Side:三人称
「・・・そうか・・・・・」
戦闘が終わりエディアの搬送を武装局員に任せ、なのは達はアースラーでクロノ(なぜかゲッソリしている)にさっきの戦いで起こったことを説明していた。
「状況は分かった・・・・けど、俄には信じられないな。」
クロノがそう思うのも当然である。確かに総合的な魔力量が低い人間が自分より高い相手も倒すこと自体は別に珍しい事でもなんでもない。が、だからと言ってF未満の魔導師がオーバーSSSの魔導師を倒しただなんてことは普通天地がひっくり返っても信じられないだろう。否、現に今もクロノは信じられないでいた。少なからずどの歴史でもそんな芸当ができた魔導師は存在していない。もしもそんなことができる魔導師がいたらそれは極論すれば究極の魔導師殺しの魔導師である。何せ量も出力も関係なしに跳ね返せるのだから。
「でも、私達、実際に見たことをそのまま言っただけだよ?」
「何かのレアスキルか?」
「そうかもしれないけど・・・・」
『マスター、おそらくですがそれはありえないかと』
「どうして?レイジング・ハート?」
『彼が最後に砲撃を跳ね返す直前に言っていた言葉を覚えていますか?』
「え?何か言っていたの?」
『「コレが本物の収束魔法というものだ」と言っていました。つまり彼は純粋に彼自身の技量だけで跳ね返していたのかと・・・・あくまで推測ですが』
「おいおい・・・そんなことありえるのか?だとしたらそれはもう人間業じゃないぞ。」
「でも実際に見たし・・・ねえ?フェイトちゃん―――」
「・・・・・・・」
「フェイトちゃん?」
「え?あ、な、何?なのは?」
「どうしたの?さっきから上の空みたいだけど・・・・」
「あ、うん・・・なんでもないよ」
「あの刃とかいう子も何か隠しているみたいだし・・・今度、事情聴取する必要があるわね。」
アースラーでの話が終わった後フェイト達は街の外にいた。
『サー、やはり彼のこと―――』
(うん、やっぱり気になる。どうして彼のバリアジャケットがマダラさんのものと同じだったのか・・・・彼は何か知っているのかもしれない。)
「フェイトちゃんさっきから上の空だけどどうしたの?」
「・・・・・・なのはになら言ってもいいかな」
「え?」
「誰にも言わないって約束できる?」
「う、うん」
「一応念話で話すね。」
Side:伸
あー、疲れた。ったくなんで俺がこんなことを・・・
『なんだ、やっぱりお前の平穏には・・・・』
「ちげーよ」
『じゃあなんで助けた?』
「アイツ等があんなくだらないことで行方不明や死んだらどうなる?それともアイツ等が死んでも悲しむ人間がいないとでも?アイツ等にとって悲しもうが悲しまなかろうがどうでもいい存在しかいないとでも?俺みたいに」
『・・・すまん』
「いやいい・・・・少なくともアイツ等はもっと自身の命の重さを知るべきだ。それがなおのこと悲しませたく無い存在であればこそな・・・まあこれに懲りたら、普通の小学三年生になってほしいものだ。」
『恐ろしい説得力だ』
「褒め言葉として受け取っておく」
いや~しかし流石うちはマダラご愛用のうちはだったな。正直あの砲撃まで跳ね返せるとは思ってなかったし、もうこれ宝具レベルじゃね?どういう名前になるのかね?ぶっちゃけた話、コレがあったから俺魔力ほぼゼロでアイツ倒せたんだし・・・
「ただいま~」
「おかえりなさい、シン」
「あ、おかえり~シン」
「戻ったか、シン」
「おかえりなさい、シン」
マテリアルとユーリが出迎えに来てくれた。珍しいな。いつもは皆じゃないというのに
「どうしたんだ?」
「どうしたではない!貴様この町に結界が張られたのは分かっているだろう!!」
そんなの言うまでもなく・・・・もしかして・・・
「なんだ?ひょっとしてお前・・・俺のこと心配してくれたのか?」
「な!?な、何を言う!そ、そんなわけが無かろう!!」
顔を真っ赤にして否定するディアーチェ、そんな顔してたら説得力皆無だぞ。
「僕は心配だったけどね!」
対して素直に心配だったというレヴィ・・・
「だってシンに何かあったらごはんがなくなっちゃうもん!!」
そんなことだろうと思ったよこの野郎
「だから言ったじゃないですかディアーチェ。暴走していた私を倒したシンなら心配いらないと・・・」
「でもユーリ、貴方結界が解かれるまでずっとそわそわしていましたよね?挙句の果てには何もないところでこけたりして」
「な!?そんなこと言ったらシュテルだって本を逆さまに―――」
ワーワーギャーギャー言い始めたよ。この四人組――――うるせえ
「取りあえず玄関でそんなことすんな。」
そう言って俺は四人をどかしリビングに入り、冷蔵庫からお茶を取出しコップに注いでその場で一気飲みした。
「で?結局何があったの?」
レヴィが興味津々で聞いてきた。
「なんか、よくわからんが
「はた迷惑な話だな」
「それで?どうしたのですか?」
「お前等のオリジナル・・・と言っても八神は私用でいなかったが・・そいつ等がやられかけていたから、流石に急にいなくなって学校全体の雰囲気が変わったら面白くないから俺が倒した。」
「「「「ええ!?」」」」
なんか驚かれたのだが・・・・
「どうした?」
「どうしたってお前・・・・管理局には関わりたくなかったんじゃないのか?」
「そうだけどよ・・・・なんかアイツ
「どんな工夫をしたのですか?」
シュテルが質問してきた
「なに、簡単だ。俺自身の魔力を使わずに相手を倒しただけだ。」
「そんな神業できるわけがないだろう・・・・」
「フッ、いいか?ディアーチェ・・・他者に目を付けられずに目標を撃破するのに一番手っ取り早い方法っていうのは『絶対にありえない』と思わせる芸当さえ出来たらこちらの勝ちなんだよ」
「言われてみれば確かにそうですね。」
ユーリがうんうんと頷いていた。
「いいなぁ・・・よし!シン!!僕にそれ教えて!」
「お前には一生無理だ」
「なんで!?」
「それをするには三次元における空間・・・て、オイ。何、目を回して頭から湯気を出しているんだ?」
「きゅう~」
「シン・・・レヴィにそれを理解させるのは無理ですよ。」
「・・・・確かにそうだなシュテル。今のは俺が悪かった。」
その後、目が覚めたレヴィの頼みにより超劇甘カレーライス(具体的に言うとお子様カレーをさらに3倍甘くした感じ)を作り俺とレヴィを除く全員が苦悩し、デリバリーを頼んだのは別の話。因みにあのカレーはレヴィが一日で美味しくいただきました。
次の日―――
まあ、予想はしていたが高町達の視線が痛い。隣だからなおのことしかもその隣のフェイトとその後ろのアリシアが特に痛い。今は一応、授業中なので話し掛けては来ないが・・・・いや念話が煩い。まあジャミングかけて無視すればいいだけなのだが・・・そして問題は休み時間だ。しかしその辺の対策もばっちりだ。さあ今こそその力を発揮するがよい
万華鏡写輪眼!!
一時限目
「あの伸く「おーい伸!今度の―――」・・・・」
「おk・・・あとそれと狩谷・・・あの件だが―――」
「ああ、いいよ。また今度で」
キーンコーンカーンコーン
二時限目休み時間
「伸ちょっと「よぉ、伸。実は石油連盟に呼び出しくらってよ・・・」・・・・」
「またかよジャギ・・・流石は石油に愛されし神童。」
「ノート代わりにとってくんね?」
「了解した」
キーンコーンカーンコーン
三時限目休み時間
「ねえ・・・し「よぉアリシア!今日もかわいいな」・・・(イラ」
カーンコーンソーサーイ
四時限目休み時間
「ねえ、伸君「おい、なのは!そんなモブより俺と話そうぜ!」・・・」
OーHAーNAーSHI
以下昼食時も含め、バカ男共しか出ず同じ展開なので察してください。
うん、写輪眼マジ便利。おかげで『俺と刃は』平和に学校生活を堪能できた。写輪眼万歳!幻術万歳!!
「本当に便利だよね・・・・それ」
「ああ、とりあえず帰りもアイツ等の相手はあのバカ男共に任せたから俺等は平和そのものだったし・・・まあバニングスと月村には少し悪いことをしたかな?」
「完全にとばっちりだもんね」
「好奇心は猫をも殺すというからな・・・仕方ない。まあ、これでアイツ等がどう出るのかが楽しみでもあるが」
「ほんといい性格してるよね・・・君」
「何をいまさら」
「でも、まあ次に彼女たちの起こす行動なんて大体予想がつくけどね・・・・
「だな・・・・」
その言葉と同時に周囲に結界が張られた。
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第三十六話:おや?チャイムのようすが・・・