No.512064

魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 序幕【決戦前日】 第八十七話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2012-11-25 14:09:19 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1479   閲覧ユーザー数:1433

実はこれ、昨日書き上げたやつww

 

書き終わらせて投稿せずに寝てしまったので日付が変わった今投稿しています。

 

まぁ、起きたのはかなり前なんですけどねww

 

それではどうぞ!!

「これはどういうことだっ!!」

 

 管理局にないのどこかにある一室、ミルティオルは放送が終わってすぐにリュベルをここに連れて来るように伝えた。

 それから数時間は掛かったが、リュベルがミルティオルが居る部屋にやって来て、どういう要件なのか問おうとしたところ、流出していた原因を逆に怒鳴りながら問いただされてしまった。

 違法研究を行っている研究所の許可書の管理はすべてリュベルに任せていたために、どうして流出したのかを問いただすために呼び出したのである。

 リュベルは用件が何かを理解すると、ミルティオルとは逆に冷静に答えた。

 

「率直に言いますと、どうして流出したのか分かりません。研究所の方には許可書を渡してから数日後にはこちらに引き返すように伝えてありますし」

「では、なんで流出するんだ!! しっかりと管理していれば流出しないはず!!」

「そのはず……いや、ちょっと待ってください。先ほどの映像を録画して今近くにありますか?」

「急にどうした? 何か心当たりがあるのか?」

 

 何かを突然思い出したのか、リュベルはミルティオルに聞く。

 その反応をみて、何か見つけたかと思ったミルティオルは少し冷静になって逆に聞き返していたた。

 

「正確には分かりませんが、もしかしたらその映像に映されたものは関係があるのではないかと」

「一応、すぐに用意できるから数分待ってくれ」

 

 そう言うと、ミルティオルは何か画面を出して二人が見える位置に先ほどフィルノが放送していた映像を映すように設定していた。

 予定通り数分もせずに映像が映り、ミルティオルとリュベルの二人は映像を見始めた。

 

『みなさん、こんにち――』

 

 フィルノの出だしの挨拶から始まり、とりあえずその辺りはどうでもよかったので適当に聞き流した。

 それからフィルノが研究所の許可書が映された部分をリュベルは集中してみて行き、次々に流れる許可書を見ていった。

 すべてを見終わると、何かを確信得たかのように納得し、それから近くにあった壁を殴った。

 

「あの野郎……その当時からフィルノ・オルデルタと繋がりを持っていたという事かぁ!!」

「どういう事だ? 私に分かる通り説明しろ」

 

 ミルティオルは管理についてはリュベルに任せていたため、あの映像から何かを理解することは出来なかった。

 だけどリュベルの怒りは凄まじく、壁に殴るまでとなると、ミルティオルは余計に気になっていた。フィルノ・オルデルタの仲間が情報を漏らしたという事は理解できるが、これ以上はさすがに分からないでいた。

 リュベルはミルティオルの言葉を聞いて冷静になったのか、ミルティオルの方へ顔を向ける。

 

「すみません、ミルティオル・ベスカ中将。気を取り乱してしまいまして」

「そんな事は今はどうでもいい。あの映像を見て何を理解したんだ?」

 

 ミルティオルはとにかく早く情報が漏れた事を聞き出したくて、他の全てを無視してそれだけをリュベルに聞く。

 

「情報が漏れた研究所ですが、すべてエメリア・ラスティルが研究所の拡大という名目で新設させた研究所です!!」

「なん……だと!? どうして新設なんかさせたっ!?」

「当時はフィルノ・オルデルタなんていう存在はもはや気にしていませんでしたし、妹を人質にされてから二年以上は経過していましたし、反撃されることはないだろうと思っていたのです。最初は何に使うのか疑惑を掛けましたが、一旦様子見て許可したところ予定通りの実験を行っていましたので」

「要は表面上ではなく、普通に実験を行っていたからこそ、次に申請されたときも簡単に許可してしまったという事か。しかし、許可書は回収しているのにどうして向こうに渡っているんだ?」

 

 仮にエメリアが関わっていた研究所だとしても、そこの疑問がミルティオルは残っていた。許可書は偽装された印が押されている事はないはずだし、それは管理局の誰もが知っているはずだ。それなのに印が押された許可書があるのはあまりにもおかしい事だった。

 だけど、リュベルにはその理由がなんとなく理解でき、ミルティオルの疑問にすぐに答えるのだった。

 

「それは簡単です。彼がこちらの世界に引っ張る前での仕事で何をしていたのか考えれば」

「『管理局認可員』かっ!?」

「……そういう事です」

 

 管理局の印が使われるのは別に研究所に限った事ではない。例えばJS事件の時にはやてが設立していた起動六課や今再設立した特務六課だって管理局から印が押されなければ通らない。それらの印を押すのが『管理局認可員』でかなりの重要な役職でもあった。危険がありそうな物はここで認可しないようにされている抑制の役割を持っている。

 もちろん、研究所の設立にもその『管理局認可員』を通すのだが、渡す人間がミルティオル・ベスカ中将の手下であれば簡単に違法研究所が設立することが可能なのだ。

 その『管理局認可員』だと何が問題なのかというと、働いていた人間ならば簡単に認可に使用する印を持ち出すことが可能だという事だ。もちろん流出しないように厳重に保管されているが、何かを理由にしてしまえば持ち出すことが可能にされているため、持ち歩くことも可能だという事だ。

 『管理局認可員』だからこそできた事。そして、フィルノはそこに目を付けて、エメリアの妹の件を知って利用したのではないかと今更ながら理解したのだ。

 

「ここからは推測ですが、エメリア・ラスティルはフィルノ・オルデルタの仲間になった後、許可書をコピーし、その後自分で印を押したのだと。コピーするだけならば印が押されている跡だけ消されることは管理局員なら知っていますし、映像を通してですから分かりにくいですが、文字で書くべきところまで周りのインクと同じように見えますので」

「要するにあの映像は偽物だという事か。、フィルノ・オルデルタがエメリア・ラスティルの存在に気づいた時点で、俺たちがこうなるというのは決まっていたという事か……」

 

 ミルティオルは特にナノハに目を付けていたせいで、エメリアの価値観を無意識に一番下げていた。

 情報が漏れるとしたらエメリアが一番だというのに、それをオリヴィエの子孫であるナノハが関わってきたことで一番危険視するべき事を忘れていたのだ。

 

「ミルティオル・ベスカ中将、これからどうしますか?」

「……状況から考えるに、管理局として戦うしかない。特務六課を中心に動くようだが、今回に限っては管理局も強制はしていない。管理局を信じるなら管理局と共に戦えとさ」

「ずいぶんと大雑把ですね」

「今回の件はたとえあの映像の物が偽装だろうと、普通の管理局員からすれば本物に思えるだろうからな。さすがに今回は管理局を信用していない管理局員が裏切る可能性も考えて任せるとしたのだろう。特務六課だけは私の権限で逃げないようにしたが、まぁ彼女らは別に逃げる人も居ないだろうと思うけどな」

 

 結局、ここまで来てしまった以上、ミルティオル達がやらなければいけないことは総動員でツュッヒティゲンに対抗しなければならないという事だった。違法研究の黒幕がミルティオルである自分だとばれてしまうのは仕方ないことかもしれないが、ツュッヒティゲンに勝てば最悪捕まるだけで済むことが出来、運が良ければ軽い罰則で済むかもしれないと考えた。そうなる為にはツュッヒティゲンを倒すしかなかった。

 フィルノの放送があるまでは、研究所が幾つ破壊されようと有利だと思っていたミルティオル達だが、一気に叩き落されていた為にツュッヒティゲンを倒すしか方法が無くなっていたからこそ、総動員を動かすことにしたのだ。

 ミルティオルが控えている部下の人数は管理局の十分の一を占めており、その中には管理局の裏の存在を知らない管理局員もかなりいるだろうがミルティオルの命令で動かせる人数だという事は変わりがなかった。だから今日中に全員をミッドチルダに集め、対抗するという方法に出たのである。

 

「そういう事でリュベル一佐、貴様らの部下を全員ミッドチルダに連れて来るように言え。今すぐにだ」

「分かりました」

「それと、あの子(・・・)を使え。あの時は敢えて使わなかったけども、こうなってしまった以上は使ってやる」

「しかし、大丈夫なのでしょうか? 成功しているとはいえ、あぁいうのは確実にコントロールが効くとは限りませんし」

「お前はどこかのファンタジー小説や漫画を見過ぎだ……と言いたいところだが、実際その通りだから仕方ないな。まぁ、その時はその時だ。出来る限り利用できるものはすべて利用する。そうでもしないと私たちの人生が終わる事はお前にも分かっているだろ?」

「……分かりました。ではすぐに準備します」

「あと、ある意味最後の娯楽かもしれんから、慎重にな」

 

 最後にミルティオルからそう聞くと、リュベルは出入り口のドアの前に移動し、一旦ミルティオルに一礼してから部屋を後にするのだった。

 リュベルが部屋を出た事によって部屋の中はミルティオル一人となり、その後溜息を吐いた。

 

「こうなった時の為に準備していた甲斐があったもんだ。私の代(・・・)はここで終わるが、いつ私が死んでも大丈夫の筈だ…… 何事もなければの話だが」

 

 ミルティオルは意味深な独り言を呟きながら、再度溜息を吐くのだった――


 
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