「えーっともう一度聞くけど、君は刀でいいんだよね?」
「むーっ、さくらです。そう呼んでくれないと答えません。」
そう言ってぷうっと頬を膨らませる。
正直、うざったい。
でも可愛い。
「わかったよ。さくらは刀でいいんだよな?」
「そうです。おばあちゃんにずっと預けられていました。」
腕をちょこっと組む。
「はっ、それならなぜここに、さくらはいるのですか?もしやあなたは泥棒っ?」
「そんなわけあるか。そのおばあちゃん、師匠が俺に預けたんだよ。」
全くふざけるんじゃない。
こんなもん預けてくるなよ。
俺は修行に出るはずじゃなかったのかよ。
「なるほど、それならあなたが、おばあちゃんの弟子ですね。おばあちゃんからいつも聞いていました。」
さくらはうれしそうに頷く。
「そうだ。だけど何故お前が俺に預けられた?」
さくらはこほんと咳をすると、もったいぶって言った。
「あなたは私を、私をつくった人に届けるのです。それがあなたの使命です。」
にっこりと綺麗に笑っていた。
「ふざけんじゃねぇ。」
「ひいっ、スイマセンすいません。」
「何で俺なんだよ。」
「だっておばあちゃんが…」
「師匠か、師匠のせいか。」
「おばあちゃんは悪くありません。とにかくあなたは私を送り届ければいいのです。」
そう言ってぷんすか怒る。
「鞘を貸してください元に戻ります。」
そう言って鞘をつかむと、元の剣に戻った。
もう動かない。
ただの刀だ。
「あー」
えーっと
「さっきから俺、刀としゃべってた?」
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読んでくださるとうれしいです。
五分小説です。
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