「タ…タマがねえ…!チンも…!」
朝っぱらから発した言葉がこんな台詞だなんて自分でもどうかと思うが事実なのだから仕方ない。
まずはここまでの現状を整理しよう。
起きる。いつもより素早く布団から出れた。
寝台から降りる。やけに高度がある気がする。
着替えようとする。ぴったりの採寸だった夜着の袖はまるで枝垂れ柳のようだ。
部屋を見回してみる。
書簡が積まれた机は俺の身長と同等かそれ以上という高さであり、
いつも朝の心地良い光を与えてくれる窓もなんだか威圧感がある。
何かがおかしい。
「よい…しょっと…!」
いつもなら鼻歌交じりに開けるような窓を苦心して開けてよじ登る。
そういえば昨夜は長雨が降っていたことを思い出し、地面にふと眼をやった。
「…………は?」
水溜りに映っていたのは、
寝ぼけ眼の青年でもなく、
筋骨隆々の紐パン男?でもなく、
笑えるほど身に合っていないサイズの服をきた女の子だった
その後、すぐさま飛び降り自分の体をまさぐった結果飛び出したのが先の発言だった。
「どうなっているんだ……?まさか真桜が……?」
あまりにも不可解すぎるこの現象に対峙して、真っ先に真桜を思い浮かべる。
だが先日は会ってはいないはずだ。
それにいくらあいつと言えどこんな真似は――
「やりかねないなぁ……」
技術的な話はともかく、性格的にはやりかねないと思い、180度の手のひら返し。
「いや、そんなことよりこれから一体どうす」
「ご主人様、起きておられますか?」
「散っ!!」
「ご主人様……?」
「危ない所だった……」
愛紗が扉の向こうから声をかけた瞬間、俺は窓から外に飛び出した。
嫉妬将軍と名高い愛紗のことだ、次の展開は用意に想像できた。
1、 ご主人様の部屋に見知らぬ少女がいる
2、 死
数々の死地を乗り越えてきた俺のセンサーはもはや刹那の領域にまで達し初めていたのだ。
「とりあえず、これからどうするべきかな……」
ぬかるんだ地面で泥にまみれた服を見つめ嘆息しつつ、俺の首は袖のように垂れ下がっていった。
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一刀さん、ロリ化
深夜テンションだけで取り掛かったお話
矛盾とかキャラ崩壊はご愛嬌で