No.573851

一刀の晋王転生録 第四章十二話

k3さん

姜維の恐るべき作戦とは?

2013-05-07 00:12:26 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2464   閲覧ユーザー数:2202

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十一話

   「第二次五胡撃退戦、姜維、悪魔の策」

 

 

「な、何だって?……」

 

 父、解刀が姜維に捕らわれる。江里香、理奈によって、この悲報は一刀に伝えられ、彼は呆然とする。

 

「一刀様!」

 

「お、お頭、だ、大丈夫か?」

 

「司馬昭……」

 

 闇那、澪羅、綺羅は一刀が身体を崩してしまうかもしれないと思い、彼の近くに駆け寄る。

 

「だ、大丈夫だ……倒れはしないよ」

 

 そう言い、何とか姿勢を保っていた。しかし、顔色は優れない。

 

「も、申し訳ございません」

 

「一刀、本当にどういえば良いか……」

 

 江里香、理奈は俯きながら言葉を発する。とても顔を上げることは出来なかった。

 

「二人とも顔を上げてくれ、そしてこれからどうするべきかを一緒に考えてくれ」

 

「……はい」

 

「ええ」

 

 二人はようやく一刀に顔を向ける。

 

「闇那、出来る限り、奴等の行動を探ってくれ」

 

「はい!」

 

 彼女は返事と同時に姿を消す。

 

「澪羅、杜預も一緒に考えてくれ、頼む」

 

「分かったよ」

 

「もちろんよ」

 

 五人は考える。五胡は解刀を使って、どうするのか、そして、どうやって彼を救うことが出来るのか。

 解刀の事は馬騰達の所にも伝わっていた。

 

「お母様、これからどうなるのかな?」

 

「さあな、少なくとも司馬家はそのことで頭がいっぱいってところだろ?」

 

「うぅ、最悪な方向に向かわなければいいんだけれど……」

 

 一刀達ほどでは無いが、それでも重苦しい空気が漂っている。

 

(どうするんだ? 司馬昭)

 

 馬騰は胸の内で司馬昭に問う。

 

(お前は今、父を救おうと懸命に考えているだろう、だが姜維がその隙を与える可能性は無い。さらに言えば姜維ほどの男にその隙を

 

作ることは困難を極める)

 

 はっきり言って、救出はほぼ不可能に近い。

 

(司馬昭、お前は父を見殺しにする覚悟はあるか?)

 

 救出が出来ないのならその選択を迫られる。

 

(いや、あいつにそれは難しいか? ……ならばかわりに俺がやろうか、漢のためにも……)

 

 馬騰は決意を固める。自分に課せられた使命を果たすために。

 解刀は少しづつ意識を取り戻した。

 

(此処は? ……)

 

 上手く首を回せない。そのため目だけを動かして、周りを見る。

 

 すると一人の男に目が入る。

 

(姜維? ! そうだ! 俺は!)

 

 ようやく自分が姜維に捕らえられた事を理解した。

 

 解刀の視線に気付いた姜維は彼に顔を向ける。

 

「目を覚ましたか、思ったより早かったのは流石だと褒めておこう」

 

 姜維は彼に近づきながら、話しかける。

 

「何故お前を捕らえたと思う?」

 

 彼は薄ら笑いをしながら話を続ける。

 

「取引のためでは無いぞ。そんなことをしたら開き直ってお前を見殺しにする可能性があるからな。だから俺はこうする。今からお前

 

を抱え、このまま洛陽まで一直線に向かう」

 

(な!?」

 

 解刀は目をひん剥いて、驚きを隠せない。

 

「そして途中で司馬昭が追いついたとしても、お前に刃を向け奴を脅かす。これ以上動けばこいつの命は無いぞってな。そうして洛陽

 

まで進軍し、洛陽までついたら後は攻め落とすだけだ。今洛陽には主力は居ないからすぐに落とせるだろうな」

 

 姜維はくっくっくと笑う。

 

「司馬昭が開き直ってお前を見殺しにする決断をするのは恐らくは洛陽が攻撃を受けたと報告が来たときだ。急いで向かうが時はすで

 

に遅しって寸法だ。つまり、今、洛陽を落とせる算段はついたのだ」

 

 解刀は姜維の悪魔じみた策略に戦慄が走る。

 

(く……一刀、俺を早く……)

 

 解刀に出来ることは、一刀が自分を早く見殺す選択をすることを祈るだけだった。

 そしてついに時は訪れる。

 

 五胡軍は解刀を抱えたまま洛陽の方向に進軍を開始した。それを見た闇那は急いで一刀に報告した。

 

(! そんな!)

 

 一刀はすぐに姜維の意図に気付く。

 

(どうしたら良いんだ!? 早く父上を救わなきゃ! でも、姜維が俺達を見かけた時、父上に刃を突きつけ脅されたらどうしようも

 

ない! 平原を進軍するだろうから隠密行動も不可能だ! ならば救出する機会が訪れるのは奴等が洛陽に着いて攻撃した時か?)

 

 一刀は首を振り、その考えを否定する。

 

(いや駄目だ! 今、洛陽に戦力は無い。俺達が洛陽に着く前に落とされるのが落ちだ! 仮に洛陽を無事だったとしても父上を救出

 

するような余裕はあるのか? また仮に父上を救出して洛陽を守りきったとしても何太后に洛陽を攻撃された罪を問われてしまうので

 

はないだろうか? そうなれば司馬家は大権を失う! どころか俺と姉上と父上と理奈様が死刑罪になるかもしれない! そして洛陽

 

を攻撃された際、罪の無い民達はどうなる? 被害がどうなるか分かったもんじゃ無い! でも父上が! でも! だけど! う、う

 

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!)

 

 混乱と苦悩で、一刀は頭を両手で抱えた。


 
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