2…【いつも】が変わる【トキ】
こうして、ハード戦争は、幕を閉じました。
女神たちの死後、この真実を、事実として知る者は、一人もいません。
世界に平和が訪れると同時に、事実は、過去の事として、忘れ去られていったのです。
ですが、彼女たちの導きによるものかどうかは、定かではないものの、その大陸にすむ人々は、何時までも、幸せに暮らしたと言います………
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〈とある場所〉
?????
「なーにこのつまらないシナリオ。とゆーかこれじゃあさ、今まで信仰してきた人間たちはどうなの?彼女たちの為に死んだ人たちはどうなるのよ?」
??????
「っ!!!」
自らが乗っている本を読み浸っている妖精チックな容姿の少女は、背後からの横やりを聞いて驚き、振り向いた。何せここは、その少女以外がいてはならない所だからだ。
そこにいたのは、ローブ姿の女性だった。
フードもかぶってるために顔すらわからない、妖精のような少女も声でかろうじて女性だと分かる位だ。
?????
「と言うか何?いきなり女神辞めるってさぁ…教会とか国政とか貴族とか企業とかギルドとか…そもそも女神共に依存してる人間たちはどうなるんだっつーの。…って大丈夫かぁ……それに関しては他でもない、アナタが手回ししてるんだしねぇ……」
ローブの女性は淡々としゃべる。
…そう、ゲイムギョウ界には元々、
彼女たちは神界より生まれ、信仰を力の源とし、自らが治めている国を守護していた存在。だがある事件を境に、モンスターと共に消え去っていった………
否、女神はその力を放棄し、人となって、人間達が暮らす下界に暮らしていた。
これはこの世界においての事実だ…だが……
??????
「どうして…何故あなたが、それを知っているのです!!」
…そう、その事実を知る者は、その女神たちの力与えられた少女のみしかいないはずだった。
少女の名はイストワール、始まりの女神によって作られた史書、世界に起きた出来事を記す記録の書であり、世界のその在り方を書き変える事も出来る万能の書でもある。
彼女は世界であり、世界は彼女である。
?????
「そうねぇ…ねえイストワール、史書の貴方ならこういう話くらい聞いたことあるでしょ?大昔の女神がよからぬ道に走った時に、それを止めた4英雄がいたことを……」
イストワール
「いきなり何を言って――っ!!!まさか…あなたはあの事を……!!!」
?????
「そう…初めて貴方を使って書き換えた歴史の1部分…私はそれを知っている。」
史書イストワールは驚愕した、この女性は一体何者なのかを。
彼女の中には、世界の歴史が記されている。何があって誰がいてどういう所なのか、どんな物で何をして何が起きたのか等が記されている。
しかし、あの事を、最初に書き換えた歴史を知っている人物は、一文字たりとも彼女には
?????
「そもそも始まりそのものが違っていた…
イストワール
「…………」
イストワールは困惑した、記録に乗ってもないこの女性の存在に、彼女の言う言葉そのものに。
それに対して、ローブの女性は笑みを浮かべた。
?????
「…そろそろね。」
イストワール
「!?」
女性の一言の後、突然イストワールが驚いた。自身の身体に、異変が起きたのだ。
イストワール
「これは…まさか……」
女性の口は更に妖しげな笑みを浮かべた。その変化の真意を知っているかのように……
イストワール
「私の力が…失われている!?」
?????
「いいえ…
女性の姿が薄れて消えてゆく…その最中、イストワールの頭の中に、女性の声が響いた。
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「
〈プラネテューヌ・ビル街〉
午前4時、「休日で良かった」と、お使いを頼まれたユウザは心の中で言い聞かせた。
頼まれた物はラジオの部品、もう買えばいいのにと言うツッコミが普通入るであろう状態だったが、愛着がそれを許せないらしい。明日も営業という親仁の替わりに行くことになった。
ユウザ
「はぁ…まーた無茶ぶりやらされるなー……」
ユウザは乗り気では無かった。部品を売る所は知っている、と言うか顔なじみになっている。
買いに行く所、ビルの間の寂びれたジャンクショップにいるのが店員だけならまだ良い、だが店長がいたら…大変なことをやらされる。
例えば「別の大陸からパーツを取ってこい、さもなくば値段を2倍にする、引き受けるならタダにしてやる。」なんてことをだ。
勿論引き受けておらず、仕方なく2倍の値段を払っている。
ユウザの足取りが重い、もしもの為に財布には多めのクレジットがあるが、フリーターにはそれが致命的だった。
何せこれで全財産だからだ。かと言って頼るわけにはいかない、親仁の稼ぎはユウザよりも低いからだ。
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一方…所変わってビルの屋上…銃が弾を飛ばし、剣が空を薙ぎ、二人は舞う……
ダダダダダダダダダダダダダダダダ ダンッ!
一方は弾を退け、間合いを詰め、敵を切りかかる。
ブォンッ!ブォンッ!! ザッ…ダンッ!!…チャッ
一方は剣をかわし、盾を蹴り跳び、敵にに銃口を向ける。
ダダダダダダダダダ ダンッ! ブォンッ! ダッ! ダダダダダダダダダダ
互いに互角、しかし目的は戦闘ではない。一方は標的の殺害、もう一方は依頼人の護衛だ。
更にいえば、この二人は本来、こうして争い合う必要が無い、仕事に徹すれば良い。
しかし二人の場合、そんな場合にはいかなかった。
互いの営業妨害、偶然にも二人は、依頼人と標的が重なっていることが多い。
ならば片方を潰すしかない、自らの手で。
故に二人は戦っている、故に二人は争っている。互いに身元も何も不明故に、会う確率の高いこの場にしかチャンスは無い。
デバッカ
「今宵もまた…護ってみせる!!!」
デバッカは何故この仕事をやっているのか、それは代々のしきたりという事以外は覚えてない。
チータ
「この勝負、勝ちはもらうよ………
チータは何故この仕事をやっているのか、それは自分を拾った親がやっていたからという事意外思い出せない。
ダッ!
ビルからビルに飛び移り、一方は知らず知らず、もう一方は計画通りに、標的に、依頼人に、近づいている。
これしかないのだ、しかれたレールを外れ、真っ当な道を通るという選択肢は、初めから無い。
しかし……二人には違和感があった、この世界に、自分自身に、そして事実に……
「
開幕は来た。
「大丈夫かい?」
終幕は来た。
「何なんだよ一体…なんなんだよ!!」
否、これは修正だ。
「この世界をやり直す…あの事故を…
【本来】への修正だ。
「俺の今までいた世界は…全てニセモノだった……?」
故に偽りは消え去り……
「腰抜けは…引っ込んだらしいね……」
真実が黄泉帰る………
「だったら俺は…俺は一体……」
次回・裏次元ゲイムネプテューヌR 3………………モンスター
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