No.520120

妹が俺離れしてくれない―隣の晩御飯と妹―

なし水さん

キン・パツ子さん(仮)に遭遇した俺は晩飯をご馳走してもらうことに。
でも妹が黙ってないんですねこれが。

2012-12-18 21:37:14 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1663   閲覧ユーザー数:1564

 

「あ、君は・・・」

 

「ん?」

 

打ったボールに当たった金髪の子に遭遇した。

 

「あ、どうも。

この間は本当にごめんね!」

 

「いいです、気にしてないので」

 

結構俺が気にしちゃう訳なんだが。

 

「名前、言ってなかったよね?

俺は高町良介です」

 

「フェイト・テスタロッサ」

 

ふむ、外人か。それならこの金髪も納得できる。

 

「よろしく」

 

「この手は?」

 

「握手しようぜ」

 

「・・・よろしく」

 

 

なんだかんだで俺とテスタロッサさんは徐々に親密な関係になりつつあるようだ。

口数も増えてきてるし、表情や口調も優しくなってきているように見えた・・・と思う。

でも隣町在住ということもあり、会える機会も少ないだろう。

 

「神社?」

 

「うん、ちょっと用事ができたから」

 

「そうなのかー。なら仕方なし。

なら俺はそろそろ帰るわ」

 

「わかった。じゃあね」

 

そう言って別れてしばらく家に向かってると、誰かに抱きつかれた。

この勢いと胸の絶壁感からすると、奴しかいない

 

「良介お兄ちゃん!」

 

「やっぱりお前かなのは。

ユーノがいるときに抱きつくな。何かあってユーノが俺に触れたらどうする」

 

マジでこういう妹いらないんですけど。

テスタロッサさんみたいに物静かな感じの人がいいです。

 

「今日は犬のバケモノを退治したの!

褒めて褒めてー!」

 

「はいはい、よくできましたねー。

てか前の毛玉じゃないの?」

 

「ユーノ君が言うには前の毛玉と犬が合体した姿なんだってー」

 

フュージョンしたんですねわかります。

 

「で、ジュエルシードを回収しました!」

 

何それ。

 

「青い宝石だよ!」

 

あれね、はいはい。

 

「暇だから一応聞いとく。今回どこだったん?」

 

 

 

 

 

「神社だけど・・・」

 

 

 

 

 

なん・・・だと・・・!?

それって・・・、

 

「悪い、なのは!

ちょっと用事思い出したから先帰ってくれ!」

 

「え、えぇっ!?ちょ、良介お兄ちゃん!?」

 

無事だといいんだが・・・。

 

 

「そんなに慌ててどうしたの?」

 

あの後、悪質なストーカーこと、高町なのはを撒いて神社を捜索したが、テスタロッサさんはいなかった。家にいた。

安心感に浸ってたらどう言い訳しようか考えてなかった。どしよ。

 

「さっき神社に行くって言っただろ?

妹もたまたまそのへんにいたんだけど、そんとき変な奴がいたんだとさ。

それで不安になって・・・」

 

うっわー、はずかしー。

もう2度とこんなこと言わねえ。

 

「そうなんだ。

でも私はその人には遭遇してないから。途中でアルフとも合流したし」

 

そうなのか。まあアルフさんがいれば安心だよな。

 

「疲れてる?」

 

「いつも妹にベタベタされたらそりゃ疲れる」

 

「そうじゃなくて、少し、息切らしてるように見えるから・・・」

 

あ、そういえばここまで全力疾走だったからなー。

 

「よかったらご飯食べてく?カップ麺くらいしかないけど」

 

「ちょっと親に電話して聞いてみるわ」

 

 

『はい、高町です』

 

「もしもしー。

あ、美由紀姉さんか?良介なんだけど、父さんか母さんいる?」

 

『はいはい、ちょっと待っててー』

 

お母さん電話ー。という声がしてから受話器から声が聞こえた。

 

『もしもし』

 

「もしもしー、良介です」

 

『どうしたの?』

 

「友達の家にいるんだが、飯食ってくかって誘われたから食ってっていい?」

 

『・・・』

 

「あ、あのー、聞いてます?」

 

『・・・その友達って女の子?』

 

何故バレたし。どっかで見てるんじゃなかろうか。

 

「・・・んなわけないだろ、こんなブサイクにいるはずが」

 

『ダウト』

 

嘘もお見通しって訳ですね本当にありがとうございました。

 

『ふふっ、好きにしていいわよ。

明日は休日だから、なんなら泊まりでもいいのよ?』

 

ねーよ。

知り合ってまだ数日ですぞ。

 

「馬鹿なこと言わんといて。

飯食って帰るよ」

 

『はいはい、わかりまし・・・ちょ、こらなのは!人が・・・』

 

『良介お兄ちゃん!』

 

やっぱりお前かよ。どうしたん?

 

『今どこ!?』

 

「友達の家」

 

『いつ帰ってくるの!?』

 

「お前は俺の嫁さんかと。

飯食ったら帰るよ」

 

『わかったの!

それまでに良介お兄ちゃんのベッドを温めて』

 

そっと受話器を切った。

 

「どうだったの?」

 

「別にいいってさ」

 

「じゃあ、早速ご飯の用意するね」

 

 

机の上には無数のインスタント食品が広がっている。

 

「どれにする?」

 

「どん兵衛ちゃんで」

 

「なら私もそれにしよ」

 

お湯を注いで3分。科学はここまで進歩したのか・・・いや待て。

 

「アルフさんは?」

 

「用事で少し遠くまで行くって言ってたから、夜中に帰ってくると思う」

 

「ちなみに聞くけど・・・アルフさんって料理できるん?」

 

「いや、できなかったと思うけど・・・」

 

・・・えっ?

 

「ならお母さんが作ってるの?」

 

「母さんは・・・ここから遠いところにいるから」

 

テスタロッサさんのお母さんは既に死んでる・・・?

 

「・・・ごめん、変なこと聞いた。忘れてくれ」

 

「・・・?

わかった」

 

流石に今のは俺もデリカシーがなかったと思ってる。

 

 

「お母さんから聞いたの!」

 

いやいや、なんで怒ってるんすかなのはさん。

あー、そんなにベッドをぐしゃぐしゃにすんなよ。なおすの俺なんだから。

で、何聞いたん?

 

「そのお友達、女の子なんだってね?」

 

「確かに女の子だということは否定しないが、友達なのかね。

俺が一方的にそう思ってるだけで、相手はそう思ってないと思ふ」

 

「そんなことはどうでもいいの!」

 

ああ、そうですか。

 

「よく聞いて良介お兄ちゃん、良介お兄ちゃんはその子に誑かされてるの」

 

・・・はい?

 

「絶対にその子は良介お兄ちゃんから将来、大量のお金を搾り取っていくの!

だから私は良介お兄ちゃんには幸せになって欲しいから言っておくよ!

その子とこれ以上」

 

「ハハッワロスwwwwwww」

 

「えっ・・・?」

 

「そんなもんそんとき考えりゃいいだろ」

 

まだ被害にはあってないんだしさ。別によくね?

 

「良くないの!

今のうちに手を打っとかないと後後大変なことになるの!きっと後悔するの!」

 

そんなに悪い人たちじゃなかったんだけどな。人柄的に考えて・・・。

 

 
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