No.577674

そらのおとしもの  心を読むエスパー

BLACKさん

久しぶりのそらおとの小説を書きました。(ストック分じゃありません)今回のはアニメのドラえもんで「心を読むヘルメット」の話を見て書いたものです。展開が早いですけど、やりたいことはきちんと書いています。
また作者の分身となるオリジナルキャラ(秋山総司郎)も出てくることをご了承ください。

2013-05-18 22:35:39 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1854   閲覧ユーザー数:1830

 

 

ある日のこと。

智樹はいつものように学校でセクハラな行動をしてそはら達に追い回されていた。

 

「ここまでおいで~だ」

 

智樹は追ってくるそはら達をバカにした態度で逃げる。

しばらくして……。

 

「ふぅ、ここまでくれば……」

「ここまでくれば?」

 

智樹が逃げた先には既にそはら達女子が待ち伏せしていた。

 

「そはら! なんでここに?」

「智ちゃんの逃げるパターンはもうわかってるわよ!」

 

そして智樹はそはら達の制裁をいつものように受けた。

 

「はれほれ……」

 

ボロボロになって歩く智樹。

 

「マスター、大丈夫ですか?」

「トモキのいつもの自業自得でしょ」

 

智樹のところにやって来るイカロスとニンフ、今回は秋山も一緒にいた。

 

「秋山……」

「どうした?」

 

智樹は秋山に声をかけた。

 

「俺を超能力者にしてくれ!」

「はぁ?」

 

 

 

 

 

そらのおとしもの  心を読むエスパー

 

 

 

 

 

 

秋山は智樹の部屋に連れてこられた。

 

「お兄ちゃん、秋山お兄ちゃんと何してるの?」

 

智樹の部屋のドアの前にいるイカロス、ニンフ、カオス。

智樹の部屋は現在、秋山の力により侵入不可能であり、イカロスとカオスが力を合わせても突破は出来ないようになっている。

 

「ロクな事じゃないのは確かよね」

「マスター……」

 

部屋の中では……。

 

「超能力者にしろって……」

「いや、正確には俺に心を読める力をくれ!」

「いやだ」

 

秋山は即答した。

 

「なんで?」

「心を読めるってのは決してプラスじゃないぞ」

「お前読めないわけじゃないだろ?」

「出来るよ。ただしないだけだ。戦闘中で使って勝ったところで嬉しくもないからな。

本当にやばそうな時だけだ、読心術を使うのはな……」

「けどさ、戦闘中以外なら問題ないだろ?」

「むしろ戦闘以外の方が問題ありまくりだよ」

「え? なんで?」

「お前の考えてることはわかるさ。そはらに追い回されて、先読みされたから自分が先にそはらの心を読んで逃げようとかだろ?」

「うっ!」

「読心術を使わなくてもわかることだけどな。試させてやるか。かといってずっと使えるのも世界崩壊を招くからな。

1週間限定で、お前の仲間内……イカロス、ニンフ、アストレア、カオス、そはら、守形、美香子、日和の心しか読めないようにするからな」

「それで十分!」

「よし」

 

秋山が手をかざし、智樹に心を読む力を与えた。

 

「これでOK?」

「OK」

 

秋山が部屋のドアの方に手をかざし、特殊結界を解除する。

 

「それじゃあ早速試してみるか」

 

智樹は部屋から出て行く。

部屋の外にいたイカロス達は既に移動していた。

智樹は居間の方に移動する。

 

「あ、お兄ちゃん。遊ぼう、遊ぼう」

 

カオスはいきなりじゃれ合う。

 

「なあ、秋山……」

(心が読めない……だろ?)

 

秋山がテレパシーで伝える。

 

(ああ)

(そりゃそうだ。口にしてることと心で考えてることが同じ場合は聞こえないんだよ。同じ声がステレオ再生されても面白くないだろ?)

(なるほど……)

「ねえねえお兄ちゃん……」

「ああいいぜ」

 

智樹、カオス、秋山はとりあえずトランプのババ抜きをすることになった。

 

「ババは……」

 

現在ババはカオスが持っており、智樹がカオスから引く番であった。

 

「こっちだよ、お兄ちゃん」

 

カオスは丁寧にババの場所を教える。

 

「(心の声が聞こえてこない)……じゃあこれを!」

 

カオスが教えてる札の隣を取る。

 

「本当だ」

「ね?」

「カオス、教えたらダメだろ」

 

秋山がツッコム。

 

「ええ~」

(しかし心読めたおかげでカオスの真意がわかってよかったぜ)

「あれ? トモキ、部屋から出たんだ」

 

ニンフが居間にやって来た。

 

「トモキ、秋山と何してたの?(どうせよからぬことだろうけど)」

「それは……」

「一応内緒だから教えない」

「まあいいわ」

 

ニンフはテレビをつけて再放送だがまだ見ていない昼ドラを見始める。

 

「…………(トモキ、私に襲い掛かってこないかな~)」

「いいっ!?」

 

智樹は思わず声を上げてしまう。

 

「? どうしたの、トモキ?」

「いや、別に……」

「?」

(襲い掛かる? どういう意味だ?)

 

トモキは心を落ち着かせる。

しかし……。

 

(トモキ、このテレビの男みたいに私に対してあんなことやこんなことを……)

 

ニンフはとんでもない妄想をする。

 

「お、俺はそんなこと……」

「?」

「お兄ちゃん、大丈夫?」

「マスター、醤油がありませんので買ってきます」

「ま、待てイカロス! 俺が買いに行く! ちょっと用があるしな」

 

智樹は外に出かける。

 

「マスター、慌ててましたね」

「よっぽど買いたいものがあったんでしょ?」

「そうかな?」

(まああのままいてニンフの心が読めちゃったらな……)

 

ニンフの心を読んでいないが、おおよその見当がついていた秋山。

 

 

次の日。

 

「うひょひょひょ」

 

智樹は部屋でエッチな本を読んでいると……。

 

(桜井君、家に居るかしら?)

 

美香子の心の声が聞こえてきた。

 

「会長の心の声!」

(今日はどうやって桜井君をいたぶろうかしら?)

「逃げろ!」

 

智樹は美香子が近づく前に何とか家を脱出した。

それからすぐに美香子が家までやって来た。

 

「あら、桜井君いないの?」

「はい、さっきまで部屋にいたと思っていたのですが、いつの間にかいなくなってました」

「それは残念ね~」

 

美香子は大人しく帰った。

 

(危なかったぜ)

 

智樹はすぐ側に隠れていただけだった。

 

「しかし、すぐには帰れないな……」

 

智樹は外を歩く。

 

「あ、桜井君」

「お、風音」

 

日和のいる畑についた。

 

「桜井君、これ……」

「うまそうだな」

「はい!(桜井君、おいしいって言ってくれるかな?)」

 

日和は少し心配していた。

 

「大丈夫、風音が育ててくれた野菜だ。うまいに決まってる」

「桜井君……(ありがとう)」

 

また次の日。

智樹は学校でいつものように女子達に迷惑行為をしてそはら達に追いかけられる。

 

(なんとしてもそはらからは逃げなければ!)

 

智樹は必死にそはらから逃げる。

 

(智ちゃんのいつものパターンから次はここにいるはず……)

 

智樹の逃げるパターンを読んでいたそはら。

しかしそのそはらの心を読んでいる智樹。

 

(甘いぜ、そはら。今の俺には通用しない!)

 

智樹はそはらの裏をかいた。

 

「智ちゃん、全然来ない……」

 

そはらが智樹を待つ。

しかし智樹はそはらの後ろに回り込んでおり、智樹は後ろからそはらの胸を揉む。

 

「きゃああああああ!!」

 

そはらは見事裏をかかれた。

 

 

次の日。

 

「「「秋山(さん)!」」」

 

職員室にいる秋山に詰め寄るニンフ、そはら、アストレア。

 

「どうした?」

「トモキに何かしたでしょ!」

「そうですよ! 智樹のヤツ、この間私の隠れ家のお菓子を食べたんですよ!」

「それ関係ある?」

「秋山さん、智ちゃんになにしたんですか?」

「露骨なことするからばれるんだな」

「やっぱりなにかしたんですね?」

「読心術を与えた」

「やっぱり……」

「そうじゃなきゃ出来ない行動が多いもん」

「安心しろ。後4日もすれば読心術は消える」

「嫌ですよ!」

「後4日でも待ちきれません!」

「……仕方ないな。心を読む奴は力で挑むのは難しい。

だから心で倒せ」

「心で倒す?」

「ただこれは結構えげつないからな……。俺も近くにいないと智樹の心が壊れる可能性がある……」

「どういうことですか?」

「俺が言ったことをずっと心で思っていろ」

「?」

「なんですか?」

 

秋山は三人にあることを吹き込んだ。

 

 

それから放課後。

智樹が外で歩いていると……。

 

「お、そはらにニンフにアストレア」

(((トモキ(智樹)(智ちゃん)殺す)))

「はっ?」

(((トモキ(智樹)(智ちゃん)殺す。トモキ(智樹)(智ちゃん)殺す。トモキ(智樹)(智ちゃん)殺す。トモキ(智樹)(智ちゃん)殺す)))

「ひぃいいいい!!」

 

智樹は怯えはじめる。

 

「や、や、や、やばい!」

 

智樹は逃げようとする。しかし足がすくんで動けない。

三人が同じことを思ったまま智樹に近づいた。

 

「ひぃいいいいいい!!」

「懲りた? 智ちゃん?」

「へ?」

「まあ逃げられないくらい怯えてたもんね」

「お笑いもんですよ、ぷすす~」

「な、なんだよこれ……」

「俺が仕込んだ」

 

智樹の後ろから秋山がやって来た。

 

「秋山!」

「怖かったろ?」

「あ、ああ」

「心読めてもろくなことにならない最大の理由。それは人の悪意を読み取ってしまうことだ。

特にさっきみたいに人を傷つけたりすることをずっと思ってる奴の心を読むことはつらいんだ。

もういいだろ?」

 

秋山は手をかざし、智樹から読心術を消す。

 

「ああ。もういいさ」

「じゃあな」

 

秋山は去る。

 

「本当にロクなことにならねえな」

 

智樹は空を眺める。

そして翌日、またそはらに迷惑をかけ、そはらの制裁を受けたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

おわり


 
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