No.54793

刀と ~3

さん

http://www.tinami.com/view/54549 の続きです。
別に途中からでも大丈夫です。
読んでくださるとうれしいです。

五分小説です。

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2009-01-29 01:27:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:756   閲覧ユーザー数:736

「えーっともう一度聞くけど、君は刀でいいんだよね?」

 

「むーっ、さくらです。そう呼んでくれないと答えません。」

そう言ってぷうっと頬を膨らませる。

正直、うざったい。

でも可愛い。

 

「わかったよ。さくらは刀でいいんだよな?」

 

「そうです。おばあちゃんにずっと預けられていました。」

腕をちょこっと組む。

「はっ、それならなぜここに、さくらはいるのですか?もしやあなたは泥棒っ?」

 

「そんなわけあるか。そのおばあちゃん、師匠が俺に預けたんだよ。」

全くふざけるんじゃない。

こんなもん預けてくるなよ。

俺は修行に出るはずじゃなかったのかよ。

 

「なるほど、それならあなたが、おばあちゃんの弟子ですね。おばあちゃんからいつも聞いていました。」

さくらはうれしそうに頷く。

 

「そうだ。だけど何故お前が俺に預けられた?」

 

さくらはこほんと咳をすると、もったいぶって言った。

「あなたは私を、私をつくった人に届けるのです。それがあなたの使命です。」

にっこりと綺麗に笑っていた。

 

「ふざけんじゃねぇ。」

 

「ひいっ、スイマセンすいません。」

 

「何で俺なんだよ。」

 

「だっておばあちゃんが…」

 

「師匠か、師匠のせいか。」

 

「おばあちゃんは悪くありません。とにかくあなたは私を送り届ければいいのです。」

そう言ってぷんすか怒る。

「鞘を貸してください元に戻ります。」

そう言って鞘をつかむと、元の剣に戻った。

もう動かない。

ただの刀だ。

 

「あー」

えーっと

「さっきから俺、刀としゃべってた?」

 


 
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