No.533309

現象起こしの転生者 第五十九話

notrinkさん

神様と転生した主人公が
めだかで原作に入るお話

※注意※
めだかボックスの二次創作です

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2013-01-18 17:44:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1063   閲覧ユーザー数:1026

 

漆黒宴が再開された。

めだかと婚約者三人は席についてしりとりをしている。

制限時間は変わって五分以内。トラブルのせいでめだかの計画が失敗したからだ。

めだかの計画は失敗した、だから、めだかは単純な勝利路線にしたようだ。

原作の面白味はない、しかし、あいつならば確実な方法だ。

 

「さて…あとやることは…」

 

めだかのバトルを観戦する席で、周りをぐるりと見回す。

特に変わった部分はない。善吉と、口裏でも合わせたように兎がいないこと以外は。

 

「…」

 

何かあったかと考えるが、すぐにそれは合っても無理だと思った。

だって…

 

「あいつはめだかに勝利できる」

 

伊達に俺が鍛えてないぜ(実際の戦闘は俺の方が下手)。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「おーい武器子さん、なんだよ急に呼び出して」

 

体育館内に善吉はいた。

漆黒宴の運営者から派遣された武器子に呼び出されたからだ。

正直、告白したときにおおよそこの後のことは予想できていたし、対処もできるようにしていた。

今回呼び出しに乗らず、後に襲撃されるのは嫌だ。そう思ってここに来た。

試しに入った体育館は誰もいない。

ヒューっと寂しい風が吹くようだ。

 

「なんだよ…からかわれてるのか?」

 

善吉がポリポリと頭をかく。

周囲を見回し、ため息をつく。

善吉は仕方ないと呟いて壇上の方へと歩きだした。

 

「…さっさと見に行かないとめだかちゃんに何か言われそうだしなぁ

でも、このまま武器子さんが何もしないわけがないし」

 

壇上へと上がり、入口の方を善吉は見る。

入り口の外には、漆黒宴を見ようと集まった者どもが、

ワイワイと通り過ぎているのが見えた。

善吉はもう一度ため息をついた。

その後天井を睨みつけ、

 

「出てきたらどうですか武器子さん、

せっかく来たのにサプライズもないなんてあんまりですよ」

 

そう言った。

天井には何もない、しかし、善吉はそこを睨んだ。

 

「ばれてないと思ってるんですか? 

ステルス迷彩は『今の俺』には効きませんよ」

 

善吉はその場から跳んだ。

その跳躍は天井に余裕で届く高度だった。

善吉はそのまま空中で回転、足が上に向くよう天井に着くと。

そのまま足だけで天井に張り付いた。

 

「出てこないんですか? だったらこっちから行くぜ」

 

善吉の髪が行く本の束となって伸びる。その束が向かうは善吉の目の前。

何もないようにみえたその空間に、髪の毛が刺さろうとしたとき。

その空間から影が跳んだ。その影は予想通り武器子、彼女は地面に着くと槍を構え、

善吉のことを睨みつけた。

 

「アナタは普通のはずですよね、

どうしてそんな異常なことができるのか教えてくれますか?」

 

武器子は善吉へと問う。

その顔は、兎の耳が角にみえるほどの鬼だった。

善吉は彼女の顔に動じず、その問いに答える。

 

「零にもらったスキルがあるんだ、二つ。

その二つを持っていれば、俺はめだかちゃんに必ず勝てる。

そういうスキルだ、正直面白くないからあまり使うつもりはあまりないけどな」

 

零が渡したスキル、強制徴収と総配給。

めだかに勝てるようになるこのスキルは、

あの安心院なじみにも楽に完勝できるほどのスキルであり、

同時に、努力家である善吉が使わないスキルだ。

 

「だが、今回は別だ。あんたが俺とめだかちゃんを引き裂くのなら、

今回は容赦なくこれを使わせてもらうぜ」

 

そう、今回は別である。今回の勝負は負ければゲームオーバー、

いや、負けても死にはしない。目覚めることもできるだろう。

その後、修業を経て目の前の武器子も倒せるようになるだろう。

しかし、自分が負ければ、婚約者が決められる可能性がある。

それは自分のマニフェストに反することだ。

破るくらいなら自分は自分のルールを捨てる。

そう思って、善吉はこのスキルを使った。

彼は目の前にお守りをぶら下げる。

 

「このスキルはコピー系の能力だ。

今回のコピー元は『めだかちゃん(お守り)』。

この中には零がコピーしためだかちゃんの全てが入ってる。

零がもしもの為に持っとけって渡してくれたものだ」

 

それを見て武器子は苦い顔になる。

彼の二つのスキルを知らず、それの対策が出来ていなかったからだ。

対策できていないごときで負ける武器子ではない。

 

「まぁいいです、アナタが強くなろうと、やることに変わりはありません」

 

彼女が手を上げる。

すると、床が割れ、その中から多数の兵器が現れた。

 

「随分と物騒だなおい!」

 

「アナタには十分でしょ?」

 

銃器が発砲される。その威力は計れないが、

体育館を破壊するのに十分だということは予想できる。

それが一人に集中攻撃されるのだ、生半可ではない。

が、そんなものが善吉に当たるはずはない。

 

「『光化静翔』」

 

前々生徒会長、日之影空洞のスキル。

めだかの経験すらもコピーした、善吉だからこそ使えるスキル。

めだかが観察しにくいと評したこれも、善吉の強制徴収で昇華すれば、

元々と同じように使える。そして、それを完成の昇華ヴァージョンで完成させる。

ただ触れるだけで、物が吹き飛ぶ。善吉はすべての兵器を破壊した。

 

「あ…」

 

周りの武器が破壊されたことに、武器子があっけにとられる。

善吉は、そんなことよりも、修行時なかった違和感に気を取られた。

 

「馴染んでる? いや、あれだけ零に殺されたし、

馴染んでないとショックだけど…此処までなじむものか?」

 

善吉は昇華した完成で、自分を観察してみた。

すると、あることが分かった。

 

「完成のおかげか?」

 

昇華した完成は、善吉の体を完成させた。

その結果として、善吉が本来普通にしか使えないスキルが、

異常なほど使いこなせるようになっていたのだ。

昇華した完成は、もはや別のスキルと言ってよかった。

その答えに達した善吉は、頭をかいてこういった。

 

「どうせだし、昇華したスキルにもスキル名つけてみようかな」

 

ふふんと胸を張り、武器子に向けて考えたスキル名を言い放つ。

 

「どうだ、武器子さん、さっきのが俺が昇華した完成!

そのなも『デビルストーリー』だ!」

 

「…」

 

さきほどの独り言間、善吉を警戒していた武器子は、

その名前のセンスをおおっぴろげにできることで呆れ、

警戒を解いてしまった。そして、善吉に向けて正直に言う。

 

「君、センスないね」

 

「なにィ!?」

 

善吉は頭を抱える。おそらく思ってることはこうだ。

どこが悪かったんだ? 俺のセンスはいいはずだ!

おそらくまだ時代がついてないんだ。

とまぁこんなところだろう。

 

「えっとえっと…こんな時は命名のスキルだ!

前に安心院さんと戦った時に渡された(強制的)奴だ!」

 

善吉はスキルを発動させる。

命名のスキルはその名の通り命名するスキル。

だが、このスキルでの命名は、世界のルールに大きく影響される。

 

「『名々判断(インスタントプレート)』! 出てきたのは…」

 

大げさなモーションでスキルを行使する善吉に、

武器子もつられててしまう。

 

「名前は…!?」

 

武器子が、聴くと善吉は親指を立てて、返す。

 

「『革命(コンティニュー)』…」

 

革命、完成の昇華型にとってそれはとてもあてはまる名前だった。

革命は、根本から作り変えるに等しい。そしてこのスキルも。

所持している間は、所持者を根本から変える。

個性すらも、それは万能に変えられた。

 

「革命なんて、随分と物騒じゃないですか、

もっと穏便に話し合いで変えましょうよ」

 

「してくれるのか?」

 

「むりですね」

 

善吉と武器子、二人して笑いあう。

次の瞬間、善吉が消え、武器子が倒れた。

いるのは気を失っている武器子だけに思える体育館、

しかし、此処には善吉がいた。コンとおとがする。

入り口に善吉が立っていた。その髪は全て黒く染まっている。

 

「さて、俺の勝ですね武器子さん、

俺にはもう攻撃しないでくださいよ、保健室にも連れて行きますから」

 

善吉が髪を染めたまま武器子を背負い歩く。

そこで誰も外にいないのに気付いた。革命で調べると、

他の物が空間の壁で立たれている。

 

「零か」

 

どうせなら助けてくれよ、と善吉はつぶやいた。

 

「まぁいいか、あいつが助けてくれたら痒い」

 

どうせあいつは嫁しか助けないだろ、と言って善吉は保健室へと急ぐ。

さっさと急ごうと呟いて加速し、保健室へ行く。

そこで、安心院、半纏、零、神姫、創、廻の六人が待っていた。


 
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