前に、十常侍によって何進が殺されたと噂があったのだ。

だが黄巾の乱で失態を起こしてしまった何進はそれにより処断されたと予想されたが、さらに暫くたったある日、その十常侍により劉宏も暗殺されたという。

少弁帝は直ちに十常侍誅殺の兵を出したが既に遅かった。

しかしその十常侍を涼州隴西郡、天水の董卓が討ち果たしたというのだ。

これを喜んだ劉弁は董卓に恩賞として西の都と言われる長安を与え、尚且つ自身は皇帝を名乗り、董卓を近衛に代わる正式な漢王朝の”軍”として洛陽の統治権を与えた。

しかし暫くすると変化が起きた。

董卓がその権力を振りかざして、洛陽で悪政を働いていると言うのだ。

先の戦いで手柄を挙げた袁紹は、名門という名声と漢王朝に対するコネで、その地位を大将軍にまで繰り上げていた。

袁紹は大陸の各諸将に向けて檄文を飛ばした。

内容は酷過ぎるので飛ばさせていただくが、要は「洛陽で董卓さんが悪いことをしているので、みんなでやっつけに行きましょう」との事だ。

 

重昌「皆さま。今回はお越し頂き誠に感謝致します……っと言うのは本来であれば袁紹殿の台詞であって、私が言うことでは無いのですが。ただ今袁紹殿は取り込んで居りますので代わりに私が仕切らせて頂きます。まずは、今回お越し頂いた諸将の皆さま。各名前などの紹介をお願いいたす」

 

重昌の進行により話はスイスイ進んでいき、全員が名乗り終えると本格的な軍議が始まりだすが……彼に対する、怒りの様な視線を一つ残して。

彼は洛陽までの地図を机に広げると、扇子でトントンと場所を指し示して話す。

 

重昌「今回、まず洛陽を越える為には、この汜水関、虎牢関を越えなくてはなりません。この関は先の黄巾党の対戦より作り出された関で、私が調べましたところ虎牢関の場合、日数はかかりますが、関を抜けて洛陽に進む道を一つ見つけましたが、汜水関は渓谷の間にある関ですので、そんな道は無かったです。しかし、この関だけは絶対に抜けなくてはなりません」

 

先の黄巾の乱で、その手腕を大いに発揮した重昌の言葉に、皆固唾を飲み、耳を傾ける。

 

重昌「汜水関には董卓軍の華雄という血の気が多い武将がいます。その者をコケにして関から誘き出させます。そして向かってくる華雄の部隊を蹴散らし、それに応じ汜水関を突破する。今現状であの関を突破する方法はこれしかありません。そして次に考えなければならないのは、華雄の攻略。華雄は血の気が多く、猪ですが強敵です。ですからまず突破力が一番の問題となります。我が軍は騎馬を中心としたものですので、もっとも先方に適した軍だと思われます。次に編成ですが――」

 

重昌はここに集まっている諸将の各配置や突撃するタイミングを明確に指示する。

 

重昌「しかし、若輩者の私が指示を出し、恐れ多くも先方を務めさせて頂くわけです。それに加え私の軍が一番乗りの手柄まで果たせば、皆様やりきれないでしょう。だからここで約束しましょう。我が軍が一番乗りを果たしても『一番乗り』は宣言しません。その次に入った者にそれを宣言できる権利を与え、仮に我が軍が宣言してもそれは無効とします。そして我が軍より先に一番乗りを果たしたものがいたとしたら、それはそれで結構です。そのまま一番乗りの名誉が与えられます。これでしたら公平でしょう。どうです?」

 

そう言い終わると、周りより「おぉ~~」と感嘆の声が挙がる。

彼は黄巾の乱より統治者にとって一つの憧れ的な存在になっていた。

治めにくい西涼を完全に手中にし、同時に軍の強さを決定づけた黄巾党の大軍を10分の1の兵で蹂躙し燃やし尽くした件。

これは後に『鬼の天誅』と言われた。

最後に彼の存在を決定付けたのが、黄巾の大軍を四面楚歌で打ち破る策。

あの時は何進の邪魔が入ったのにも関わらず、それを実行に移せたのだから、大したものである。

今回の策も彼が関を打ち破る策の提案提出に加え、他の諸将にも名を挙げるチャンスの機会もしっかり盛り込んでいる。

ここまでの策を出されたのなら、素直に頷くしかなかった。

 

曹操【自分にそれだけの発言と技量があることを踏まえて話し、今回の戦の真の意味を理解したうえで、精鋭だが寄せ集めの連合軍をまとめている。北郷が言うことだけあるわ。今の私があの者の立場なら、彼らの満足を説くまでには至らないわね。いずれぶつかる宿敵としては十分だわ】

 

彼女がそんなことを考えてる間に、重昌は話を進めていく。

 

重昌「それでは、各持ち場についてくだs「待ってください!」?」

 

ここで待ったをかける人物がいた。

劉備である。

先ほどから怒りの視線を送っていたのも彼女であった。

 

諸葛亮「と、桃香さま!抑えてください」

 

劉備「でも朱里ちゃん!こんなの絶対おかしいよ――」

 

彼女が何にいらだっているのかは知らないが、劉備は諸葛亮を振り除ける。

 

重昌「なんですかな劉備殿。作戦に何かご不満な点でも?」

 

劉備「影村さん。なんで私たちが後方支援なんですか!?私たちも同じように、国を思ってこの場に来ているのです。何故のけ者にするんですか!?」

 

彼女の問いに、重昌はついため息を吐く。

 

重昌「……国を思ってねぇ――。まず君に問いかけるが、君の軍の数は?」

 

劉備「え?ご、五千ですが?」

 

重昌「五千……か――。董卓軍が汜水関に駐屯している数は七万から八万は下らないと聞くが、それを君たち五千の兵でどう対処する?君たちに攻撃の目が向けば、一体誰が助ける?私たちは今日集まったばかりの軍であり、皆各軍を統制するだけで必死のはず。その中に、何故君たちの少数部隊置く必要がある?と言うより、何故君はこれで来れると思った?君の軍は洛陽防衛線時の報告によると一万はいたと聞いている。五千しかいないということは、まだ軍が回復しきっていないと言うことだ。何故そんな状態で来た?『国を思う』とか言っときながら、自分の事も考えられないのか?全くとんだ甘ちゃんだな」

 

重昌が軽く笑うと、周りの諸将もそれに釣られて笑いだし、劉備は顔の頬を赤くして涙目で俯く。

 

重昌「他にも何か言いたいことがあるなら、汜水関の件が上手くいってかにしてもらおうか。私も暇ではないのでね。それで、各諸将の皆さま。意見が無ければこれにて軍議はお開きと致しますが?」

 

すると、一人高々と手を挙げた者がいた。

 

重昌「これは陶謙殿。どう致しましたか?」

 

陶謙「影村殿。劉備殿の軍を私の軍に加えさせて下さらぬか?実を言うと、かねがねこの劉備殿とは親交がございましてな。今回私は七千の兵を率いて参りましたが、兵の数は少し心もたなく、生憎我が軍には一騎当千の武将が居りませぬ。劉備殿が入っていただければ、何分この老骨も助かるのですが……」

 

重昌「陶謙殿。貴方様の評価はかねがね伺っております。貴方になら預けてもよいと思うのですが、劉備殿はそれを了承するのk「陶謙さんの下に入るのでしたら、私は構いません!」っと本人も言っておりますね。わかりました。劉備殿を貴方の下につかせ、劉備殿の隊を中心に先方を命じますのでよろしくお願いします。くれぐれも”陶謙殿”だけはご無事で居て下さい。それでは軍議はこれまで!」

 

こうして軍議は終了した。

重昌がこれほど必要にまで陶謙を気にしているのは、彼は軍人というより政治家だ。

その手腕は一刀達が行った大陸旅(調査)でも5本の指に政治家であり、いつかは家臣になって貰い、その手腕を自分の下で揮ってほしいとも思っていた。

だがこの重昌の必要以上の陶謙への気遣いが……

 

関羽「なんだと!?影村により桃香様が諸将のいる前で辱められただと!」

 

諸葛亮「はい。それに先方を任せられた私達は、陶謙様以外の者はどうだっていい様な感じでした」

 

関羽「おのれぇ――」

 

青龍偃月刀を片手に、関羽は何処かに向かおうとするが、その動きは馬超によって止められることとなる。

 

馬超「待て愛紗!何をするつもりだ!?」

 

関羽「離せ翠!影村の首を叩き切ってくれる!」

 

馬超「待て落ち着け!今このまま行けば、義伯父(おじ)さんの思うつぼだって」

 

関羽「いいから離せすi「その通りじゃよ、関羽ちゃん。このままいけば影村殿の思うつぼじゃ」」

 

怒り狂う関羽を制した陶謙の言葉であった。

 

関羽「しかし陶謙様。影村の暴挙をこのまま見過ごせというのですか!?」

 

陶香「いいかい、よく考えるんじゃよ、関羽ちゃん。これから儂らは戦をするのに、わざわざ味方を小馬鹿にして、怒らせて、仲間割れさせる必要が何処にある?もし董卓軍がこれを知れば、好機と見て攻めてくることも考えられるのじゃぞ」

 

陶謙の言う通りである。

何故これから戦うというのに、影村はあからさまに諸将の前で劉備を小馬鹿にしたのか?

それを家臣が知れば、場合によっては自分の所に殴り込みに来るかも知れないと、彼も判っているはず。

戦う前から”あえて”仲間割れを起こそうと思う者もいないはずなので、諸葛亮も何処か違和感を感じていたし、そう諭されれば関羽も考える。

 

陶謙「答えは簡単じゃよ。儂らは試されているのじゃ」

 

趙雲「試されているというのは、どういう事ですか?陶謙様」

 

陶謙「あの影村殿のことだ。劉備軍には関羽ちゃんのような武将が多々いることは既に知っているはず。兵は少ないが、その戦力を使わないわけにもいかない。そこで劉備ちゃんと親交があった儂に目をつけた。劉備ちゃんを下に置かせると言う事を儂から言わせる為にあえて劉備軍を後方支援に置き、そして後は知っての通り」

 

ホウ統「しかし、陶謙様がそれにのって来なかったらどうするつもりだったのでしょう?」

 

馬岱「それならそれまでって考えなんじゃない?義伯父(おじ)さん、そういうところは容赦ないし」

 

陶謙「そうじゃの。儂が劉備ちゃんを一時的な配下に置くと言い出さなかったら、劉備ちゃん、儂達共々この戦が終わるまで合戦の場は与えられなかったじゃろうな」

 

陶謙の台詞を最後に、暫しの沈黙が走る。

皆が何を考えているかは判らないが、少なくとも数人は悔しさで自らの拳を握りしめている。

 

馬超「………なら、あたし達がやれることは一つしかないな」

 

突然の馬超の発言に、皆の視線が彼女に注がれる。

 

馬超「義伯父(おじ)さんの鼻を明かす。これしかないだろ?」

 

彼女の発言に皆のテンションは上がり、活躍して影村の鼻を明かすことを誓ったのであった。

 

 

ここから先は特に物語とは関係無いです。

↓読んでも読まなくてもいいですが、特に面白味はありませんよ。

 

ところ変わって西涼。

西涼の軍議室では緊迫した空気が立ち込めていた。

文章を見た重昌の体はプルプル震えて、顔は怒りの形相に満ちていた。

 

重昌「なんなんだ!?これは!」

 

それもその筈。

 

重昌「この袁紹とかいう奴!」

 

そう、その袁紹とかいう奴。

 

重昌「なんでこんなに――」

 

うんうん。

 

重昌「――字が汚いんだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

そうそう、袁紹は字がきt…………え?

重昌の雄叫びが軍議室に響き、恋歌と柑奈以外はポカンと口を空けて放心している。

柑奈は柑奈で、恋歌と自身の子両手で抱えながらあやしている。

聞いていますか?

 

柑奈「この達が可愛い過ぎて、聞いてませんでした♪」

 

人の話はちゃんと聞きなさい!

 

さて、話を戻そう。

まず、沈黙は一刀によって破られた。

 

一刀「え、えっと……重昌さん?一体どうしたのですか?」

 

軍議中の席は真名も使わず、ましてや前にこういう場面で『お館様』と呼ばなかった家臣は、時には重昌に顔面を拳で殴られ、時には怒りの咆哮で退出を命じられたこともあったが、余りにも突拍子も無いことを言い出すので、一刀もつい軍議であることも忘れ、いつものように彼の名を呼んでしまう。

そして徐々に皆復活していく。

 

重昌「何なんだこれは!問題が多すぎる!」

 

愛紗(椿)「も、問題と言いますと、やっぱり内容g――」

 

重昌「違う!そんな些細な内容問題ではない!」

 

瞳「い、いやいや、義伯父(おじ)さん!大問題じゃん!悪政のことじゃん!」

 

すると次に重昌はブツブツと独り言を言い出し、急に立ち上がる。

 

重昌「皆の者!出陣の準備を進めろ!」

 

香蘭「それではやはり!」

 

徐庶「連合に参加し、董卓を討ちに――」

 

重昌「――袁紹に字の汚さについて文句言ってくる!!」

 

虎「へ?あの……義兄上(あにうえ)?」

 

三葉「『ムンズッ』ちょ、先生!――引っ張らないでぇぇぇぇぇえぇぇぇぇっ!!」

 

皆(恋歌と柑奈以外)、はつい声を揃えて「は?」と言ってしまい、彼は全員を掴んで軍議室を後にする。

こうして重昌の大将とする西涼軍は、董卓打倒?に向けて、反董卓連合に参加するのであった。

五胡も動きはほとんど見せていないので、今回西涼軍の武将はフルメンバーで参戦。

軍の規模も50.000であり、まさに重昌の打倒への熱意?が伺えるようだ。

そして西涼軍は連合がある本拠地に着くと、重昌は一刀と愛紗(椿)を引っ張って直ぐに軍議が行われる陣幕へと向かった。

 

重昌「俺は西涼が刺史、影村タナトスだ。袁紹はいるか!?」

 

そして陣幕へ入るなり、いきなり目的の人物の名前を呼ぶ。

どうやら重昌達は早めに着いた方らしく、今回参加するであろう?連合諸将は、まだ半分程しか来ていなかった。

 

袁紹「あら?お早いお着きだこと。そうです。私が今回皆さまに檄文を飛ばさせていただいた大・将・軍・袁・sh「お前かぁぁぁぁぁぁっ!」」

 

袁紹が最後の言葉を言い終える前に、重昌が机を乗り上げて彼女の下に向かい襟元を掴んでネックハンキングの要領で釣り上げる。

袁紹の近くにいた緑色でボサボサショートヘアーの女性が「姫に何をする!?」と突っかかって来たが、彼は軽く首根っこを掴んで、近くにいたオカッパショートヘアーの女性に放り投げる。

 

重昌「……これはどう言う意味だ?」

 

怒気を含む声は、何を物語っているか袁紹には理解できなかった。

しかし周りにいる諸将は、恐らくあの事だろうと思っていた。

今回、董卓が悪政を行っているかは確固たる証拠が無かった。

ただの噂話から始まったので、今度の董卓討伐は、誰もが名声と権威欲しさに参加したものであったからだ。

先の黄巾討伐の皇帝が選ぶ功労者の4人に選ばれた影村である。

恐らく彼はそれに対して憤りを覚えているのだと、ここにいる諸将の誰もが思った……が――

 

重昌「字が汚すぎる!!」

 

周りの諸将「へ?」

 

そんな回答がくるとも思わなかったので、諸将もつい間の抜けた返事をしてしまう。

重昌は椅子を足で引き寄せ、そこに叩きつけるように袁紹を座らせると、彼女が大陸の諸将に宛てた檄文を机の前の袁紹の前にダンッっと置く。

 

重昌「なんだこの字は!?子供でもこんな歪んだ字は書かないぞ。貴様はそれでも三公を排した袁家の末裔か?私塾も行っていたのだろ?よくこんな字で卒業出来たな」

 

関係ないが、実は袁紹これでも……いや、今は止めておこう。

彼は懐より竹簡を取り出す。

 

重昌「おい、ここに自分の名前を書いてみろ」

 

袁紹「な、何故ワタクシがそのようなこと!ワタクシは名門袁家n『バシン!!』」

 

口答えをしようとした袁紹に対して、重昌は何処からともなく出した扇子で机を陣幕いっぱいに響き渡る位に叩きつけ――

 

重昌「いいから……やれ――」

 

暫くすると連合に参加するはずである諸将が続々と集まりだし、中には劉備や曹操、今回袁術は遅れずに参加し、その付き添い的な感覚で雪蓮(雪)や周瑜の姿もあった。

だが顔見知りである雪蓮(雪)以外は、やたらダボダボの羽織(つまり着物)を来たおじさんが袁紹に字の練習をさせているようにしか見えなくて、とても話しかけられる空気では無かった。

 

袁術「のう。お主は何をしておるのじゃ」

 

ここに一人の勇者(ただわかっていないだけ)が出ていき彼に問いかける。

 

重昌「君は?」

 

袁術「妾は袁術なのじゃ」

 

袁術とは袁紹とは従姉妹なのやら異母姉妹なのやらと聞いたことがあったので直ぐに反応できた。

彼は軽く彼女にも自分の名前を書いてもらうと、これが思った以上に達筆であり、同じ袁家の血を引いている袁紹とは大違いであった。

これを見た袁紹もまだ幼い妹のような存在の者にこれを見せられてガックリと肩を落とす。

次に袁術には『袁紹本初』と一つ書いてもらった。

 

重昌「いいか、これが見本だ。これを書き終えるまでここから一歩も動くな」

 

袁紹「な、何を言っているんですの!?諸将の方もいらっしゃったのに、まずは軍g「『バシッ!』イイカラヤレ」……ハイ」

 

隅に袁紹を置いたままで、重昌は軍議を開始した。

 

こうして袁紹抜きの軍議が終わると……

 

重昌「いいか。ちゃんとした字、もしくは私が与えた課題を終わらせるまでそこから一歩も動くなよ。もし勝手なことをしたら、課題を倍に増やすからな」

 

こうしてひたすら袁紹は「袁紹本初」と呟き続け、自らの名前を書き続けるのであった。

 


 
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