No.513854

仮面ライダーエンズ 超決戦!ベリアル銀河帝国 PART1

RIDERさん

今回からベリアル銀河帝国編が始まります。では、旅立ち編。どうぞ!

2012-12-01 06:48:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:949   閲覧ユーザー数:942

皇魔がいた宇宙とは違う宇宙。エンズの世界とも違う宇宙。

 

 

ここに一つの惑星があった。

 

 

 

M78星雲光の国。その名の通り、惑星全体が眩いばかりの光に包まれたこの星は、奇跡の戦士、ウルトラマン達の故郷。ウルトラマン達はこの星で宇宙の平和を守るため、日夜特訓や新技術の開発に勤しんでいる。

 

 

ある日、光の国に向かって、光る物体が落ちてきた。

 

 

光の国に飛来したそれは、巨大な機動兵器としての姿を現す。名をデルストというこの機動兵器は、エネルギー弾を発射して光の国を破壊していく。

「わぁぁぁぁぁ!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

その攻撃に巻き込まれ、吹き飛ぶウルトラマン達。しかし、彼らもやられっぱなしではない。すぐさま各々の光線技を使い、デルストを迎撃する。だがデルストの装甲は予想以上に頑丈で、ウルトラマン達の攻撃を一切寄せ付けず、光の国を蹂躙していく。

 

 

 

 

 

 

と、デルストは突如として、その進撃を止めた。

 

 

 

 

 

 

目の前に、一人のウルトラマンが立ちはだかったからだ。

 

 

 

 

 

赤と青と銀を基調とした、頭に二本の刃を頂く戦士。

 

 

 

 

 

その名は、ウルトラマンゼロ。

 

 

 

 

 

「…フッ」

ゼロは片手の親指で軽く鼻を拭う。その行為を挑発と見て取ったのか、デルストはエネルギー弾を撃った。ゼロはそれを片手で受け止め、

「セァッ!!セァァッ!!」

お返しとばかりに頭の刃、ゼロスラッガーを飛ばす。スラッガーはデルストの一部を切り落とし、デルストはコントロールを失った。

「デャァァァァ!!」

その隙を見逃さず、ゼロは足に炎を纏った飛び蹴り、ウルトラゼロキックを繰り出し、デルストを貫通。デルストは墜落し、爆発する。

「へっ!あっけなかったぜ!」

見事勝利したゼロ。

 

 

だが、それは見せかけであり、戦いはまだ終わっていなかった。

 

 

 

デルストが墜落した地点から、ゼロそっくりの姿をした黒い単眼のロボットが三体、現れたのだ。そのうちの一体が、どこかに報告を入れる。

「ダークロプス部隊より報告。光の国を確認」

ダークロプスと名乗ったロボット。

「だ、ダークロプスだと!?」

ゼロはその名前に聞き覚えがあった。少し前にこのロボット達と同型と思われるロボット、ダークロプスゼロと戦ったからだ。

「ウルトラマンゼロを確認。破壊する!」

ダークロプスAがゼロの姿を確認し、戦闘開始宣言をする。

 

次の瞬間、ゼロがダークロプス達のターゲットサイトから消えた。

 

「ヤァァァァァァ!!!」

真上に飛んでいたゼロは、ダークロプス達を強襲する。

「てめえら!一体!誰に送り込まれた!!」

そのまま攻撃を仕掛けるゼロだったが、ダークロプス達はそれを巧みに回避し、連携してゼロを追い詰め、

「うっ!放せ!!」

ダークロプスBとCが、ゼロを捕らえた。残ったAがとどめを刺すべく、光線技、ダークロプスショットの構えを取る。

 

だが、

 

 

「ダァァーッ!!」

Aがダークロプスショットを撃つ直前、横から赤いウルトラマンが飛び出し、Aを突き飛ばした。赤いウルトラマンはAに組み付き、転がった後にAを押さえ付ける。

「ゼロ!」

赤いウルトラマンの正体はゼロの父、ウルトラセブンだ。

「親父!」

互いに呼び合うウルトラの親子。セブンはAを、ゼロはBとCを相手に戦うが、それでも相手は強く、状況は好転しない。攻撃を喰らって下がったゼロの背後には、セブン。二人は三体のダークロプスに取り囲まれてしまう。ダークロプス達は一斉にダークロプスショットを発射。しかし、二人は上空に飛んで回避。直後、ゼロはゼロスラッガーを。セブンはアイスラッガーを、ダークロプス達に投げつけた。それに対し、ダークロプス達は頭のダークロプススラッガーを外し、両手に持って攻撃を弾く。だが、たかが一度や二度弾かれた程度で、光の国を守護する二人の勇士の攻撃は終わらない。弾かれたスラッガーを操り、空中で合体。三枚刃となったスラッガーはBとCを倒す。これぞ、コンビネーションゼロ。勝ち目がないと悟ったのか、Aは逃げ出す。

「逃がすか!!」

ゼロは自分のスラッガーを帰還させ、自分のカラータイマーの両側に装着。スラッガーのエネルギーと自分のエネルギーを利用して放つ巨大な光線、ゼロツインシュートを放つ。必殺の大技は寸分違わずAに直撃し、破壊した。無数の残骸と化して落ちてくるA。

 

 

 

 

 

 

 

 

その残骸の一つに、緑色の鉱石を組み込んだ装置があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンズの世界。

「やれやれ、やっとテスト終わったぜ。」

ロストグラウンド学園からの帰り道で、背伸びをする日向。

「これで明日からゴールデンウィーク!何しようかしら?」

今日はゴールデンウィーク前の中間テストの日。明日から三日間の休みである。誰でも休日というものは嬉しく、ゆりもうきうきしていた。

「三日っていうのがちょっと納得いかないけどな。」

「音無さんに不満を感じさせるとは…日本の政府は何をやっている!」

「そういう時期だから仕方ないわ。」

今年のゴールデンウィークは三日しか休みがない。かなでが言った通りそういう年だから仕方ないのだが、音無は少し不満だった。直井はいつものことながら、音無一筋である。

「私ゴールデンウィークなんて初めてだからすごく楽しみ!」

レスティーはゴールデンウィークを過ごすのが初めてなので、期待に胸を躍らせていた。実際にその豊満な胸も踊って

「作者!セクハラ!」

失礼。

「言っておくが、ゴールデンウィークなんて普段より少し休みの期間が長いだけで、別に普通の休日と何も変わらないぞ?」

「そうそう。特別に何かやるというわけでもないからな」

克己としおんはゴールデンウィークを経験済みなので、そんなに大したものではないと言う。

「いいの!私は皇魔とラブラブな休日を、少しでも長く過ごしたいだけなんだから。」

「気色悪いことを言うな。大体、余は今回の休日を休みに使うつもりはない。」

つい先日、皇魔は北斗神拳が使えるようになった。今までに積み重ねた数万年分の経験をうまく利用することで、ある程度は再現できる。しかし、北斗神拳自体は初めて使うので、一刻も早く使いこなすための訓練が必要なのだ。皇魔はゴールデンウィークを、訓練に費やすつもりなのである。ちなみに、この前アミバに対して使った懺悔積歩拳は、相手に後ろ歩きをさせる技。ただし、例え背後に崖や凶器があっても自分の意思では止まれないため、強制自殺をさせる技とも言える。

「なんつーか…鬼畜拳法だよな。」

日向は呟いた。確かに鬼畜だが、北斗神拳は暗殺拳なので、暗殺拳にふさわしい技と言えるだろう。

 

結局皇魔は、いつも休日全てを鍛練に使ってしまう。少しは戦いを忘れて、ゆっくり休んで欲しい。それがこの場にいる全員の願いだ。

 

 

 

 

 

だが、運命は皇魔を戦いへと駆り立てる。

 

 

 

 

 

突如として、デルストがこの街にも現れたのだ。そのまま街を破壊していく。

 

 

 

 

 

「うわっ!」

「何だありゃ!?」

「っていうかでかすぎるわよ!!」

それぞれ驚く音無、日向、ゆり。ウルトラマンが小さく見えるほど大きいのだから、ウルトラマンより小さい地球人から見たら相当な大きさだろう。

「これほど大きさに差があっては…!!」

一瞬プリキュアに変身して戦おうと思ったしおんだが、相手のあまりの大きさにたじろいでしまう。

「あら?皇魔くんは?」

皇魔が姿を消したことに最初に気付いたのは、かなでだ。

「あっ!皇魔がいない!」

「逃げたのか!?」

日向と直井は皇魔を捜す。だが、

「馬鹿。あいつが逃げるような男か」

克己は全く慌てていない。レスティーが皇魔の行き先を教える。

「皇魔ならあそこよ。」

レスティーが指を差した所には、エンペラ星人に変身した皇魔がいて、デルストの進行方向に立ちはだかっていた。そこへ、クラウドとザックスが駆けつけてくる。

「お前達。無事だったか」

「クラウドくん。ザックスくん」

二人の名前を呼ぶかなで。ザックスは状況を見た。

「おいおい!皇魔のやつ、あんなのと戦うつもりかよ!?いくらなんでも無茶だ!!」

ザックスの目から見ても、どれだけの差があるかは理解できる。だが、クラウドは違う意見を持っていた。

「いや、奴なら勝てる。間違いなくな」

 

 

 

皇魔はデルストを見て、実力を計っていた。

(小手先の攻撃は通じまい。なら…)

そして決意する。北斗神拳を使うべきだと。

 

北斗神拳の技の中には闘気(オーラのようなもの)を物理的な破壊力に変えて使用するものがある。闘気は、非情な心に宿る力。皇魔は転生前に、天文学的な数の命を何のためらいもなく葬っている。今はそこまでひどくないが、皇魔はその時の名残から闘気が使えるのだ。今まで使っていなかった理由は、闘気の纏い方、使い方を知らなかっただけ。それらの方法を知った今なら、使うことができる。皇魔に向けてエネルギー弾を撃つデルスト。皇魔はそれに合わせて右手を突き出し、

「北斗剛掌波!!!」

圧縮した闘気を放った。闘気、剛掌波はエネルギー弾をかき消し、デルストを貫通。撃墜する。剛掌波を初めて使った皇魔は、レゾリューム光線を上回るその威力に、内心とても驚いていた。

(余の北斗神拳は素人同然の付け焼き刃。しかし、その付け焼き刃でさえこの威力…全くもって恐ろしい拳法だ)

 

 

 

 

 

「すげぇ…本当に勝っちまった…」

日向はデルストを一撃で破壊した皇魔の実力に驚く。

「さすがだな。」

ザックスは賞賛する。

 

 

 

 

だが、デルストにはダークロプスを輸送する役目もあるのだ。よってデルストが倒された今、

 

 

 

 

「ダークロプス部隊より報告。地球を確認」

 

 

 

 

ダークロプスが出現するのは、何よりも明白。

「!!ウルトラマン!?いや、ロボットか!!」

皇魔はダークロプスの容姿に目を見張った。ウルトラマンそっくりなのだ。しかし、ダークロプス達から、ウルトラマンの光は感じられない。そしてロボットだということは、すぐにわかった。

「ロボットからロボットが!?」

「マトリョーシカみたい。」

「かなでちゃん!呑気なこと言ってる場合じゃないから!」

驚くしおんと、天然ぶりを見せるかなでと、ツッコミを入れるゆり。

「敵性体を発見。撃破する!」

それらを尻目に、第二ラウンドが始まった。

 

ダークロプスの数は、光の国に襲撃をかけたのと同じく、三体。連携して皇魔を襲う。

(機械である以上、秘孔は突けん。闘気で倒すか)

とりあえず回避に重点を置いてダークロプス達の攻撃をいなす皇魔。ダークロプスはロボットであり、ロボットに秘孔はないので、秘孔は突けない。それに、この手の相手は一撃で仕止めないと長引く。攻撃を避けながら、皇魔はダークロプス達を確実に倒せる瞬間を待つことにする。やがてダークロプスの二体が皇魔を挟み、スラッガーを構えて左右から飛び掛かった。

(ここだ!)

遂に隙を見つけた皇魔はダークロプス達にそれぞれ手を向け、

「北斗円掌波!!!」

回転する闘気を発射。闘気を喰らったダークロプス達は、空中でねじきれるようにして身体をよじり、爆発した。これが北斗円掌波。回転する闘気を相手に当てて、ねじり殺す技だ。

残ったダークロプスは一体。この一体もまた、スラッガーを持って斬りかかってくる。

「貴様はこうしてやろう。」

その一撃をかわした皇魔はエンペラブレードを精製し、闘気を込めて切れ味を高め、再び斬りかかってきたダークロプスを細切れにした。

 

 

 

 

 

 

 

ダークロプスの動力と思われる緑の鉱石。そして、鉱石を嵌め込んである装置を残して。

 

 

 

 

 

 

 

クロスの世界。新惑星ベジータ。

「ハハハハッ!!」

「ふおおっ!!」

いつものようにベジータ達を血祭りに上げて遊ぶブロリー。

 

 

デルストはこんな惑星にまでやってきた。来て早々にエネルギー弾で新惑星ベジータを攻撃するデルスト。やがて、デルストは新惑星ベジータの労働力、シャモ星人達が働いている穴へ、エネルギー弾を撃ち込んだ。

 

『がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

悲鳴を上げて爆炎に包まれるシャモ星人達。

「このままでは、この惑星の労働力がなくなってしまう…!!」

危機感を覚えたパラガスは、ブロリーに命じた。

「ブロリー!あのロボットを消し去ってしまえーっ!!」

「はい。」

快く引き受けたブロリーは早速エネルギー弾を投げつけ、デルストをデデーン☆する。

「ダークロプス部隊より報告。未開の惑星を確認」

またしても出現するダークロプス達。ブロリーはダークロプス達にもエネルギー弾を放ち、早急にデデーン☆してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

運がよかったのか悪かったのか、緑の鉱石と装置が一つ、残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダークロプスの残骸から発見された緑の鉱石と、それを嵌め込んである装置は、宇宙警備隊の会議室へと持ち込まれた。ウルトラ兄弟と呼ばれるウルトラマン達の長兄、ウルトラマンゾフィーは解析結果を報告する。

「この緑の鉱石は、我々の宇宙に存在しない物質だ。とてつもない量のエネルギーを感じる」

ダークロプスの動力として使われていたこの鉱石は、ウルトラマン達から見てそれほど大きいものではない。だが、それでもあのダークロプスの力をフルに発揮させていたのだ。相当な量のエネルギーが内包されていることが伺える。

「この装置はそれをマイナスエネルギーに変換し、どこかに送信している。」

装置の解析結果を伝えたウルトラマン80が手をかざすと、装置から送信されているマイナスエネルギーが視認できるようになった。さらに解析したところ、マイナスエネルギーは別の宇宙に送信されていることが判明する。

「別の宇宙か!」

「誰の仕業だ?」

「なぜ光の国を?」

「調べる必要があるな…」

口々に言うウルトラマン達。

「別宇宙への旅となると、光の国の全エネルギーを集めても、送り込めるのは恐らく一人…」

宇宙警備隊大隊長ウルトラの父。この宇宙のウルトラマンケンが、別宇宙、アナザースペースへ差し向けるウルトラマンの選別に悩んいると、

 

「俺が行く!」

 

あるウルトラマンが進み出た。若く勇猛な、無限の可能性を秘めた戦士、ウルトラマンゼロだ。

「その謎は俺が解く!」

「ゼロ!」

ウルトラセブンは思わず声を荒げる。父として、こんな危険な戦いに息子を行かせたくないのだ。

しかし、

「この調査はゼロに任せる。それが運命やもしれん」

ウルトラの父は、決定を下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、海馬コーポレーションに運ばれた鉱石を見て、海馬は同行してきた皇魔達のうち、皇魔に尋ねた。

「お前は確か、転生前は科学者でもあったんだったな?これを見てどう思う?」

転生前の皇魔は高い戦闘力や武芸に秀でた戦士であっただけでなく、優秀な科学者でもあった。あのインペライザーを設計したのも皇魔だ。技術方面では、この地球上の誰よりも優れた頭脳の持ち主である皇魔。そんな彼は鉱石と装置を見て、見たままの答えを言う。

「この世界のテクノロジーで造られたものではない。十中八九別の世界で造られたものだ」

「やはりか…」

予想はできていた答えだった。

「あのダークロプスと名乗っていたロボット…あれは間違いなく侵略目的で造られた兵器だ。製造者を見つけ出して叩かない限り、再び送り込まれてくる可能性がある。」

「となると、アレの出番ってワケね。」

かつて侵略者として宇宙を恐怖のどん底に陥れていた皇帝は経験上の見解を話し、レスティーが問題の敵を倒すために必要な道具の存在を告げる。

「アレって?」

ゆりが尋ねた。

「パーフェクトディメンジョン。海馬コーポレーションが開発した次元転移装置よ」

「お前そんなの作ったのか!」

「ふん。」

日向は驚き、海馬は鼻を鳴らす。

「まだ装置は完成まで至っていないが、この鉱石からは別の世界に向かってエネルギーが送信されている。それをたどれば、座標の特定は可能だろう。」

「あら、じゃあ今回は私も…」

「いや、余が一人で行く。」

「一人って!」

「せめてスパイダーマンを連れていけばいいだろう。」

音無としおんは、せめてダークロプスに対抗できるスパイダーマンを連れていくべきだと言うが、皇魔はそれを拒否する。

「必要ない。それに、万が一何かあっても、余一人の犠牲で済む。」

「そんなこと言わないで。」

皇魔の自己犠牲発言に異を唱えたのは、かなでだ。

「皇魔くんがいくらそう思っても、あたし達はそんなことを望んでないわ。」

「…」

皇魔は黙る。

「…ま、必ず戻ってこいってことだ!」

ザックスは皇魔の肩に手を置き、笑顔で言った。

「ここにいる者は、全員お前が無事に戻ってくることを望んでいる。」

「お前が決めたなら俺達は止めない。その代わり、必ず帰ってくることを約束しろ。」

自分達の想いを伝えるクラウドと克己。それらを全て聞いたうえで、

「…仕方あるまい…余は必ず戻ってくる。余の帰りを待つ者がいる以上はな」

皇魔は戦場に赴くことを決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コンピューターが弾き出したデータによりますと、これらは別の世界のものですじゃ。」

鉱石と装置の解析を終えた科学者。すると、解析室にシャモ星人の一人が飛び込んできた。

「あいつらのせいで俺達の仲間が大勢やられたんだ!仇を討ってくれ!」

「…親父ぃ…」

ブロリーはパラガスを見る。

「また送られてきても困る。誰を敵に回したのか、はっきりさせてやろうではありませんか!」

「ハハハハッ!俺は身の程知らずの誰かを破壊し尽くすだけだぁ!!」

「仇は必ず取るからね!」

パラガスの決定に歓喜するブロリーと、仇討ちを誓う悟飯。

「ありがとう!」

シャモは礼を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼロ」

「親父。」

「これを持っていけ。」

アナザースペースへの一人旅に行こうとするゼロへ、セブンは棒のようなものを渡した。ゼロはそれを受け取り、自分の腕にかざす。棒のようなものは、ブレスレットとなってゼロの左手首に装着された。

「そのウルトラブレスレットには、特別なプラズマスパークエネルギーを込めてある。帰る時の道しるべになるだろう。予備エネルギーとして使うこともできる」

「親父は心配性だな。」

子を想う親の心は、皆同じだ。できる限りの援助をしたいのである。しかし、エネルギーには制約があった。

「ただし、使えるのは三回だけだ。」

「三回か…」

ゼロがブレスレット、ウルトラゼロブレスレットを見ると、三つのランプが点灯している。使う度に一つずつ消えていく仕組みだ。

「十分だぜ。」

しかし、ゼロにとっては十分だった。そもそも使うかどうかすらわからない。

「ブレスレットを使ったことは、あのプラズマシンクロ装置を通して、我々も知ることができる。」

セブンが示した先には、プラズマスパークタワー。タワーにはブレスレットと同じく、三つのランプが付けてある。

「忘れるな。私もみんなも、いつでもお前のことを想っている。お前は一人じゃない」

「ああ。」

父が、仲間が心配してくれている。その事実が、ゼロの闘志に火を着けた。

「じゃあ行ってくる!」

「うむ!」

ゼロは飛び立ち、自分にとって道案内となるダークロプスの動力源を取る。

「ウルトラマンゼロに、我らの光を!」

それを確認したウルトラの父が号令をかけ、ウルトラマン達はゼロに自分のエネルギーを託す。

 

ゼロはそのエネルギーを身に纏い、アナザースペースへ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーフェクトディメンジョンは起動し、次元の穴は開かれた。皇魔はその前に立ち、一同に言う。

「三日後には必ず戻る。それまで頼むぞ」

「うん。任せて」

一同を代表して答えるレスティー。皇魔は次元の穴に飛び込み、穴は消えた。

 

穴の中を通りながら、皇魔はエンペラ星人となってアナザースペースへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

パラガスとブロリーは、悟空、悟飯、ベジータ、トランクス、ピッコロ、科学者、ならず者数十人とともに、巨大な宇宙船に乗る。この宇宙船には次元転移装置が搭載されており、別の世界に行くことができるのだ。ちなみに、宇宙船も転移装置も、全て科学者が設計したものである。

「転移装置、起動します!」

ならず者の一人が答え、パラガスは号令をかけた。

「出航!!」

宇宙船は地を離れ、大気圏を離脱する寸前で、パッと消えた。転移が成功したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三つの世界から、三者三様の旅立ちをした勇士達。

 

 

 

 

 

彼らが一つの世界に集った時、宇宙を支配せんと企む巨悪との超決戦が始まる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロスの世界の宇宙。そのどこかで、一つの巨大な鎧が『再生』した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎧は、自分が必要とされる時が来るのを待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の所持者から、呼び出しがかかる時を……。

 

 

 

 

 

 

 

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勇士達の邂逅は次回になります。お楽しみに!


 
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