No.581157

焔の魔導師 第2話

クロスさん

シリアス回です。

2013-05-29 00:07:56 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1575   閲覧ユーザー数:1527

第2話

 

クロストside

 

「遅くなっちゃったね。」

「マスターがまだ大丈夫と言って聞かなかったからでしょう?」

「うぐ・・。」

 

魔法の練習してると時間が過ぎるのが早く感じるよ。

でも進展もあった。

焔の魔法がさらにコントロールできるようになったよ!!

具体的には焔の規模を小さくできた。

これで自分を巻き込むことなく至近距離の的を狙えるよ。

 

 

 

 

そんなことを考えていたら雨が降ってきた。

 

「うわ~、今日傘持ってないのに。」

「急いで帰りましょう。」

「うん。」

 

僕は家に向かって走った。

 

 

 

家の前に着くと明かりがついていなかった。

 

「? どうしたんだろ。」

 

僕は玄関を開ける。

 

「お父さん!お母さん!ただいま!!」

 

 

 

返事が無い。

僕は居間に行くことにした。

暇な時は基本居間にいるからだ。

 

「お父さっ!?」

 

そこで僕は、お父さんとお母さんが倒れているのが見えた。

 

「お父さん!!お母さん!!」

 

揺らしても返事が無い。

手が紅い。

これは。

 

「あ・・、あぁあ・・・。」

 

 

 

 

血だ。

 

「何で・・?どうして?」

「何だ、ガキがいたのか?」

「!?」

 

後ろを見ると見たことも無い男が立っていた。

 

「ふんっ。」

「がはっ!」

 

いきなり殴られた。

痛い痛い痛い痛い。

 

「お前なら知ってるかもな。」

「うぅ・・。」

「さて、『賢者の石』のは何処にある?」

「『賢者の石』?」

「惚けんじゃねぇよ。この家にあるのは解かってるんださっさと吐かねぇとそこの2人みたいになるぜ?」

「!?」

 

そこの、2人?

 

「まさか、おまえが。」

「なかなか言わねぇもんだから殺しちまった。まぁ研究と『賢者の石』さえ手に入れれば仕事は終わりなんだが。」

「仕事・・?」

「おっと喋りすぎたな。さてもう1度質問をするぞ?」

「ぐうぅ!」

 

男が首を絞めながら僕を持ち上げる。

 

「『賢者の石』は何処だ?」

 

こいつが殺した。

こいつが、お父さんを。お母さんを!!

 

〈ロイ、セットアップ!〉

 

僕はロイを起動させ、膝で顎を蹴る。

 

「ぐおぉ!?このガキィ!!」

「うああああぁぁぁぁぁ!!!!」パチン!

 

次の瞬間、男の目に強い焔が襲う。

 

「うがああああああああぁぁぁぁああぁぁっ!!!!!目があぁぁ!!!目があああああ!!!」

「はぁはぁ、どうだ?眼球が焼ける痛みは。」

 

これが僕の魔法であり『錬金術』。

空気中の酸素や水素を集め、埃などを導火線代わりにしてロイ(発火布)を摩擦することで着火する。

これで任意の場所に焔を出す事ができる。

 

「このガキイイィィィ!!!!」

「!?」

 

男はまだ向かってくる。

 

「くそっ!!」パチン!

 

次の狙いは足だ。

 

「ぐおおぉおおおおぉおっぉぉぉぉ!!」

 

これで歩けないはずだ。

でもお父さんも行っていた、念には念をだ。

腕もやっておかないと。

 

パチン!

 

「ぎゃああああぁぁぁぁぁああぁぁ!!!」

 

肉の焼ける匂いが気持ち悪い。

僕は男が持っていたナイフを持つ。

 

「た・・たす・け・・・て・・。」

「!!!!」

 

こいつはお父さんたちを殺しておいて助かりたいと言うのか!!

 

「死ねぇ!」ざくっ!!

「!?」

 

手に肉の感触が伝わってくる。気持ち悪い。

 

「死ね!死ね!!死ねぇ!!死ねえええぇぇぇぇ!!!!!!」

「マスター!!」

「はぁはぁはぁ・・。」

 

ロイが止めてくれるまで僕は男を刺し続けていたようだ。

辺りには血の海だ。

血と肉の焼ける匂い、そして肉を刺す感触が一気に蘇ってきた。

 

「うぅ、うええぇぇぇ!!」

「マスター!?大丈夫ですか!!」

「げほっ!げほっ!!どうしてこんなことに・・。」

 

わからなかった。

賢者の石も家にあるはずがない伝説級の代物だ。

だからこの男がここに来ること自体がおかしい。

 

「マスター。」

「何?」

「実は、マイスターから預かっている物があります。」

「?」

 

ディスプレイに映った物は前にお父さんが管理局から渡されていた物だった。

 

「これが何?」

「これが賢者の石です。」

「!? 待って、管理局がこれをお父さんに渡したってことは。」

「はい、我々か管理局の人間しか知りえないことです。」

 

だとしたら。

 

「こいつを雇っていたのは管理局。」

「おそらく。」

 

こんなふざけた話があるか。

守る組織が本来守るはずの研究者を殺すなんて。

 

「それとこれは言ってよいか決めかねているのですが。」

「何?」

「マイスターはこの石について調べていました。そしてこの石の原材料を突き止めたのです。」

「何だったの?」

「賢者の石の材料は『生きた人間』です。」

「!?」

 

生きた人間?

 

「それじゃあ、もし管理局がこの石を作っているのだとしたら。」

「はい、管理局は人殺しをしていると言うことです。」

「そんな・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからどうしよう。」

 

お父さんもお母さんも死んだ。

管理局も信用できない。

 

「それなのですが、管理外世界へ行ってみてはどうでしょう。」

 

管理外世界

管理局の管轄ではない世界。

そこなら管理局に見つかる可能性は低い。

 

「そうだね、そうしよう。」

 

僕はさっそく準備に取り掛かった。

 

 

 

 

「マスター。」

「どうしたの?」

「この家を跡形も無く焼いてください。」

「!? どうして!!」

「マスターもわかるはずです!この術の危険性が。」

「・・・。」

 

お父さんにも言われた。

この術は最強でもあり最凶でもあると。

だから扱いに気お付けろと。

 

「マイスターの研究が管理局に渡れば、もっと大変なことになります!だからこそ、この家は焼かなければ!」

「・・っ!!」パチン!

 

僕は家の中に火を放った。

研究室を先に焼いた。

 

 

「じゃあ、ロイお願い。」

「はい、転移を開始します。」

 

これから僕たちはどうなるのだろう。

 

 

後書き

 

どうだったでしょうか?

戦闘部分とか不安でしょうがありません。

次で原作キャラが登場します。

コメントありがとうございました。


 
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