episode96 全学年トーナメントその2
『さて!全学年トーナメント二日目最後の試合となって参りました!!トリを飾るのは専用機持ちがいるチーム同士です!』
そうして二日目のトーナメントも最後となった。
『対戦チームはこれはまた注目の組み合わせ!!神風選手の妹二人です!!』
と、アリーナ内にはシャルロットと颯がいた。
『さて!神風姉妹はどんなバトルを繰り広げられるか!!』
「ようやく当たりましたね、姉さん」
「そうだね、颯」
アリーナ内で颯とシャルロットは通信をしていた。
「この戦い・・・勝たせてもらいますよ」
「それはこっちの台詞だよ」
(この戦いになって兄さんと・・・フフフ・・・)
(この戦いで隼人にどっちが上かって言うのを見せないとね)
と、二人は笑顔であったが、なにやら威圧感を放っていた。
「っ!?」
一方観客席にいた隼人はブルッと身体を震わせた。
「どうされましたか?」
その様子に気付いて隣の席に座っているラウラが聞く。
「い、いや・・・。今何か背筋に悪寒が走ってな」
「大丈夫ですか?」
「心配ない。体調面での悪寒じゃない・・・たぶん」
「そうですか。しかし――――」
と、ラウラはシャルロットのリヴァイブを見る。
しかしその形状は以前とは異なっていた。
基本的形状に変化は無いが、背中には口径の大きいスラスターを四基搭載したバックパックを搭載しており、バックパックの両サイドにリヴァイブのウイングバインダーを四基搭載していた。左腕も以前より少し太くなった様に思える。その他脚部後部のスラスターやいくつかの点が改良されている。
「シャルロットのISが以前と異なっていますね」
「そうだろうな。なにせ俺が改良したからな」
「師匠が?」
「あぁ。もちろんシャルロットの監修の元でな」
「なるほど。通りで見慣れないパーツがあったり、リヴァイブの左腕が少し大きくなっていますね」
「後は武装面だな」
「しかし、よろしいのですか?他国のISを勝手に改造しても」
「構わんだろう。それに以前より性能が上がった状態で帰ってくるんなら、向こうは得する物だ」
「そういうものでしょうか」
「そういうもんだ」
『さぁ!!試合開始です!!』
そして試合開始のブザーが鳴り響くと、シャルロットと颯が動き出した。
シャルロットはアサルトライフルとアサルトカノンを展開して颯に向けて放つが、颯は弾を軽やかにかわすと右手に持つスタングルライフルを放ったが、シャルロットは背中のブースターを噴射してかわした。
そのままアサルトライフルとアサルトカノンを放っていくと、得意の『高速切替』で瞬時に収納して瞬時にマシンガンを両手に展開して放った。
「Cファンネル!」
颯はFXからCファンネルを射出して機体前方に配置してマシンガンの弾を弾いた。
「やはりそう来るんだね!」
シャルロットはマシンガンを放っていくが、颯はCファンネルで弾丸を弾いていき、スタングルライフルを放つも、シャルロットは横にブースターを噴射して飛び出してかわす。
「っ!」
シャルロットはそのままマシンガンを掃射するが、弾丸はCファンネルに弾かれていく。
(早いけど・・・こうなったら)
そのまま高速切替でマシンガンからアサルトライフルを展開すると、マガジンを排出して別のマガジンを装填する。
「この弾はいつものとは一味違うよ!」
そう言うとアサルトライフルを前に向けて颯に向けてトリガーを引き弾丸を放った。
颯はCファンネルを前に出すが、弾丸はCファンネルに直撃すると、Cファンネルが先ほどとは違って大きく弾かれた。
「っ!」
颯は弾かれたことで気持ちに揺らぎが出来て、Cファンネルの動きが鈍る。
シャルロットはそれを見逃さず次々とトリガーを引いて弾丸を放って行き、颯はとっさに弾丸をかわしてく。
(Cファンネルが弾かれた!?)
「今の弾丸は・・・」
ラウラは先ほどの攻撃に違和感を覚えていた。
「さすがに勘が鋭いな、ラウラ」
「知っているのですか?」
「あぁ。シャルはアサルトライフルに俺が考案して作った試作品『高速弾』の入ったマガジンを装填している」
「高速弾?」
「弾丸の発射火薬を通常の火薬より強力な火薬になっているものだ。通常よりかなり速い弾速を発揮させる」
「なるほど。レールガンには及ばないとは言えど、それに次ぐスピードが出ると」
「そういうことだ」
「だから、颯のCファンネルが弾かれたと」
「確かにそうだが、その火薬は発火するとかなりの熱量と衝撃を放つ。それは何を意味すると思う」
「・・・アサルトライフルのバレルや装填部が大きく影響を受ける」
「そうだ。だからそう何度も使える物じゃないんだ。マガジンには六発の弾丸が入っている。それ以上撃つとアサルトライフルが持つかどうか分からないラインでな」
「下手をすれば弾が詰まって破裂すると」
「あぁ」
「しかし、そんな強力な攻撃をいきなり使うとは」
「あれはまだ序の口だ。恐らくここからシャルの本領が発揮されるだろうな」
「シャルロットが?一体それは?」
「今に分かる」
(やっぱりもう駄目になった)
シャルロットはマガジンを排出して収納すると、左手にマシンガンを展開して颯に向けて放った。
颯は弾丸をかわすとCファンネルをシャルロットに向かわせて飛ばして切り掛かるが、シャルロットは各スラスターを噴射してかわすも、リヴァイブの各アーマーにかすれてシールドエネルギーが削られる。
(さすがにビットを持っている相手のほうが有利・・・。でも、これにやられる僕じゃない!)
シャルロットはマシンガンを颯に向けて放つも、颯は残したCファンネルを前にやって弾丸を弾いた。
次に高速切替でアサルトカノンを左手に展開して同様に弾丸を放っていくが、颯はこれをCファンネルで防いでいく。
(次が賭け時)
するとシャルロットは右手に四連装のミサイルランチャーを展開して、四基のミサイルを放った。
「っ!」
颯はCファンネルでは防がず後ろに飛んでスタングルライフルを放ってミサイルを撃ち落した。
続けてミサイルを放ったが、颯はCファンネルを飛ばしてミサイルを切り裂いた。
するとシャルロットは何か確信を得たように口角を少し上げると、左手に持つアサルトカノンを颯に向けて放ち、FXに直撃させた。
「うっ!」
颯はとっさにCファンネルを前方に出して弾丸を防いでいく。
「どうやらシャルは確信を得たな」
「確信を?一体何の?」
「あぁ。颯はマシンガンとアサルトカノンの弾丸は防いだな」
「えぇ」
「だが、ミサイルは防がずに切り裂いて撃破した。それは何を意味する?」
「・・・・」
「そもそも、Cファンネルはエネルギー系の攻撃には強いが・・・物理的攻撃には弱い面を持つんだ」
「物理的攻撃に・・・ですか?」
「そうだ。ライフル程度の実体弾なら耐えられるが、それ以上となると防ぎきれるか分からんがな」
「そうなんですか。颯はそれを知っていて」
「だが、それが裏目に出たな。むしろシャルに確信を持たせたものだ」
「破壊されないためにかわしたが、逆にそれがシャルロットに確信を得るためのきっかけになった、と」
「そうだ。シャルの洞察力には脱帽するよ。本当に」
「そうですね」
「くっ!はあぁぁぁぁぁ!!」
颯は飛んでくる弾丸をかわしながらスラスターを噴射して左腕からビームサーベルを出すが、シャルロットは右手に持っていたマシンガンを収納してブレードを瞬時に展開して斬撃を受け止める。
そうしてシャルロットが颯を押し返すが、その直後に再度接近してビームサーベルを振るうが、シャルロットは左腕のシールドで受け止める。
「ふっ」
するとシャルロットは不敵な笑みを浮かべて、その瞬間颯は危険を察知した。
しかし既に遅く、シャルロットに右手には高速切替でブレードからショットガンに変えており、FXの腹部に銃口を突きつけると連続でトリガーを引いて放った。
「ぐっ!」
それによってFXのシールドエネルギーが大幅に削られた。
「このままで!」
颯はシャルロットを押し返してビームサーベルを振るうが、シャルロットはスラスターを一気に噴射して後ろに下がった。
「悪いけど、これで決めさせてもらうよ!」
と、シャルロットは左腕のシールドをパージすると、グレースケールよりも威力の上がったパイルバンカー『リボルバーステーク』を展開した。
「っ!」
颯は回避は間に合わないと思い、機体前方に数枚重ねてCファンネルを配置する。
「貫け!!」
シャルロットはリボルバーステークを突き出して杭をCファンネルに叩き付けると炸薬を爆発させて杭を打ち出して重ねたCファンネルすべてを打ち抜いた。
「っ!?」
その直後にシャルロットは背中のブースターを噴射して飛び出してそのまま杭をFXの腹部に叩き付けた。
「これで!」
そのまま颯諸共押して行き、炸薬を次々と爆発させて連続で杭を叩き付けた。
そして二人共々アリーナの壁に衝突すると、シャルロットは最後の一発を颯に叩き付けた。
「うぐっ!?」
その直後にFXのシールドエネルギーが尽きた。
『決まった!!デュノア選手の猛撃が炸裂した!!』
「さ、さすがですね・・・姉さん」
「颯も見事なビット捌きだったよ」
「そうですか」
「話は後でね。まだやることがあるから」
そう言ってシャルロットは颯の元を離れて残りのメンバーの撃墜に向かう。
「シャルロット・・・」
「さすがだな。最後はステークで決めたか」
「あのパイルバンカーは師匠のAGE-3の装備では?」
「あぁ。どうせ使わないんじゃ勿体無いんでな、リヴァイブに転用した」
「そうでしたか」
そうしてシャルロットが他のメンバーの支援に回って見事勝利を収めた。
後書き
パイルバンカーとなるとどうしてもアルトアイゼンを思い浮かべる。それがリボルバー式の弾倉なら尚更のこと。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!