No.534330

ONE PIECE —黒髪少年の描く世界— 第四十五話 ロマン

霧宮 海さん

原作のセリフ、めっちゃ改造してます!すんません!
んでもって引用してます!

やっと出航しました!

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2013-01-20 23:08:03 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:10461   閲覧ユーザー数:10034

 

 

 

 

 にわとり…こけこっこー…こけ…こけーこっこっこっこ…

 

 

 さて…

 デザインどうしよーーーーーーー!!

 そんな豪勢にしなくていいだろう。鶏じゃなくなっちまうし。

 とさかと、羽とあの顎の…ぺろぺろしてるやつ…あー…なんだっけ。

 そう!((肉髯|にくぜん))!あれをつければいいか。よし。そうしよう。シンプルな代わりに色をよく考えよう。板で作るからせめて立体感があるように見えたらいいな。

 

 板を貰い。のこぎりで切っていく。

 

 ゴリゴリゴリ…

 

 ペタペタペタ…

 

 

 

 

 

 

 

 

「うし!おっけい!!」

 色はとさかと肉髯は朱色に所々赤を薄めた濃いピンクを入れた。羽は白と灰色を上手く使って立体感を醸し出した。

 抱えて皆の方に持っていってつけてもらう。勿論俺が作った物だけでは丈夫じゃないので、補強してもらって、だ。そういや向こうの船には船大工がいたらしい。

 まあそうだよな。完成した海賊団だもんな。完成形だもんな。これ以上増えようがないもんな。てかこれよりもこんな猿みたいな人間がいたら仰天するわ。

 やばい、目が生温い物を見るような目になってしまった。  

 

「ねえ、何かくわえないの?」

 尋ねてきたのはナミだった。

「何か?」

「いやさ、とさかとあの顎のヤツだけじゃたりないじゃない」

 足りないと仰りますかお嬢様!

「そっか…じゃ、ちょっと考えてみる」

「よろしく♪」

 

 

 

 どうしよ…鶏と言ったら…卵?いやそれではヒヨコになってしまう。あ、ひよこ乗っけるか!いいね!

 あと殻もどうにかして入れられないか…?首元にファーみたいにできないかな…いや、できる!

 全てはナミ様の為に!!

 

 

 

 

 

 ヤマトもどこかおかしくなっていることは間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ!!」

 俺が汗水たらしてカンカンコンコンやってメリー号は完成した。

 元々修復は完成していたので後は俺のデザインだけだったのだ。

「「「「おおおおおおお…」」」」

 むさい男達にしては静かな歓声だった。

 豪快さよりも芸術性を優先した結果だろう。

 

 先ほどにくわえてメリーの首元に逆さにした卵の殻をつけ、その殻の上、肉髯の後ろにあたる所にひよこを二匹それぞれ左右を向く感じで置いた。

 丁度披露したのは夕暮れ時だったのでスポットライトのように夕陽が当たり、芸術的に見えた。

 さて…肝心の女王様の反応はどうかな…?

 

 

 

「ヤマト…」

 俯いて身体をぷるぷる振るわせている。

 

 

 

 

 

 

「よくやったわ!」

「うおぃ!」

 いきなり飛びついてくる。左腕で首を抱え、わしわし頭をなでる。

 というか、手をすりつけられてる感じ…。

 とにかく満足してもらえたようだ。

 

「でも…ニワトリって飛べないのよね…」

 その場が水を打ったように静かになる。

 

 

 それ言っちゃだめだろ!

「確かに…」

 ビビが腕を組む。

「ていうかそれさっきナミさん自身が触れてたわよね?」

「…ま、いっか」

 

 

 

 

 いいのか。

 

 その時、約束の時間になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー46分後—

 

「ねえちょっと!ルフィはまだ!?」

 ナミがイライラしながら机を指で叩く。

「直に来るさ。それよりナミさん、パート・シュクレです♡」

「ありがと」

 サンジが持ってきたパート・シュクレを口に入れるが眉は寄ったままだ。

「ったくもう…もう少し時間の計算という物を考えて、」

「いやナミさん、あいつはそんな器用な事できないぜ」

「うんうん」

 サンジに頷くウソップ。

「やられちゃったんじゃないか…?」

 心配そうに言うチョッパー。

「やられたら間に合っても許さない!また行かせるわ!!」

 きっと本当にまた行かせるのだろう。

 と、その時。

 

 

 

「おぉぉぉい!!」

 ルフィが向こうから走ってくるのが見えた。

「来た」

「か、勝ったのかな、勝ったのかな」

 チョッパーが不安そうに待つ。

 

「おい見ろこれ!!」

 ルフィが手を挙げる。

 

 

 

 

 

「ヘラクレスーーーーーー!!」

 

 何やってたんだーーーー!!

 その場の全員が思ったであろう。

 

「ルフィ!遅いわよ!もう46分オーバー!」

 ナミが腰に手を当ててルフィに指を突きつける。

「いやあ、わりぃ!あいつ倒したあと戻ってくる途中におれの服にこのヘラクレスが止まったんだ!」

 はあ。

「んですぐ飛んでったから追いかけたら遅れた!あいつ倒すのはすぐ終わったのにな!」

「はぁ!?じゃあヘラクレス追いかけて遅れたって事!?」

「そうなるな!にしししっ」

「ああ…もう…」

「ナミさんしっかり!」

 へたり込むナミにビビが支える。

 

「ルフィ!見ろよ!」

 ウソップが船をさして言う。

「うほほほーーーーーぅ!っかっくいぃぃぃい!」

「だろおおおぉぉお!?」

 目をきらめかせる男三人。

 もちろんルフィとウソップとチョッパーだ。

 

 

 

 

「っし、んじゃ船長もきたし、出航準備しますか!」

 ヤマトが船に向かい、乗り込む。続いてゾロ、サンジ、ナミ、と続く。

 ルフィはおっさんと何か話してるようだ。

 

 話が終わったようで、こちらに向かってくる。

「乗れ!ルフィ!」

「おう!」

 乗り込むルフィ。こういう時伸びるっていいなって思う。だって腕伸ばしたら船乗れるし。俺は網をよじよじしないと乗れないし。まあいいけど。いいけどね!?そうするしかないし!別にいいし!

 

 

 

 

 おっさんがこちらに寄ってくる。

「おまえらには感謝してもしきれねぇ」

「それはこっちも同じだ」

 サンジが答える。

「最後にこれだけ言わせてくれ」

 

 

 

 

 

「空島も黄金郷もないと証明できたヤツはいねえ!可能性は未知数だ!その可能性を笑うやつはごまんといるが、結構じゃねぇか!そんなやつら笑い返してやれ!海賊は夢見てこそ海賊だ!その可能性を探る、」

 おっさんが腕を広げる。

 

 

 

 

「それでこそ!!“ロマン“だ!!!!」

「ロマンか!」

「そうだ!!」

 

 

 

 

 

「金を…ありがとうよ。お前ら空から落ちてくるんじゃねぇぞ」

「ししし!」

 

 

 

 

 

 

「よっしゃ行っくぜ、空島ぁぁぁぁーーーーー!!!」

「「「「「っしゃあ!!」」」」」

 

 

 

 

 
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