IS学園内食堂。一夏はいつもの面子で食事をしていた。
「しかし一夏、買い物に行くなら私も一緒に連れて行って欲しかった。」
「そうですわ、一夏さん。」
「ゴメンな。また今度皆で一緒に行こうぜ。」
「まあアタシは国の役人が来なければ行けたんだけどね。」
「でもそれって『キャノンボール・ファイト』のために必要な装備だろ?」
「そうだけど・・・・・・」
「まあ今回はタイミングが悪かったてことにしておこうぜ。」
その時アラームが鳴り響く。
『生徒の皆さん避難してください!ビーストが出現しました!』
「しつこいね。」
「早く片付けましょう。」
「ああ・・・・・」
箒は少し憂鬱になった。
こうして私達が戦ってもウルトラマンが止めを刺す。どうして私達にはウルトラマンの助けになる力がないんだ!
ビーストが出現する数分前、千冬と山田先生はモニタールームで過去の映像を調べていた。
「これが・・・・・『新宿大震災』の真実・・・・・」
「どうして私達忘れていたんでしょう・・・・・」
二人が目にしている映像は『新宿大震災』の日にウルトラマン・ザ・ネクストとビースト・ザ・ワンの戦闘している姿であった。
そこへ楯無が入ってきた。
「織斑先生。」
「!すまないな、楯無。」
「いえ。これってウルトラマンの戦っている映像ですか?」
「ああ。だが十二年前だがな。」
「こっちの方で調べてみたんですがやはりTLTが関わってました。」
「だがどうして私達が覚えていない?」
「何らかの技術で記憶をのうの片隅にしまわれていたんです。それと・・・・・」
「「それと?」」
「ちょっと詳しく調べたところ姫矢准、並びに千樹憐がTLTの調べでウルトラマンだったってことがわかったんです。」
「なんだと!」
「そんな!」
「一夏君がこのことを知っているかは知りません。でも・・・・・」
「今度はどうした?」
「一夏君いつも何処にいるんでしょう?写真とっているといってもおかしな点が多いんです。」
「と言うと?」
「これを見てください。」
楯無がポケットから出したのは一夏が自動撮影で取った写真。
「これがどうかしたか?」
「時間が全て一定の時間で撮られているんです。」
二人はよく見た。楯無の言うとおり確かに一定の時間で撮られていた。
そのときコールが鳴り響いた。
「はい。どうかしましたか。」
『学園外れの森に黒紫色の雲が!』
山田先生はキーボードを叩いてモニターに出した。そこにはアンノウン・ハンドが森に闇の光を照らしていた。
「あれってまさか!」
「山田先生知っているんですか!」
「前にウルトラマンが戦った怪獣を回収し強くさせた謎の雲です。」
「資料には名前が付けられていました。確か『アンノウン・ハンド』と。」
「アンノウン・ハンド・・・・・・一体あれはなんなんだ!」
闇の光が晴れたと同時にリザリアスグローラーが出現した。
「なっ!」
「私出撃します!」
「私も!」
「ギギョオオオオオオン」
森に出現したリザリアスグローラー。雄叫びお上げてそこに出現した。
「あれって前に出たやつと似てない?」
「でもなんか恐くなっているね。」
「さらに凶暴さが増しているわね。」
その時空からネクサスがリザリアスグローラーの後ろに下りてくる。ネクサスは左手を胸にかざし振り下ろす。
「シュッ、シュアッ」
ネクサスはアンファンスからジュネッスブルーに変わる。
「シュアッ、ハアアアア、フッ、フュア」
ネクサスはめたフィールドを展開する。
ネクサスとリザリアスグローラーはぶつかる。ネクサスはリザリアスグローラーの頭を片腕で掴み拳を振り下ろす。リザリアスグローラーは悲鳴を上げる。ネクサスはリザリアスグローラーを突き放し回し蹴りを顔に喰らわした。
リザリアスグローラーは光線技をネクサスに向け放つ。ネクサスは側転して避けるがグランドレスグローラーは火球に切り替え連射する。火球はネクサスに命中する。
「援護するわよ、皆!」
「「「「了解!」」」」
箒達はグランドレスグローラーに攻撃する。グランドレスグローラーは箒達の方を意識し火球を放つ。
(このまま撃ったとしてもウルトラマンの助けにもならない。)
箒がそう思った瞬間だった。箒のIS・紅椿から電子音がコールされた。
〈―経験値がたまりました。新型装備『オーバーレイ・バニシャー』を使用可能です。〉
「何だこれは!」
〈―この武器はウルトラマンの放つ光線わざと同じ威力を持っています。ただし、チャージに時間がかかりその際に使用されるシールドエネルギーは0、つまり無防備状態になります。移動しながらのチャージは可能ですが時間がかかることを了承してください。〉
「どうしましたの、箒さん?」
「私の紅椿の新装備が完成した。すまないが少し守っていてくれないか!」
「その新兵器どんな物なの?」
「ウルトラマンの力を再現したものらしい。」
「じゃあアンタはチャージに集中しなさい。外すんじゃないわよ。」
「わかっている。」
箒はオーバーレイ・バニッシャーを展開する。オーバーレイ・バニッシャーは箒のISの両腕に展開され大型の砲台と形成されていく。
〈-チャージ開始します。〉
モーター音が響き渡る。
ネクサスはリザリアスグローラーに接近し腹部に叩き込もうと掴む。が、その瞬間リザリアスグローラーの胸部が開き火球を放った。
「ジュアア!」
ネクサスは倒れる。リザリアスグローラーはネクサスに接近し蹴りを喰らわす。
「フアア!」
「凰さん、デュノアさん、援護を!」
「「了解!」」
セシリアの指示でリザリアスグローラーに攻撃する。リザリアスグローラーは火球を放つ。放たれた火球は箒の方へ流れる。その火球を楯無のミステリアル・レディイの水のカーテンが打ち消す。
「す、すみません。」
「気にしなくていいわ。それよりチャージは。」
「まだ86%です。でもいけます!」
「わかったわ。聞こえますか!」
「なんですか?」
「今から発射するからビーストから離れて!」
「わかりました。聞こえましたね。」
「はい。」
「了解。」
三人は斜線軸から離れる。箒はオーバーレイ・バニッシャーをリザリアスグローラーの頭部に狙いを定める。
「発射!」
オーバーレイ・バニッシャーから放たれた光はリザリアスグローラーの頭部に命中する。「ギュオオオオオオオオオオン」
リザリアスグローラーは苦しむ。
「シュッ」
ネクサスはアローアームドネクサスから光の剣を出す。
「あれは!」
「剣?」
ネクサスはリザリアスグローラーに接近し右腕を横に振る。リザリアスグローラーは爆散する。これこそネクサスジュネッスブルーの必殺技・シュトロームソードである。
「あんな技まで・・・・・」
「すごいですわ・・・・・・」
ネクサスは膝を突く。
「ハア、グ、グアア・・・・」
ネクサスは倒れる。ネクサスは光となって消えた。
その光景を見ていた全員はうすうす気付いていた。ネクサスの身体はとてつもなく限界に近づいていることを。
皆さんにお知らせです。
知っている人もいると思いますがIS八巻が2013.4・25(木)に発売されます。
発売元はオーバーラップ文庫です。
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食堂でいつもの面々で食事している一夏達。一方モニタールームでは千冬たちがウルトラマンの正体を少しずつ近づいていた。