No.543443 いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生したたかBさん 2013-02-12 22:00:29 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:5723 閲覧ユーザー数:5155 |
第百八話 イチゴ牛乳はおいて無い。
アリサ視点。
「…う~ん。桃子。そ、それは俺が届ける!」
「…や、やめろ、忍!…俺達は敵じゃない!」
「グッバイ・マイ・ウイング~!」
私とすずかが温泉から上がると、恭也さん。士郎さん。高志の三人が座敷部屋で座布団を枕にしてうんうん唸っていた。…何かシンクロしていない?
というか、放っておいていいの?
桃子さんと忍さん。そして、プレシアさんが目で『放っておけ』と言っているようにも見えた。
「え~、では皆、今回は主催者が撃沈してはいるが事件解決を祝して乾杯!」
「「「「「かんぱ~い!」」」」」
いいの!
一応、お嬢様で幾つものパーティーに参加したことはあるけど主催者がこんなにまで酷い目に会っているのに陽気に始めようとして?!
「アリサにすずか~。他の二人はとにかくタカシの奴はいつもこんなだよ」
「そ、そうなの?」
そうなの?!
いつもこんなにひどい目に会っているの?!
「でも…。高志君、戦闘はもっと酷い目にあっているよ」
「そうだね。いつも模擬戦でもボロボロ。本当に体力の限界まで戦うから、戦わなくても戦ってもボロボロだよ。だから、今はまだマシなほうかな」
アルフは既に鳥の丸焼きを確保しながらそう説明すると、フェイトが補足してくる。
「今、思うとアサキムに対抗するべき力をつける為だったかもしれないな…」
「…アサキムって」
すずかと私は高志が苦手だと言っていた黒装束の男の人を思い出した。
ヴォルケンリッターの皆に酷い事をして、ここにいる魔導師の皆が束になってどうにか倒せるという人だ。
あのシャマルさんを斬り倒した時の笑い声を思い出した私とすずかはその時のことを思いだして、少しだけ身震いをした。
その様子を見たのか、シグナムさん達が説明する。
「だが、奴は何とか倒した。これであいつからの脅威は去ったとも言ってもいいな」
「そうだな、さすがにアルカンシェル吹き飛ばせば頑丈なアイツもただじゃ済まねえよ」
「ちなみにアルカンシェルと言うのはものすっごい魔法の大砲と思ってくれてええよ」
「…そっか。それなら、もう皆は戦わなくてもいいんだよね」
「そうなるわね」(とはいえ、タカはそのことを聞いても何か思い当たる節があるみたいに喜んでいなかったけど…)
すずかの言葉にプレシアさんが答えた。
その答えに私達二人はほっと一息をついた。
「でも…」
「「でも?」」
「不器用なこの子に『戦闘以外』で役立つことなんてあるかしら?」
「「「「「うっ」」」」」
何故かヴォルケンリッターの皆さんが体をびくつかせる。
「なのはちゃんやフェイトちゃん達は『管理局』に入るの?」
「うん。この魔法の力を役立てたいから!」
「私も…。沢山の人に助けられてきたから…」
「私も一緒や。ただ、私の場合は聖王教会とかいう組織になりそうやけど…」
少し前までは将来について悩んでいたのに今は私よりも真っ直ぐに将来を見据えていたなのはの目の光はとても力強く感じた。
と、ここで気絶していた三人が一斉に目を覚ました。
「「「…あいつ、歌舞いてやがる」」」
気絶していた時に見ていた夢の内容を聞きたい。
きっと三人とも同じ夢を見ていたんだと思った。
高志視点。
気絶から目が覚めて食事を済ませた後、カラオケを楽しみ、それぞれの部屋でゆっくりとしている。と、喉が渇いたので飲み物を求めて俺は男性部屋から出る。
一応、一言入れてから出て自販機が置いてある所に行くとそこにユーリとマテリアル達、そしてリインフォースとはやてがいた。
「よっ」
「あっ。お兄ちゃん、ボンバー!」
俺に気がついたレヴィと目があったので声をかけるとレヴィは先程のカラオケで俺が歌ったファ○ヤー○ンバーの歌を気に入ってくれたようで未だにハッスルしている。
実はこの世界にファイ○ーボ○バーの歌が無い。それを知った時、俺は思わず『ヤックデカルチャー!!?』と叫んでしまった。
そこから、ブラスタを起動。俺の記憶にある歌詞とリズムをまとめ上げて、カラオケマシンに直結!『俺の歌を聞け!』。メドレーで!
その結果、男性陣の全員はもちろん。女性陣ではなのは・ヴィータ・マテリアル組が最後にはノリノリだった。
さすがにバ○ラじゃない俺では女性メンバーの心を動かすことは出来なかった…。だが、はやてとシグナムはもうちょっとだったのは確かだ。
メドレーの後半部分で、日本語訳すると『天使の声』を歌っていると『クオーンッ♪』という鳴き声が聞こえた時は『宇宙クジラ』が来たのか?!とびっくりした。が、それは俺の歌に惹かれて、この温泉に泊まりに来ているもう一組のお客さんの連れてきた金髪で背の小さい女の子の声だった。
その女の子の連れはお正月でお清めをしてもらった巫女のお姉さんだった。そして、もう一人はこの世界では『天使のソプラノ』といわれるほどのアイドルがお忍びで来ていたらしい。
そこからその三人も混ざって大宴会は続き、月村姉妹、高町母娘はそのお忍びのアイドルからサインをもらって歓喜の悲鳴を上げていたのはいい思い出だ。
「『進撃の恋心』をもう一回歌って!」
「喉が痛いから駄目。それにもう遅いから…」
そして微妙に間違っているぞ。まるで巨人に向かって歌う恋歌みたいじゃないか…。
…原作でもあったな。そんな場面。何気に間違えてなかった。
「…我的には『銀河乱舞』だな」
「私は『夢からの力』です」
「私は『天使の声』ですね。久遠ちゃんと何度も歌っちゃいました」
「私とリインは『もう一度』やね」
「あの歌と歌詞は活力になりますね」
君達わざと間違えているね。…もう、いいよそれで!
で、なんで皆がここにいるのかと言うとリインフォースの『悲しみの乙女』のスフィアに関してのことだった。
「私は、私のスフィアは『エグザミア』と一緒にあったから完全に融合することなくあなたに引き抜かれても何とかなりました。だけど…」
「そこの融合騎は違う。…我と小烏で調べたが完全に融合しておる。『傷だらけの獅子』のお主がユーリの時のようにスフィアを剥ぎ取った瞬間…」
「そこの融合騎は消滅するでしょうね…」
っ?!それは…。
一瞬気落ちしそうな雰囲気だったがレヴィの一声でそれが吹き飛ぶ。
「でも大丈夫だよね。だってお兄ちゃんがどうにかしてくれるよ!あんなに元気が出る歌が歌えて、僕達を助けてくれたもん!だから、クロハネは大丈夫!」
「…っ。そうだな」
その言葉に感動したのかリインフォースはレヴィを抱きしめる。わぷわぷと言っているレヴィがとてもいい子に思えた。
さすが、フェイトを元にした女の子!この子も俺の娘にしたいわ!可愛いわ!
思わず、おねえ風に感想を述べてしまったが、それだけこの二人の様子はほほえましかった。
「任せろ!現『傷だらけの獅子』、沢高志!『悲しみの乙女』、リインフォースの悲しい運命は壊して、新しい運命に『作り直す』!祝福の風はずっと吹き続けるさ!」
まあ、未だに反応のない『傷だらけの獅子』のスフィア頼りになるんだけど…。
慣れないキザな台詞は仕方ない。下手に言うと不安がらせてしまうし…。
「…そんなキザな台詞。似合わないぞ」
「ですが、何故かできそうですよね。前例がある分…」
「私達は明日、エルトリアに向かいますがそこに行っても成功を祈っています」
「絶対大丈夫だよ!…クロハネ、溺れる。おっぱいに溺れる」
マテリアルの皆は俺でも分からないスフィア対処が絶対に成功すると応援してくれる。その応援が嬉しいのかリインフォースは更にレヴィを抱きしめる。
ちなみにレヴィはリインフォースをクロハネ呼ぶ。その方がカッコいいからっ。との事。
…これは失敗できないな。
そして、レヴィが羨ましい。俺も溺れたい。おっぱいに。
「………ありがとな。高志君。私は、クリスマスの頃から助けられっぱなしや」
そんな中はやてが満面の笑みを浮かべながら俺にお礼を言う。
それが何だかくすぐったいから俺は照れ隠しではやてをからかった。
「なんども同じことでお礼を言うな。いつか本能寺されても知らないぞ、家康」
「………。…やねん」
「…家康?」
不意に顔を下に向けて語気が弱まったはやてが電動車椅子を操作して俺に近付いてくる。
俺のすぐ目の前まで移動すると同時に俺の胸ぐらを掴み上げた。
「なんでいつまで経っても家康やねん!うちははやてや!は・や・て!」
「あ、主…」
今にも喧嘩になりそうだと思ったのかリインフォースが止めに入ろうとしたが、はやての勢いは彼女の制止すらも躊躇わせるものだった。
「し、仕方ないだろ!何度も何度もお礼を言われる身になってみろ!恥ずかしくて顔から火が出るぞ!」
「何度でも言いたいほど感謝してるんや!」
前世でもここまで人に感謝されたことが無い。それにどちらかといえば迷惑をかけてきたことの方が多いからこういう事には本当に慣れてない。
それにはやては今は子どもとはいずれは美人になる要素を九歳という時期でも醸し出している美少女だ。
そんな女の子にあんな風にお礼を言われるとロリじゃなくても照れる。
「それにアリシアちゃん達やクロノ君達は名前で呼んでいるのに私だけなんて贔屓や!だから…」
はやては魔力を込めて腕力を上昇させ、俺を自分の所に
クロノ視点。
「…ん。あ、戻ったのか?もうそろそろ明かりを消そうと思っていたんだが。大丈夫か?」
「…んあ?!あ、ああ、大丈夫だぞ!」
なんだか顔を赤くしながら呆けた様子で部屋に入ってきたタカ。
…確か、飲み物を買いに行ったんだよな?
「大丈夫か、顔が赤いが?飲み物を買いに行っていただけなんだよな?」
「あ、ああっ。うんっ。美味しい
「?…そうか」
僕も昨日の疲れがまだ残っていたのかこれ以上は追及はせずに部屋の明かりを消す。
…イチゴ牛乳か。
明日、朝になったら僕も飲むか。
ヴィータ視点。
温泉に入って、カラオケも楽しんだ翌朝。
自分でも珍しく早起きした私は、朝の温泉を楽しみむ為に廊下を歩いていたらクロノが自販機の前で首を捻っていた。
「ん、どうしたんだクロノ?自販機相手に首を捻って?」
「ん、いや。イチゴ牛乳を探しているんだが見つからなくてな」
「ん~、入口の方のじぇねえか。あっちにもあったと思うぞ」
「む、そうなのか。なら、帰りにでも買うか。すまんなヴィータ」
「ん~」
と、クロノはイチゴ牛乳を諦めて部屋へと戻っていった。
それを見送りながら私ははやてとおそろいの
まあ、どうでもいいことだがクロノが探しているイチゴ牛乳。
それは、今の時期。この旅館にはおいて無いそうだ。
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