イルカリラ 恐怖の怪人塾 Cパート
そして朱里は外に出ると、ゲルショッカーにわざと捕まる為に行動を開始した。
そこら辺を歩いていると後方から馬車が走ってきて、そして雛里が顔を出した。
雛里
「朱里ちゃ~ん!」
朱里
「はわわわっ!? ひ、雛里ちゃん!?」
朱里は思わず驚くがすぐに冷静になった。恐らくこれは罠だ。
ゲルショッカーが自分を捕まえる為に雛里を利用しているということに気づく。
だが、これは好都合だ。探していたゲルショッカーが自分から姿を見せたのだから。
そう思った彼女は馬車が走っていった方へと向かい、隠れて朱里を護衛していた本郷
もサイクロンでその後を追う。
後を追う朱里は、馬車が止まっている事に気づき、急いで馬車に近づくと
予想通り中から怪人が姿を見せる。
イルカリラ
「ドルルルルルル・・・・・」
そして、イルカリラの催眠術で意識が途切れる瞬間彼女は
朱里
「(ご主人様っ・・・後は任せます・・・)」
と考えて意識を失うとそのまま、連れていかれてしまう。
そして本郷は気づかれない様に馬車を追跡し、アジトがあると思われる
洞窟まで辿り着いた。
本郷猛
「(ここが奴らのアジトか・・・待っていろ子供達 今助けてやるからな)」
本郷は戦闘員に見つからないようにこっそりアジトに忍び込み、子供達が
捕らわれている部屋を探し出す。
そしてある部屋に入るとそこにはゲルショッカー科学戦闘員だけがいたのだ。
ゲルショッカー科学戦闘員
「ギ、ギイッ!? ほ、本郷猛っ!?」
その科学員は戦闘員と違い戦闘力が低い為とっさに逃げ出そうとするがあっという間に
本郷に捕まり、羽交い締めされてしまう。
本郷猛
「さあ答えろっ! 子供達はどこだ!?」
ゲルショッカー科学戦闘員
「い、いう! いうからやめてくれっ!」
そしてその科学員は子供達がいる場所まで案内する。案内された所には『ゲルショッカー
怪人塾第二期生宿舎』と書かれた部屋があり、その部屋の鍵を開けさせるとそこには眠ら
された子供達、そして朱里もいた。
どうやら誘拐された子供達は一時的にここに集められて、再びイルカリラの強力な催眠術
を受けていたようだ。
本郷は部屋に入ると直ぐに朱里に近づく。
本郷猛
「朱里! しっかりしろ朱里!」
朱里
「うっううう・・ご主人様・・・ここは?」
朱里は本郷の強い呼びかけに答え、直ぐに目を覚ました。
本郷猛
「ゲルショッカーのアジトだ よくやってくれた朱里 お陰で最近さらわれた子供達を
見つけ出せた」
本郷はとりあえず褒めると次に朱里の頭を撫でる。
朱里
「えへへっ・・・あれっ?・・・雛里ちゃんがいません!」
朱里は本郷から褒めら頭を撫でられた事を喜ぶも、その部屋には親友である雛里がいない
ことに気づく。
本郷猛
「そういえば、何か妙だ・・・」
本郷は直ぐに違和感に気づいた。ゲルショッカーに誘拐された子供は雛里を含め、既に数
百名以上。その部屋には30名の子供しかいないのだ。
本郷猛
「おいっ! 残りの子供はどこにいる!」
本郷はすぐに科学員を締め上げ、問いただす。
ゲルショッカー科学戦闘員
「だ、第一期生は怪人塾における科目を全て修了して、卒業試験を受ける為に
X地点に・・・」
その時、何か液体の様な者が科学戦闘員に飛びかかってくる。
本郷はとっさによけるが液が科学戦闘員にもろに命中し、そして・・・・
ゲルショッカー戦闘員
「ギ、ギイイイイイイイイッ・・」
科学戦闘員は苦しみはじめ、床に倒れるとそのまま溶けて消滅してしまう。
本郷と朱里は液体の飛んできた方向を見るとそこには見覚えのある怪人がいたのだ。
カエルトンボー
「ア~ブラッ! 馬鹿者がっ! 本郷に子供達の居場所を教えるとは」
本郷猛
「貴様はカエルトンボーッ!」
朱里
「はわわっ! でもこの怪人さんはご主人様と華蝶仮面さんが倒したはず・・」
カエルトンボー
「改造人間は死なんっ! 破壊された箇所さえ直れば、何度でも蘇るのだ!」
本郷猛
「カエルトンボー! 第一期生の子供達に何をさせる気だっ!」
カエルトンボー
「貴様がそれを知る必要は無いっ! かかれっ!」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイイッ!」
突如現れた戦闘員は朱里と本郷に襲い掛かってくる。
朱里
「はわわっ!」
戦う力がない朱里は本郷の後ろに隠れ、そして本郷は彼女を庇うかのように
戦闘員と戦闘を繰り広げる。
本郷猛
「トオッ! トオッ!」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイイッ!」
剣で彼を突き刺そうとした戦闘員は殴り払われ、そして・・・
本郷猛
「フンッ!」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイイッ!」
後ろから本郷に襲い掛かろうとした戦闘員は彼の回し蹴りを受けて蹴り飛ばされ
本郷猛
「トオッ! トオッ!」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイイイイッ!」
そして次々襲い来る戦闘員を殴り払っていった。
カエルトンボー
「やるなっ!本郷猛」
本郷猛
「後はお前だけだカエルトンボー!」
本郷が変身しようとしたその時
カエルトンボー
「愚かなり本郷猛! 復活したのは俺だけではない!」
本郷猛
「何ッ!?」
カエルトンボー
「今だ! ネズミマムシ!」
ネズミマムシ
「チュチュウウウン!」
どこかからか白いガスのような物が天井から降ってきて朱里、本郷に降り注がれる。
朱里
「はわわっ!? 何なんでしゅか? この霧は?」
本郷猛
「いかんっ! これは睡眠ガスだっ!口を塞げ朱里!」
しかし、もう手遅れだったらしく・・・朱里は本郷の近くで眠ってしまう。
朱里
「スヤスヤ・・・・」
本郷猛
「朱里・・・くっ・・・・」
(ドサッ!)
さすがの本郷猛も強烈な睡魔に勝てず、眠りについてしまった。
そして眠った二人を前に二体の怪人はこう言い始める。
ネズミマムシ
「チュチュウウウウン! 万が一を考えてここに残っていてよかったな
カエルトンボー」
カエルトンボー
「ああっ・・・ゾル大佐の言うとおりだ。本郷め 留守の間にこのアジトに
来るなんてな」
ネズミマムシ
「本郷め・・・そんなに子供達に会いたいなら会わせてやろう
チュチュウウウウン!」
そして二体の怪人は眠った本郷、朱里を運び出す。
数分後、本郷は意識を取り戻す。彼の回復力は人間の数十倍なので数分眠るだけで
体力を回復できるのである。
彼は目を覚ますと自分と朱里はガラスのようなケースにいた。
本郷猛
「はっ!? ここは」
そして本郷はそのケースから脱出する為にケースに殴りかかる。
本郷猛
「ふんっ!」
しかし・・・
(バリバリバリッ!)
本郷猛
「ぎゃあああっ!」
何とケースには高圧電流が流れており、それが彼にダメージを与えてしまう。
本郷猛は5万ボルトの電流にも耐えられるが、ダメージは受けてしまうのだ。
本郷猛
「くっ! 高圧電流の壁か・・」
地獄大使
「その通り・・・目が覚めたかね・・・本郷猛君」
するとケースの外にはいつの間にかゾル大佐と地獄大使が本郷の目の前にいたのだ。
本郷猛
「ゾル! 地獄大使」
ゾル大佐
「貴様がその檻から脱出しようとする事はすでに予想していたことだ
内部からの脱出は不可能だ」
地獄大使
「そしてあれを見たまえ」
本郷猛
「何ッ!? ・・・・はっ」
本郷は地獄大使の指さした方向を見るとそこにはゲルショッカー戦闘員の制服を
着て、自分達の時代の武器を持った数百名の子供達がいたのだ。よく見るとその中には雛
里、鈴々の姿も確認でき、近くでは暗黒魔術師が何やら呪文を唱えていた。
本郷猛
「こっ、これは!?」
ゾル大佐
「どうだね? 彼らは我々の怪人塾における殺人授業を全て修了し、ゲルショッカー
の正式な構成員にする為の卒業試験を今から受けるのだ」
本郷猛
「一体何をさせる気だ!?」
地獄大使
「知れたこと! 魏、呉の様な巨大な国をこの子供部隊に襲わせ、指定した特定の
人物を抹殺させるのだ さすれば、怨嗟の声がまた『太平要術』の書に蓄えられるはずだ」
ゾル大佐
「だが・・・その前にやるべき事がある。貴様に妨害されたお陰で、卒業試験合格後に投与すべき例の物を子供達に先に投与せねばならなくなった」
本郷猛
「まさか・・・」
ゾル大佐
「察しがいいな・・・今からゲルパー薬を子供達に投与する!」
本郷猛
「何だと・・・?」
ゾル大佐
「我々の殺人教育で彼らは優秀な構成員になり、そしてゲルパー薬を投与することで
決して組織を裏切る事のない戦闘マシーンになるのだ どうだね?素晴らしいとは思わないか?」
本郷猛
「止めろっ! 止めるんだっ!」
地獄大使
「はっはっはっ! そうだ悔しがれ! もっと悔しがるんだ! 儂は貴様が悔しがる顔をずっと見たかった。だが儂らが貴様から受けた屈辱はこんなもんじゃない! このケースの中で何も出来ないことに絶望するがいいっ!」
本郷猛
「貴様ら・・・」
その時、暗黒魔術師が近くにやってくる。
暗黒魔術師
「お二人とも。戯れ言はそこまでです。ゲルパー薬が届きましたよ」
地獄大使
「おお・・・そうか」
ゾル大佐
「本郷猛はどうする?」
暗黒魔術師
「連れて行きましょう。彼の怨嗟の声も役に立つはずです。」
地獄大使
「ワハハハハッ!さすがは暗黒魔術師殿だ!抜け目ないな」
そして暗黒魔術師は本郷、朱里をケースごとゲルパー薬のある場所まで連れて行った。
そこには時空を越えてゲルパー薬を運んできたワニマジロと戦闘員がいた。
ワニマジロ
「グワングワングワンッ! 久しぶりだな于吉!」
暗黒魔術師
「こっちこそお久しぶりですねワニマジロ・・・いや左慈」
暗黒魔術師がそういうとその怪人は人間態になる。
左慈元放
「ふう~・・・やっぱりこっちの世界じゃあこの姿が一番落ち着くぜ」
暗黒魔術師
「それで一文字隼人はどうしました?」
左慈元放
「心配するな。俺がきっちりぶっ殺したぜ! 俺の『砲弾スクリューボール』
をまともに受けて、生きているとは思えねえ」
本郷猛
「なっ!? 一文字が死んだ!?」
左慈元放
「てめえが本郷猛だな? 俺は左慈元放 滝の抹殺には失敗したが、てめえがアテにしてい
る一文字は死んだ。てめえは俺がぶっ殺してやる。今のうちに念仏でも唱えておくんだな」
左慈からそう聞いて本郷は唖然とした顔になる。もうどうする事も出来ないのか?
暗黒魔術師
「フフフフ・・・で、ゲルパー薬は?」
左慈元放
「大丈夫だ きちんとこの世界まで持ってきた さあ、さっそくガキど
もに投与しようぜ」
暗黒魔術師
「分かりました。では早速ゲルパー薬を出して下さい。」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイッ!」
戦闘員がゲルパー薬を出そうとしたとき、突如一人の戦闘員がそれを阻む。
?????
「セアッ! セアッ!」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイイッ!?」
予想していないこと事が起こった事にゾル達、そして本郷も驚き、ゾルはこう問い詰める。
ゾル大佐
「何の真似だ貴様!」
するとその戦闘員はこう言い出す。その声は私が忘れようとも決して忘れられない
男の声であった。
?????
「ゾル! 前にも言ったはずだ! 何度蘇ろうとも・・・・」
そしてその戦闘員は覆面と服を脱ぎ捨て正体を現した。
一文字隼人
「お前の望みは決して叶わない!」
ゾル大佐
「き、貴様は一文字隼人っ!?」
左慈元放
「馬鹿な!てめえは俺がぶっ殺したはずだ!」
暗黒魔術師
「何がぶっ殺したです!生きているじゃないですか!」
一文字隼人
「自分の技を過信しすぎていたようだな。あの時、お前の技がわずかにずれた
お陰で俺は一命を取り留めたのだ!」
左慈元放
「何ッ!? なんて悪運の強い奴だ」
地獄大使
「くっ! 本郷だけでなく、一文字までこの世界に来たか!」
一文字隼人
「ゾル! 地獄大使! 左慈元放! そして貴様が暗黒魔術師だなっ!? 悪魔に魂を売り、そして罪のない子供達にゲルパー薬を飲ませようとした貴様らだけは許さん!」
一文字は四人を指さし、そういった。
地獄大使
「ええいっ! 若造の分際で生意気な!」
ゾル大佐
「忌々しい奴め!」
暗黒魔術師
「どうやら、自己紹介は必要ないみたいですね ですが貴方はここで死になさい!
行きなさい! 戦闘員の諸君! イルカリラ!」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイイイイッ!」
イルカリラ
「ドルルルルルッ!」
戦闘員とイルカリラは一文字の後方にある川から姿を見せると、彼に襲いかかった。
しかし・・・
一文字隼人
「トオオッ!」
彼はとっさに攻撃をかわし、ジャンプする。そして一気に暗黒魔術師の後方まで向かって
いった。
暗黒魔術師
「あ、危ないっ!」
暗黒はとっさに避けた為、彼の蹴りは本郷、朱里を閉じ込めたケースに命中してしまい
(ガシャアアアアアアアアン!)
暗黒魔術師
「ああっ! しまった!」
地獄大使
「馬鹿者っ! 何をやっているんだ!」
一文字はすぐさま本郷の元に駆け寄りこう問いかける。
一文字隼人
「本郷 無事か!」
本郷猛
「一文字、生きていたのかっ!?」
一文字隼人
「話は後だ! とりあえず今はこいつらを倒すのが先決だ!」
本郷猛
「そうだな・・・いくぞっ!」
一文字隼人
「おおっ!」
本郷はまだ眠っている朱里を抱えると一文字と共にジャンプする体制に移った。
そして・・・・
本郷、一文字
『トオオオオオオオオッ!』
敵から離れた場所までいくと、本郷は朱里を後方の岩にもたれさせ、そして
彼らは変身する為のポーズを行う。
本郷猛、一文字隼人
『フンッ!』
【ピュイイイン!】
本郷猛
「ライダー・・・・」
一文字隼人
「変身っ!」
本郷猛
「変身っ!」
彼らの腰にベルトが現れ、一文字のベルトのシャッターが開くと、二人は同時に
跳び上がる。
本郷猛、一文字隼人
『トオオオオオオオオオッ!』
それぞれベルトから発する凄まじい光が彼らを包み込み、本郷を仮面ライダー一号
に、そして一文字を仮面ライダー二号に変えて、変身した二人がイルカリラ達の近くに
着地してきた。
(ピュイイイイン!)
(ピュイイイイン!)
(挿入曲:レッツゴー! ライダーキック)
遂に再会した二人の仮面ライダー、果たして子供達を助け出し、『怪人塾』計画を
阻止できるか!?
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本郷猛は桃香達に暗黒魔術師がかつて自身を苦しめたショッカーの大幹部たちを復活させ、今回の計画に関わっている事と、作戦には劇薬ゲルパー薬が用いられる事、そしてゲルパー薬の恐ろしさを伝える。そして朱里は親友である雛里、子供達を救う為自らおとりになる事を志願するが本郷に反対される。しかし彼女の熱意に負けた本郷は朱里におとり役を頼み子供達を救出するため、行動するのであった。