No.544556

ALO~閃光の妖精姫~ 第11魔 男の戦い?

本郷 刃さん

第11魔です。
黒衣衆会議の後の刻と直葉の視点になります。

どうぞ・・・。

2013-02-15 09:58:26 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:14523   閲覧ユーザー数:13407

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第11魔 男の戦い?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刻Side

 

黒衣衆の皆で集まったあと、自宅へと帰ったボクは庭先で少しばかりの鍛練を行う。

2mは超えている棒を型通りに振り、突きや振り回しなどを行ったっす。

そして昼食を取るとスグが通う学校へと向かった。

早い話しがボクを含む『神霆流』がSAOに囚われるまで通っていた中学校である。

スグを迎えに行くついでに、懐かしい自分の学校を見てみようかと思った次第っす。

 

「そいじゃ、行くっすか」

 

ボクはMTBに乗って中学校へと向かってみた。

 

刻Side Out

 

 

 

直葉Side

 

午後1時半。剣道部の顧問からの指導を終えて、現在は帰宅するところである。

自由登校である3年のあたしは推薦進学組なので、あとはこのまま家に帰るだけだ。

最近は(すこぶ)る調子が良い、全日本大会で上位に入ったことのある顧問から何度も勝利を挙げている。

思い当たる理由は1つ、刻君との試合と鍛練だと思う。このことを刻君に話そうかな?

そう考える中で、今日は3時から明日奈さんと刻君、ユイちゃんの4人で央都アルンへと向かうことになっている。

お兄ちゃんの救出を目的としているので事態は急を要する為、今から内心緊張気味なのは内緒だ。

色々と考えながら自転車置き場に向かっていると、

 

「リーファちゃん」

 

「わっ!? び、びっくりさせないでよ、長田君……それと、学校ではその名前で呼ばないで…」

 

あたしのゲーム内での名前を呼びながら学校の壁から出てきたのは、同級生の長田慎一君だった。

彼こそがレコンである。

 

「ご、ごめん、直葉ちゃん…」

 

「……………」

 

「い、いや、ごめん桐ヶ谷さん」

 

名前にちゃん付けで呼ばれたので竹刀ケースに手を添えながら一睨みすると、すぐさま謝罪と訂正をした。

刻君にだって名前にちゃん付けで呼ばれたことないのに……などと思っていたりする。

 

「それで、何か話があるんじゃないの? 推薦組のあんたがここにいるってことは、そういうことなんでしょ?」

 

「あ、うん…。今日はALOどうするのかなって。久しぶりに一緒に狩りにいかない?」

 

「あ~、ごめん。あたし、今日からアルンに向かうのよ。

 ルナ君と昨日パーティに参加したウンディーネの女の人と一緒に」

 

正しく情報を伝えないと彼は何かを勘違いしかねないから、ちゃんと伝えておく。

 

「そういえば前に言ってたね、アルンに行くって」

 

「まぁそういうわけだから、ごめんね」

 

肩を落とす長田君にあたしは苦笑して答える。

 

「じゃあ僕も追いつけるようにするよ……あ、そうだ。

 シグルドについてなんだけど、やっぱりおかしいところがあるんだ」

 

肩を落としたのも束の間、真剣な表情で内容を話してきた。

シグルドは政治手腕が高く、シルフ領主のサクヤの片腕でもあり、また戦闘の腕前もかなりの実力者だ。

あたしでも勝つのには非常に苦労する。

まぁ、刻君や明日奈さんの戦い方を見せられたらそうでもないと思ってしまうけれど…。

そのシグルドがPT狩りに出る時に、あまりにもあっさりと負けすぎているとのこと。

それ自体は前にも聞いたけれど、最近は回数も多すぎるということらしい。

 

「取り敢えず、僕はもう少しシグルドを探ってみるよ。何かわかったらメッセージとか飛ばすから」

 

「ん、ありがと。それじゃあ、あたしそろそろ帰るね」

 

「あ、ちょっと待っ「お~い、スグ~!」へ?」

 

長田君にお礼を言って帰ろうとしたら、彼が何かを言おうとしたけれど、

そこで聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「スグ、迎えに来たっすよ」

 

「刻君♪」

 

刻君だった、言葉通りにあたしを迎えに来てくれたようだ。あ~、凄く嬉しいなぁ///

 

「ありがとう、刻君。大変じゃなかった?」

 

「この程度じゃ疲れないっすよ……ん、彼…どこかで見た気が…?」

 

あたしの言葉に笑顔で返答した刻君だったけれど、長田君を見て何かを考えている。

そうだ、彼がいるのを忘れてた!?

 

「えっと、ルナリオ君…だよね? ゲームと、同じ…」

 

「ん……あ、レコンっすか!? そうっすよ、なんか面影があるんす!」

 

長田君は驚きのあまり固まり、刻君は何故か頷いている。ここはまず混乱を抑えよう。

 

「刻君、彼は長田慎一君。同級生であたしにVRMMOのことを教えてくれたの、あとはレコンでもあるわ。

 長田君、彼は月乃刻君。あたしの幼馴染でルナリオ君ね」

 

「改めてよろしくっす」

 

「あ、どうも…」

 

あたしが紹介したことで長田君は落ち着いたみたい、良かった。その時だった、

 

「あの…月乃君ってもしかして、この学校の1年2組だった?」

 

「そうっすけど、同じクラスだったっすか?」

 

「ううん。僕は1組だったけど、月乃君の名前を聞いたことがあったから…」

 

長田君がそう話し始めた。確かに刻君はお兄ちゃん達と共に学校内では有名だった(強さが)。

 

「まぁボクは半年間しか通えなかったっすけどね。SAOに囚われたっすから」

 

「と、刻くん!?」

 

彼が自嘲気味にそう言い放ったので、あたしは驚いた。

 

「よ、予想は出来たけど、そういうこと、僕に言っていいの?」

 

「構わないっすよ、長田君は良い人みたいっすからね」

 

長田君は動揺した様子だけれど、刻君はあっさりと答えてみせた。

彼やお兄ちゃんのこういうところには毎度驚かされる。

確か人の本質を見抜くということだったと思うけど…。

 

「そうだ、スグ。ボク達がアルンに向かうこと、彼には?」

 

「あ、伝えたよ。調べものをしてから合流するって」

 

「うん、一応そういう方針です」

 

刻君が思い出したかのように訊ねてきたのであたしが答えると、長田君も頷いてきた。

 

「じゃあ、そろそろ帰るっすか?」

 

「そうだね。それじゃあね、長田君」

 

「またっす」

 

「あ、うん、さよなら」

 

刻君はMTBに乗り、あたしは自分の自転車に乗って学校をあとにした。

 

「………お茶に誘えなかった…」

 

ということを長田君が呟いていたことをあたしは知らなかった…。

 

直葉Side Out

 

 

 

刻Side

 

「そういえば、長田君はなんて言ってたっすか?」

 

「え?」

 

信号が赤になっているので青に切り替わるのを待っている間にスグに訊ねてみたっす。

 

「なんか話していたんじゃないんすか?」

 

「うん…。例のシグルドがやっぱり怪しいってことだったの。それと何かあったみたいだけど…」

 

「あ~、そうっすか。いや、ならいいっすよ」

 

スグの様子からして特に何かあったわけでもなさそうだ。

ん~、男の嫉妬は見苦しいっすかね~?

スグが彼と話していただけで嫉妬とは、和人さんとかどうしてたんすかね?

今度志郎さんや烈君、公輝さんにも聞いてみるっす。

 

「刻君、信号変わるよ」

 

「了解っす」

 

信号が青に変わり、ボクとスグは自宅へと進んだ。

 

 

 

スグを送るとボクも自宅に着き、軽めの服に着替えるとナーヴギアを被ってベッドに寝転がった。

今はとにかく、和人(キリト)さんを救うことが先決っす!

 

「リンク、スタート!」

 

刻Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

はい、男の戦い?でしたw

 

対面した刻と長田少年、直葉にとって片や想い人、片や同級生、勝敗は火を見るより明らかw

 

ここは少し書いてみたかった場面なので満足しました♪

 

次回からは完全にALO中心になります。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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