No.512262

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START 二十話 思惑と準備と再会

モアイ像さん

今回は短い話です、すいません

2012-11-25 22:28:13 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:8704   閲覧ユーザー数:8261

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START

 

 

二十話 思惑と準備と再会

 

 

アメリカ SIDE

 

 

部屋にはタバコの煙が充満し、部屋の外へと排出する換気扇の駆動音が聞こえている

テーブルの上には極秘と書かれた資料が並べられていた

 

「来年8月にヨコハマでパレオロゴス作戦に次ぐ大規模反攻作戦を行ないます」

 

「たしか名前はオペレーション・ルシファーだったな・・・」

 

「はい、戦術機を軸としたハイヴ攻略作戦です」

 

「しかしCIA長官、戦術機の性能ではハイヴの攻略は不可能に等しいはずだが?」

 

「それが親米派から情報では帝国はいままでにない兵器を開発したと報告があります」

 

CIA長官は端末を操作してプロジェクターを起動させる

スクリーンに不知火アスカ機が映し出され、次々と不知火が撃墜されていく

ただの模擬戦で見る価値無しと判断した海軍・宇宙総軍は目を逸らしてしまうが、第三世代機ラプターの開発に携わっている陸軍は思わず立ち上がってしまった

 

「CIA長官、この機体は本当ですか?」

 

「なにをいう陸軍、あの機体は追加装甲と肩部に跳躍ユニットを装備しただけじゃないか、あれではすぐに推進剤が消費と関節に負担がかかるはずだ」

 

「いえ違います、この機体は模擬戦終了まで稼働し続けていました」

 

各軍は驚きの声が上げ、CIA長官はさらに操作を始める

長刀を防ぐプラズマフィールド、装甲を容易く斬るプラズマソード、部屋にいた全員が沈黙をしてしまう

 

「これが事実だとしたらハイヴ攻略は可能・・・G元素を確保される」

 

「だが、工業・資源が乏しいのでは配備されにくいはずだ」

 

「いやこの作戦を提案したのは帝国だ、コレは打開策だ」

 

様々な意見が飛び交う中、宇宙総合軍高官は表情一つ変えず端末を操作する

スクリーンには横浜ハイヴ周囲の天気、大気圏内の風速が詳細に表示された

それを見た大統領は驚いてしまう

 

「・・・宇宙総合軍は、“例のモノ”のテストをヨコハマで行うつもりかね?」

 

「はい、今の段階では我々が不利、各国へのアピールと兼ねまして使用します」

 

「良かろう、作戦になにか支障がある場合、使用許可する」

 

「ありがとうございます」

 

その数ヵ月後、エドワーズ宇宙総軍基地から2機の装甲駆逐艦が打ち上げられた

 

 

アメリカ SIDE END

 

 

アスカ SIDE

 

 

「で?逆玉の輿になれなかったの?」

 

「仙台基地に帰って一言目がそれですか」( ̄◇ ̄;)

 

「殿下に年齢も近いから好意を寄せると思っていたけど、何も進展が無かったのね・・・」

 

なにか期待しないでください、むしろ有ったら殿下の立場が危ない

香月博士は呆れてため息を吐き、ケニーはハイヒールの踵に顔面を潰され満面の笑みを浮かべている

そして社は俺の背後からケニーを覗き見ている

 

「殿下の話はおいといて、横浜ハイヴ攻略作戦が決まったわ」

 

「ということは帝国との交渉は終わったんですね」

 

「ええっ、向こうはあ然から驚愕して最後に落ち込んでいて面白かったわ」

 

帝国側の人、ご愁傷さまです

渡された資料を見ると帝国は提供した物を量産・配備を始めている

戦術機の装甲はそのまま、跳躍ユニットは全て水素プラズマに換装され、武装はリニアライフル・プラズマソードが装備されるらしいが、西日本の工業が失われて中途半端な改修が出来なく中隊長までにしか改修できていない

無人型戦車ジャーチョーは戦術機よりもコストが低く支援として生産を進めているみたいだ

 

「戦力的には揃ってきたけど、A―01は?」

 

「機体の基本改修は終わり換装を待つだけ、皆は吹雪で着実に腕を上げています」

 

A―01専用の不知火は、今までの運用データ、中隊規模以上の運用を想定、A―01の操縦技術を元に、近・中・遠を対応する3タイプを作り上げている

これが完成すれば旅団規模(3000~5000)以上に匹敵する性能だ

そしてA―01の皆は俺やケニー、たまにまりもさんを相手にシミュレーター、様々な条件下でBETA戦を繰り返し、シミュレーター後には隊ごとに反省会を開いていた

 

「ふ~ん、それで今の戦力でハイヴは落とせるの?」

 

「不安定要素がありすぎて無理です」

 

「アスカそんなことはないだろ、リニアライフル威力はオマエが一番理解しているはずだ」

 

「いいかケニー、日本は本土が壊滅させないために動くが、各国は作戦後のG元素確のきっかけ作るため参加するだけだ」

 

各国が作戦に提供する戦力は、ヴェーダが計算した戦力よりも少ない

このままだと失敗に終わり、五番目の兵器使用される

それだけは避けたいが今後のことも考えると、今は黙って見ているしかない

 

「―――そして俺たちはこの作戦で五番目にG弾を使用させつつ友軍の被害を最小限に抑える」

 

「・・・納得がいかない」

 

「あーそこのバカは納得してもしなくてもいいから桜咲は別行動してもらうわよ」

 

「オレの考えは無視!?」

 

その時、小悪魔が微笑んでいた

これはまた無茶なことやらされそうだ

 

 

アスカ SIDE END

 

 

仙台基地 SIDE

 

 

アスカ達が話し合いから数週間後、夕呼の前に国連の軍服を着た二人の青年がぎこちない敬礼をしていた

 

「本日を持ちまして国連軍特殊任務部隊A―01連隊に着任します」

 

「・・・鳴海孝之少尉と平慎二少尉ね、ああ敬礼とか堅苦しい無しにして頂戴」

 

「はぁ・・・」

 

二人は敬礼を解くと、夕呼はまりもから渡された二人の履歴を眺める

孝之の履歴を見ていると普段の生活に一瞬目を細め鳴海に顔を向けた

 

「鳴海、あんた二人から告白されたのに返事していないの?」

 

「ど、どうして知っているのですか!?」

 

「ここに書いてあるわ、作戦行動前に告白されると死亡率が高くなるからさっさと返事しなさい」

 

「ちょっと待ってください、死亡率が高くなるから返事しろ可笑しくないですか」

 

「戦場ではよくあることよ、このままズルズル引き伸ばしにするわけ、とんだヘタレね」

 

「あっ博士、孝之(コイツ)の優柔不断は今に始まったばかりじゃないので」

 

「おい慎二」

 

「それじゃあ、ヘタレオブヘタレね」

 

某RPGのレベルアップ時に流れるファンファーレが鳴り、鳴海孝之はヘタレオブヘタレの称号を獲得した

さらにコールサインがヘタレと登録されそうになり、孝之(ヘタレ)は土下座しながら普通のコールサインになるよう頼み込んでしまった

 

「面白くないわねヘタレキング・・・」

 

「もう止めてください」

 

「はいはい分かったわよヘタレカイザー」

 

「だから止めてください」

 

「博士、孝之を弄るのはそれくらいにして、速瀬と涼宮はいつ配属されますか?」

 

「そうね、作戦後に配属されるわ」

 

「よかったな孝之」

 

「ああっ――」

 

慎二は喜ぶが、ヘタレ=孝之は上の空で地図に書かれた横浜ハイヴを見つめていた

 

 

仙台基地 SIDE END

 

 

日本帝国 SIDE

 

 

巌谷栄二はある資料を眺めている

書かれている内容は新鮮で釘付けして何度も読み返してしまう

気づくと資料を持ってきたアスカが石像のように固まっていた

 

「これはすまない、実に充実する内容だよ」

 

「よかったです」(なにコレ、テストの結果を親に見せている感覚は?)

 

「流石にこの動力(GNドライブ)をそのまま載せられないか」

 

「擬似はバッテリーや粒子を貯蔵するコンデンサーを必要とするため、一から作り直すしかありません」

 

「この擬似太陽炉はほしいな、アスカくんウチにこないか?」

 

「斯衛に絡まれるので遠慮します」

 

「ははははっ、そうきたか」

 

巌谷に盛大に笑われ照れて下を向いてしまうアスカ

するとドアがノックされ、二人はアイコンタクトを交わすと資料をダミーの物に切り替えた

 

「篁唯衣、入ります」

 

「・・・ッ!?」

 

二人分のお茶を持ってきた人物が部屋に入った途端、アスカは目を大きく開いてしまった

京都で助けてもう会うことは無いと思っていた唯衣が居たからだ

 

「中佐、お話中でしたか?」

 

「いやいや丁度終わったところだ、そうだ紹介しよう富士教導隊を破った国連技術仕官・桜咲アスカ少佐だ、それでこの子が篁唯衣少尉だ」

 

「単機で大隊を破ったという衛士・・・あの模擬戦は帝国軍同士だったのでは?」

 

「あっ、今のは機密だ忘れてくれ」

 

「えっ?」

 

アスカは心の中で「オイッ!」とツッコミを入れると唯衣の視線が気になった

 

「つかぬ事をお聞きしますがどこかで会いませんでしたか?」

 

「いえ初めてお会いしました」

 

「そうですか・・・」

 

「<なぜ本当のことを言わないのかね?>」

 

「<さすがに機密に関わって危険に晒してしまうので言えません>」

 

「<だが、いずれ知ってしまうのでは?>」

 

「<その時は、機密では無くなりますので大丈夫です>」

 

「変なこと聞いてすいません」

 

「別に構いませんよ」

 

頭を下げられてアスカは複雑だった

京都防衛線の後、訓練生がなぜ戦場にいた?と不思議に思い調べてみると・・・

唯衣の同期だった訓練生は亡くなり、撤退予測ルートには彼女らの教官と思われる人までも亡くなっていた

再び自分の不甲斐無さを抱いてしまった

 

「・・・唯衣ちゃん、それで配属の件はどうなった?」

 

「お、おじ様、人前であっても止めてください、まだ決めかねている途中です」

 

「それは困ったな・・・」

 

巌谷は首を傾げ、唯衣からアスカに視線を移動する

10秒ほどアスカを見て、頭の上に電球が点灯した

 

「アスカくん、篁少尉に帝国内部だけではなく国連の話をしてみれば参考になるのではないかね?」

 

「えっ?」

 

「ではアスカくんは有能な技術官でありながら国連に入ったのか理由を」

 

アスカは困惑しながら後頭部に手を当て一部だけ話した

いくら個人が高い操縦技術を持とうともBETAの数の暴力には勝てない

さらに国に属してしまうとその国しか助けられなく他の国はさらに損害が増えるだろう

ならば周囲に力を渡し、ともに支えあい守れる可能性がある国連に入ったと言った

 

「――という理由です・・・ま、参考になりませんけど」

 

「いえ桜咲少佐は世界のことを思っています、私に比べれば・・・」

 

まだ配属先が決まらないことに落ち込む唯衣に対してアスカは両手を強く握り真剣な眼差しで見つめていた

 

「そんなことない、俺は先に進み選択肢が少ないが、篁さんはまだ選択肢が多く選べるはずだ」

 

「桜咲少佐・・・///」

 

「はっ!!ごめんなさい」

 

アスカは自分の行動がセクハラまがいとされて咄嗟に手を離した

唯衣は時間が経つほど頬が赤く染まっていく

それを見ていた巌谷は笑っていた

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

今年が終わるまで約一ヶ月、短いようで長い!

雪は降るな!除雪が大変だから・・・という毎日を過ごしている作者です

いよいよマブラヴオルタの原点?の作戦が動き出します

アスカが作り上げた三タイプの不知火が登場、ケニー無双、アスカ活躍無し?と言った具合で予定です

TEのキャラだれか一人登場させるかな・・・

ではまたお会いしましょう

 


 
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