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遊戯王アイドルマスターフォース 第15話 突然の襲来 バリアン戦士、アリト現る!

アステルさん

お久しぶりです。リアルでは大変な事が発生しました。

1つ、使用していたパソコンが壊れました。HD粉砕しました。まあ何とか修復出来たので良かったのですが、データは…無い。やむ終えず、本来なら15話のプロットは出来てましたが、完全に入れ替える形になりました。ちくしょー。
2つ、体調を崩しました。結構面倒な症状で、毎回病院に通っています。体調崩した日はマジで最悪な日でした。あれは悪夢だ…
3つ、仕事先が変わりました。どういう…事だ?

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2013-01-23 22:48:08 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2535   閲覧ユーザー数:2485

 

遊馬は立ち止っていた。そこは狭い道で、一度でも足を踏み外せば二度と地上に戻れない程、暗闇に包まれていた。

そして遊馬の前方に、門があった。その門は、固く閉ざされており、顔の模様がある。

 

「これは…あの時の」

 

かつて遊馬は、この門を乗り越え新たな力を手にした。それ以来、この門を見ていない。

 

『この扉を抜けた者は、時空の狭間にある時間の記憶を与える。だがその代償として、その者は希望の光を失う』

「希望の…光?」

 

遊馬がそう言った途端、道が崩れる。遊馬は逃げられず、その暗闇に落ちていく。

 

「うわああああああ!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

「!?ったた…」

 

ベットからずれ落ちた遊馬。窓を見ると、どうやら朝になっていた。ここは961プロ専用のマンション。霊夢と魔理沙のルームである。寝室は2つあり、1つは遊馬が使用している…と言うより、借りているが。

 

「何だったんだ…あの夢は?」

 

推理しても全然分からず仕舞いである。この意味が一体何を示しているのか…

 

 

 

3人称side

 

身支度を整え、朝食を食べた後、遊馬とアストラルは再び961プロにやってきて、文がいる秘書室にやって来た。すでに中に入り、会話をしている。ちなみに、霊夢と魔理沙は仕事のため不在。霊夢は渋々だったそうだが。ちなみにデュエルに関する事らしい。

 

「お疲れの所すいません。今日お呼びしたのも2つの要件があるのです」

「2つの要件?」

「まず1つですが、大会に至ってのデュエルルールです。今までのデュエルでは、ライフが4000で統一されてましたが、大会ではライフは8000でスタートになります。最近1キルに特化している時期ですので、少しでもそれを抑えるため、今回の判断になりました」

 

現実ライフですね。分かります。

 

「それから、この大会に至って確実に『No』の存在が全世界に知れ渡ります。霊夢さん、魔理沙さんが一緒と言えど、油断は禁物です。注意してください」

「ああ。分かったぜ」

「では2つ目です。実はここ最近ですが、アイドルやデュエリストが襲撃されている情報です」

「襲撃!?」

「ええ。何者か分かりませんが、襲撃されている事は確かです。中には行方不明者もいるそうです」

 

何と物騒な話…まあ遊戯王なら良くあることだが。

 

「推測ですが、遊馬君以外の『No』の所有者を探している可能性が高いです。現に、876プロのアイドルである、『日高愛』さんと『水谷絵里』さんが、昨日襲われたそうです」

『876プロ…知名度はこちらに比べて薄いが、実力は中々のものと聞く。この襲撃、ただ事では無いな』

「それで、その二人は?」

「病院に搬送され、現在は入院中です。そのため、876プロはしばらくの間活動停止になりますね・もう一人のアイドルの方もいますが、あんな事があったため、しばらくは休止ですね。」

 

これは相当不味いのでは?

 

「幸い、まだ961プロから被害が受けてないですが、油断は禁物です。これも注意が必要です」

「そうだな…分かったぜ!」

 

これで話が終わったかと思われた時

 

『!?これは』

「どうした、アストラル?」

 

その時、場が白黒の景色に変わっていく。あらゆる物・風景も。

 

「な、何ですかこれ!?」

「俺が知るかよ!?」

 

遊馬と文が焦る中、アストラルは何かを考えている様子。そして、何かを思い出したかのような表情をする。

 

『これは…まさかバリアンの力!?』

「ば、バリアン!?」

 

何故、この世界でバリアンの力が?その時。

 

「やっと見つけたぜ。全く、こんな方法じゃなくて、正攻法で探せば一番見つけやすいけどな。でもまあ、周囲の事を考えてると、仕方ないよな」

 

秘書室から声が響いた。そこから、謎の空間が現れ、一人の少年が姿を現した。

その少年は、褐色肌で遊馬と同じ制服を着ている。左腕に独自のD・パットが装備されている。だが、それは通常のD・パットと異なるデザインをしている。

 

「だ、誰だ!お前は!?」

「俺か?俺は『アリト』。バリアンと言えば分かるか?」

「な、バリアンだって!?お前が!?」

 

バリアン…それは元の世界で遊馬達が対峙している勢力。アストラル界とは別の、もう一つの異次元世界。アストラル界を滅する為、人間界で何らかの行動をしている。

 

『何故この世界に奴らが…』

「!成程、お前が噂に聞いていたアストラルか。あいつの言うとおり、九十九遊馬に居たのか」

『私が見えるのか…』

 

アリトと名乗る少年は、普段は遊馬ぐらいしか見えないとされるアストラルが見える。やはり、バリアンと見て判断しても良いだろう。

 

「え?遊馬君の隣に、何か浮いてますよ!?どうなってるんですか!?」

 

と、文が驚いた表情でアストラルを見ている。どうやら、文もアストラルが見えているらしい。先ほどまで全然見えてなかったが。

 

「一体どうなってるんだ!?」

『まさか、この空間がそうなのか?』

 

恐らくそうだろう。ただの空間とも言えない。バリアンの力で作られた空間の可能性が大だ。

 

「ま、取りあえず俺の要件はただ一つ。九十九遊馬、俺とデュエルだ!」

「俺とデュエル?」

『狙いは『No』だな』

「その通りさ。その為に、邪魔が入らないようこの空間を作り上げたんだ。と言え、邪魔が一人いるけどな」

 

アリトの言う事が本当なら、この空間を抜け出すにはデュエルに挑む必要があるようだ。

 

「分かった。お前がそれで良いのなら、このデュエル、受けて立つぜ!!」

「なら、私も手を貸します。この空間を抜け出すにも、結局はデュエルしなければ抜け出せない以上、手を加えて見るのも私としても嫌な方ですし。それに、彼には聞きたいこともあるので」

「へへ。良いぜ。2人まとめてかかってきな!」

 

話は決まったようだ。変則タッグデュエルでの開始である。

 

「「「デュエルディスク、セット!!!」」」

 

3人のD・パットが展開する。

 

「「D・ゲイザー、セット!!」」

 

遊馬と文にD・ゲイザーがセットされる。アリトは、左目が赤くなる。そしてAR空間が発生する。

 

<ARビジョン、リンク完了>

 

「「「デュエル!!!」」」

 

 

九十九遊馬 【エクシーズ・ワンターンキル】 手札5 デッキ35 墓地0 除外0 エクストラデッキ15

射命丸文 【紋章BF】 手札5 デッキ35 墓地0 除外0 エクストラデッキ15

LP8000 後攻

アリト 【BK】 手札5 デッキ35 墓地0 除外0 エクストラデッキ4

LP8000 先行

 

 

変則タッグデュエルルール

基本はTFルールと考えてもらいたい。ただし、墓地と除外は共通では無い。順番は、アリト⇒遊馬⇒文⇒アリトのループ。

バトルフェイズは最初の遊馬のターンから開始される。

モンスター効果を使う場合、遊馬と文は元々の所持者のコントローラーでなければ使えない。表示形式・攻撃・素材は可能。ただし、リバースカードの発動はどちらでも可能。

手札制限とかはそのまんま。ドロー枚数もそのまんま。大体のところは変わっていない。

 

 

「先行は俺が貰う!俺のターン、ドロー!」 手札5⇒6 デッキ35⇒34

 

今までとは違うフィールドで戦う以上、何が待ち受けているか分からない。気を引き締めなければならない。

 

「俺は『BK ヘッドギア』(ATK1000/☆4)を召喚!」 手札6⇒5

 

 

BK ヘッドギア 炎属性 戦士族 ☆4 効果 OCG

ATK 1000 DEF 1800

このカードが召喚に成功した時、デッキから「BK」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る事ができる。

フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードは、1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。

 

 

アリトの場に、ボクサーと呼べる戦士モンスターが現れる。ちなみに、作者はボクシングの知識はほぼ皆無に近い。当たり前のことだが。

 

「『BK』?初めて見るカードですね…」

『気をつけろ2人とも。奴は必ず何かを仕掛けてくる筈だ』

「ああ。分かってるさ」

「『ヘッドギア』の効果発動!こいつが召喚に成功したとき、デッキから『BK』モンスター1体を墓地に送る事が出来る。こいつの効果で、俺は『BK グラスジョー』を墓地に送るぜ」 デッキ34⇒33 墓地0⇒1

 

何と言う『終末の騎士』効果。何故だ?『BK』から『BF』臭を感じる…

 

「さらに、俺の場に『BK』と名のついたモンスターが存在し、このターンのバトルフェイズを放棄する代償に、手札から『BK スパー』(ATK1200/☆4)を攻撃表示で特殊召喚できる!来い、『BK スパー』!!」 手札5⇒4

 

 

BK スパー 炎属性 戦士族 ☆4 効果 OCG

ATK 1200 DEF 1400

自分フィールド上に「BK」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚した場合、このターン自分はバトルフェイズを行えない。

 

 

またも、『ヘッドギア』に似ているモンスターが現れる。

 

『1ターン目は、いかなるプレイヤーでもバトルを行う事は出来ない。それを逆手に取ってくるとは』

「そして、彼の場にはレベル4モンスターが2体」

「エクシーズ召喚か」

「早速行かせてもらうぜ。俺は、レベル4の『BK ヘッドギア』と『スパー』でオーバーレイ!2体の『BK』モンスターで、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!!」

 

2体のモンスターが属性の光となり、アリトの場に出現した亜空間に吸い込まれる。

 

「魂に秘めた炎を拳に宿せ!『BK 拘束蛮兵リードブロー』(ATK2200/ランク4/ORU2)!!」 エクストラデッキ4⇒3

 

 

BK 拘束蛮兵リードブロー 炎属性 戦士族 ランク4 エクシーズ・効果 OCG

ATK 2200 DEF 2000

「BK」と名のついたレベル4モンスター×2

自分フィールド上の「BK」と名のついたモンスターが戦闘またはカードの効果によって破壊される場合、その破壊されるモンスター1体の代わりにこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事ができる。

また、このカードのエクシーズ素材が取り除かれた時、このカードの攻撃力は800ポイントアップする。

 

 

これもまた、ボクサーに似ているが、やたらと体に拘束されている器具を装備されている。

 

『1ターン目からエクシーズ召喚か…』

「明らかに、厄介な効果を持っている筈ですね」

「俺はカードを2枚セットして、ターンエンドだ」 手札4⇒2

 

準備の方は万端と言えるアリト。ここから遊馬と文はどう攻める?

 

「行くぜ!俺のターン、ドロー!」 手札5⇒6 デッキ35⇒34

「(今回の変則タッグデュエルは、このターンからバトルが可能になる。遊馬君次第ね)」

「俺は『ガガガマジシャン』(ATK1500/☆4)を召喚!」 手札6⇒5

 

お馴染みの『ガガガ』先輩が登場しました。

 

「更に手札から魔法カード『破天荒な風』を発動!」 手札5⇒4

 

 

破天荒の風 通常魔法 OCG

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力・守備力は、次の自分のスタンバイフェイズ時まで1000ポイントアップする。

 

 

『ガガガマジシャン』に、風が吹き上がる。

 

「こいつの効果で、『ガガガマジシャン』(ATK1500⇒2500/DEF1000⇒2000)の攻撃力と守備力は、次の俺のスタンバイフェイズまで1000ポイントアップするぜ!」 墓地0⇒1

「ちなみに今回のルールでは、『破天荒な風』の効果は次の遊馬君のターンまで効力が続きますので」

「へっ。それくらいなら問題ないぜ」

『何だ?彼の余裕に満ちたあの表情は…』

 

アストラルは少々心配している。敵はバリアン。今までとは全然違う戦術を披露してくる筈。

 

「バトルだ!『ガガガマジシャン』!『リードブロー』に攻撃!『ガガガマジック』!」

 

と言う名の物理のパンチが『リードブロー』に直撃する。

 

「そいつは甘いぜ!『リードブロー』(OVU2⇒1)の効果発動!こいつは俺の場に『BK』と名のついたモンスターが戦闘またはカード効果で破壊される場合、こいつのORUを一つ取り除く事で、その破壊の身代わりになる!」 墓地1⇒2

『何!?』

「だが、戦闘ダメージは受けてもらうぜ!」

 

衝撃波がアリトを襲う。

 

「ぐっ!」 LP8000⇒7700

 

だがこの程度の衝撃波で、アリトが怯む様子は無い。

 

「まずまずのパンチだったな。だが、『リードブロー』の効果はまだ続くぞ!こいつのORUが取り除かれるごとに、攻撃力が800ポイントアップする!」

 

『リードブロー』(ATK2200⇒3000)に拘束されている器具の一部が、自らの手で破壊した。どうやら器具は彼の力を抑えつけていた様子。

 

「攻撃力が3000!?」

『ORUがある限り、戦闘と効果では破壊されず、攻撃力が上がるのか!?』

「くっ、これ以上何も出来ない。ターンエンドだ。文、頼んだぜ!」 手札4

「任されましたよ!私のターン、ドロー!」 手札5⇒6 デッキ35⇒34

 

続いて文のターン。秘書兼新聞記者の実力は如何に?

 

「(手札に『暁のシロッコ』か…タッグデュエルで一番困るのがこのカードなのよね。でもまあ、この際贅沢何て言っている場合じゃない。今は遊馬君の安全を確保するのが私の役目)手札から速効魔法『手札断殺』を発動です!お互いのプレイヤーは、手札を2枚墓地に捨て、カードを2枚ドローします」 手札6⇒5

 

ここで手札交換カード。文にしては良いセンスだ。

 

「私は『紋章獣アバコーンウェイ』2枚を墓地に捨て、カードを2枚ドロー!」 手札5⇒3⇒5 デッキ34⇒32 墓地0⇒2⇒3

「なら俺は、『BK カウンターブロー』と『強欲で謙虚な壺』を捨てて、2枚ドローだ!」 手札2⇒0⇒2 デッキ33⇒31 墓地1⇒3

 

安定感の墓地送り。てか地味にガチカードを持っているよ、アリト…

 

「行きますよ?手札から魔法カード『高等紋章術』を発動!」 手札5⇒4

 

 

高等紋章術 通常魔法 OCG

自分の墓地の「紋章獣」と名のついたモンスター2体を選択して発動できる。

選択したモンスター2体を特殊召喚し、その2体のみを素材としてエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚する。

 

 

「このカードは、私の墓地に存在する『紋章獣』モンスター2体を選択し、選択した2体のモンスターを特殊召喚士、その2体で即座にエクシーズ召喚を行う事が出来ます!」

「んな!?ノーコストでモンスター・エクシーズを呼ぶカードがあるのか!?」

 

このカード、はっきり言って便利すぎます。ガチ化しちゃうよ…

 

「私は墓地に入る『紋章獣アバコーンウェイ』(ATK1800/☆4)2体を特殊召喚。そしてレベル4『紋章獣アバコーンウェイ』2体でオーバーレイ!」 墓地3⇒4

 

あっけなく出番を終えた『アバコーンウェイ』は属性の光となり、上空から発生した異次元の渦に飲み込まれていく。

 

「2体の風属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!電光石火の如く敵を欺け!『電光千鳥』(ATK1900/ランク4/ORU2)!!」 エクストラデッキ15⇒14

 

 

電光千鳥 風属性 雷族 ランク4 エクシーズ・効果

ATK 1900 DEF 1600

風属性レベル4モンスター×2

このカードがエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して持ち主のデッキの一番下に戻す。

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して持ち主のデッキの一番上に戻す。

 

 

上空から現れたのは、まるで千鳥そのものと言える鳥が現れる。電気を常に浴びているため、触れたら即感電してしまう。

 

『よし。このモンスターなら、奴のフィールドのカードを対処する事ができる』

「『電光千鳥』の効果発動!このカードがエクシーズ召喚に成功したとき、相手の場にセットされているカード1枚を選択し、そのカードを持ち主のデッキの一番下に戻す事ができます。よって、貴方のリバースカード1枚をデッキの下に戻します!」 墓地4⇒5

 

『電光千鳥』から発した雷が、アリトのリバースカードに命中し、そのカードがデッキの下に戻る。ちなみにカードは『攻撃の無力化』。地味に優れているカウンター罠だ。

 

「やるな。俺のリバースカードをこうも簡単に除去するなんてな。だが、その攻撃力じゃ『リードブロー』は倒せないぜ?」 デッキ31⇒32

「いいえ。突破口は十分ありますよ。『電光千鳥』(ORU2⇒1)の第2の効果発動!ORUを1つ取り除く事で、相手の場に表側表示で存在するカード1枚を選択し、そのカードを持ち主のデッキトップに戻す事ができます!」

『よし、戦闘・効果破壊が出来ないなら、バウンスしてしまえば『リードブロー』とて無力に近い』

 

その通りである。これなら厄介な『リードブロー』とて楽に倒す事が出来る。

 

「さあ、『リードブロー』はエクストラデッキに帰ってもらいますよ!」

「くそ!そんなのアリかよ!?…って驚くとでも思ったか!!カウンター罠『エクシーズ・リフレクト』発動!俺の場のモンスター・エクシーズに対するカード効果の発動を無効にして破壊する!そして相手に800のダメージを与えるぜ!」 墓地3⇒4

「な!?」

 

『電光千鳥』の雷は、『リードブロー』の前に現れた障壁によって阻まれ、それが返ってきて『電光千鳥』は破壊される。そしてその余波が文に襲いかかる。

 

「うっ!?」 LP8000⇒7200 墓地5⇒7

 

ダメージを受けた文は、少し後ろに下がるが、すぐに体制を立て直す。

 

「大丈夫か!?文!?」

「ええ…それにしても、この衝撃、普段のARでは感じられない衝撃ですね」

 

まあ遊戯王なら良くあることだが。だが、少なからず文から息の方が若干乱れている。それだけ体への衝撃が強かったのか?

 

「(まずいわ。こんな衝撃をまともに受ければ、遊馬君とて唯では済まない。それに、あの変な生命体…アストラルでしたっけ?彼にも負担がかかる筈。どうすれば…)」

『やはり、ただのデュエルでは無かったか。それにこの空間…まるで『アレ』だな』

「『アレ』って?」

「以前、WDCの決勝戦で使われた『スフィア・フィールド』と同じ感覚だ」

「『スフィア・フィールド』だって!?」

 

特別編でも一応語ったが、WDCの決勝戦で使用されたフィールド魔法の事である。効果は、明らかに『No』専用のフィールド魔法の効果。そしてそれは、バリアン界の力で作られたフィールドでもある。

 

『これから先、何が起こるか分からない。遊馬、決して彼のデュエルから目を離すな』

「ああ。それに、ここで俺が負けたら…お前と文の身が危ねえ。絶対負けるわけにはいかないぜ!」

 

段々と闘志が燃え上がって来た遊馬。

 

「文!たとえこのデュエルで何かがあっても、俺が必ず、お前を守るぜ!!」

「遊馬君…(何迷っていたんだ私は。今の私は、遊馬君を守る存在。逆に遊馬君から励まされる身じゃない。全く、ガラじゃないけど遊馬君の調子を上げるためと思っておきますか)ええ。ありがとうございます。ですが、お気づかいは無用です。これでも清く正しいのがモットーの私です。この程度で後れを取るつもりはありません!」

 

文も改めて気を取り直したらしい。それを見ていたアリトは。

 

「おっ、やっとマジになったのか?へへ、俺も燃えて来たぜ!!」

 

あら、アリトもやる気が上がったそうだ。敵にしては珍しいタイプだ。

 

「(まだ召喚権を失って無いけど、今の手札じゃ展開するのは難しい。チューナーと『黒い旋風』がいない以上、今の私が出来る最善の選択は…)モンスターをセット。『ガガガマジシャン』(DEF2000)を守備表示に変更。カードを1枚セットして、ターンエンドです」 手札4⇒2

 

 

3ターン終了。フィールド状況

九十九遊馬 手札4 デッキ34 墓地1 除外0 エクストラデッキ15

射命丸文 手札2 デッキ32 墓地7 除外0 エクストラデッキ14

モンスターゾーン 『ガガガマジシャン』(ATK2500/DEF2000/☆4/『破天荒な風』継続中/コントローラー:遊馬)守備表示 セットモンスター1(コントローラー:文)

魔法・罠ゾーン リバースカード1

LP7200

 

アリト 手札2 デッキ32 墓地4 除外0 エクストラデッキ3

モンスターゾーン 『BK 拘束蛮兵リードブロー』(ATK3000/ランク4/ORU1)攻撃表示

魔法・罠ゾーン 無し

LP7700

 

 

奇妙な変則デュエルになっているが、あまり見られない光景だ。

 

「俺のターン、ドロー!」 手札2⇒3 デッキ32⇒31

 

以外にも、熱血漢だと言う事が分かったアリト。ここからどう展開してくる?

 

「このデュエルに、守備表示なんて必要ないぜ!魔法カード『守備封じ』発動だ!」 手札3⇒2

 

 

守備封じ 通常魔法 OCG

相手フィールド上に守備表示で存在するモンスター1体を選択して表側攻撃表示にする。

 

 

「何!?」

「こいつの効果で、俺は『ガガガマジシャン』の表示形式を変更するぜ!」 墓地4⇒5

 

守備態勢だった『ガガガマジシャン』が攻撃態勢に変わる。

 

「さあ行くぜ!『リードブロー』で『ガガガマジシャン』に攻撃だ!さっき喰らったダメージをそのまま返すぜ!」

 

『リードブロー』が放ったパンチは、『ガガガマジシャン』では受けきれず、破壊される。

 

「ぐわああああ!!!!!」 LP7200⇒6700 墓地1⇒2

「遊馬君!!」

『遊馬!』

 

文と違って、ある程度吹っ飛ぶ遊馬。やはり衝撃は相当なものだ。

 

「どうだ?俺のカウンターの味は?」

「へへっ…効いたぜ。おかげで俺も、楽しくなって来たぜ!お前と戦ってるとな!」

「ほお…この状況でそんな事が言えるのか。なら見せてみな。俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」 手札2⇒1

 

依然、アリトの場に攻撃力3000にしてあらゆる破壊から1度だけ身を守る事ができる『リードブロー』が顕在している。この状況をどう乗り越えるか?

 

「行くぜ!俺のターン、ドロー!」 手札4⇒5 デッキ34⇒33

「俺は手札から『ドドドウォリアー』(元々のATK2300⇒1800/☆6)を召喚!こいつは、元々の攻撃力を1800にすることで、リリース無しで通常召喚できる!」 手札5⇒4

 

何気に優秀すぎるモンスター。最近はバスターが来たからもっと優秀な存在に。

 

「さらに手札から魔法カード『死者蘇生』を発動!蘇れ、『ガガガマジシャン』(ATK1500/☆4)!」 手札4⇒3 墓地2⇒1⇒2

 

流石過労死先輩。呼び戻されても平然な顔で再登場する。

 

「『ガガガマジシャン』の効果発動!1ターンに1度、このカードのレベルを1から8までの好きな数字に変更できる!『ガガガマジシャン』(☆4⇒6)のレベルを6に変更!」

「これで遊馬君の場に、レベル6のモンスターが2体」

「そして、レベル6の『ドドドウォリアー』と『ガガガマジシャン』でオーバーレイ!2体のモンスターで、オーバレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

 

2体のモンスターが属性の光となり、遊馬の場に現れた時空の渦に飲み込まれていく。

 

「熱き魂を絞り、狙いをつけろ!『ガントレット・シューター』(ATK2400/ランク6/ORU2)!!」 エクストラデッキ15⇒14

 

 

ガントレット・シューター 地属性 戦士族 ランク6 エクシーズ・効果

ATK 2400 DEF 2800

自分のメインフェイズ時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを破壊する。

 

 

見た目は『ガントレット・ウォリアー』に似ているが、色は赤である。両手の爪は、ロケットパンチの如く射出できるらしい。棘もおまけで付いているが。

 

 

「行くぜ!『ガントレット・シューター』(ORU2⇒1)の効果発動!1ターンに1度、ORUを1つ使う事で、相手の場に存在するモンスター1体を選択し、そのモンスターを破壊する!俺は当然『リードブロー』を破壊だ!」 墓地2⇒3

「なに!?そんな効果があるのか!?…だが、まだ『リードブロー』にはORUがある!『リードブロー』(ORU1⇒0)の効果発動!ORUを1つ使う事で、俺の場に存在する『BK』と名のついたモンスターは、あらゆる破壊から身を守るぜ!」 墓地5⇒6

 

『リードブロー』のORUが消えると、『ガントレット・シューター』の攻撃を防いだ。

 

「くそ!これでも駄目か!」

『まずい…これでまた、『リードブロー』のORUが使ったと言う事は』

「『リードブロー』(ATK3000⇒3800)はORUが減る度に強くなる!」

 

再び『リードブロー』の拘束が解かれる。だが今ので拘束具が全て解かれたので、本来の力が発揮される。

 

「こ、攻撃力3800!?」

『攻撃しても、カードによる破壊をされても、されただけその分強くなるのか』

「単純に言えば、ORUさえ減っていけばそれだけ攻撃力が上がりますからね。厄介ですよ」

 

普通に考えればかなり強力な効果でもある。

 

「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」 手札3⇒1

 

厄介になった『リードブロー』だが、今ならORUは無い。破壊するなら早めに始末しなければならない。

 

「私のターン、ドロー!」 手札3⇒4 デッキ32⇒31

 

『ガントレット・シューター』の効果を使えば、『リードブロー』を倒す事が出来るが、この変則タッグルールにより、所持者のコントローラーにしか効果発動ができない。今の文ではそれを使う事はできない。

 

「(やばい、思っている以上にこのデュエルのルールが効いている。『暁のシロッコ』はともかく、『ダーク・クリエイター』はほぼ出せず仕舞い。残りの手札と今引いたカードでは、『リードブロー』を辛うじて倒せても、次の展開が防ぎきれなければ不味い事に…こうなったら、無理矢理でも次に持ってくるコンボを早急に作り上げなければ)魔法カード『増援』を発動です。デッキから、『終末の騎士』を加えます」 手札4⇒3⇒4 デッキ31⇒30 墓地7⇒8

 

自動で『終末の騎士』を手札に加える文。ちなみにこのデッキに戦士族は『終末の騎士』ぐらいしか入って無い。闇変態?そんなの論外だ。

 

「『終末の騎士』(ATK1400/☆4)を召喚!効果により、デッキから闇属性モンスター『BF-大旆のヴァーユ』を墓地に送ります」 手札4⇒3 デッキ30⇒29 墓地8⇒9

 

墓地に入ってこそ活動する『ヴァーユ』。

 

「(今このカードを使ったとしても、下手に使うのは良くない。ここは…)ターンエンドです」 手札3

 

 

6ターン終了。フィールド状況。

九十九遊馬 手札1 デッキ33 墓地3 除外0 エクストラデッキ14

射命丸文 手札3 デッキ30 墓地9 除外0 エクストラデッキ14

モンスターゾーン 『ガントレット・シューター』(ATK2400/ランク4/ORU1/コントローラー:遊馬)攻撃表示 『終末の騎士』(ATK1400/☆4/コントローラー:文)攻撃表示

魔法・罠ゾーン リバースカード3

LP6700

 

アリト 手札1 デッキ31 墓地6 除外0 エクストラデッキ3

モンスターゾーン 『BK 拘束蛮兵リードブロー』(ATK3800/ランク4/ORU0)攻撃表示

魔法・罠ゾーン リバースカード1

LP7700

 

 

 

お互いジリ貧であるが、アリトの優勢である事に変わりない。

 

「俺のターン、ドロー!」 手札1⇒2 デッキ31⇒30

「お、こいつは丁度良いカードだな。俺は魔法カード『エクシーズ・トレジャー』を発動!」 手札2⇒1

 

 

エクシーズ・トレジャー 通常魔法 アニメ

フィールド上に表側表示で存在するエクシーズモンスターの数だけ、自分のデッキからカードをドローできる。

 

 

「フィールド上に存在するモンスター・エクシーズの数だけ、デッキからカードをドローする。今フィールドに出ているモンスター・エクシーズは2体!よって、2枚のカードをドローだ!」 手札1⇒3 墓地6⇒7

 

明らかに汎用性が高すぎるカード。OCG化したら弱体化か1ターンに1度しか使えない制約になりそうな気配が。

 

「(このタイミングでこのカードか。やっぱりお前も暴れたいのか!だったら、無理矢理でもあいつ等の場を破壊するぜ!)魔法カード『ブラックホール』を発動!フィールド上の全てのモンスターを破壊する!」 手札3⇒2

「何!?」

『このタイミングでモンスター全破壊のカードを引いたのか!?』

「私達のリバースカードに、その魔法カードを止めるカードをありません…」

 

全てのモンスターが破壊される。一体何を企んでいるんだ?

墓地(遊馬)3⇒5 墓地(文)9⇒11 墓地(アリト)7⇒9

 

「お前らのデュエルを見ていたら、どんどん暑くなって来たぜ!俺の全力、お前達に見せてやるぜ!」

「全力!?」

『まさか、『No』を出すつもりか!?』

「俺は手札から魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地から『BK グラスジョー』(ATK2000/☆4)を攻撃表示で特殊召喚!」 手札2⇒1 墓地9⇒8⇒9

 

 

BK グラスジョー 炎属性 戦士族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 2000 DEF 0

このカードが攻撃対象に選択された時、このカードを破壊する。

このカードがカードの効果によって墓地へ送られた時、自分の墓地から「BK グラスジョー」以外の「BK」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。

 

 

本当にボクサーモンスターしか持っていないかと思われるモンスターがまた出現。地味に効果が強い。

 

「そして手札から『BK スイッチヒッター』(ATK1500/☆4)を召喚!」 手札1⇒0

 

 

BK スイッチヒッター 炎属性 戦士族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 1500 DEF 1400

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の「BK」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。

この効果を発動するターン、自分は「BK」と名のついたモンスター以外のモンスターを特殊召喚できない。

 

 

左右の構えでも戦えるボクサーモンスター。本当にボクシングの知識が薄いため、こんな感じでしか表現できないが…

 

「『スイッチヒッター』の効果発動!こいつが召喚に成功したとき、俺の墓地に存在する『BK』と名のついたモンスター1体を選択し、特殊召喚できる!来い!『BK ヘッドギア』(ATK1000/☆4)!」 墓地9⇒8

 

蘇る『ヘッドギア』。そして、アリトの場にレベル4モンスターが3体。

 

「見せてやるぜ。俺の本気。俺の意思の力を!今見せてやるぜ!!遊馬!文!」

『遊馬、来るぞ!!』

「ああ。分かったる!文、気をつけろ!」

「ええ。細心の注意を払います」

「俺は、レベル4の『BK グラスジョー』と『ヘッドギア』と『スイッチヒッター』でオーバーレイ!!」

 

3体のモンスターが属性の光となり、アリトの場に現れた異次元の渦に飲み込まれていく。

 

「3体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

 

異次元の渦から大爆発の光が発生する。そこから、無限大の記号を模した青い機械状の物体の姿のオブジェが現れる。

 

「現れろ!!『No.105』!!」

 

そこから展開し、やがて現した姿は、ボクサーからかけ離れた剣闘士の姿をしていた。そして、右肩に「105」の数字が刻まれている。

 

「『BK 流星のセスタス』(ATK2500/ランク4/ORU3)!!!!」 エクストラデッキ3⇒2

 

アリトの場に現れたのは、『No』。だが、その『No』は…100番台の数字である『No』だ。

 

『105番目の『No』だと!?』

「ど、どうなってるんだ!?何であんな『No』があるんだ!?」

「こ、これは一体!?」

 

3人の前に現れたのは、規則外の『No』。これは一体何を示しているのか。だがそれは、既に新たな運命の扉が開かれた瞬間でもあった。

 

 

 
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