No.564964

真・恋姫†無双~赤龍伝~第115話「山へ(後編)」

さん

前回の続きです。
主人公も含めてオリジナルキャラクターが多数出てきます。
未熟なため文章や設定などにおかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2013-04-10 23:47:55 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2188   閲覧ユーザー数:1984

真・恋姫†無双~赤龍伝~第115話「山へ(後編)」

 

 

―――火蓮の屋敷―――

 

火蓮「なあ、藍里」

 

藍里「はい、何でしょうか?」

 

火蓮「お前、何か私に隠し事してないか?」

 

藍里「い、いえ、何も」

 

火蓮「そうか? 私の勘はそうは言っていないんだがな」

 

藍里(さすが火蓮様ですね。でも、小蓮様が居なくなった事は絶対に言いませんよ)

 

火蓮「どうした、何か考え事か?」

 

藍里「ほ、本当に何も隠してなどいません」

 

火蓮「そこまで白を切るならば…」

 

火蓮は立ち上がり、藍里に近づく。

 

藍里「あのぉ、火蓮様。いったい何を?」

 

火蓮「ふふ、お前が黙っているつもりなら、私に話したくなるようにするまでだ」

 

そう言うと火蓮は、藍里の服を脱がしに掛かる。

 

藍里「え? か、火蓮さま。な、止めて下さい!?」

 

火蓮「ほーれ、ほれ、早く言わないと素っ裸になってしまうぞ♪」

 

藍里「きゃー、止めて、止めて下さいっ!」

 

必死に抵抗する藍里だったが、裸にされてしまうまでの時間は長くは掛からなかった。

 

藍里(赤斗様ーっ! 早く小蓮様を見つけて来て下さーい!)

 

 

―――山中―――

 

赤斗「シャオー、どこだーーっ!」

 

山に入った赤斗だったが、未だに小蓮を見つけられずにいた。

 

赤斗(月空の範囲がもっと広げるか…)

 

赤斗「………この近くにはいないか」

 

気を自分の周りに張り巡らせ、レーダーのような役割をする奥義“月空”の範囲を赤斗は広げたが、小蓮は見つからない。

 

赤斗「もっと奥まで行くか」

 

赤斗は山奥と進んでいった。

 

 

小蓮「まずったなぁ。まさか、崖から落ちるなんて……」

 

すっかりと暗くなった空を小蓮は見上げていた。

 

赤斗を追い掛けて山にやってきたまでは良かったが、うっかり崖から足を滑らせ、そのまま気を失っていた。

 

そして今ようやく目を覚ました小蓮は、全身を強く打ち付けたのか、身体を動かそうとすると痛みで動く事が出来なかった。

 

小蓮「うぅ…これからどうしよう。大丈夫だよね、きっと赤斗やお母様たちが助けに来てくれるはず」

 

不安な気持ちを隠して小蓮は必死に自分を元気づけようとする。

 

小蓮「うぅぅ…………」

 

だが、小蓮の目にみるみる涙が溢れ出した。

 

小蓮「お母様ぁーっ、雪蓮お姉ちゃーん、蓮華お姉ちゃーん! 赤斗ーーっ!」

 

小蓮の声だけが木霊する。

 

小蓮「ひっく、ひっく……シャオ、このまま…死んじゃうのかな……」

 

赤斗「シャオ、見ーつけた」

 

小蓮「え……赤斗」

 

赤斗「遅くなってゴメンね。もしかして泣いてた?」

 

小蓮「……ぐずっ、な、泣いてなんかないもん。ひっく…ぐすっ……」

 

赤斗「そうか。シャオ、立てるかい?」

 

小蓮「ううん。無理みたい。だから、おぶって♪」

 

赤斗「はいはい♪」

 

赤斗は動けない小蓮を背負い山を降りる事にしたのだった。

 

 

赤斗「どうやら強く身体を打ちつけたようだから、帰ったらしっかりと治療しようね」

 

小蓮「うん♪」

 

赤斗「怪我をしてる割りには、何だか嬉しそうだね?」

 

小蓮「だって、赤斗が助けに来てくれたんだもの嬉しいに決まってるよ♪」

 

赤斗「シャオを心配して捜しにきたのは僕だけじゃないよ。蓮華も祭さんも皆がシャオの事を心配してる。だから、もうこんな事するんじゃないよ」

 

小蓮「もともとは赤斗がいけないんだよ」

 

赤斗「えっ、何故そうなるの?」

 

小蓮「赤斗がシャオに黙って山に出掛けるから」

 

赤斗「ははは…今度から気を付けるよ」

 

小蓮「うん。よろしい♪」

 

祭「尚香殿ーーっ!」

 

少し先の方から祭や兵士たちの声が聞こえる。

 

小蓮「あっ、祭の声だ」

 

赤斗「よし。早く合流しよう♪」

 

そう言って赤斗は歩を速めた。

 

 

―――建業の城内―――

 

蓮華「小蓮っ! あなた一体何をやってたの!」

 

城に戻った小蓮を待ってたのは蓮華のお説教だった。

 

小蓮「えっと、その…ごめんなさい」

 

小蓮も自分が心配をかけた事を分かっているので、大人しく聞いていた。

 

幸いにも小蓮の怪我はたいした事もなく、身体も動かせるようになっていた。

 

赤斗「蓮華。シャオも反省しているし、それに治療したとはいえ、今は安静にしたほうがいいから、もうその辺で勘弁してあげてよ」

 

蓮華「赤斗がそういうなら……シャオ」

 

小蓮「なに?」

 

蓮華「無事に帰ってきて良かった」

 

蓮華がそっと小蓮の身体を抱きしめる。

 

小蓮「……お姉ちゃん。心配かけてごめんなさい」

 

赤斗「そういえば祭さん」

 

祭「なんじゃ?」

 

赤斗「火蓮さんには知らせたの?」

 

祭「いや、藍里がまだ堅殿を引き止めておる。じゃが、そろそろ限界じゃろ」

 

赤斗「なら屋敷に行って、藍里を助けにいきましょうか」

 

祭「うむ。そうじゃな」

 

赤斗は祭とともに火蓮の屋敷に向かうのであった。

 

 

 

つづく


 
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