復活! ゾル 死神 地獄 ブラック
ここはゲルショッカー三国時代支部本部司令室。
その本部にいる暗黒魔術師と戦闘員の前には四つの棺が置かれていた。
暗黒魔術師は太平要術の書を取り出すと、徐にこういう。
暗黒魔術師
「ふふふふ・・・邪眼様が仮面ライダー達に破れた後、あの発電所からこのお方達
を回収しましたが、かつて仮面ライダーを苦戦させたこのお方達を復活させ、お力
を借りればさらに『太平要術の書』に妖気を蓄えることができるはずです。『世界征
服』の野望を持ちながら、潰えた者達よ・・・・・・さあ、目覚めの時です」
そういうと暗黒魔術師は不気味な呪文を唱えはじめる。
暗黒魔術師
「エンガン・・ボエゾグ・・ラグアギ・・キギョヨ・・パセベガグ・・・アンボグ・・ビリゾゾ・・レギモン・・ダヂビズ・・ダダヂアギキタラ・・・ギギゾ・ガダゲジョオオオオオッ!」
すると太平要術の書は青く光り出し、その光は書から離れると四つに分離して、棺に降り
注いだ。
(バリバリバリバリッ!)
暗黒魔術師
「さあっ! 再び悪しき魂を得て蘇りなさい! 大幹部達よ!」
光を浴びた棺はしらばく帯電した状態になり、やがてガタガタッとゆれだすと・・
(バンッ!)
勢いよく棺の蓋が開き、中からそれぞれ、軍服を着て、眼帯をつけた男。
白い紳士服を着て、白い蝶ネクタイ、黒いマントを羽織った老人。
フナムシの様な格好、鷲のベルトをして鞭を持った男。
そして軍服を着て、胸に勲章。ゲルショッカーのシンボルマークが入ったヘルメット
をした男が出てきた。
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「・・・・・こ、ここは一体どこだ?」
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「儂らは確か忌まわしきライダーに倒され、地獄にいったはずだが・・・」
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「問題はなぜ儂らがここにいるのかだ・・・」
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「我が輩達は何者かによって再び命を与えられたのか?」
暗黒魔術師
「その通り。初めましてになりますね? ゾル大佐、死神博士、地獄大使
そしてお久しぶりですね? ブラック将軍?」
暗黒魔術師にそう言われるとブラック将軍は彼の方を見る。
ブラック将軍
「貴様は暗黒魔術師・・・」
そして四人とも棺桶から出て立ち上がった。
ゾル大佐
「ブラック将軍 貴方はこの男を知っておられるのか?」
死神博士
「誰だこいつは?」
ブラック将軍
「貴様らがしらんのも無理はない。こいつの名は暗黒魔術師。新しくゲルショッカーの大幹部になった男だ」
地獄大使
「何と・・・・ならここはゲルショッカーの本部なのか?」
死神博士
「そして、儂らに命を与えたのも貴様か?」
暗黒魔術師
「その通り。ただしここは日本でも貴方達の知っている世界でもありませんがね」
死神博士
「どういう意味だ?」
死神は鋭い目つきで暗黒魔術師を睨んだ。
暗黒魔術師
「そう怖い顔をしないで下さい死神博士 今説明しますので・・・」
暗黒魔術師は4人の幹部にこう説明する。ここは1700年以上昔の中国で
後漢の時代であること。 この世界では三国志で有名な英雄達が全員、可憐な
少女達であること。自分は首領にある物を作り献上する為に、この時代にゲルシ
ョッカー三国時代支部を設立し、その功績で大幹部になった事。
そして・・ゲルショッカーの敵である本郷猛こと仮面ライダー一号がこの世界に来て
おり、『天の御遣い』という救世主としてゲルショッカーに敵対していることを説明
した。
ゾル大佐
「信じられん・・ここが1700年以上前の別の世界の中国だと!? しかし、外の映像
を見せられては信じざるを得んな」
地獄大使
「本郷の奴も、この世界に来ておるのか!? ちょうどいい
奴は儂が自ら血祭りにしてくれるわ!」
(バシッ!)
地獄大使は鞭を地面に叩き付け、本郷に対する怒りをあらわにする。
死神博士
「あの忌まわしき本郷猛! 奴に倒されたこの悔しさ! 忘れよう
とも忘れられん!」
地獄と死神はかつて仮面ライダー一号に倒された悔しさを思い出し、地獄は鞭を
地面に叩き付け、死神は歯ぎしりしながら、暴れ出す。
暗黒魔術師
「落ち着いて下さい。倒された悔しさは理解出来ますが・・・」
二人
「「うるさい黙れ!」」
二人は怒りの余り、暗黒魔術師の声は聞こえていない。
戦闘員も動揺しはじめ、このままではゲルショッカーの指揮に関わると
思われたその時
ゾル大佐
「二人ともいい加減にしなさい! 幹部である我らがこの様な姿態を見せては
ゲルショッカーの指揮に関わる!」
ブラック将軍
「ゾル大佐の言うとおりだ! 貴様ら恥ずかしくないのか!」
二人の幹部にそう言われ死神博士と地獄大使は次第に落ち着きを取り戻し始める。
死神博士
「うっ・・」
地獄大使
「確かに、ここで儂らが暴れても意味が無い・・」
二人が冷静さを取り戻したその時
(ピイン・・ピイン・・・ピイン・・・)
ゲルショッカー首領の声
「ゾル大佐・・・死神博士・・・地獄大使・・・ブラック将軍よ・・」
ゲルショッカーのシンボルマークから首領の声がしてくる。
その懐かしい声に四大幹部はすぐに反応を示した。
ゾル大佐
「そ、その声は!?」
死神博士
「もしや・・・」
地獄大使
「ショッカー・・」
ブラック将軍
「ゲルショッカーの首領!?」
ゲルショッカー首領の声
「答えよ・・・再び命を与えられた貴様らが望むものはなにかを・・・」
ゾル大佐
「・・・はは・・・我らの望みは・・」
死神博士
「・・・ただ一つ」
地獄大使
「『世界征服』に・・・」
ブラック将軍
「ございます・・・」
ゲルショッカー首領の声
「ならば、今後は暗黒魔術師の命令を儂の命令として従い、怪人と戦闘員達
を指揮するのだ」
ゾル大佐
「首領の命令とあらば仰せのままに・・・」
死神博士
「そして『世界征服』成功の暁には仮面ライダーの首を貴方に捧げましょう」
ゲルショッカー首領の声
「頼むぞ・・・全ては儂が世界の支配者になる為に」
ゲルショッカー首領がそういった時
ゾル大佐
「ですがその前に・・・・」
ゾル大佐はある戦闘員に近づき、前にたつ。
ゲルショッカー戦闘員
「ギイ・・・?」
戦闘員は何だ?と思ったその時
(ピシッ!)
いきなりゾルに軽く鞭で叩かれてしまう。
ゲルショッカー戦闘員
「ギイッ!?」
ゾル大佐
「服装が乱れておる!」
何と彼は戦闘員の服装の乱れを指摘する為に近づいたのだ。
元々彼はショッカーでも服装と規律に厳しい大幹部であったのだ。
ゲルショッカー戦闘員
「ギ、ギイッ! も、申し訳ございません! ゾル大佐!(慌てて服装を整える)」
ゾルに服装の乱れを指摘された戦闘員は危ないと思い直ちに服装を整え始めた。
ゾル大佐
「服装の弛みは精神が弛んでいる証拠だ!私が蘇った以上、ゲルショッカーにおける
服装の弛みは絶対に許さん!」
地獄大使
「はははっ! 相変わらず堅い男じゃ!」
ゾル大佐
「そういう地獄大使殿もベルトが曲がっておられますぞ!それでは部下への
示しがつきません!」
ゾルは今度は自分よりも階級が高い地獄大使に服装が乱れていること
を注意する。
地獄大使
「おおっと! これは失礼! 三度も蘇ったからつい気が弛んでしまったわ
ワハハハハッ!」
ゾル大佐
「全く・・・貴方という人は・・・」
この地獄大使の脳天気ぶりにゾルも呆れて頭を抱えた。
そして地獄大使も示しをつける為に慌てて、ショッカーシンボルマーク
のベルトを整える。
死神博士
「ふん・・・首領の御前だというのに、くだらん漫才をみせるとはな」
大幹部の中で最年長である死神博士はゾルと地獄のくだらないやりとりに
あきれていた。
ブラック将軍
「全くですな死神博士。今は仲間同士で漫才をしている場合ではない!」
ゾル大佐
「分かっておりますよ」
その時暗黒魔術師が四大幹部にこう話し始める。
暗黒魔術師
「では復活早々、申し訳ありませんが『太平要術の書』に妖力を多く蓄える
為にも我々はこの世界の人間どもの怨嗟の声を集めなければなりません。それ
にはかつて仮面ライダーを苦戦させたあなた方の力が必要です。まずはゾル大佐
、地獄大使」
ゾル大佐
「何だ?」
地獄大使
「儂らは何をするのだ?」
暗黒魔術師
「貴方がたにはある怪人を指揮してもらいます。入りなさいイルカリラ」
暗黒魔術師がそういうと、イルカとゴリラを合成したような怪人が入ってくる。
イルカリラ
「ドルルルルルルル・・・・・」
地獄大使
「暗黒魔術師、この改造人間は?」
暗黒魔術師
「彼の名はイルカリラ・・・催眠術を得意とする改造人間です。」
ゾル大佐
「催眠術だと?」
暗黒魔術師
「今から彼のお力をお見せしましょう。連れてきなさい」
すると、今度は戦闘員に連れられて、この支部で奴隷として働かされていた
男が入ってきた。
「く、くそ! 離せ! 離しやがれ!」
暗黒魔術師
「イルカリラ・・貴方の催眠術でこの男を操ってみせなさい」
イルカリラ
「ドルルルル・・かしこまりました暗黒魔術師様」
イルカリラはそういうと、男の前に立つ。
「ひいいいっ」
するとイルカリラは手を男に向け、怪しげな動きをみせると、それと同時に怪しい
怪音波が男の中に入ってくる。
「(な、なんだ?・・意識が段々遠く・・・)」
イルカリラ
「うろたえるな・・俺の目を見ろ・・・今からお前はゲルショッカーの手先として
働くのだ・・・さあ、ゲルショッカーの為に働け・・・」
「・・・ゲルショッカーのためにどんなことでもします。」
あっという間にその男は洗脳されてしまう。
ゾル大佐
「これは見事だ あっという間に催眠状態になった」
地獄大使
「これからこの改造人間を使って何をする気だ?」
暗黒魔術師
「それはですね・・・・」
暗黒魔術師は二人に作戦の内容を説明すると・・・
ゾル大佐
「なるほどそれは面白い」
地獄大使
「それなら本郷も迂闊には手はだせまい」
暗黒魔術師
「では任せましたよお二方。」
ゾル大佐
「分かった」
地獄大使
「ハハハッ! この地獄大使に任せたのだ。大船に乗ったつもりでいろ」
暗黒魔術師
「フフフ・・・期待を裏切らないで下さいね では私は用事がありま
すので・・・」
暗黒魔術師は司令室にある通信機を使い、どこかに連絡しようとしている。
果たしてどこに連絡しようとしているのか?
そして暗黒魔術師の立てた計画とは一体?
つづく
ワニマジロ
「物語も一時現代編に戻り、戦いははますます激しさを増す。次回はいよいよ
この俺ワジマジロの出番だ! くくく・・首領の期待に応える為にも仮面ライダー二
号を俺の『砲弾スクリューボール』でぶっ飛ばしてやる。次回『装甲怪人ワニマジロ』
を絶対見ろよ! グワングワングワン!」
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洛陽内で『太平要術』に吸収させた人々の怨嗟の声を持ち帰った暗黒魔術師。そして彼はそれを使ってかつて仮面ライダーを苦しめた4人の恐るべき悪魔を蘇らせようとしていた。