No.568152

現代に生きる恋姫達 目指すは恋姫同窓会 霞の前編

MiTiさん

なんだか久しぶりな気がする…実際そうなんですよね。

まぁとにかく…現代恋姫シリーズ霞編です。

楽しんでいただけたら幸いです。では、どうぞ…

2013-04-20 21:10:40 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:2769   閲覧ユーザー数:2423

「ここが、例の不正レース会場か」

 

「然様。会場と言っても何処かの建物を利用しているわけではなく、

 少々広めの場所に寄り集まっているだけだがな」

 

俺の自宅から車で1時間ほど走った所。

時間は後十数分で次の日になろうかと言う時間。

場所は山道(峠)と街との境目に位置する広場。

そこには日本車、外車、痛車、農耕車、運送車、三輪車、自転車etc…

と多種多様の車が寄り集まっていた。

集まっている人も多種多様だ。年齢層は大体20~4、50の男女。

格好は大半が普通の私服、ド派手なのや際どいのもいて、

よくよく見るとスーツを着てる奴もいるもんだから流石にコレには驚いた。

 

「で…星の仕事はここにいる全員を逮捕すること、それから事情聴取。

 マジで全員逮捕するんだ?」

 

「それが仕事でありますからな。

 まぁ全員を懲役することは無く、するのは一部でしょうが」

 

「…それで、俺達の本命の霞(仮)はどうなるんだ?」

 

「個人的には何事も無く済ませたいところですが、

 彼女もここで走り続けていることですからな。

 一警察として、流石に一人だけ特別扱いは出来ん」

 

「まぁ、そこはしゃーないか…

 とりあえず、俺は周りの散策がてら霞(仮)を探してくるわ」

 

「頼みましょう。私はこの場に残り車の方を見張っておきましょう」

 

適当に車を止められる場所を見つけてから、

俺は車を降りてボンネットを開けてから(周りを見るにこの場にいるならエンジンを見せるのが暗黙のルールらしい…)、

幽霊とは言え大学の同好会に所属する身としての興味から、

他の車とそのドライバーを回し見つつ、

俺達の本命で今回のレースの対戦者となるだろう霞(仮)のことを探した。

 

 

事の始まりは2週間前、俺と華琳と星で食事をし、そのまま俺の家に泊まったその数日後。

仕事の一環と言うことで時間が取れた星が再び俺の家にやってきた。

俺と華琳も大学が終わり、バイトも入ってなかったんで3人で夕食を取りつつ星の話を聞くことになった。

 

時間的に家の主である俺と、同じ大学生な為時間割が似ている華琳が先に来て、

二人で夕飯を作り、用意が終わったあたりで仕事が終わった星が来た。

 

「では、食事をしながらではありますが話を始めましょう」

 

メンマをつまみながら星は話し始めた。

今回の件のきっかけとなったのはとあるレーサー特集雑誌に記載された一文。

とある有名レーサーに対するアンケートにて「レースの腕の秘訣は?」と言う質問に対して、

そのレーサーは「普段の鍛錬は勿論のこと○△峠で走ることこそが運転技術向上に最適だ」と、

同時に「自分でも全速完走は未だに成し得ていない」と答えた。

 

この記事を見て何人ものレーサーや車を、ドライブを趣味とする者が峠に挑戦していった。

多くの者が挑戦したが、完走出来た者は中々現れず、代わりに事故者が出てきてしまった。

峠と言う危険な道での事故となると当然ケガをする。

その事実に公職であるレーサーなどは峠で走ることを控えることにしたが、

趣味・生き甲斐で走る者や、暴走族やその類の連中にとっては、

より大きな壁としてやりがいがあると、むしろ勢いを増すことになった。

勢いと一緒に事故者、最悪死者も出てきて、

この事態を放っておくわけには行かないと警察は峠でのレース行為を禁止したのだが、

それでもやめることは無く、むしろ更に過激になってきたのだ。

 

事前に止めようとするが、無線傍受などで先読みされて空回り。

直接止めようとするも、相手が複数であり統一感無く逃げるので手が回らず逃げられる。

運転の腕が良い警官・刑事を集めてみるも、まきびしまで使われて逃げられる。

探しかわされ、見つけ隠れられ、追って逃げられを繰り返すうちに、

近く・内部で監視し一網打尽に出来る機会を得ようと潜入操作を行うこととなった。

 

潜入操作が開始されてから数日後、ようやくといえば良いのか、

一人の峠全速完走者が現れた。驚くことに、完走者は女性だった。

 

完走者が出たことから、峠への挑戦はより激しくなった。

一人が完走できたのだから自分だって、と思う者、

女に走れて男の俺に走れないわけが無い、と思う者、

姐さん(お姉さま)!ついて行きます!と(勝手に)思う者(慕う者)、

俺が彼女に勝てば…と思う者等等。

 

いろんな思惑があり、峠での出来事は彼女を中心になりつつあった。

当の本人はと言うと、彼女は彼女で一度の完走に満足せず、

今ある記録よりも早く完走しようと走り続けた。

 

そんな彼女の後につき従うことで完走出来た者もいれば、

彼女に挑み、先を行くことこそ出来なかったが完走は出来た者も出てきた。

だが、彼(女)らは完走者である彼女同様に自分の記録に挑戦していった。

そんな、自分の記録に挑戦するものが集まった所為か、

いつしかそれはレースとなった。

 

 

そのレースの発端人(本人にそのつもりは無かったが)である彼女をどうにかすれば、

悪く言えば利用すれば、この峠でのレース行為もなくなるのではと警察側は考え、

彼女の調査を重点的に行うこととなった。

 

「で、その結果が…」

 

「ああ。名前は遼来(りょうぎ)霞(かすみ)。23歳。

 レーサーである父親と、その専属サポートエンジニアである母親を持ち、

 幼少の頃より両親のレースを見て育ったお陰で車やレースに、

 と言うよりスピードに関することを趣味とし生甲斐としてきた。

 スピードに関することなら徒走に車、馬に自転車、ローラーにスケート、

 その他多種にわたるレース系のものに挑戦しては自身の記録を築いていった。

 そして今回はこの峠に挑戦を続けていると言うことだ。

 この写真を含めて、以上が調査で分かっていることですな。

 そして私はこの容姿と名前、速さへの追求から、

 彼女が私達がいた世界、かつての張遼文遠であると判断したわけです」

 

「…流石は神速の張遼ね。私もますます彼女が霞だって思いが強くなったわ」

 

「ああ、同感だ。…てか、このまま行くところまで行って、

 今度は音速ジェットにまで挑戦したり…しないよな?」

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

カズトの不安をあおるような疑問を二人は否定できなかった。

前世、恋姫の世界で武将達は己の部に誇りを持っていた。

己が武で誰かを守ることを、強敵と相対することを求めていた。

振るわなければならない状況がない方が平和ではあったが、

それなら模擬戦や試合と言う形でも武を示す機会はあった。

だが、平和と言える現代においてその機会はほとんど無い。

だからこそ、コレまで会った恋姫からの転生者は武以外で何かしら趣味を見つけていた。

今回霞の場合はそれがスピードに向いていたと言うことだ。

問題はそれがどこまで行くかと言うこと。

 

星の場合は、ひたすらに市民のために正義を行うことに傾倒し、

功績から今より高い地位、管理や指導者的な部署につかないかという誘いがあったらしいが、

彼女は動かずに指示を出す立場よりも現場で動く立場を選び、その誘いを断ったことがある。らしい。

 

 

「…まぁ、彼女がどこまで行くかはこの際置いておきまして、

 今度、具体的には今日から一週間後になりますが、

 かなり大規模なレースが行われるとの情報が入りました。

 場所は例の峠で、開始時間は深夜0時。

 レースと同時に峠への挑戦も行われるのでかなりの規模になりますな。

 そしてレースの景品が…彼女自身だ」

 

「はぁ!?なんでそうなる?てか、よくそんな勝負受けたな」

 

「受けざるを得なかった、と言う方が正しいのでしょう。

 勝負を持ちかけてきたのは、所謂不良と金持ちを掛け合わせたような男でして。

 レースで勝ったなら自分の女に、負ければ今後はただの峠挑戦者になり、

 レースを拒否した場合には彼女を慕うものたちに何かすると脅しをかけたようで。

 勝手に慕って集まった者たちとは言え、自分の所為で何かされるのを良しとせず、

 霞殿(仮)は勝負を受けたとの事です」

 

「なぁるほど、いるもんだな~そう言うやつって。

 …で、俺はそれに参加しろと」

 

「ええ。これも不正者一挙確保のためでして。

 つきましてはカズト殿にはレースまでに使用する車のメンテナンスと、

 峠のコースの把握をしてもらいたい。

 必要ならば峠の走行許可も優遇しましょう」

 

「え、マジ?そりゃありがたいわ」

 

嬉しくなった俺を見て、華琳は不思議そうにしていた。

 

「何が嬉しいの?そもそも、何故道を走るのに警察の許可が要るのかしら?」

 

華琳の疑問に俺と星は答える。

今回走る峠はレーサーや走り屋にとって絶好の走行コースなのだ。

が、ケガ人が出たことから峠での危険行為は警察が規制をかけた。

そう、禁止ではなく規制。普通に通るだけならば何の問題も無い。

問題となるのは、峠を高速で走りぬこうとするものだが、

警察の目から逃れてコソコソ(車などでこの表現はあってないかもだが)とやると犯罪だが、

逆に言えば、いつどこでどんな目的で走るかを説明し許可をもらえば問題ないのだ。

と言っても、制限はやはりあるし、速度だって峠で走りたいと思う奴の満足いくものではない。

が、そこは制限ギリギリの速度を持ってすればそれなりのことが出来る。

そう言うわけで、レーサーなどは警察に許可をもらって峠を走るのだ。

 

「俺の大学のドラテク研究会も月一ぐらいで走ってるからな。

 申請とか許可の受理が大変だからそんくらいが限界だし。

 んが、今回は事件解決協力って事で大体的に出来そうだ。

 …そう言えば、俺個人って形じゃなくて団体で許可ってもらえるのかね?」

 

「まぁ、必要なことであれば」

 

 

星から言質を取った俺は早速ドラテク研究会に連絡を入れた。

簡単に事情を説明してから峠使用の許可がもらえることを説明すると、

受話器越しの自分だけでなく他二人も聞こえるぐらいの「グッジョブ!!」と言う大声が響いた。

 

「てわけで、メンテナンス班確保。

 元々俺の車もあいつらと一緒に作ったもんだし、

 こっちの方が気兼ねなく濃い練習が出来るしな」

 

「そう言うことであれば良いでしょう」

 

「華琳もスマンな。しばらくはこっちに専念するわ」

 

「構わないわ。最終的には霞に会えるかもしれないのだしね」

 

こうして打ち合わせは終わった。

その翌日からは、星の監修の下峠での練習とメンテナンスを行った。

何度も走ってコースの把握、レース特化しようにするためにパーツの変更、

カーブの時にスピードを落とさず曲がりきるためにドリフトの練習、

ちょっとした改造を施し、レース当日を迎えた。

 

 

星と分かれてから暫く他の車とそのドライバーを見ていると、何やら人だかりを見つけた。

どうやらそこでエントリーのようなものをやっているらしく、俺もそこに向かった。

そして見つけた。今日の本命、霞だと思しき人物を。

 

参加表明をしつつ霞の方をみてみると、見知らぬ男と言い争いをしていた。

気になり手続のようなものを終えて、俺はそっちに行ってみると、こんな会話が聞こえた。

 

「そんじゃ、コレが終わったらうちに来てもらうからな」

 

「ッハ!もう勝った気でいるんか?アンタみたいな奴にウチは絶対負けへんわ!!」

 

「へぇ~、そんな俺を誘うような格好しながらだとむしろそそられるなぁ」

 

「アンタとなんか死んでもお断りや!!」

 

その光景を眺めながら、やっぱりあれは霞だなぁと思う。

声は完璧に原作と同じ。前世の影響なのか出身や育ちの影響なのか原作同様の関西弁。

顔に関しては、二次元と原作で違うから分からないが、それでも文句なしの美人だ。

髪型は原作のようなまとめ方じゃなく、肩まであるだろう髪を後ろでまとめてるだけだ。

服装に関しては、まぁ人によっては男の言うように誘ってると言えるのかもしれない。

ヘソ出汁のシャツに太ももの付け根まで切られた生足前回のG短パン、そしてブーツ。

なんだかとあるアニメのキャラを髣髴させる。肩掛けホルスターがあったらまんまだろう。

 

 

言い争いは暫く続き、男はへらへらしながら取り巻きを連れて去っていった。

 

「ったく、胸糞悪いわ!」

 

「姐さん、抑えて抑えて」

 

「わぁっとるわ。あんなん気にせずウチは走りに集中、そんだけや。

 ほんで、ウチらの他にレースをやる言う奴はおらんのか?」

 

「今のところいないっすね。大体の奴らが二人のレースを邪魔しちゃだめだって考えてんでしょ」

 

「ハァ…むしろどんどん参加してもろうてアイツの邪魔になってくれたらありがたいんやけどな」

 

その会話を聞いて、俺は考える。

レースに参加せずただ走るだけだとゴールの時に霞の近くにいられない。

それに、もしもあの男が性格が見た目どおりの最悪な奴ならどんなことをするか分からない。

必要ないかもしれないが、何かしてきた時の手助けになるかもしれないし、

あわよくば男の妨害できて、運が良かったら脱落を促すことが出来るかもしれない。

そこまで考えて、俺は声をかける。

 

「すんませーん」

 

「あ?なんだ?」

 

「希望変更で、俺もレースに参加したいんだが」

 

「ぁあ?まさかテメェも姐さん狙ってるとかじゃねぇだろうな!」

 

「ちゃうちゃう。ここに来るの初めてな俺に誰か狙うとかないから」

 

「は、初参加でレース希望だ!?まともに走れんだろうな?」

 

「ここの峠自体は初めてじゃないからな。走るだけならそれこそ道全部覚えるくらいは走ってるよ」

 

「そこまで言うんなら…姐さん、姐さ~ん!レース参加希望者が出ましたぜ!」

 

「お、誰なん誰な…」

 

レース希望と聞いて振り返り、俺を見て固まった。間違いないな。

 

「こいつ何すけど、いいっすかね?

 なんでも道全部覚えるくらいは走ってるってんですけど」

 

「…………」

 

「姐さん?」

 

「あ、あぁ。別に構へんやろ、特に禁止してるとかないし、

 あくまでここは自由に走ってるんやから問題ないやろ」

 

「姐さんがそう言うなら…」

 

そう言って男は去っていった。

 

 

男が去り、俺と霞が残された。

何か聞きたそうにしていたが、俺は構わず声をかける。

 

「そんなわけで俺はカズト、初参加ではあるけどよろしくな」

 

名前を告げると驚いた表情を浮かべた。

 

「えっと…ウチは霞(かすみ)、よろしゅうな」

 

「ああ…霞(しあ)って呼ぶんじゃないのか」

 

「っ!?そう呼ぶゆうことは、あんた…やっぱり」

 

「そのことはレースが終わってからな。手加減抜き、全力でやろうな」

 

「…言うなぁカズト。ウチは負けへんからな!

 ウチが勝ったら全部話してもらうで!!」

 

「いや、話は勝っても負けてもするつもりだから」

 

「なんや、気がそがれるやないか~。ほんじゃ何が欲しいねん?」

 

「別に賞品目的じゃなくて霞(かすみ)に会って話するのが目的だったからな。

 てか、賞品とかってあんの?」

 

「まぁ特に決めてるわけやないけど…

 ただ走りに来るやつの集まりだったはずがこんなんにまでなってもうたからな。

 いつの間にかそう言う話まで出来てもうたんや。

 体外敗者の車とか何やけど…まさかカズトもウチが賞品なんて言うんやないやろな?」

 

探るように睨みながら聞かれた。

それに対して俺は、少し考えてから返す。

 

「う~ん…仮に勝ったら霞(かすみ)が欲しいって言ったら、どうする?」

 

「んなっ!?///」

 

…驚き顔を真っ赤にしてしまった。流石にこの反応は予想外だ。

てっきりさっきの男みたいに怒りで返してくるもんだと思ったが…

 

「まぁ、それは冗談で。霞(かすみ)とはマジで話がしたかっただけだからな。

 レースが終わってから話す機会を設けてくれたらそれで良いって。

 レースで勝てば…霞(かすみ)じゃなくてあの男に要求するよ。

 もう二度と車には乗るなってな」

 

「わ、わかった。ほんじゃ正々堂々とやろうや無いか!

 …それと、ウチのことは霞(しあ)でええで」

 

「了解、改めてよろしくな。霞(しあ)」

 

「よ、よろしゅう///」

 

握手を交わしてから、俺は自分の車に戻った。

 

 

自分の車に戻ると、そこには車の見張りをしてくれていた星と…何故かさっきの男もいた。

 

「なぁ、いいだろぅ?この後一緒にさぁ」

 

「くどい。私は貴様のような男が嫌いだ。

 何を言われようと断る」

 

「そんなつれねぇこと言わずによぉ」

 

「しつこい!」

 

方に回されそうになった腕を掴み、ひねり、固めた。

 

「い、いてぇいてえいてって!離せや!!」

 

「二度と私に近づくな、声をかけるな」

 

「わ、わぁったから離せって!!?」

 

星が離すと、よろめきながらも男が立った。

 

「っけ、俺に逆らったこと、後悔させてやるからな!

 ったく、こんな車のどこが良いんだか…

 俺のほうが良いの持ってるし、良い思いさせてやんのによ!」

 

去り際に、男が俺の車につばをかけた。

その上蹴ろうとしたところで、俺は…

 

「おい」

 

「あ?なん、グベっ!?」

 

思い切り横面を殴ってやった。

 

「てめぇ、何しやがる!?」

 

「そっちこそ、他人の車に何してくれるんだ?」

 

「あん?テメェのか、この車」

 

「そうだ。これでレースに出る」

 

「なんだと?お前みたいな奴がレースに出るだ?」

 

「ああ。少なくともお前よりは霞の相手にふさわしいと思うぞ?」

 

「しあ?誰だよそれ」

 

「ああ、そうだった。霞(かすみ)のことだよ」

 

「…お前もあの女が狙いか?」

 

「別にそうじゃない。賞品とかは関係無しに全力完走してみたくてここに来たんだ。

 が、あえて何か要求するなら…俺がレースに勝ったら、テメェは二度と車に乗るな」

 

「言うじゃないか、なら俺が勝ったらその女をもらうからな!」

 

「出来るものならな」

 

「首洗って待ってろよ!!」

 

 

喚きながら去っていく男を見つつ、横で星が溜息をついた。

 

「何やら勝手に話が進み、しかも私が賞品にされましたが」

 

「それはスマン。まぁ、大丈夫だって。負けはしないから。

 星も霞もあんな男に渡さないって」

 

「信じていますぞ。…それはそうと、会えたのですかな?」

 

「ああ、霞だったよ。レースが終わったらいろいろ話すことになってる」

 

「作用ですか。ならば、ますます勝たなくてはなりませんな。

 負けようものなら霞殿と会うことさえも難しくなってしまう」

 

「わかってるよ。…それで、他の奴は配置についてるのか?」

 

「ええ。ばれることなく、見つかることなく。

 後は私の指示合図待ちです。特にあの男は重点的に」

 

「そうか。そんじゃ、文字通り二度と車に乗れなくしてやるか!」

 

「その意気で。では行って参りませ」

 

「ああ、行って来る」

 

そして俺は車に乗り込み、レースの開始地点へと向かった…

 

 

~あとがき~

 

現代に生きる恋姫達 目指すは恋姫同窓会 霞編の前編 いかがでしたでしょうか?

 

まんま某映画をパクってるじゃないかって突っ込みは…無視させていただきます!

 

レースって形で、霞が出て、何かしら他の要素を加えようとするとこれが一番やりやすかったんです。

 

 

カズトの車は、星と一緒に銃撃暴走犯を逮捕した時と一緒のものです。

 

レースに当たって少々頑丈にして、エンジンにちょっとした改造をしました。

 

某映画みたいにニトロは流石に積んでませんが…

 

 

作中で書きました霞の格好は…ラグーン商会のトゥーハンドの彼女をモデルにしました。

 

わかる人どれだけいるのかな?

 

 

勝ったら霞が欲しいとカズトに言われて顔を赤らめたのは、相手が相手だからです。

 

これが他の男だったら違う反応でしたでしょう。

 

カズトに対してこんな反応だったと言うことは…

 

その辺りは次回、中編にて霞視点を入れるのでその時に。

 

 

さて、今後の予定としては、

 

霞の中・後編は勿論のこと。他には小蓮の話が今週中には出来そうです。

 

他の作者で言うと、ルサナさんは麗羽編が、挟乃狼さんは愛紗編が進んでます。

 

この他、一丸さんや牛乳魔人さんよりアイデアをいただきました。

 

 

執筆参加やアイデアの募集は完結するまで止めることはないのでいつでも歓迎します!

 

それでは、この辺で…また次回投稿にてお会いしましょう。


 
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