No.525583

IS ~愉快を求める転生者~ 第10幕 解説役、とかいらない

薄暮さん

完全に遅くなりました。そして短いいいい!!!

2012-12-31 16:16:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1988   閲覧ユーザー数:1861

 

 

「____というわけでよくわからない内にセシリア嬢との決闘が決まってしまい、内心うわーめんどくせーとか家帰りたいーとか帰りたいーとか言ってもそういや俺ここの寮使ってんじゃねーかとか思いつつ決闘を目の前とするのであった。

つまりあれから一週間経った訳である、その間?ずっとISの調整してましたが何か」

 

「京也、何ブツブツ言ってんだよ」

 

「究極に雑で友好的な独り言だ、気にするな」

 

アリーナのゲート先で座り、足を宙に投げ出したまま一夏に受け答えた。

 

決闘の順番は一夏が先で俺が後、なので第一戦が終わるまで絶賛暇潰し中なのだが、その肝心の一戦目で使用される一夏のIS___つまり『白式』がまだ到着していないのである。

 

「それにしても俺専用のISかー、いったいどんなのだろーな?」

 

目に若干の期待を浮かばせて待つ唐変木。

 

「さあな、全身ピンクだったら笑うよな」

 

全てを知った上で茶化す根暗。

 

「ははっ、流石にソレは勘弁した『織斑君!来ましたよ!準備をお願いします!』っと」

 

山田先生の声が何倍にもなってアリーナに響き渡る。

ラボで調整した後、日本政府へプレゼントしたのだが、そこから彼方が手続きが云々とかやってたからこんなに遅くなったんだな。多分だけど。

 

「来たか、全身ピンク色」

 

「だからそれホントに嫌だって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏と共にピット搬入口に急ぐと、すでに箒、千冬、山田先生が待機していた。千冬さんに限っては額に青筋を浮かべている。

 

「遅いぞ馬鹿共」

 

「「誠に申し訳ありません」」

 

とりあえず平謝りしないと二人分の首が胴体から離れることになるだろう。

 

「...まあいい、織斑すぐに装着だ。時間がないのでフォーマットフィッティング共に実戦中に行え、わかったな」

 

せかされ、一夏はISにその身体を委ねた。

 

 

 

「これが......『白式』」

 

 

『白』を身に纏い、童心に返った様に言葉を漏らす少年。しかしその目には困惑が混じっていた。

 

(その顔...多分初めて乗った時と違う感覚なんだろうな。しかし嬉しいね、自分の創った子を使ってもらえるなんて)

 

さて、俺は優雅に観戦でもするかな。

 

 

 

「興野、お前はこっちにこい」

 

千冬が首根っこを摑み、俺諸共部屋を出る。

 

 

 

............あれ?なんかデジャヴ?多くね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「____いいんですか?弟の勇姿を見なくても」

 

「勇姿云々は知らんが、生徒の様子を見るためにモニターぐらいはこの部屋にもある」

 

手近な部屋に連れ込まれると、真っ白なデスクが中央を取り囲んで配置されていた。恐らく会議用だな。

 

「俺、何か悪いことしましたっけ?」

 

今回は恐る恐るは尋ねなかった。

 

「白式の解説をしてみろ」

 

「白式はIS学園在学中である織斑一夏が有する為に造られました。白式は近距離特化型、織斑先生の使ってたISと同じですね。後付装備は存在せず、射撃戦闘には全くの不向きです。武器も織斑先生のを受け継ぎ『雪片弐型』。その特殊能力はバリア無効化ですね。織斑先生もモンド・グロッソで使ってましたっけ?言うまでもありませんけどその力は敵のバリアを切り裂きダメージを与えるので、近接系統でも屈指の攻撃力であり、同時に対人戦では非常に危険な武器となっています。まあその攻撃力の高さから自らのシールドエネルギーを消費するので、使い時を間違えてしまえば自分でエネルギーを削るので逆に追い込まれてしまいます。自滅しない様タイミングを考えなければなりませんね。白式の武器はこれ一本しかありませんが、やはり特化型ということでその他のスペックが____」

 

「もういい、止めていいぞ」

 

千冬が頭を抱えて言い放つ。畜生、ここからがいいところなんだけど。

 

「とりあえず、白式の情報はどこにも開示しておらず、知っていてもIS学園の人間か日本政府の中でもトップクラスの人間しかいない。

では何故お前は知っている?」

 

熊をも殺しそうな視線が、スーツ姿の女性から向けられる。

しかし...やらかしたなー、あのオッサン共開示してないのかよ。

 

「...企業秘密、ってことでどうすか?」

 

「死にたいのか?」

 

「そうなりますよねー」

 

あははー、と乾いた笑いで誤魔化す。さて、言っちゃってもいいものか悪いものか。

こういうのはやっぱ製作者の意思を聞かなきゃだめだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、製作者俺じゃん。

 

 

「織斑先生、一つ忘れてますよ」

 

「...何をだ?束がそうホイホイ自分の研究成果を周りに教えるとは思えないが」

 

「いやそれはそうなんですが...とりあえず誰よりも知っているのは、製作者ですよ?」

 

「......なんだと?」

 

モニターには先程からずっとアリーナの光景が映し出されている。ちょうど一夏がセシリアに向かって横薙ぎに雪片弐型を振ったところだった。

 

「まあ、そのなんですかね」

 

 

『勝者、セシリア・オルコット____』

 

 

 

 

 

「白式を創ったの、俺なんです」

 

 
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