さて、俗に言うファンタジー小説、それも現代人が過去やら並行世界やら異世界やらに放り込まれる類の物語ってやつには“お約束”って奴がある。テンプレートって言い換えてもいいな。
まず、基本的には主人公は非凡だってことだ。
ああ、勘違いがないように言っておくが、能力的には平凡である場合でも、その性格や思考法なんかは平凡とは言い兼ねる場合が非常に多い。
特に、本当に平凡な人間なら、まず生活手段を“冒険”なんてものには求めない。
どうにかこうにかやりくりして、とにかく危険からは遠い部分に生活の糧を求めるのが常道だ。
まあ、興味本位込みでそういう方向に行く人間も多いだろうが、言い切れる、その大半は最初の冒険でのアクシデントかなにかで、死ぬなり心が折れるなりするはずだ。もしくはおつむの配線なりネジなりが狂って斜め方向に突き抜けるか、だろうな。
まあ、危機管理能力なんてものは、経験と教育から養うものなんで、この段階から考えても現代の日本人がそれを有してるっていうのは、もうそれだけでかなり難しいというのが共通意見だろうとは思う。
それらをクリアできる能力を有してるってだけで“非凡”だと言い切れるって訳。
で、俗にいうチート。
これ和製英語なんだが、一言で言っちゃうと人間やめちゃう能力のこと。
おい、そこで笑うなって。
思わず笑っちゃうのには同意も共感もするが、基本的に異世界なんてもんに飛ばされた人間が生き残るには、正直そんなもんでもなければやっていけないというのには、大半が同意するんじゃないかと俺は思う。
これ、現代知識なんかは該当しないとか思う奴は多いだろうが、馬鹿言っちゃいけないぜ。
その時代や世界の常識や良識や価値観を吹き飛ばすような事を主張し実践しようとする奴を“人間”と認める奴なんかいやしない。運良く容認されたとしてもだ、それは今で言うところのDQNやら電波やら邪気眼やらっていう、要は可哀想な子ってことで終了するのが常だ。
そんでもってご都合主義ってやつ。
だから笑うなよ。
ゲーム的な世界だったりとか、がっつり練り上げられた世界だとか、そういうのはまあ、この際は棚に上げておけ。
この“ご都合主義”っていうのは、本当に馬鹿にできないんだ。
主人公がその世界で生き抜いていく為の能力や基盤や知識や、そういった色々なものを手に入れる為の通過儀礼みたいなもんなんだからな。
ひいては、物語を完結させるために必要なものでもある。
まあ、他にも色々と細かい事を言っていけばきりがないんだろうが、要は何が言いたいかっていうと、テンプレってーのは馬鹿にできないって事だ。
古くは紀元前から存在する神話や英雄譚、最新は日々ネットやらで量産されている小説や漫画、ライトノベルや二次創作に至るまで。
手を変え品を変え、陳腐であるが故に愛され定番となっていく物語。
馬鹿にしたもんじゃないな、と俺は今痛切に思っている。
そういえば、自己紹介がまだだったな。
俺の名前は渡辺和樹。年齢は27歳で身長は去年の健康診断では181cm、体重は先週行ったスーパー銭湯で計った限りでは74kgってところ。まあ標準的だとは思う。
仕事はこういうとなんだが、ごく普通のサラリーマンだ。同期の中ではまあ、中の下ってとこなんだろうが、常に贅沢をしなければそれなりに生きていける程度の収入は得てる。
彼女いない歴は1年と2ヶ月くらい。別れた理由は結婚観の相違ってやつだったので、当時はかなり悩んだし凹みもしたけど、今はそれなりに納得もしている。
家族は両親と姉がひとりで、姉はいい旦那さんを見つけて今では二児の母だ。この夫婦はうちの両親とも旦那さんの両親とも上手に付き合えていて、両家との物理的距離もいい感じの場所に住んでいる。孫を理由というか餌にして定期的に二人でデートに行く事もあるようで、およそ普通ながらも良好といえる、恵まれた生活を送っているんじゃないかな。
両親も郊外に土地を借りて畑やらをはじめたらしく、十分充実した人生を送っていると思う。
俺の趣味はゲームと酒って感じ。あとは親父の影響で渓流釣りを少々。
煙草は一日1箱で、今は国産の某高級銘柄を愛飲してるが、昔は某海外ブランドの一品だった。シガーケースとライターはそのメーカーの品を現在も大事に使ってる。このシガーセットは大学合格祝いに、親父から強奪したもので、親父は泣きそうになりながらも「大事にしろよ」とくれたものだ。御袋と姉貴は煙草を呑む人間が増えた、とイヤな顔をしていたけどな。
酒は日本酒や焼酎よりワインやスコッチが好み。ワインはドイツかカリフォルニアのテーブルワインっていう安物が大半だな。スコッチはラベルが帆船なアレがメインだ。
ゲームは結構好きなんだが、ソーシャルゲームに関しては無課金を通してる。なんというか課金を一度してしまうと、小遣い全部つぎ込みそうな悪寒がするので、結構我慢しながら細々と遊んでる感じだ。彼女と別れた頃に丁度、某携帯ゲーの彼女に癒されて、危うく帰ってこれなくなりそうだったのもいい思い出だ。
後はそうだな…、割と活字は好きなので、ネット小説や携帯小説はちょこちょこと読んでいる。文才なんか持ち合わせてない理系人間だったんで、読み専だけどな。
他には月に一度はネットカフェで漫画の一気読みをしたりもしてる。今でいうところのライト系ヲタっていうのかね。まあ、今のアニメとかはよく判らんけど、某古代銭湯な映画は観て爆笑したっていう程度にはそういうものも好きではある。
と、このように平凡であるが故に非凡とも言える、当たり障りのない人生を送ってきた俺なんだが…。
どうしてこんな事になってるんだ?
俺は、無駄に無意味にそんな事を考えながら、はっきりいって途方に暮れていた。
よし、状況を整理しよう。
まずは俺の服装だが、部屋で愛用しているグレーのトレーナー上下に室内用の健康サンダルだ。
うん、間違いなく部屋で野球見ながらビールを飲むときの体勢だ。
俺の記憶でも安いパイプベットに横になってノーパソいじりながら野球を見つつ贔屓の球団が負けたのでそのままふて寝した、で消えている。
手元にあるのは愛用のシガーケースにライターと、釣りに行くときに必ず持っていくステンレス製のポケットボトル。
違和感は既にこの時点でメーター振り切ってるんだが、まあいいだろう。
足元を見る。
多分牧草かなにかっぽい、俺の主観では雑草でしかない草が膝丈で生えている。
前を見る。
ぽつぽつと木が生えていて、同じような丈の草が生えている草原が続いている。
左右を見る。
右は前と同じような感じで、左はなんか遠くに山が見える。
後ろを見る。
山が見えて、その手前は多分森だと思う。
上を見る。
太陽がふたつある。
ここで俺が選択したのは、ポケットにシガーケースとライターを押し込んで、ボトルの中身を一気に喉に流し込むことだった。
濃い蒸留酒特有の熱さと、舌と喉を焼くあの感覚が一気にやってくる。
「……げふっ! げほげほっ!!」
噎せ返りながら頭のどこか冷静な部分でこう思う。
そりゃ当然だ、一気に飲めばそりゃ噎せるよ俺、と。
噎せた結果、鼻にまで酒が入った事で割と悶絶して涙目になりながら、顔を手で拭ってどかっと地面に座り込む。
これが夢なのが俗に言う異世界トリップって奴なのかは、この際棚上げしておくとしよう。
どちらにしても、強い酒があったのは非常に有難い。馬鹿な飲み方をしたせいで苦しむ羽目に陥ったが、それは自業自得だ。ともかくも気付けができた事で、それなりに頭は冷えたと言っていい。
地面に胡座をかいて座り込んだところで頭を掻きながら溜息をひとつ。
そして、寝起きだからなのか落ち着いたからなのか、生理現象が襲ってくるのを自覚する。
(……………紙なんかあったっけか)
同じ異世界に飛ばされるなら、渓流突入装備一式の方が有難かった。
なぜなら、渓流にいく時のザックには、ハンティングナイフや非常食、毛鉤やルアーなんかも含めた釣り道具一式に、非常灯や発炎筒、簡易暖房器具などなど、最悪は7日くらいは遭難しても持ちこたえられるだけのものは入っていたからである。
なので俺は心からそう思いながらも、主に生理的な理由から割と余裕なく周囲を再び観察しはじめた。
そして人間面白いもので、ひとつ生理現象を自覚すると、そういうものは一気に襲ってくるものらしい。
空腹はまだつらく感じる程ではないが、酒を口にしたからだろう、喉の渇きは割と厳しいものがある。
(………酒はあるけど水はないよな)
ポケットボトルを右手で弄びながら、しょうがないかと舐めるようにボトルを口にもっていく。
「…………あれ?」
口に感じた“それ”は、愛飲していたスコッチのそれではなく、慣れた水のそれだった。
もう一度、今度は慎重にボトルの口を鼻先に運ぶ。
感じられるのは“いつもの”アルコール臭だ。
それをゆっくりと口に運ぶ。
舐める程度に口に滑り込んだ液体は、やはりいつもボトルに詰めていたスコッチの味と香りだ。
思わず首を傾げながら右手のボトルをまじまじと見つめていると、右手の中指に指輪がある事に気づいた。
「あれ? なんで俺、指輪なんかしてんだ?」
俺はこういうとなんだが、そういう部分での洒落気は全くない。
スーツや渓流に入るときの服や靴にはそれなりに金はかけているが、ピアスや指輪やネックレスといった装飾品には全く興味がなかったからだ。
付き合ってた彼女からそういうのを説明されたのでそれなりな知識はあるが、せいぜい素人に毛が生えた程度。ぶっちゃけ指輪の大雑把な形式の見分け方程度しか記憶にない。それも、某狂戦士が主人公のダークファンタジーで出てきた指輪のタイプを覚えてる程度で、とてもじゃないが自慢なんかできやしないという、お前本当に知ってるのか、というレベルでしかない。
その、唯一といっていい乏しい知識でいうと、この指輪はシグネットリングというものだ。
中世の貴族なんかが手紙なんかを蜜蝋で封じるときの本人証明を兼ねるための、印鑑と指輪を一緒にしたような、アレである。
ボトルを持ってるのだから、むしろ今まで気がつかなかった方がおかしい。
俺は指輪を確かめようと、ボトルの口を閉じるのに左手を………あれ?
左の中指にも指輪がある。
俺は、急いでボトルの口を閉めてポケットに押し込み、両の指輪を確認する。
右の指輪は銀色で左の指輪は金色。
台座の紋章は円形の恐らくは盾に7本の剣を意匠したもの。
生まれてこのかた指輪なんか遊びで子供の頃に悪戯した程度なもので、自分でつけた事などない、と言い切れる程度には縁がない。
なのにまったく違和感を感じないというのはおかしくないか?
そう思って色々とやってみたが、まるで張り付いたかのように動かない。
そもそも、こんな指輪は俺の人生の中で全く見た覚えがない。
興味2割不気味さ3割混乱5割。
そんな感じでじーっと両手の指輪を見つめていると、急激にある衝動が襲ってきた。
「…っ!! や、やべえ、忘れてた……っ!!」
俺がそれから、風下の方に向かって自分を刺激しないように進んでいったのは、至極当然の事と言えるだろう。
その結果についてはまあ、ご想像にお任せする。
生理的に落ち着いた俺が、倒れた草を目印に元の場所に戻ってきたのは、体感時間で30分というところだった。
そして気づいたのは、現在のところ差し迫った危険はこの付近ではないだろう、という事だ。
基本的に動物というものは、行動半径つまりは“縄張り”というものを持っている。
体感的には既に結構な時間を過ごしているのだが、その間動物に全く接触していない。
つまりこれは、今の俺の周囲に危険より好奇心を優先するような動物は存在していない、という事だ。
もしくはその逆で、ここが相当に危険な大型肉食獣のテリトリーという場合もあるんだが、それは怖いので考えないことにしている。
この場合は、なんというか“秘められた未知の能力”とか、なんかそういうものに目覚めない限りはエンディング一直線なので、素直に諦めただけだとも言える。
ガチで素手でやりあったら、普通の人間なんか中型犬にも勝てない訳で、考えるだけ無駄とも言うな。
で、俺はこの時点で“ご都合主義”というものにかなり感謝をしていたりする。
理由は、このポケットボトルとシガーケースにある。
まず、このポケットボトルなんだが、仮に“地球世界”と俺は呼ぶが、そこでは100%“ありえない”ものに成り果てている事が判明した。
こいつは一言で言えば“打出の小槌”の水筒バージョンだ。
要は望んだ飲み物が湧いて出る水筒というところか。
これに気づいたのは、まあ、なんだ、生理現象を処理したところで色々と水が欲しいなと思い、この際酒でも構うまいと思ってボトルを逆さにしたところ、容量を遥かに超える“水”が出てきたという事で気付く事になった。
その後いくつか検証した結果、どうも“俺が実際に口にしたことのあるもの”と限られるが、酒だろうがジュースだろうが水だろうが、とにかく水分カテゴリーのものなら出てくる、と判明した。
制限としては“必要な量”しか出ないという事だろうか。
なんというか、そこに逆さに吊るしておけば、無制限に出るという性格のものではないらしい。
確か、そんな魔法のアイテムが某トロルの谷の秘宝とか、某小人が主人公の大作映画の原典とか、どっちも出てくるのは食料ではあったが、そんな感じのものがあったような覚えがあったりする。
で、シガーケースなんだが、世のスモーカーなら泣いて喜ぶだろう。
常に一本しか入っていないが、必ず一本紙巻煙草が入っているシガーケース。
しかも、既にこの世に存在しないはずの銘柄だった時の俺の驚愕と、それを一本吸い切って諦めきれずにシガーケースを開けた時の再びの驚愕と歓喜。
これはスモーカーにしか理解できないと俺は断言する。
世の酒飲みスモーカーなら、このふたつのアイテムさえあれば、一生自宅警備員となってもなんの問題もない、そう断言できる素敵アイテムだ!
そんなヒキコモリ垂涎の2品を両手に歓喜していた俺なんだが、問題は全く解決していない事に気付くのにも、そう時間はかからなかった。
まずは食物が全くない。
水分カテゴリなんで、野菜ジュースっぽいものや栄養剤っぽいものは飲めた訳だが、まさかそれで生きていける程には俺は枯れてはいない訳だ。飽食国家日本人なめんな、となる。
もうすぐ大台が待っている年齢になってきたとはいえ、肉食わせろ米食わせろというのは、それこそ定番ではあるがジャポネーゼたる俺としては100%本音である。
調味料は別らしく、我が愛すべきポケットボトルからは出てこない。むしろ出てこられたら別の意味で悶絶確定だ。マヨネーズやタバスコや醤油は、断じて飲み物ではない。
嗜好品を与えてくれたのに、肝心の食料が存在しないというこのご都合主義には、感謝もするがある意味悪意しか感じない俺が存在する。
次に、立派な自宅警備員を営むには、当然のことながら必要なものが存在する。
草原のド真ん中では、どう頑張っても“自宅”警備員など不可能なのだ。
そもそも自宅警備員というものは、ある程度社会が発展した上で、周囲が“無関心”であればこそ成立する。
この世界が“異世界”である、もしくはそれに準じた世界であると仮定した場合だが、およそそのような生活は不可能だと断言できる。
なんら生産に寄与しない存在を容認できる社会であるとは思えない、というのがその理由だ。
つまり俺が何が言いたいのかというと、TVスタッフも何もいない状態で、酒と煙草を友とし、この大草原を単独で脱出しなければいけない、という、リアルサバイバルを余儀なくされてしまった、という事にある。
……………………これなんて無理ゲー?
いやいやいやいや!
もうなんていうか、ありえないでしょ、これ!?
世間様でサバイバルだのなんだのっていうけど、あれって基本として装備がある程度あって、その上で正確な知識と技術があるのが大前提!
遭難した人が助かったってケースもあるけど、それって原則は“動かずに待つ”事と“カロリーと水分と保温が確保できてる”事が絶対条件なんだからね!?
現代人がそういう番組やゲームみたいな場所に放り出されてサバイバルするとか、マジで無理だから!!
とは言え、こんな草原に居続けて俺が生き残る確率は、はっきりいって0%だ。
それこそ、流行のVRMMOものみたいに、最低限の戦闘能力と武器防具なんかがあって、それをゴリ押しできる“世界”であれば可能だろう。
そしてここに悲しい事実がある。
ここが異世界だろうという仮定のもとに、俺は色々とやってみた。
後で羞恥に悶絶して転げまわる羽目になったが、やってみたんだ。
何もないところに手をかざして、漫画とかみたいなのを想像しながら「ファイア・ボルト!」とか叫んでみたり。
思い切り力を込めて地面を殴りつけてみたりジャンプしてみたり。
ええ、やりましたともさ…。
何も変わってなかったけどね……。
むしろ俺ってばスモーカーだから、息切れとかすごかったし、今も地面を殴った拳が痛いんだけどね………。
ともかくも、俺はここから動き出さなければならない。
その点でも助かったといえるのは、気候的に穏やかなのと、トレーナー上下に裸足にサンダルという格好でも、肌寒さを感じない気温だという事だ。むしろ、動けば普通に汗をかくだろう温度だというのは、非常に有難い。
念の為、俺がいた場所の周囲を念入りに捜索したんだが、他に何もなかったため、俺はそのまま草原の中を山を背に歩き出す事にする。
理由は、森の方なら小さな村とかがありそうな気もするんだが、ある程度の人口が見込める町なんかは、そういう場所にはないだろうと考えたからだ。
こういった事に関する専門知識などは持ち合わせていないので、運よく川なり海なりが見つかってくれれば有難い、そう考えたときに森の方では確率が低い。素人考えだが、そう思ったのだ。
夜になれば俺の生存確率は格段に落ちるのは間違いない。
なにしろ野営の方法など全く知らない上に、日本の山岳や渓流での常識が通用すると言い切れる根拠も全くない。
そうであるからこそ、せめて人家に接する為の“何か”を見つける必要がある。
そして、俺の歩行速度は恐らく1時間でせいぜい2kmいけるかどうかだと予想している。
通常、平地を一般の成人した日本人が踏破できるのは、およそ4~5kmと言われている。
よく不動産なんかの表記で「駅まで1分」と言われているのは、平均的な日本人の成人女性がローヒールで歩いた場合、時速およそ4,8km。つまり分速80mと計算されているからなんだそうだ。
これが山道とかになった場合、時速2,5kmと言われている。登山靴やスニーカーといった足に負担の少ない靴を履いての場合だ。
こう考えた場合、訓練もされていない俺が平野とはいえ未整地の場所を健康サンダルで、足元に気を使いながら歩くとすれば…。
こうしてかなり自分の置かれた状況に絶望しながらも歩き始めた俺だったが、この事で起こる“ご都合主義”というものに、心から感謝する事になる。
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当作品は所謂テンプレものの異世界ファンタジーものとなります。
最初に申し添えておきますが、世界観の構築や設定において、以下の作品に多大な影響を受けている点を明記しておきます。
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