No.511470

超次元ゲイムネプテューヌmk2BURST

レオさん

この度、ハーメルンにて同一の小説を投稿しました。
宜しければそちらもご覧下さい。
こちらがURLです↓
http://syosetu.org/Novel/4495/
それでは本編です。

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2012-11-23 20:54:33 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:667   閲覧ユーザー数:650

ギョウカイ墓場と呼ばれる場所がある。

 

ゲイムギョウ界とは別の次元にあり、ゲイムギョウ界で力尽きた者はそこに逝きつき

永遠に其処を彷徨うのである。

 

また、ギョウカイ墓場はマジェコンヌの本拠地でもある。

 

数年前から急激に規模を拡大してきたマジェコンヌに危機感を覚えた女神たちは、協力してマジェコンヌを倒そうとギョウカイ墓場に乗り込んだのだが、そこでマジェコンヌの四天王の一人

『マジック・ザ・ハード』と戦闘になったのだが、マジックの圧倒的な力の前に、女神たちはいとも簡単に倒されてしまったのである。そして、女神達が倒されるのを見ていた少女―――――ネプギアはとても信じられないと言った表情でこう呟いた。

 

「そんな…女神が…お姉ちゃん達が、手も足も出ないなんて…」

 

マジックはゆっくりと少女へと進んでゆく。そしてネプギアの目前に着き、鎌を振り上げる。

 

「ひっ…」

 

ネプギアは恐怖し、小さい悲鳴を漏らす。

 

「お願い、やめて…」

 

その言葉にもマジックは動じない。そして

 

「このままじゃ、ゲイムギョウ界が壊れちゃうよー!」

 

ネプギアの悲痛な叫びと共に、シンヤの意識は覚醒していく。

 

「…ん…。朝か……」

 

その言葉と共にシンヤはゆっくりと目を開けていく。

 

シンヤの目に飛び込んでくるのは、アナグラの自分の部屋の天井ではなく、イストワールが貸してくれた部屋の天井だ。

 

(……さっきのは、一体……)

 

シンヤは目が覚める前まで夢を見ていた。

 

だが、その夢はあまりにもリアルで、まるで現実でおきているかの様だった。

 

(……それに、あの女の子は……ネプギア…?)

 

その夢の中でシンヤは鮮明に覚えているのはネプギアの悲痛な叫び声だった。

 

(……とりあえず、一度イストワールかネプギアに聞いてみるか?)

 

と、ベッドから降りようとした時「すぅー…。すぅー…」と、隣から可愛らしい寝息が聞こえてきた。

 

瞬間、シンヤの体は凍りついたように動かなくなった。

 

「………」

シンヤは恐る恐る振り返って見てみる。

 

其処に居たのは、

 

「すぅー…。すぅー…」と、今も尚可愛らしい寝息をたてているネプギアが眠っていた。

 

「………」シンヤは数秒間絶句していたが、ネプギアの目に雫がたまっていたのを見た。

 

そして

 

「お姉ちゃん…うぅ…っ…」その雫が涙となって零れ落ちた。

 

「………」

 

それを聞いたシンヤは数秒考えた後、とりあえずネプギアを起こそうと言う結論にたどり着いた。

 

「ネプギア。起きろ、朝だぞ」

 

「う、うーん……」と、声を出しながら這い上がってくる。

 

「あ、シンヤさん。おはよう、ございます…」

 

「あぁ、おはよう。さて、行き成りだが聞かせてもらうよ、ネプギア」

 

「……? 何を、ですか?」ネプギアはキョトンとした様子だった。

 

「何で、俺の部屋で寝ていたんだ?」

 

「え? 俺の、部屋…?」

 

言われて周りを見回してみるとあるのは殺風景な部屋であり、ネプギアの部屋とはレイアウトや部屋のデザインも全く違っていた。

 

そこで、ここが自分の部屋でない事を理解した。そして、ネプギアの顔は瞬く間に赤く染まっていった。

 

「え、ええええっと、あ、あああの、その//////」ネプギアは顔を赤くしたまま黙ってしまった。

 

「まぁ、それは良いとして、少し動くなよ」そう言ってポケットの中からハンカチを取り出して、ネプギアの顔を拭き始めた。

 

「え!? シ、シンヤさん!?な、何を!?」

 

「お前、泣いてたぞ」と、涙の跡を拭きながらそう言った。

 

「え…?」ネプギアは驚いた顔でシンヤを見た。

 

「多分怖い夢でも見たんだろう……よし、終わった」

 

涙の後を拭き終えてハンカチをポケットにしまっていると、ネプギアが話しかけてきた。

 

「……三年前の事を、思い出したんです」

 

(やっぱりか)シンヤは心の中で呟いた。

 

「あの時の私は、ただ見ているだけで、何も出来なかった。私は、悔しかったんです」

 

「………」

 

 

「私は弱いんです。だけど、お姉ちゃんみたく強くなろうと思って、特訓したんです。

でも、やっぱり、マジェコンヌに負けてしまったんです」

 

その言葉と共に少しずつ目尻に涙が溜まっていくのが見えた。

 

「………」

 

シンヤは黙ってネプギアの話を聞いていた。

 

「ネプギア」

 

「え?」

 

ギュッ、と、いきなりシンヤがネプギアを抱きしめたのである。

 

「シ、シンヤさん!?」いきなりの事に驚愕しながらも顔を赤く染めるネプギア

 

「辛い時は、泣けば良いさ」

 

「え…?」

 

「確かに、ネプギアは弱いかもしれない。だけど、それは俺にも言える事だ」

 

「シンヤさん、にも?」

 

「あぁ、俺は一人じゃ何も出来ない弱虫さ。だけど、弱虫だって強くなろうと思えば強くなれる。それはお前も同じさ。

でも、強くなろうとするのに迷いは要らない。だから、その迷いを消す為に、今は、思いっきり泣け」

 

「シンヤ……さん……。う、う、うっ、うわあああああああああああああああああああああ!!!」

 

その言葉が限界だったのだろう。今まで感情を抑えていたダムが決壊したかのように、ネプギアは目から大粒の涙を出しながら泣いていた。

 

シンヤはそれの全てを優しく受け止めていた。

 

「シンヤさん、その、ごめんなさい」

 

目を赤く腫らしたネプギアがそう言ってきた。

 

「誤る必要なんてないさ。でも、もうこれで迷う事は無いだろ」

 

シンヤはその言葉に適当に反応した。

 

「はい。もう、私は大丈夫です」

 

と、ネプギアは自身を持って答えた。

 

「よし。じゃ、一階に降りるか」

 

と、行った所で突然ドアが開いた。

 

ドアを開いた主はアイエフとコンパだった。

 

「シンヤ、アンタ、ネプギアが何処に行ったか知らな…い…」

 

「あいちゃん、どうしたで…す…か」

 

其処まで言った所で二人の動きが止まった。

 

理由は簡単だ。

 

ここはシンヤの部屋の筈なのに、ネプギアがシンヤの部屋に居るからである。

 

なら何故居るのか?

 

シンヤが連れ込んだからだ。

 

そう判断した。

 

「「………」」

 

沈黙する部屋の中、アイエフとコンパが顔を見合わせ、無言の笑顔で武器を構える。

 

その後、シンヤの悲鳴がプラネテューヌの協会中に響き渡った事は言うまでも無い。


 
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