作戦会議の次の日・・・
俺は城門の前で仁王立ちしていた
するとまぁ、賊が来るわ来るわ
軽く呆れていると、相手の将が出てきた
「おい、餓鬼がこんなところで何をしている?」
ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながら聞いてきた
だから、意趣返しとして
「あなたを殺しに来ただけだよ、おじさん」
「あーははは!!お前みたいなガキが、この俺を殺すって
冗談もほどほど(ザシュ)…に…し」(バタッ)
と笑いながら落馬していった
それはそうだろう
俺が上半身と下半身を分離させたからな~
いや~、丸腰の相手って狙い易くて助かる~
何をしたかって?
たかだかと丸腰で笑っている最中に
一瞬で移動して、斬ったんです
「鄧茂様!?」
周りの兵が駆け寄る
鄧茂ってことはここを攻めたのは程遠志か…
本当は幽州攻めるはずなんだけどな~
ここ、豫州なんだけどな~
「敵将、鄧茂
李 優行が討ち取った!!」
ま、いっか
動揺している今が好機
「敵が動揺している今こそ好機、弓隊は矢を放て!!
これより、この街を賊徒から開放する
進め、祖国の子らよ
栄光の日は来た!!
全軍、突撃!!」
「おっしゃー!!」
「今まで貯めていた不満や因縁、全てぶちまけたる!」
「やってやるぜ!!」
鄧茂という将を亡くし
鄧茂隊はまもなく撤退
そしてその混乱は程遠志隊にも伝わった
「お、俺、まだ死にたくねぇ、逃げる!!」
「俺も!!!」
と脱走者が増え、程遠志軍は最初の半分の兵力となっていた
さらに、逃亡兵も
「逃げられるなんて思うなよ
この街の人々たちの痛み、苦しみ、嘆き、お前らの命で
償ってもらおうか・・・」
あらかじめ待機させていた徐晃隊により、殲滅させられていた
さらに追い討ちをするように
「敵襲!!!敵軍の奇襲です その数不明」
星が奇襲で敗残兵を殲滅させた
「今まで、行った自分の行いを悔やみながら
死ね ハイハイハイハイ」
程遠志side
「程遠志様、我が軍の兵力が1000を切りました
ど、どうすれば!?」
「できるだけ士気を上げておけ
最後の一当てをする」
伝令兵は走っていった
迂闊だった
50000の大所帯も今では形無しだ
あの時、鄧茂がやられたあと、再起を図って撤退すれば
このような大敗を喫することはなかっただろう
…だが、もう過ぎ去りしこと
過去のことを悔やんでも仕方ない
このような惨状で、天和ちゃんたちに合うことはできない
ここで散ろう
李 優行
あいつは将来、大きい男になる
どこぞの無名な兵士よりその男に殺られるんだ
悔いはない
儂は敗残兵の前に出て言った
「皆、いままでご苦労だった
此度の戦い、私の誤判断により
諸君らの奮闘虚しく大敗を喫してしまった
私は最後の一当てにて散るだろう
ここで逃げても構わん
誰も恨まない
敵軍に降っても構わん
…儂の最後に付き合ってくれるやつだけ、残ってくれ」
すると
「なに言ってんすか、俺たちは大将に忠誠を誓った身
対象と一緒に散れたら本望ですって」
「そうですよ、水臭いこと言わねーでください」
1000の兵全員が残ってくれた
「皆… ありがとう」
そして俺はその1000の兵と共に
天幕から飛び出し
「我こそは、敵大将 程遠志
誰か、私と殺り合う猛者はおらんか!!」
最期の名乗りを上げた
敵大将 程遠志
副将 鄧茂の狼藉により勝手に軍を動かされ
自ら戦場にいでて
撤退しようとしていたところ 自軍の敗北を察知し
敵軍に突撃した
李通side
「我こそは、敵大将 程遠志
誰か、私と殺り合う猛者はおらんか!!」
敵大将さんのお出ましか
「凛、ここは預ける
俺は、あいつといっちょ殺りあってくる!!」
「ちょ、刃様!?」
ごめんね~凛
あとで謝るから、許して~
数分後…
「貴様が程遠志か」
目の前の男は笑いながら答える
「いかにも、我が名は程遠志、この賊軍の将だ」
「珍しいな、このようにまともに名乗って、一騎打ちを望む将は」
「じゃから、わしの軍はよく、変わり者と言われたもんよ
はっはっは~」
豪快に笑い飛ばす
だが、鄧茂と違い、隙はない
さすが将だな
「さて、話もここまで、殺り合うとするかのう」
「そうだな…」
「黄巾賊賊将 程遠志」
「東野流剣術、第81代継承者 李 優行」
「「いざ参る!!」」
数十合打ちあった後
一旦、間を取り、様子を伺う
三国志演義と違い
大分強化されているな…
「坊主!!」
程遠志に声かけられる
「なんだ、おっさん」
「わしの体ももうもたん、次で最後の一撃とせんか?」
確かに、爺さんの動きは大分鈍っている
次で最後だろう
なら、こちらもそれ相応の技で向かってやらねえとな
「わかった、準備はいいか?」
「応、行くぞ、坊主」
「生憎だが、やられるわけにはいかんのでね!!行くぜぇ」
「これで、終わりじゃぁ!!」
「東野流奥義、朔夜!!」
程遠志のふりおろされた刀と
俺の放った朔夜は
拮抗状態が続いた後に
「くっ ぬあぁぁぁぁぁぁ!!」
程遠志を吹き飛ばした
朔夜、すなわち新月
それは、新月のように相手の全てがなくなる技
心魂や身魂までもがなくなる
その代わり、苦痛はない
刃が行った、せめてもの慈悲だった
消えゆく体の中で
程遠志はただ一言こう述べた
「我が生涯、一片の悔い無し」と
そうして、笑顔で消えてった
俺たちが戦場に投入したのは500人
最初の鄧茂たちが現れ、敗走し
程遠志が出てくるまでの間、負傷者はいても
死者は0だった
だがしかし、程遠志が出てきた後
死者は128人
負傷者272人
8割が死傷した
相手は死者 5000人
負傷者 20000人
投降者 20000人
残りは脱走
~夜~
「ふぅ…」
俺は戦場に出向き
この戦の惨状を見ていた
今、門の中では盛大な宴が繰り広げられているだろう
「俺、人を殺したんだよな…」
前世では、人を殺したことはなかった
人を殺すこと、即ち、その人のその後の人生を全て奪い取ること
俺は、自分の手によって多数の人間を殺してしまった
多数の人間の残りの人生を奪い取ってしまった
そう思うと
「……グスッ」
自然と涙が出てきた
「主…」
星が近づいてきた
俺は急いで涙をぬぐい
普段どうりに接しようとした
「あ、星、どうした…」
その瞬間、俺は星に抱きしめられた
「主、戦の惨状から目をそらさないことは良いことです
しかし、そのような悲しい表情を見せないでください
私も凛も、風も水仙も悲しんでしまいます」
本心を悟られたか…
「なぁ、星、俺は思うんだ
俺はそこまで強い男ではない
夢を叶えるために人を殺すような手段を使う俺だ
もう、後戻りはできない
そう思うと、不安になってきて恐ろしく感じるんだ
なぁ、星、こんな弱い心の持ち主が、このまま人殺しを続けていいのか・・な」
星side
「なぁ、星、俺は思うんだ
俺はそこまで強い男ではない
夢を叶えるために人を殺すような手段を使う俺だ
もう、後戻りはできない
そう思うと、不安になってきて恐ろしく感じるんだ
なぁ、星、こんな弱い心の持ち主が、このまま人殺しを続けていいのか・・な」
主が一人で戦場に立っている
それを聞いて早急に駆けつけると
戦の惨状を見て嘆いてる主がいた
主は13、若すぎる
その若さでこのようなことをしたのだ
そう思うのも不思議ではない
「主、一人で背負い込もうとしないでください
周りには私たちがついています
いつまでも主の味方なのですから
なんでも頼ってください」
子供をあやすように言うと
「本当か?ずっと味方でいてくれるのか?」
「ええ、この星の真名にかけても」
そういうと、主は
「ありがとう、ありがとう…」
と言いながら涙を流していた
そのときから、私はこの御人から一時も離れないようにしようと誓った
自分に大事が降りかかると、即座に壊れてしまいそうな心をしていたから…
ですが、少々、からかうことくらいは
お許し下さいよ、主♪
その時の星の顔は
悪戯を考えついた子供のような笑顔だった
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不慮の事故で死んでしまった主人公東野 刃 しかし、それは全て神の間違えということが発覚 元の世界には戻れないが転生はOKなのでしてもらうことに 少々のチートをもらい、いざ転生先へ!!