No.511335

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百四十一技 絶望は希望へと変わる

本郷 刃さん

第百四十一話です。
タイトルが示すものとは・・・。

どうぞ・・・。

2012-11-23 10:07:13 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10015   閲覧ユーザー数:9251

 

 

 

 

 

 

 

 

第百四十一技 絶望は希望へと変わる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

戦闘を再開した俺達。

 

〈The lord of falldowner(ロード オブ フォールダウナー)〉に攻撃を当てたことで、HPバーが残り六本となった。

 

ハクヤは武器を『コロナリッパー』に持ち替え、俺達は四人で同時に攻撃を行っている。

 

僅かな隙を突いて攻撃を当てていくが、当然ながら相手の攻撃も俺達に命中する。

 

ハクヤ達が攻撃を行い、ボスがそれを捌いている内に俺は《ヴォーパルストライク》を放ち攻撃を命中させた。

 

そこで奴は尾を俺に向けて叩きつけた。俺は壁に叩きつけられ、六本の武器で三人を切り裂いていく。

 

「ぐぅ!?」

 

「ぬっ!?」

 

「あぁっ!?」

 

三人のHPが削られていく。

 

俺は可能な限りの速度を出して、奴の背部に辿り着き《スターバースト・ストリーム》を放った。

 

「!?!?!?!?!?……!」

 

十六連撃を全て受けた奴は、翼を大きく振り、俺達を吹き飛ばして自身も後退した。

 

俺達のHPはレッド寸前まで削られていた。

 

「……なんて奴だ…」

 

「明らかに76層のステータスじゃない」

 

「茅場の仕業だろうな。四人のユニークスキル使いが現れたから、能力を上昇させたのかもしれない…」

 

「そうだとしたら……残りのあたし達がバレたら、絶望的なまでに高めそうね…」

 

呆然と呟くハジメにハクヤが言った。

 

ハクヤの言うようにこいつのステータスは76層のボスにしては高すぎる。

 

俺は自分の考えを言い、カノンさんの言葉に同感した。

 

「とにかく≪ハイポーション≫を飲んで回復しよう。奴が距離を取っているうちに」

 

俺達はハイポーションを飲んでHPを回復させる。

 

これで俺とハクヤとハジメの分は一つ、カノンさんは二つとなった。やはり回復アイテムが足りな過ぎる。

 

俺達のHPが全回復した瞬間、奴が武器を上に掲げた。すると奴の体を紅いオーラが纏った。

 

その様子に俺達は一気に気を引き締めた。

 

「マズイ、よな…?」

 

「明らかに、ね…」

 

「!!!!!!!!!!」

 

ハクヤとカノンさんが口にすると、奴はこちらに向かってかなりの速度で突撃を仕掛けてきた。

 

奴はそのまま俺達に武器を振り下ろしてきた。

 

それを回避するも、俺は追撃を受けてしまい二本の剣で切り裂かれた。さらにそのまま俺を蹴り飛ばす。

 

「クッ、ソォ!?」

 

俺は地面を転がりながら壁にぶつかった。俺は自分のHPを見て驚愕した。

 

全快のHPが再びレッド寸前まで削られたのだ。

 

おそらくあの紅いオーラを纏ったことで攻撃力と速度が上昇したのだろう。

 

すぐに起き上がり奴に向かおうとした時。

 

「きゃあっ!?」

 

「……っ!?」

 

カノンさんとハジメが吹き飛ばされた。カノンさんは地面に落ち、ハジメは壁に激突した。

 

「カノンさん! ハジメ!」

 

「だ、い…じょう、ぶ…」

 

「……私も、だ」

 

なんとか返事を返した二人。そこでハクヤが戦闘を続けているのに気付いた。

 

ボスが振るう六本の武器をたった一つの炎の鎌で捌くハクヤ。

 

だが攻撃力と速度が増した奴の攻撃を全て捌ききることはできず、HPが異常な速度で減っていく。

 

だがハクヤはその攻撃の中を掻い潜り、奴の懐に入り込んだ。

 

「オォォォォォ!!!」

 

そこでサイススキル《ヴァンディエスト》を発動した。鎌による八連撃のスキルだ。

 

さらに《斬撃》が加わり、倍の十六連撃となる。ここまでくれば最早《二刀流》に並ぶほどだ。

 

全ての攻撃が入り、奴のHPバーが残り五本となった。攻撃を受けた奴は体勢を崩すように後ろに倒れようとする。

 

ハクヤはそれを感じ取り、距離をとろうとする……が。

 

「!!!!!」

 

「「なっ!?」」

 

奴は自身の尾を第三の足として地面に突き刺して体を支えたのだ。

 

そしてそのまま正面にいるハクヤに向かい、

 

「!!!!!!!!!!」

 

全ての武器を振り下ろした。ハクヤの体は刻まれ、最後に奴は蹴りを喰らわせた。

 

「あ、あぁ……」

 

「……っ」

 

「っ、ハクヤーーーーーーーーーー!!!」

 

カノンさんは呻き、ハジメは息を呑む。

 

俺の絶叫を受けながら、扉の前に転がったハクヤ。そのHPはレッドになり、未だに急速に減っていく。

 

「これまで……か…」

 

そうハクヤが言った瞬間、彼のHPが0になった。

 

絶望を覚えた。死ぬ…ハクヤが。嫌だ、仲間を、幼馴染を、親友を……失いたくない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思った時、ハクヤの後ろにある扉が突如として開いた。そしてそこに居たのは、

 

「キリトくん!」

 

「アスナ……」

 

アスナを含めた攻略組プレイヤー達だった。俺はその中にクラインがいるのを認めるとすぐさま叫んだ。

 

「頼む、クライン! ≪還魂の聖晶石≫を、ハクヤに!」

 

「っ、分かった!」

 

俺の発した言葉の意味を理解したのか、クラインはすぐにアイテムストレージから一つの石を取り出した。

 

それをクラインの後ろにいたのであろう一人の少女が受け取り、ハクヤの側に駆け寄った。その少女とは、

 

「蘇生、ハクヤ!」

 

「リズ!?」

 

鍛冶師の少女、リズベットだった。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

オリジナルスキル説明

 

サイススキル《ヴァンディエスト》

鎌の最上位スキルの一つ。巧みに鎌を動かして斬りつける八連撃のスキル。

 

 

 

 

 

後書きです。

 

はい、ハクヤが一回死にました。生き返りましたが・・・。

 

それと『結晶無効化空間』なのに≪還魂の聖晶石≫が何故使えるのか?ということを皆さん考えたと思いますが、

本作では結晶アイテムではないという解釈でお願いします。何卒・・・。

 

というわけで、攻略組の援軍です。

 

嫁登場、とかみなさん思っていますよねw

 

戦闘はもう少し続きます。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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