episode160 仲間と言う存在とは…
しばらくしてとある場所に光の球が現れると、光が晴れるとそこにリインフォースと闇隼人が居た。
(ようやく辿り着いたな)
闇隼人は周囲を見渡しながら前に数歩進む。
(・・・ここが)
リインフォースは周囲を見渡す。
(そうだ。ここがあいつの心の中の深層部だ)
(・・・・)
そこは少し強い風に靡く草原であり、空は曇りかかって薄暗かった。右には海が広がり、左に大きな木が立っていた。
(こんな景色・・・一体どこだ・・・)
(どうやらここはあいつが一番心に残っている景色のようだな)
(景色?)
(恐らく・・・あいつが気に入っていた景色って所だろう)
(・・・・)
(もしくは・・・何かがある場所なのか・・・)
(何かって・・・)
と、リインフォースが左の方にある木を見る。
(っ!)
その木の根元に何かを発見して、驚く。
(隼人・・・!)
そこには木の根元に座り込んでいる隼人が居た。
リインフォースはとっさに隼人の元に向かう。
(ちょっと待て!あいつがどこで見張っているか――――)
と、闇隼人が言おうとしたが、その瞬間隼人とリインフォースの間に稲妻が走る。
(っ!)
リインフォースはその衝撃波で吹き飛ばされるも、地面に着地する。
(って言うのは・・・早めに言っておくべきだったな)
そのままリインフォースの隣に立ち、稲妻が落ちた所を見る。
(・・・驚いたものだな。まさかお前達がここまで来るとはな)
と、砂煙の中から誰かが出てくる。
(・・・執念か・・・それとも何がお前達を突き動かすのだろうな・・・)
そして声の主が姿を現す。
(な、何・・・?)
リインフォースは目を見開いて驚く。
なぜならば・・・・・・目の前に居たのは自分であった。まるで鏡に映したように瓜二つだった。
同じジャケットの下に自分が最初着ていたインナーを着ており、右脚だけに黒ニーソを履き、頬や右太股、右腕や左腕に赤い帯がついており、耳辺りより小さい翼が生え、背中には六枚の黒い翼が生えていた。左腕には生物的なイメージのあるユニットを装備していた。
(なぜ・・・お前が私の姿を・・・)
(・・・我はお前。お前は我だ)
(なに・・・?)
と、リインフォースはある事に気づく。
(っ!隼人が!?)
さっきまで木の根元にいた隼人の姿が無かった。
(・・・あれは我が作り出した幻だ)
(な、なんだと?)
(やっぱり・・・そういうことか)
闇隼人は引っ掛かっていた疑問が晴れる。
(どういう事だ?)
(ここは・・・あいつの心の中の深層部じゃない)
(っ!?)
(やつが深層部に偽装していた・・・・・・俺達を捕らえる鳥篭だ)
(鳥篭・・・?)
(俺達はまんまとあいつの罠に掛かってしまったって事だ)
(な、に・・・?)
(・・・そういう事だ。ここがお前達の墓場としてくれよう)
(・・・・)
(・・・逃げようとしても無駄だ。ここは完全に隔離した)
(くっ・・・)
(ここで滅びる以外方法は無い)
(・・・・)
(俺達を今まで襲って無かったのは、わざわざこの罠に仕掛けさせるのが目的か)
(・・・そういう事だ。察しがいいようだな)
(わざわざ面倒な事を・・・)
(・・・・)
(それより、さっきのはどういう事だ。私がお前で、お前が私と言うのは!)
(・・・元々我とお前は一つだった)
(・・・お前と・・・私が・・・一つだっただと!?)
リインフォースは目を見開いて驚く。
(そんな事が信じられるか!)
(・・・だが、事実だ。それを変えることなどできん)
(はいそうですかと、簡単に認められると思っているのか!)
(・・・・)
(残念だが、やつの言っている事は紛れも無い事実だ)
(な、何だと・・・?)
リインフォースはハッとして闇隼人の方を見る。
(・・・我とお前は元々は一つだった。それが力と身体に別れた。それぞれ闇と光としてな)
(闇と光・・・)
(それが今・・・一つに戻ろうとしている。我が身体を戻し、完全体になるのだ)
(・・・断ると言えば?)
(・・・拒否権など無い。これは決められていたことなのだ)
(決められていた事、か)
(お前に取り込まれるわけにはいかない)
(・・・・)
(お前を倒し、隼人を救う)
(・・・お前も・・・そう言うか)
(それ以外に言う事などない。今はな)
(・・・・)
(そういう事だ、ナハトヴァール。俺としてもお前に自由勝手にされるのは困るんでな)
(・・・・)
(ここでケリをつけようぜ)
闇隼人はリインフォースの隣に立つ。
(・・・ここで神風隼人を戻されては困るのでな)
ナハトヴァールは背中の翼を広げる。
(・・・お前達を完全に消滅させてやろう)
(やれるもんなら・・・やってみな)
闇隼人はリインフォースの肩に手を置く。
(逆ユニゾンしてお前に俺の力を貸す。ここじゃお前のポテンシャルは完全に引き出せないから、気休め程度だがな)
(今はそれで十分だ)
念話で二人は通信を交わす。
(なら、よかった)
((ユニゾン・・・インッ!!))
二人は光に包まれると、一つになって光が弾かれる。
姿はリインフォースのままであるが、髪の色が黒味を帯びた銀髪になり、瞳の色も赤からグレーに変わっており、黒がメインだった服も灰色味のある白に変わっていた。そして背中にはアームドアーマーXCとアームドアーマーDEを背負い、右腕にアームドアーマーBS、左腕にアームドアーマーVNを装備していた。
(・・・そんな不完全な状態で我に挑むか・・・・・・笑止)
(どんな状態でも、私は怯みはせんぞ)
(・・・ふん)
ナハトヴァールは左腕のユニットのカートリッジをリロードすると、エネルギーを活性化させる。
(・・・ならば、来るがいい。我が半身よ)
(望む所だ!)
そしてナハトヴァールとリインフォースは飛び出してそれぞれ左腕の武装を突き出して衝突させる。
「くぅ!」
一夏はアロンダイトを振るいナハトヴァールが振るう大剣と刃を交えるが、その衝撃で押される。
直後にユニコーンが右腕のエクサランスカノンを放つが、ナハトヴァールはすぐに後ろに下がってビームをかわすと、その瞬間に光速で飛び出したバンシィがライオットザンバーを横に振るうが、すぐに大剣を振るい刃を交える。
そのままバンシィを押し返して左手を広げて突き出すが、一夏がバンシィを押し飛ばし左手を広げて突き出し、反発で少しの感覚を空けて止まる。
「このぉっ!!」
一夏はすぐに掌の銃口よりビームを放とうとすると、ナハトヴァールも同時にビームを発射し、その瞬間大爆発を起こして二人は吹き飛ばされる。
その直後も両者は飛び出してメビウスの輪を描くように上空を駆け巡って刃を交えていく。
ナハトヴァールは一夏と距離を置くと背中の漆黒の翼より漆黒の羽を飛ばすも、一夏も光の翼から光の羽を飛ばして漆黒の羽と衝突させて爆発させる。
ユニコーンがブラスタービットを一斉発射するとエクサランスカノン後部のコンテナを展開してミサイルを放った。
ナハトヴァールは大剣を振るって衝撃波を放ち、ビラスタービットのビームを打ち消し、ミサイルを破壊する。
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
バンシィがライオットザンバーを振るって雷撃を纏わせた光波を放つも、ナハトヴァールは大剣を振り上げて光波を真っ二つに切り裂く。
直後に一夏が一気に飛び出してアロンダイトを振るうも、ナハトヴァールは振り向くと同時に右脚を振り上げてアロンダイトを上に蹴り飛ばす。
「っ!」
そのまま左腕のユニットの杭を勢いよく突き出すも、一夏は両手で突き出される杭を白羽止めの要領で止める。
「でぇぇぇぇい!!」
一夏は渾身の力で両手で止めた杭を両掌の銃口よりゼロ距離でビームを放って杭を吹き飛ばす。
『・・・・ちっ』
その直後にナハトヴァールを蹴って後ろに下がると、落ちてくるアロンダイトをキャッチして両手に持って身構える。
(三人がかりでも、全く衰えを見せないなんて・・・)
(リインフォースが取り込まれたのが、想像以上にナハトヴァールを強化している)
ユニコーンとバンシィは一夏と反対側からナハトヴァールに警戒して身構え、念話で通信を交わす。
(でも、妙だよね)
(うん)
二人はある違和感を覚えていた。
(さっきからどこかナハトヴァールの動きが鈍い所がある)
(不規則だけど、どこかで動きが鈍っている)
(何か別の方に意識をやっているから、戦いに集中できてない・・・って所かな)
(一体何所に意識を・・・)
(・・・恐らくリインフォースは・・・・・・完全に取り込まれて無い)
(っ!)
バンシィはとっさにユニコーンを見る。
(これで分かったよ。リインフォースはただナハトヴァールに取り込まれたわけじゃない)
(・・・まさか、危険を承知で・・・?)
(うん。ナハトヴァールの内部に侵入し、隼人君の意思を直接呼び覚まそうとしているんだ)
(・・・考えたね。ユニゾンISだからこそ出来る裏技だけど・・・)
(だけどリスクが高すぎる。下手をすればナハトヴァールに吸収され、仮に侵入できても隼人君の意思を見つけることが出来ないかもしれない)
(それに、うまく隼人の意思を目覚めさせれるとも限らない。逆効果を生む可能性だってある)
(でも、少なくとも外部からよりかは、確実性は高い)
(・・・・)
(中でナハトヴァールと戦っているのなら、動きが少し鈍っている所があってもおかしく無い)
(そうだね)
二人は気を引き締めカートリッジをリロードする。
「中で何とかなるまで、私達はやれるだけの事をやるしかないね」
「だね!」
そうして二人はナハトヴァールに向かって飛び出すとユニコーンが右腕のエクサランスカノンを放ち、バンシィがライオットザンバーを振るって光波を放つ。
ナハトヴァールは振り向くと同時に左手を出して広げ、衝撃波を放ってビームと光波を打ち消す。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
直後に一夏が飛び出しアロンダイトを振り下ろすも、ナハトヴァールは一瞬の速度で一夏の後ろに回り込む。
「っ!」
そのままインフィニティーの背中に蹴りを入れて吹き飛ばすと大剣を振り被るも、ユニコーンが飛び出してエクサランスカノンを振るうも、とっさに振り被っていた大剣を前に出して刀身の腹で斬撃を受け止める。
その直後にナハトヴァールの背後からバンシィが接近してライオットザンバーを振り下ろすも、とっさに左手を出してフィールドで斬撃を受け止める。
『・・・・・・放て』
そのままフィールドから強力な衝撃波を放ってバンシィを吹き飛ばし、ユニコーンを強引に押して吹き飛ばす。
『・・・・』
すると一夏が背中の左側のマウントラックから長距離ビーム砲を左脇から出して展開し、高出力ビームを放つ。
『・・・無駄だと分かって・・・』
ナハトヴァールは大剣を振るいビームを切り裂く。
「それはどうかな!」
『・・・・!』
しかし切り裂いた瞬間に一夏は一気に飛び出し、アロンダイトを振るって胸部の発光部を切りつけた。
『・・・ぐっ!』
ナハトヴァールは呻くと少し後ろに下がって左手で発光部を押さえ、背中の漆黒の翼より漆黒の羽を飛ばす。
一夏は背中の羽を展開して光の翼を出し、超高速で動き残像を出し、漆黒の羽をかわす。
『・・・・』
するとナハトヴァールの周囲にブラスタービットが配置され、四肢と胴体にエネルギーチェーンが巻き付かれる。
『・・・・・断て』
その瞬間にエネルギーチェーンは砕かれるが、その瞬間ユニコーンが瞬間加速を掛けて飛び出し、右腕のエクサランスカノンを突き出してくる。
『・・・・!』
ナハトヴァールはとっさに左手を前に出してフィールドで受け止める。
「ぐぅ・・・!」
ユニコーンはスラスター全開で押し込もうとするも、ナハトヴァールは微動だにしない。
「・・・届いて!!」
ユニコーンはエクサランスカノンのカートリッジを連続でリロードし、空になったマガジンをパージし、新しいマガジンを展開して直接エクサランスカノンに装填すると、更に三回リロードする。
すると少しずつであるが、先端がフィールドに押し込まれていき、エクサランスカノンに膨大なエネルギーが充填される。
「エクサランス・・・バスター・・・・・・エクステンションッ!!」
エクサランスカノンが悲鳴を上げる中、スラスターを限界以上に噴射してフィールドに押し込んでいき、バレル先端がフィールドを貫いてナハトヴァールに向けられる。
『まさか!?』
「シュゥゥゥゥゥゥゥゥトッ!!!」
ユニコーンは溜めた膨大のエネルギーを一気に解放し、エクサランスカノンから放ってナハトヴァールに浴びせ、大爆発を起こした。
「う、ぐぅ・・・!」
ユニコーンは爆煙の中から吹き飛ばされる形で飛び出てきた。
「ユニコーン!」
と、バンシィと一夏がとっさに近寄る。
「何とか・・・大丈夫だよ」
少し疲れを見せ、息を荒くしていたが、ユニコーンは平然を装う。
「でも、少し無茶をしたかな・・・」
右腕を見ると、前半分が木っ端微塵に吹き飛んだエクサランスカノンがあった。
「・・・・」
「・・・カートリッジ八発分によるゼロ距離砲撃・・・これで駄目なら――――」
と、爆煙を見ると風に吹かれると、中から若干表面が焦げたナハトヴァールが姿を現すが、胸部の発光部に少し傷が付いている以外ダメージはほとんど無い。
「・・・まだ頑張らないといけないね」
「うん」
「そうだな」
三人は身構える。
(しばらく見ない内に・・・そこまで堕ちたものだな)
ノルンは腕を組んで隼人を見下す。
(・・・・)
(仲間を失い、失意の内に沈むか・・・たったその程度で失意の内に陥るなど)
(・・・どうとでも言え。俺はもう・・・どうなってもいいんだ)
(・・・・)
(偉そうな事言っておいて、自分は全く変わって無い・・・)
(・・・・)
(俺は・・・弱い。誰よりも・・・ずっと・・・)
どことも焦点の合って無い瞳で明後日の方向を見る。
(・・・そうやって、お前はまた現実から目を逸らすのか)
(・・・・)
隼人は何も答えない。
(自分のせいで仲間が死んだから・・・変わることが出来なかったから・・・そして自分の無力さに悔やむばかり・・・)
(・・・・)
(お前はただその事実から逃れようと現実逃避しているだけだ・・・違うか)
(・・・だったら、どうだって言うんだよ・・・どうだって!!)
隼人はノルンに向かって怒声を上げる。
(現実から目を逸らす。それのどこが悪いんだよ!!誰だって認めたくない事があれば現実逃避だってするさ!!俺だって生きているんだ!!認めたくない現実などお前が思うよりも山ほどあるんだよ!!)
(・・・・)
(もうたくさんなんだよ!!俺の前で仲間が死んでいなくなってしまうのは!!)
(・・・・)
(もう生きる事なんか出来ない・・・。もう嫌なんだよ。そんな経験を受けるのは・・・)
(・・・・)
(俺は一度死んで、それがまた別世界に転生した。ただ神々の策略に利用されるだけにな!)
(・・・・)
(もう満足さ!!少し興味のあった世界に来れて、憧れのバンシィだって手に入れた!これ以上何も求めないさ!!)
(・・・・)
(ただ苦しむ為に生きるのなら、もう一層死んだ方がいいんだ。そうすりゃ・・・もう・・・)
(そうやって・・・口だけで言い、お前は逃げてばかりだな)
ノルンは隼人に近付く。
(・・・・)
(お前は死ねば楽になるだろうな。だが、その後はどうすると言うのだ)
(・・・・)
(残された者は・・・どうするのだ)
(・・・・)
(お前だけは逃げて、仲間を見捨てるのか・・・お前が守ろうとする仲間達を・・・そして大切な人を・・・)
(・・・元々を言えば・・・俺はあの世界に本来存在しないイレギュラーだ。俺さえいなければ・・・こんな事にならなかったはずだ)
(・・・・)
(俺さえ・・・来なければ・・・)
(・・・バインドが残って居ても・・・いいのか)
(関係無いよ。あいつらの目的が何だろうと・・・俺にはもう関係無い。あいつらが居るか居なくたって・・・)
(・・・・)
(もう何もかもどうだっていいんだ。全部壊れてしまえば・・・いいんだ)
もう絶望しか無い表情で力なく言葉を発する。
(・・・そうやって・・・不貞腐れるばかりか)
一向にそんな状態の隼人にノルンは少し機嫌が悪くなり、声に威圧感が増す。
(・・・・)
(自らが望んだ事を・・・簡単に捨ててしまうのか)
(・・・・)
(お前はそこまで堕ちてしまったのか)
(・・・・)
(お前は今まで何の為に戦って、生きてきたんだ)
(・・・俺には・・・もう生きる意味なんか――――)
(・・・この――――)
ノルンは右拳を握り締める。
(軟弱者がっ!!)
と、右拳を勢いよく突き出して隼人の頬を殴りつける。
(っ!?)
隼人は吹き飛ばされそうになるが、ノルンはその前に胸倉を掴むと引き寄せる。
(甘ったれるな!!今お前が置かれている状況が分かっているのか!!)
(・・・・)
(お前は仲間の死を見たくないからと言ってずっとぐうたら眠っていられる状況ではなかろう!!)
(・・・・)
(それに、お前は外や中で戦う仲間たちの想いを無駄にすると言うのか!!)
(・・・・っ)
(お前の為に仲間たちは命を掛けて破壊の王と戦っているのだぞ・・・。破壊と言う名の絶対運命に抗って・・・いつ殺されるか分からない状況で・・・)
(・・・みんな・・・が・・・?)
(そんな仲間を・・・ただ無駄骨を折らせて無駄死にさせる気か!)
(それに、お前の為に死んだ仲間の死を無駄にすると言うのか)
(・・・・!)
隼人は少し反応する。
(そして・・・・・・・お前を救おうと命がけで破壊の王に入ったリインフォースだって、いつやつに消滅させられるか分からないのだぞ)
(リインフォースが・・・)
(それに、やつは本来の力が半分も発揮できない状況下でも、お前の為に戦っているのだぞ。命を掛けて)
(・・・・)
(なのに、お前はそうやって皆の想いを全て踏み躙るというのか!)
(・・・・)
(それに、お前は言ったはずだ。更識簪を命を掛けて守ると・・・)
(・・・・)
(お前が初めて守りたいと・・・・・・そして初めて好意を寄せた者を・・・見捨てると言うのか・・・)
(・・・・)
(彼女だって・・・お前の無事を祈っているのだぞ)
(・・・・)
(命を掛けて彼女を救ったのは・・・・・・嘘なのか・・・)
(・・・・)
(どうなのだ・・・神風隼人!!)
(・・・・)
(お前にとって仲間とは何なのだ!!)
(・・・・・・仲間)
すると脳裏に仲間達の顔が思い浮かぶ。
唐変木と言われるほど鈍感だが、俺に次ぐぐらいの仲間想いで、よきライバル。いつかは運に頼らず自らの力で俺を越えるであろう一夏・・・
ある時はライバルとして、ある時は簡易な師弟関係となり、少し前の俺と同じ過ちを犯したが、心を折らずに立ち直った箒・・・
最初は高飛車な態度で俺がボッコボコにしたが、その後は考えを改めて仲間の為に戦うようになったセシリア・・・
俺にとっては特別な想いがあり、親友とも言える存在で、ずっと傍で支えてきて・・・・・・自分の目の前で死んだ鈴・・・
自分にはもうどうする事も出来ないからと言ってずっと諦めていたが、俺の説得で立ち直り、その後義妹として俺の家族になってくれたシャル・・・
力こそが全てだと言って物を言わせて、俺にフルボッコされて俺に怯え、暴走するも、俺に救われてからは力の本当の意味を知る為に・・・今度は仲間を守る為の力を得たいと言って俺の弟子となったラウラ・・・
最初は友好的に接してきたが、しばらくして正体を明かし、俺達と縁を断ち切ったが、それは縁起であるといって、その後は陰ながら俺達のサポートを行うティア・・・
最初は変わったやつだと思っていたが、仲間想いの転生者。利き目を失うも仲間の為に戦うエリーナ・・・
力量は俺並みにあり、ある意味姉の様な存在だった千冬さん・・・
天才(天災)科学者(変人)で、ISの生みの親。色々と俺の事を気に掛けてサポートをしてくれた束さん・・・
俺を転生させた神によって転生され、俺に色々と戦いにおける感情などの事を教えてくれた輝春さん・・・
最初は敵として立ちはだかるも、俺に真実を教え、何度も助けてくれた転生者の海賊。束さんの傍に居るアーロン・・・
最初は毛嫌いしていたが、その後和解し、また姉弟としての関係が戻った綾瀬姉さん・・・
俺の生体データから作られた戦闘機人で、最初は敵対していたが記憶を失った彼女を俺が保護し、再び敵になるも命を掛けて彼女を救い、妹として迎えた颯・・・
千冬さんの細胞から作られたクローンで、俺と接しているうちに考えが変わり、命が短くても、俺と共に戦う事を決意したマドカ・・・
俺と同期に作られた戦闘機人で、最初は敵対するも本来の使命を思い出し、俺にユニコーンを渡しその後IS学園への帰路を同行し、二人目の妹の名前を与えたシノン・・・
唯一のルームメイトで、俺を見込んで助手にし、妹を守るようにと言って絶大的な信頼を寄せていた楯無さん・・・
俺が命と引き換えにして救った女の子。その女の子がこの世界にユニゾンISとして転生し、福音との戦いで俺と再会し、俺のパートナーとして共に戦ってくれたリインフォース・・・
リインフォースの妹で、新たな力として俺達と共に戦い、専用機持ちの力となるユニゾンIS・・・リインフォース・ツヴァイ・・・
しばらくは俺の力として、その後心の中でそれの意思と色々と話し、その後俺が本当の力を持ったことで意志が実体化したバンシィ・・・
シノンから受け取り、バンシィと違ってすぐに心の中に現れ、俺の転生の裏に仕組まれた策略の事を伝えた。バンシィ同様に実体化したユニコーン・・・
そして・・・この世界で何度も助け、ずっと傍に居た彼女。俺が初めて命を掛けてでも守りたいと想った大切な人・・・。そして初めて好意を持った女性・・・・・・簪・・・
(・・・・・・みん、な・・・)
すると、死んだ魚の目のように虚ろだった隼人の瞳に・・・光が灯された・・・
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!