「ソロで討伐クエスト」
9歳
プラネテューヌ付近・草原
ある日、僕はモンスターギルドのクエストのEランクをやっていた。内容はビッグスライヌというモンスターの討伐だ。
武器は義父が使っている投剣。これを短剣の代わりに両手に一つずつ持っていた。
ターゲットは気付いてないのを確認し、草むらに隠れ、静かに息をひそめた・・・・
そしてそこらで拾った石を、ターゲットに投げつけ、その後、右方向に回り込むように走った。
ボチョッ・・・
ビッグスライヌ
「ヌラ?」
ぶつけられたターゲットが左回転で後ろを振り向いて90°の所で・・・・
ザシュッ!
背後を切り、左方向に姿勢を低くして走る。身長が低いのを利用して、走り抜けるついでにもう一回!
ザシュッ!
ビッグスライヌ
「ヌラ~~~~~~!」
ドスンッ! ドォンッ! ボォンッ!
訳も解らないと言うように暴れ出した。気配はあるのに見つからずに切られてるからそうなるか。
まあこっちとしては好都合なわけであって、これだけ錯乱してくれれば見つからずに終わりそうだ。
ザシュ! ザシュ! ザシュ!
隙を突いてターゲットを削っていった。そしてぼちぼちの所で姿を現し、石をぶつけた。
ユウザ
「こっちだよ。」
ビッグスライヌ
「ヌラァァァァァァァァァァァァッ!!!」
御立腹の様子で突っ込んで来た。僕はあらかじめ用意した仕掛けを作動させて待った。
ブゥンッ・・・・・
ビッグスライヌ
「ヌラァァァァァァァァァァァ!!!!」
ユウザ
「かかった・・・・!」
集まって大きくなったスライヌだけあって迫力がある。その身体で今にも僕にぶつかりそうになった瞬間!
ユウザ
「燃えろッ!!」
ドォォォンッ!!
【SPスキル・設置系・術式設置・ファイアストーム】
ビッグスライヌ
「ヌッ!?・・・ヌラァァァァァァァァァァァ!!!」
仕掛けで作動した魔法の炎の竜巻により、ターゲットは欠片すら残さず、周りの消えた・・・・・
ユウザ
「ふぃ~~~~~~」
仕掛けと言うのは、魔力を込めた杭を打ち込んでで作った方陣のことだ。
うろついてたターゲットの10メートル先、たった今ターゲットが塵と化した所にあらかじめ仕掛けておいた。
これは、前に義父が使っていた術を見様見真似でしたものだ。
設置する前の杭に出す魔法の術式を一本一本組み込ませた後に、決まった配置に杭を差し込み、方陣を作っておく。
例えば、さっきの魔法は5本必要で、五角形になるように差し込んで方陣を作る必要がある。
後は遠隔操作で発動させるだけの簡単なお仕事です。
義父はイメージだけで即座に術式を組み込み、その場で方陣を作って術を行使してしまう。
だけど、今の僕はそこまでの域に達してないが、いつか出来るようになりたいと思っている。
術によって、設置する個数が様々で、中には僕が行く前に持ってくる杭を10本全部使っても足りない位のもある。
実は、義父にいくつか教えてもらった術がある。
が、その殆どが対女神用で、その一つに【シェアアウト】という術がある。
これの効果は、義父曰く、女神のシェアを無理矢理放出させる術らしい。
これに必要な設置物の数は5つ以上である。設置物1つにつき2%位出させるらしく、最低10%放出させる。
10%というと、軽いめまいを引き起こす程度らしい。
僕の杭全部でも20%、バランスを崩して転びそうになる程度だ。
義父は対女神用の術式と方陣の作り方の本を出版しているが、それ以外はレポートにて記録している。
まあ、妥当だろうと思った。女神のいない国を快く思わないだろう。
しかも、シェア維持の為に、国に連れてかれる人もいるという事件がある。
つまりは、何が起きるか分からない今の、いざという時の護身術だ。
これなら加護付きの兵士も弱体化出来るし、女神にも効くから足止めにも使える。
まあぶっちゃけ、神社で買う御守りみたいなものである。
悪魔で言う聖水、幽霊で言うお札、そんな感じのものだ。
備える事で、市民の心を落ち着かせている為、無意味でも無いのだ。
さて、仕事も終わったし、そろそろ帰るとしますか。報告するまでがクエストです。
僕はいそいそと、モンスターギルドに戻るのであった・・・・・・
インターセンター・2番街・商店街
2番街では、商業が盛んで、武器とかも売っている。クエスト報告で報酬をもらい、そのお金を早速使っている。
実は方陣の術行使は使いきりで、方陣に使った設置物は大体砕け散る。その為、補充する必要がある。
あの杭も結構手頃な価格で手に入るので多用している。義父の使っている投剣は、僕の手には届きません(泣)
あの投剣だって、義父からもらったもので、御身用なんです(泣)
けどもうすぐ昇格できるから、そうなったらちょっと良い武器を買う予定です。
気が付いたら、もう夕方になっていた。買うものは買ったので、家に帰る事にした・・・・・
ユウザ
「ゲッ!」
咄嗟に隠れた。
あそこにいるのは
マズイ・・・・・「勝手に一人で危険種討伐してました~」なんてバレたら何言われるか・・・・
とりあえず、気配を消して、先に帰る事にした・・・・・ってん?
義父さん、いつもより多く投剣買ってる・・・・・討伐依頼かな・・・・?
そんなことはどうでもよかったので、気配を消して、静かに急いで帰路に向かった・・・・
インターセンター・1番街・ワーカー宅
ワーカー
「ただいま。」
ギリギリセーフでした・・・・(汗)危ない所だった・・・・・
ワーカー
「ユウザ。」
ユウザ
「はいッ!!」
ヤバイ!!バレた!?
ワーカー
「私は1週間、ここを出る。しばらく留守番をしてくれ。」
ユウザ
「え・・・・?何かあったの?」
ワーカー
「以前から四大国に国として認めてもらおうと説得をしている。が、多くの街は占領された。」
ユウザ
「聞いたことある。確か、人は国に連れて行かれて再教育をされ、モンスターは狩られるって・・・」
ワーカー
「私はそれを止めねばならない。大丈夫さ。代表である教祖も言葉が通じる。解ってくれるはずさ。」
嘘だ。だったら何で投剣を100本買ったんだ?あれって確か義父さんが暗殺者時代に用意した本数だ!
ワーカー
「そんな暗い顔をするな。おまえとは、どこか遊びに行くと約束しただろう。」
ユウザ
「・・・・・・うん。」
そうだ、今までだって約束は守ってくれた。今回もそうだ。気にしすぎたんだ。これ以上考えないようにしよう。
不安しか思い浮かばないのだから・・・・・
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気付かぬ間にやってくる・・・・
そんなシリーズを、作ってみたい。(冗談)