TAKE 19 学校の怪談
暑すぎる部室。
そこには1台の扇風機。
そして、それに群らがる俺たち。
作業もそっちのけでただ無言でいる。
「・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
摂氏30度が俺の体を蝕む。
・・・誰かこの状況を打破してくれーと心の中で思う。
キィィィィンバッタンッ!!
と救世主が乱入。
「俺、参上!!」
あー、久しぶりに聞いたなその言葉。
「お前ら、な~にやってんだ?」
と救世主ことえびぞうが話しかける。
俺はえびぞうのおかげで体が動くようになる。
そして・・・・。
「暑いんじゃぼけぇー」
と俺の隣から声がした。
ハルだ。
「くそ暑いし。」
とファルコンも言う。
そう、俺たち機械部はクーラーの大破によりものすごく暑い生活を送っている。
しかしながらえびぞうはいつも元気だ。
と俺は思う。
ウラ先輩も暑いと言っている。
しかし、ここに居たら意外と暑さに慣れてくる。
と俺はようやく立ち上がりハルに言う。
「ハル、君はこんな事していてもいいのかい?」
「あ、そうだった・・・・・・・ってお前も手伝えよっ!!」
とハルが言う。
「あー、うん。やるよ。」
「なんだよ、そのやる気の無さは適当に言ってんじゃないっ!!」
「・・・・・。・・・・・・・・。やろうかな。」
「今、かなり考えたよな。」
「・・・・・・(^^‘)」
「・・・・ファルコンも手伝って。」
と今度は別の班のファルコンに懇願する。
「え・・・・・・ミリタ先輩。今、俺が必要ですか?」
とファルコンは劇画タッチな顔で言う(どんな顔か突っ込まないでね)
「え!?」
とこの部室で一番まじめだったミリタ先輩が困惑する。
「いや、別に今は必要ないけど・・・・。」
とOK牧場。
色よい返事をもらったファルコンはハルと一緒に隣へ非難する。
「・・・・・・・。」
キィィィィィィンバッタンッ!!
という音を確かめてから俺は漫画を読もうと思う。
しかし、ハルは俺を逃さなかった。
いきなり俺の後ろで
「手伝ってくれるよね?」
と今読もうとした漫画(怖い形相をした女の子が鉈を持っている表紙が特徴)のキャラの声にわざと似せて言ってくる。
「ひぇぇええ。ご堪忍を~。」
と俺。
「え~じゃないか。え~じゃないか。」
と乗ってくるハル。
少々、ハルのキャラ設定がおかしくなりそうだが以前からハルは不思議な人物となっているので別段どおってこともない。
まぁ、そんなかんじで強制連行。
そして、アイアンメイデンの刑。
説明しよう。
アイアンメイデンとは先ほど出てきた漫画(ひぐ○し)で出てくるキャラ”○とし君”がしお○の想像によって変な棺おけに入れられて・・・・・・・以下略
つまり、アイアンメイデンは我々が勝手につけたもので実際にあるのかなぁ~?グサッ!!
死~ん。
と死んだフリ。
ファルコンは目的を忘れパシャパシャと撮影。
ハルは結局一人で作業をする。
・・・・・・・・・。
俺は思ったことがある。
こんな日常が続くのかな?
とどこかの主人公っぽく終わりにする。
TAKE 20 夏のある日 ~始まり編~
「俺、参上っ!!」
とえびぞうが叫んでいきなり部室に登場。
もはや、えびぞうのあのセリフはデフォルトと化していた。
カチャ。
「しかし、今日も暑いなぁ。」
とえびぞうが暑苦しい表情で迫ってくる。
俺達は部室の奥でたむろっていた。
夏休みの俺たちは先輩が来るまで何もしないのが普通なので(作業中もサボるけど)たむろっていた。
「ほれ、来た。」
と最近アニメ化してきたハルが言う。
しかし、その言葉は俺の心に留めて置く(本人の前では堂々と言うことが出来ない)。
「ふふふ、来たか。」
と劇画タッチな顔でファルコンが言う。
今日は二人ともえびぞうを待っていた・・・・・・いや、俺も待ってたぞ。
何故、えびぞうを待っていたかといえばやはりネタがあるからだ。
えびぞうは口笛を吹きながらゆっくりと近づいていく。
本来ならゆっくりってことはまずありえないんだが俺たちはゆっくり歩いているように見えた。
そして、えびぞうが俺たちの居る部室の奥へやってきた。
途端、えびぞうが視界から消えた。
大きな音がしたが俺はその原因を知っていた。
ファルコンとハルは隠していた携帯で動画を笑いながらとっている。
俺はというとその状況に爆笑していた。
地に伏せるえびぞう。
そう、えびぞうはこけたのだ。
普通なら”おっとっと”って感じにバランスを崩す位なのにえびぞうは派手にこけた。
まさか、そこまですごい事になるとは思わなかったがある程度、思い通りになった。
その訳は、俺たちが仕掛けた罠にあった。紐である。
かなり古典的な罠を使ってえびぞうをこけさせたのだ。
しかし、ふつうにやったのではここまではいかない。
ってゆうか普通にやっていたらいくら頭の悪いえびぞうでも避けてしまうだろう。
そこで登場したのが手動式だ。えびぞうがやってきたらピンと伸ばす。
たった、それだけだ。ビバ、えびぞう。
これほどまでもアニメみたいな転倒は始めて見たよ。
「くっそー」と怒るえびぞう。
ハルとファルコンは撮影中。見届ける俺。
ある意味、トライアングラー。
えびぞうは何か大声で怒っていたが俺はスルーする。
「そうだ、ハル”アレ”しようや。」
と撮影をやめたファルコンがハルに提案する。
ん?アレ?俺には何のことかさっぱりだ。
これが機械系学科と情報系学科の違いなのか、それともクラスが違うせいなのか。
俺は深く思考する。しかし、アレではまったくもってわからない。
「ああ、そうだね。」
とハルは納得した様子。やばい、状況についていけないの俺だけ!?
「キョンもアレやろうや。」
とファルコンが言うが俺にはアレの意味がわからない。
ので、適当に「ああ、そうだな。」と乗る。
今度はえびぞうがまったくついていけない。
ハルが何故か「じゃあ、アレしよう。」と再度言う。
えびぞうはやはりついて行けず(俺もw)顔が真っ赤になってしまった。
これじゃ、えびぞうではなくタコぞうだ。
ファルコンもまたハルと同じように「アレやるか、アレ。」と言った。
妙に”アレ”の部分が強調されているなぁと思い考えてるとあることに気がついた。
「俺もアレしようか。」俺もファルコンたちと同様に言う。
えびぞうは完全についていけなくなってしまった。
やはり。
俺の気づいたとおりだ。
俺たちはさらにえびぞうを追い詰める。
「先輩もアレしましょうよ。」
とハルが言うと、えびぞうはプルプルと不思議な生物のように震えあの言葉をとうとう言ってしまった。
「アレじゃわからんっ!!」
と机をバシッと叩きえびぞうは怒った。
攻撃力が0.1上がった(上がったのかよっ!!)。
ファルコンとハルは瞬時に携帯を取り出し人間とは思えない速度で録音→保存をした。まさに神業。(ってゆうかお前ら一体・・・・)
えびぞうはまたもや怒り狂った。
しかし、俺たちには効かなかった。
「さて、先輩いじりもここまでにして・・・・・・あっ!!。」
とハルが話してる途中でドアを見た。
俺も釣られてドアの方を見る。
ドアにはウラ先輩(受験生)と部長と普通の先輩がまだかと言う風な顔をしてこちらを覗いてた。
俺は反射的に「おはようござます。」と言った。
しかし、先輩達はこちらを見つめてる。
ハルとファルコンが困った顔をして俺を見つめる。
俺は「俺もわからん」と表情で合図した。
唐突にえびぞうが「あっ!!」と声を上げた。
何事かと俺がえびぞうを見たときはもう、えびぞうは居なかった。
カチャリ。
とドアの鍵が音をたてた。そう、鍵がである。
開けたのはえびぞう。
ガラガラ。とドアが開く。
そして、ウラ先輩がいきなり「誰や、あっこの扉閉めた奴。」と言った。
俺とハルとファルコンはえびぞうが入ってきたときのことを思い出しそっと言った。
『犯人はえびぞうです』
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久々の機械部の憂鬱です。
20から作風を変えてみました。
面白いと思うので一度見てくれたらうれしいです。