No.571102

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 仲間ーFriendー

ザルバさん

一夏の過去を知り暗い表情を見せる箒達。そんな箒達にセラが質問をする。

2013-04-29 13:52:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4727   閲覧ユーザー数:4536

「・・・・・・こんなことがあったなんて・・・・・・」

「あの時の一夏にこんなことが・・・・・」

「一夏・・・・・・」

 一同一夏の過去を知り暗い表情を浮かべていた。そんな箒達にセラが話し掛ける。

「あなたたち学生さん達に聞いてもいい?」

「なんですか?」

「こんな過去を知ってもあなた達は彼を愛す?」

『!?』

「彼の過去は重すぎる。もし愛すのならその辛さも一緒に背負うことになるわ。あなた達にその覚悟はある?」

 箒達緒は口が開けなくなっていた。一夏を好きになり、一夏の思いを寄せている箒達。だが、あんな辛い経験をしている一夏を支える自信が今の箒達には無い。そんな空気を打破するかのように箒が口を開く。

「私は・・・・・一緒に背負うつもりだ。」

「ほーきちゃん・・・」

「篠ノ之・・・」

「あの時、一夏は闇に落ちそうな私を救ってくれた。私は一夏の力に、心の支えになりたい!」

「私も同じですわ。一夏さんに出会わなかったらきっと今までのように人を見下していましたわ。」

「あたしも。一人ぼっちだった私に一夏は声をかけてくれた。一夏をひとりにさせたりなんかしない!」

「僕も。一夏がいてくれたから今の僕があるんだ!」

「私も同じだ。あの時諦めそうになった私に「諦めるな」と言ってくれた。私は一夏の心の闇を照らす光になりたい!」

「私も同じ。今まで簪とすれ違っていたところを一夏君は治してくれた。私は一夏君の心の傷を治してあげたい!」

「わ、私も同じ。ヒーローのような一夏君を助けたい!」

 それぞれの思いを聞いたセラは微笑んだ。

「やっぱり恋をする子っていいわね。」

「え?」

「私が死んだ理由が戦争って言ったわよね。」

「え、ええ・・・・」

「でもね、私はジュンのことが心配であの場に行ったの。私はジュンが好きだった。あれからもう14年かな?生きていたらあなたたちよりお姉さんになっていたかもしれないわね。」

「セラさん・・・・・・」

「今のあなたたちならきっと彼を支えられるわ。恋も頑張ってね。」

「・・・・はい。」

 箒達はその空間から姿を消して言った。

「ねえネクサス。」

「なんだ?」

「あの事は言わなくて良かったの?」

「言えないさ。」

「まあそうね。彼は身体に無茶という無茶を重ねすぎ過ぎたために身体にアポトーシスが発生しているわ。そのため吐血や急激な痛みが身体全体に起こっているなんてね。」

「彼自体は気付いているのだろうか?」

「きっと気付いているわ。ISを使って自分の健康状態を見ているもの。」

「それを知りつつも彼は戦うのか・・・・・・罪悪感を感じてしまうな。」

「でもあなたが球に彼の前から立ち去ることは出来ないわ。どうするかは彼が決めることだもの。」

「そうだな。私達は彼と彼女達を見守っていこう。」

「大丈夫よ。彼女達の思いは強いわ。私が保証するもの。」

「それは頼もしいね。」

 

「んん・・・・・・」

 箒達はベッドにもたれかかって寝ていた。箒がゆっくりと目を開けて辺りを見渡す。

「一夏・・・・・・一夏?」

 ベッドで寝ているはずの一夏の姿が見当たらなかった。

「一夏、何処だ?一夏!」

 箒は声を張らせる。だが一夏の姿が見当たらない。箒の声に他の皆も起きる。

「どうしましたか、篠ノ之さん?」

「一夏の姿が見当たらないんです!」

 箒の言葉に目が覚める一同。隠密に部屋を操作するが一夏の姿は何処にも見当たらなかった。

「一夏どこに行ったんだろう?」

「まさかビーストと戦いに!」

「でも、しそうであったならば警報で私達は起きていますわ。」

 箒は一夏が行きそうな場所を考えた。そして脳裏に浮かんだ場所が一箇所あった。

「もしかして・・・・・・・・・あそこか!」

 箒は扉を行きよく開け、掛け走った。

「待って、ほーきちゃーん。」

 一同箒の後に続く。

 そして箒が向かった場所は屋上であった。箒は息を荒くしながら屋上を見渡す。するとカメラを持った一夏の姿があった。

「一夏!」

 箒は一夏に駆け寄る。

「箒。」

 箒は一夏に抱きついた。

「ほ、箒!どうしたんだよ急に?」

「バカモノ!一人で無茶ばかりして、一人で抱え込んで、お前は優しすぎる。少しは貴様の背負っているものを私達に分けろ。」

 箒は一夏に自分達の思いをぶつけた。箒が言い終わると同時に千冬たちも遅れて駆けつけてきた。

「・・・・・・・ネクサスから聞いたのか?」

「・・・・ああ。全部知った。あの日お前が墓参りをした理由も、ウルトラマンになった出来事も、全て知った。お前は本当にバカモノだ。昔とちっとも変わっていない。」

「一夏さんは優しすぎます。」

「でもそこが一夏のいいところなのよね。」

「でも一夏は何でもかんでも背負いすぎだよ。」

「私達を頼りにしてくれ。」

「私達が一夏君を、ウルトラマンを頼りにしているように。」

「だから一人で抱え込まないで、一夏君!」

「・・・・・・皆、ありがとう。」

 朝日が一夏の微笑んだ顔を照らした。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
3
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択