第二話 説教と再会
「………」
「…我慢してくださいタツミ」
「そうですよ。マスター」
「そうだぜ。兄貴。苛つくのはアタシも同じだからさ」
「まったくだ」
四人からそう言われるが段々と我慢の限界が来そうになっていた。
だって、千冬ちゃんに付いて行って教室に行ってみたら中で言い合っているしさ。
耳がいいから聞いてみたらめちゃくちゃ腹が立って、十分ほど我慢している状態だ。
だけど、マジで限界。
『こんな極東の猿と一緒にしないで貰いたいものd「いいかげんに黙れ!」ひっ!」
我慢の限界が来た俺は、教室の扉を蹴り破って中に入った。
「外で黙って聞いていりゃ、てめぇら餓鬼か?互いの国を馬鹿にし始めてよぉ!」
横から千冬ちゃんが止めようとするけどそれを無視して俺は、とある二人の襟を持つと教室の後ろに連れて行き正座させた。
自分は近くに合った椅子を座らせてもらったけど。
「さ~てと、話を聞こうじゃないか。何故てめぇらは互いの国を馬鹿にし始めた?まずは織斑!!」
俺は、一夏……織斑にまず話を聞いた。
「えっと……一組の代表を決めようとして、他のクラスメイトが俺を推薦し始めてそれで、突然オルコットさんが怒鳴ったんです」
となると、推薦されていた一夏がいやで、オルコットという女子は怒鳴ったのか?
「えっとオルコットだったか?織斑の言い分に何か食い違っている部分はあるか?あるんだったら言え。だが、その言い分がここにいるクラスメイトと山田に聞いた時に間違っていたらてめぇも同罪だからな。あと、言うなら三十文字以内な」
俺がそう言うとオルコットは少し考えて、首を横に振った。
「そうか。んなら、次はオルコット。何故突然互いの国を馬鹿にしあうことになった?」
「私が話していたら、織斑さんが『料理が不味い国一位』といったので、我慢が出来ずこちらも言いました」
となると、その前に何か織斑のしゃくにさわるような事を言ったって事もあるよな。
だとしたらオルコットは何かを隠していることになるよな。
「オルコット。もう一度聞くぞ?言いそびれていることはないよな?」
「あります。その前に私も極東の猿と言いました」
それならキレルわな。
「そっか……そっかそっか…。だったらてめぇら二人同罪だな。んで、代表を決めるだったか?山田、俺もその決定戦に出る。いいか?」
俺は、壇上でおろおろとしていた中学と高校が一緒だった山田に聞いた。
「は、はい」
許可が出t……
「いい加減にしてください!タツミ!」
俺はそう言われてやっと我に返った。
「す、すまん。リインフォース。我を忘れていた。あと、さっき言った事は本気だ。別に二人がかりで俺にぶつかってきてもいいぞ。まあ、二人目を倒せるかわからないがな」
おっとしまったつい口が!
『二人目……?』
めっちゃ知りたそうな空気が出てる。
「それはですねみなさん。達深さんがIS起動者二人目です」
あ、言っちゃった!
まあ、仕方ないか。
「そうだ。俺が世界で二人目の起動者だ。だからお前ら餓鬼どもに負ける気はしねぇ」
俺はそう言って千冬ちゃんが壇上で殺気を放ってきているので素直に壇上に向かった。
千冬ちゃんはワザとらしく咳をして、クラスに聞こえる声で俺を紹介し始めた。
「さっきもこいつが言ったとおりだが、世界で二人目のIS起動者だ。それと、こいつ自身がばらしたから言うが、篠ノ之束の元で傭兵兼助手として働いていた。いいか、貴様らよりこいつのほうが強い。今の私でも勝てないだろうな」
うわっは~。たぶん俺の考えがわかっていそうな雰囲気だな。
たぶん千冬ちゃんて人が考えていることがわかるのか!?
「あとはお前が言え。達深」
「あいよ~千冬ちゃn「死ね!」ほっ」
俺は、千冬ちゃんの出席簿による攻撃を避けた。
避けられたのが悔しかったかのか、どうかわからないが顔を真っ赤にして千冬ちゃんは俺に追撃を仕掛けてきた。
「ちょ!あいつらの紹介終わって…「それなら私が進めますので達深をどうかよろしくお願いします。千冬」ちょ!?リインフォース!?」
俺は、どこでリインフォースを怒らせてしまったのか?
「まてぇえええええ!!」
「ちょ、なに?それってユカリのブレードを持ってって、いつ渡した!ユカリ!」
さすがに教室内で逃げるには危険だ!
だったらレッツゴー!
俺は、蹴り破った扉から廊下へと逃げ、そのまま追いかけっこをする羽目になった。
その数分後に捕まって、ありがた~~い説教を受けてから、教室へと連行された。
戻ったら戻ったらですでにリインフォースたちに関する自己紹介が終わっていた。
そして、何気に溶け込んでいた。
それから、授業を受けることになったんだが……
あ~~一夏がわかんないって顔しているな~~。
まあ、そろそろ山ちゃんは質問を受け付けそうだからたぶんそのときに面白くなりそうだな~~。
といっても最近寝てないからねm……
そう思っていたら寝ていた。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「ふぁ~~~良く寝たな~~」
俺は大きく背伸びして、あたりを見渡した。
あれぇ?知らない部屋だ。教室で寝ていたはずなのにな~~。
「まあいっか~~。さてと、夕食夕食を作りましょうかね~~」
俺は、部屋の入り口らへんにあった台所で夕食を作ろうと立ち上がった。
まあ、何もないかと思いながら冷蔵庫を開けると何故かちょうど作りたいと思っていた味噌汁と焼き鯖の材料があり、しかも炊飯器を見つけ、中を見たらふっくらとした炊き立てご飯が出来ていた。
「用意周到だな。まあいいやちょうど食べたいと思っていた二つもあるし……作りますか!!」
俺は夕食を作った。
それから一人で作った夕食を食べていると部屋の扉が開いた。
俺は箸を置いて扉のほうを見た。
そこに立っていたのは千冬ちゃんだった。
?だとすると俺は千冬ちゃんの寮長室に居るって事か?
「やっと起きたか。それと部屋の調整が住むまでは貴様は私と一緒の部屋だ」
「りょ~か~い~。それなら千冬ちゃんも食べる?」
「貴様はいつまでその呼び方をする気だ」
「え?俺が飽きるまでっていうのかな?まあ、千冬ちゃんに春が訪れたらやめるさ」
俺は少しだけかまを掛けてみた。
自分ではさほど鈍感ではないと思っている。逆にナルシとも思っていない。
だけど、長年一緒にしているとその人の表情から少し読み取ることができるようになった。
だから、千冬ちゃんと束姉さんの二人が俺に好意を持っていることは百の承知だ。だけど俺には二人に愛される資格はない。
今も……これからも……
「ば、馬鹿をいうな!それよりご飯にする!」
「はいはい。ゆっくり味わって食べてくださいな。織斑先生?」
俺はそう言うと食べ終わった食器を水につけて部屋を出た。
目的地はIS学園の屋上
「やはりこうやって見る夜空は綺麗だな。汚れていない。まったくもって綺麗だ」
俺はそう呟いて胸ポケットから煙草の箱とライターを取り出した。
煙草の箱から一本だけ煙草を取り出し、ライターで火を点けた。
「ふぅ……。本当に不思議だな。こうやって煙草を吸ってんのに肺がきれいだってことにさ。なあ、リインフォース」
「やはり気づいていましたかタツミ。それでもあまり吸わないほうがいいですよ」
「それはわかっている……わかってんだ。だけど……吸わないとどうしようもないんだ。寝るといつも見るんだ。俺が救えなかった子供たちが俺に手を伸ばして救いを求めているのに助けられない。そんな夢をちょっと寝るだけでも毎日見てしまう。だから……煙草を吸わなきゃ気が持たないんだよ。悪いなこんな主でよ……」
俺は吸い終わった煙草を携帯灰皿に入れて、もう一本出した。
だがその一本を吸う事はなかった。
なぜならリインフォースが俺の胸ポケットにあるライターと手元にある煙草の箱と銜えている煙草を取ったからだ。
「なんでとった?」
「さすがに自分の主が目の前で煙草を吸っているのを見逃すほど私は寛容ではないです。なのでこれは私が処分します」
おいおいリインフォース。処分することはないだろう。
と、そう心で思っても口には出せないよな。あそこまで本気になってもらったらさ。
「わかったよ。やっぱりリインフォースには敵わないか」
「私もこれでも優しいと思いますが」
いやいやいや!ちょっと厳しいですよ!?
だけど、このおかげもあって少しは楽になったかな?
もう部屋に帰って寝るかな。
いやな夢を見ることに耐えながら……
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ISが開発されて数年たった。IS学園に行く事になった青年が紡ぐ物語。