「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
鋼牙と雄二はFクラス教室内で待機していた。
「雄二、一つ聞いていいか。」
「なんだ、鋼牙?」
「どうして俺を前線に出さない。」
「お前は最後の要だ。失うわけには行かないしな。」
「それは雄二も同じことだ。」
「まあ落ち着け。島田達だってそう簡単に・・・」
『ごめん!点数がやばくなってきた!!』
「・・・・・・まずいな。Fクラスであとまともに戦えそうな戦力は今ない。せめて足止めくらいが精一杯だろうな。」
「・・・・・・・鋼牙、冷静に分析するな。」
『鋼牙、助けて!美春がとどめさそうとしてきた!』
「行ってくる!」
「気をつけろ!」
鋼牙は島田の援護に向かって言った。
「島田、大丈夫か!」
「冴島!」
「むっ!誰ですか、お姉さまと美春の邪魔をしないで下さい。」
「そうはいかない。冴島鋼牙、清水美春に勝負を挑む。試獣召喚!」
数学の記号が召還陣となり鋼牙の試験召還獣が召還される。
召還獣の服装は黒いピッチめの服の上に白いコートを着ており、背中には小さく逆三角形の金属部がはめられていた。武器は白い鞘に収められて双剣。
「そんなんで美春を倒せると思っているんですか?舐められたものですね。」
美春は召還獣を大きく振りかぶり突っ込んでくる。鋼牙は鞘に入れた状態で見張るの攻撃を受け止める。鋼牙の召還獣は鞘から剣を抜き、そのまま見張るの召還獣に突き刺す。
「なっ!なんですか、あなたは!」
「ただのFクラスの生徒だ!」
鋼牙の召還獣はジャンプし美春の召還獣に剣を振りかざした。
数学
冴島鋼牙 VS 清水美春
769点 0点
「な、何ですかこの点数は!」
「冴島!いつの間にこんな点数を!」
と、その時あだ名が鉄人こと西村先生が来た。
「戦死者は補修!」
「お、お姉様~~~~~~~~~~!!!!」
美春はそのまま西村先生に進路指導室こと補修教室に連行された。
「あ、ありがとね、冴島。」
「別に構わん。それより早く点数を補給して来い。そのままだと西村先生の講座を受けることになるぞ。」
「講座って・・・・どちらかと言うと洗脳って言ったほうがいいと思うけど・・・わかった。ここは任せたわよ。」
「ああ。」
島田は点数補給をしに行った。
「さてと・・・・」
鋼牙は目の前にいるDクラスの生徒たちに顔を向けた。
「な、なんてやつだよ・・・」
「でも数ならこっちが押しているから大丈夫だ!」
「そうだ!」
「いくぜ!」
「「「「試獣召喚!」」」
数学
冴島鋼牙 VS Dクラス男子四人
769点 平均189点
「「「「おおおおおおお!!!!!」」」」
「まったく・・・・」
鋼牙はため息をつき召還獣を構えさせた。一人が槍を構えて突き刺してくる。鋼牙は剣側部を槍に逸らせ切り込む。その生徒の召還獣は点数が0点になった。
次に二人の召還獣がハンマーを振りかざすが鋼牙の召還獣は後ろへ大きく飛翔する。鋼牙の召還獣は再び敵二人に向かい飛翔し真っ二つに切り裂く。二人の召還獣は0点になった。
「隙あり!」
刀を持った召還獣が鋼牙の召還獣に向けて突き刺してくる。鋼牙の召還獣は回転しながらその生徒の召還獣を縦真っ二つに切った。
「戦死者は補修~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」
「「「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」」」
生徒三人の悲鳴は遠ざかっていった。
『Fクラスにこんなんがいたなんて!』
『三人がダメならここにいる十四人が相手だ!』
鋼牙の後方で走っている姫路と島田はその言葉を耳にし、Fクラス前で立ち止まった。
「「えっ!」」
「どうした!」
雄二が教室の扉を開けて二人に声を掛けた。
「そ、それが!」
「冴島が十四人相手に一人で挑むってことになって!」
「何!他のやつはどうした!」
「それが秀吉と土屋以外補修室送りになって!」
「クソッ!このままじゃマズイ!援護に行くぞ!」
「は、はい!」
「うん!」
『おい、どうしたんだよ?剣を両手で持って?』
『しかも刃の方を横に向けているぞ!』
『こいつ馬鹿だぜ!』
鋼牙は一息つきDクラスの連中に言う。
「めんどくさい。」
『『『『ああっ!』』』』
「めんどくさいと言ったんだ。これだけ束にならなくては勝てないと思うやつらを倒すのがな。」
『テメエ、調子に乗りやがって!』
『核の違い見せてやる!』
(オイオイ、コイツラガ馬鹿ダナ。コイツラニ見セ付ケテヤロウゼ、鋼牙!)
(ザルバ、 閃光騎士の鎧を頼む。)
(ワカッタゼ、鋼牙!)
鋼牙の召還獣は双剣を天に向け突き刺し、剣先で空間を裂き、円を描く。剣を振り下ろした途端描かれた円から光が漏れ、鋼牙の召還獣に光が降り注がれる。
カッっと光が晴れるとそこには驚くべき光景を目にする。
『何だよあれ!』
『あんなのありかよ!』
駆けつけた姫路達も鋼牙の召還獣の姿を見て驚いていた。
「何だありゃ!」
「冴島君の召還獣なんですか!」
「うちが見たのと姿が変わってる!」
そこにいた鋼牙の召還獣は大きく少し反った剣を持ち、全身を薄紫の鎧に覆われ、鎧が筋肉の形をしており、口の部分が鋭く尖っており、二本の角が突き刺すように前に伸ばされている鎧。その鎧をまとった騎士の名は
『閃光騎士・狼怒』
『よ、鎧みたいなもん身に着けたって恐かねえぞ!』
『そ、そうだ!』
『どうせ見せ掛けだ!いくぞ!』
『『『『『『おおおおおおおおお!!!!!!!』』』』』』
ロードに向かい十四体の召還獣が迫ってくる。ロードは閃光の如く走り剣を右に左に振る。通り過ぎた途端に十四体の召還獣は消えた。
『う、嘘だろ!』
『こんなことって・・・・』
『ゆ、夢だ!』
「残念だが夢ではない。」
『『『『『『『!!』』』』』』』
十四人の生徒は後ろからの声に驚き振り向く。そこには
『に、西村先生・・・・・』
「ふっふっふ、ウェルカム。」
『『『『『『『『ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!』』』』』』』』
補修室送りに悲鳴を上げたがその声は西村先生の笑い声によってかき消された。
「な、なんだよこの状況!」
突然Dクラスの代表平賀源氏が出てきた。
「姫路さん。」
「は、はい!」
「よろしく。」
「わ、わかりました。えっと・・・・Fクラスの姫路瑞希です。Dクラス代表の平賀源氏君に現国での勝負を申し込みます。」
「は、はい?」
「試獣召喚!」
『Fクラス 姫路瑞希 VS Dクラス平賀源氏』
339点 129点
「え?え?あれ?」
平賀は戸惑いながらも召還獣を構えさせるがあっさりとやられた。
雄二と源氏は試召戦争後のことについての教室の明け渡しに突いて話し合っていた。
「教室を明け渡すのは明日でいいか?」
「いいや、その必要はない。」
「どういうことだ?」
「俺達の目的はAクラスの教室だ。Dクラスの教室設備には手を出さない。」
「じゃあ何を要求するんだ?」
「あれを動かなくしてもらいたい。」
雄二は親指をBクラスの室外機に指した。
「あれを?」
「ああそうだ。」
「なんでだ?」
「Bクラスの作戦でどうしても必要不可欠だからな。」
「・・・・そうか。じゃあありがたくその提案を呑もう。」
「タイミングについては後日詳しく話す。今日はもう帰っていいぞ。」
「ああ、ありがとう。お前らがAクラスに勝てることを願っているよ。」
「無理すんな。勝てっこないと思っているだろ?」
「まあ社交辞令としてだからな。」
平賀は手を上げて去っていった。
「じゃあ皆!今日はご苦労だった!明日は消費した点数の補給を行うから、今日のところはゆっくり休んでくれ!解散!」
雄二が号令を掛けると皆は雑談をしながら自分のクラスへ戻っていった。
「あの、坂本君!」
「坂本!」
「ん!どうした、姫路に清水?」
「「冴島(君)どこにいるか知って(る・ますか)?」」
「ん?そういや見てないが大方先生の手伝いにでも行ってんだろ。」
「そ、そうですかね?」
「でもあの時は驚いたわよ。まさかあんなもの持ってんなんて!」
「ああ、そうだな。だがあの点数も驚いたな。」
「そうですね。あんな点数は主席並みです。」
職員室西村先生の机。鋼牙は西村先生の手伝いをしていた。
「そうか、もう鎧を召喚したのか。」
「ええ、でも召喚したのは閃光騎士だけです。」
「あれはまだ出していないのか?」
「ええ。まだ時期ではありませんし、見せびらかす必要もないですからね。」
「ふっ。」
「どうかしましたか?」
「いやスマン。お前を見ていると大河を思い出してな。」
「父をですか?」
「ああ。お前の父、冴島大河もりんのために戦ったからな。」
「そうなんですか。あっ!終わりました。」
「ん!もうか!早いな!」
「それではこれで。」
「ああ、気をつけて帰れよ。」
「はい、失礼します。」
鋼牙は礼をして職員室を後にし家へと帰って行く。
帰り道の公園。鋼牙はふとその公園を見たとき一人の見覚えのある女の子を目にした。女の子は鋼牙に気付き鋼牙に駆け寄ってきた。
「騎士のおにいちゃ~ん!」
「葉月ちゃんだっけ?久しぶりだね。」
「はい、久しぶりです騎士のおにいちゃん!」
「ここで何をしてたんだ?」
「お姉ちゃんを待っていたんです。今日はなんか戦争で早く終わるって言ってたんで待っていたんです。」
「そうか。気をつけてな。」
「もう行っちゃうんですか?」
「ああ。」
「じゃあ・・・・またあの笛を聴かせてくださいです!」
「・・・・わかった。」
「わ~いです!うれしいです!」
鋼牙は制服の内ポケットから魔導筆を出し、毛のところを引っ込め笛にする。
♪~~~~~♪~~~~~~~
鋼牙は『英霊達の鎮魂歌』を吹いた。その音色に葉月は耳を済ませる。
(この音色はいつ聴いてもいいです~。なんだか心が癒されていいです~。)
演奏が終わり鋼牙は魔導筆を内ポケットに収めた。
「それじゃあな。」
「はい。またです~!」
葉月は大きく手を振りこうがは帰っていった。
「葉月~。」
「あっ!お姉ちゃん!」
葉月は元気よく姉の美波に駆け寄って行った。
「お待たせ。」
「大丈夫です。騎士のおにいちゃんが来てくれて笛を吹いてくれたんです!」
「前に言ってた?」
「はい!とってもかっこよくて優しい騎士のおにいちゃんです~。」
「ふ~ん。そのおにいちゃんにまた会えるといいね。」
「はいです!」
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Dクラストノ戦闘ガ開始サレタ。鋼牙、ミセツケテヤレ!