No.51755

Blue Jeans ~case of Y~

星 倫吾さん

先にUpした千早ver.と同じネタでやよいver.を書いてみました。
やよいの私服のデニムスカートのパッチワークって、やよいが自分でやったのかな?
それとも母親の手も借りて?
……どちらにしてもお手製だよね、と想像力を膨らませてみたり。

2009-01-12 15:48:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1211   閲覧ユーザー数:1129

「プロデューサー!」

夜のショッピングモール。

ジーンズショップの前に彼の姿を見かけたやよいは、大きな声で彼に呼びかけた。

「やよい、驚かすなよ。 それにそんな大きな声出して、周りに気付かれたらどうする? ……ま、元気なのは結構な事だがな」

「ごめんなさーい」

やよいは照れ笑いをしてみせる。

 

お互いオフタイムで私服姿でいる二人は、知らない人が見れば仲の良い兄妹のように見えるが、

今や、やよいもメジャーアイドル、誰かが目ざとくやよいを見つけないとも限らない。

もっとも、運良く誰にも見つかることもなかったが。

 

「やよいは買い物か?」

やよいの両手にぶら下がったスーパーの袋をみれば一目瞭然ではあるが。

「はい! プロデューサーは何をしているんですか?」

「俺はジーンズが古くなって穴が空いてしまったから、 新しいジーンズを買いに」

「でも、プロデューサーが今はいているの、穴空いてませんよ?」

「あぁ、今買った新しいのにはき替えたから」

「じゃあ古いのは……」

「この袋の中さ。長くはいていて愛着もあるから、捨てるのも心苦しくて」

「捨てるなんてもったいないです!  プロデューサー、その穴が空いたジーンズ見せてもらっても良いですか?」

「ああ、いいけど」

 膝の所に10円硬貨大のすり切れた穴が。

「これくらいなら何とかなります。 プロデューサー、これ、少し預かっても良いですか? 必ず返しますから!」

「あぁ、構わないけど。そうだやよい、今帰りならクルマで送って……」

 彼が言い終わる前に、やよいは忽然と姿を消していた。

 

それから数日後……。

「プロデューサー、この前のジーンズですけど、出来たので見てもらえますか?」

事務所に出勤したやよいが、開口一番そう告げて、胸に抱えた袋からジーンズを取り出してみせる。

それは、膝の穴が空いた所だけではなく、至る所にアップリケやワッペンによる補修がなされていた。

「これ……やよいがやったのか?」

「はいっ!」

そして、さらに気付いたのは……。

やよいがはいているデニムのスカートと、それはお揃いだったこと。

一瞬「はくのがもったいない」とのど元まで出かけたが……。

「ありがとう、やよい。今度のオフ、お揃いのコレはいて遊びに行こうな」

 

少しほほを赤らめながら喜ぶやよいの笑顔は、プロデューサー専用のオーダーメイド。


 
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