No.510854

恋姫無双~決別と誓い~ 第二十四話

コックさん

頑張りました。

話が進んでないような気がしますが気にしない、気にしない(震え声)

感想、誤字指摘お待ちしてますよ~!

2012-11-21 23:48:57 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:2596   閲覧ユーザー数:2294

~警告~

 

今回は歴史的に少し違った解釈、出来事が描かれています。ツッコミは無しでおねがい候。

                    

 

 

~another view~

 

二人が部屋を去ったあと愛紗ちゃんが星ちゃんに掴みかかってくる。

 

「おや、お怒りのようだがどうかなされたか?」

 

と相変わらず茶化すけど愛紗ちゃんは顔を真っ赤にして怒りを顕にする。

 

「巫山戯るな!お前の軽はずみな行動が皆に迷惑をかけると・・・・」

 

「そう熱くなるな愛紗よ。私は北郷がどういった奴なのか興味があっただけだ。本気でやり合おうとは思っていないさ。それにあの二人は私の意図に気付いているようだったしな。問題はないだろう」

 

「なんだと・・・?!」

 

「私は天の御使いと呼ばれていたあの男が今どのような人間となっているか以前から興味があったのだ。それで餌をまいたのだが、上手くあしらわれたのは私のようだ。あやつ中々賢いぞ」

 

と星ちゃんは言ったが、

 

「私も気になった・・・。どうしてそこまで変われるのかなって」

 

「桃香様?」

 

「ほう?主も私と同じ考えをお持ちか」

 

「あんなに優しい目をしていたあの人がどうして・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

愛紗ちゃんは沈黙していたが私自身それに分からないほど馬鹿ではない。多分孫策さんが絡んでいるんだろう。

 

以前は優しい雰囲気の塊のような人だったのを覚えている。

 

それが今や目的のためならどんな非業なことでもやる邪悪な雰囲気を醸し出している。

 

光のない薄暗い闇を照らし続ける死んだ目。

 

そして凶悪な虎がまるで弱々しい動物のように見せるかのように自分の素性を隠す巧妙さ。

 

あの孫策さんが死んだ戦いで彼に何を思わせたのかそれが気になって仕方がなかった。

 

(ひょっとしたら私も変わりたいのかもしれない)

 

誰よりも非情で誰よりも決断力がある劉玄徳ならどれだけ良かっただろうかと思わずにはいられない。

 

そのきっかけとして北郷さんを利用しようとする自分にますます自己嫌悪を募らせる。

 

「・・・・主よ、一度北郷殿と話されてはいかがか?」

 

「え?」

 

「今のまま思い悩んでも埒が開きませんぞ。思い立ったら吉というではござらんか。幸い会談までは幾分時間があります。その空いた時間を使っても誰も文句は言いませんぞ?」

 

なぁと愛紗にも同意を投げかけると慌てて肯定する。

 

「そ、そうですね。桃香様はこの長旅でお疲れですから、そうしたほうが良いかと・・・。明日北郷殿に掛け合ってみましょう」

 

彼女たちにも心配させているらしいことに気づき、

 

「・・・・・そうだね。そうするね・・・・」

 

と心の中では自己嫌悪にまみれながらも弱々しくその提案を受け入れた。

 

 

次の日愛紗ちゃんが北郷さんに話を通してくれたらしく昼過ぎにこちらに来るらしい。

 

彼も忙しいはずなのにこうして自分に時間を割いてくれることに申し訳なく思った。

 

これも自分を心配している人たちに迷惑をかけてしまっているのだ。

 

昼過ぎに彼がやってきた。相変わらず有無を言わさない威圧感が辺りを漂っている。

 

「北郷です。劉備様お呼でしょうか?」

 

「ええと、その・・・・」

 

なかなか声が出せない。当たり前だ。なんでそんなに変わったのかなんてそんな不躾な質問はできるものではないからだ。

 

それを見越したのか彼は、

 

「少し外の空気を吸ってみては如何でしょうか?建業の町並みを見たことは?」

 

と外に誘ってきてくれた。これには意外だ。彼がこんなに気を利かせてくれるなんて想像もしてなかったからだ。

 

「うん。お願いしようかな。よろしくね北郷さん」

 

「自分に劉備様を上手く案内できるかはわかりませんが、出来うる限りのことはします」

 

と手を差し出して跪く。

 

一般人がそんなことをしても笑われるだけだが彼がしたら何故か型にハマっておりしっくりとくる。

 

差し出された固くてゴツゴツとした手を握ると彼は優しくギュッと私の手を掴み思わず胸が跳ねる。

 

「ん?どうかなされましたか?」

 

「いえ。すみません男の人の手を握るのは実は初めてなんです。その・・・・変ですか?」

 

「・・・・いえ、そんなことはありませんよ。むしろ私で宜しいのですか?」

 

そう聞かれると恥ずかしくて顔を直視できない。どうしてこんなに胸が・・・・。

 

「そ、そんなことはありません!!私には北郷さんが良いなっていうかその・・・・」

 

「そうですか。ありがとうございます。では行きましょう。姫」

 

あえて男性的な印象を与える王と言わず女性的な印象の姫という単語を使う北郷さんの手を引き導く姿に私はすっかり参ってしまっていた。

 

 

建業に出ると彼は色々なこと教えてくれた。

 

「建業の名前の由来は

 

《業を建てる》

 

つまり王業を建てるという意味で曹操からの独立の意味合いがあります。

 

建業は貨幣経済から成り立ち、主に工業面での発展に著しいものがあります。

 

例えば生糸を使った大規模な生産や武器の大量製造などが挙げられますね」

 

「どうしてそれほどの大規模な生産が可能となったのですか?」

 

「事業主が貨幣を使い雇うのです。その雇われた人たちは、一人が一つ商品を作るのではなく一人ひとりに役割分担をして分業することにより作業効率を高めているのです。

 

一人が一個の商品を作るには技術力と膨大な教育がかかりますが、役割を与えれば彼らはそれだけをすれば良いわけですから精神的負担と人件費がかなり軽減されることが分かっています。

 

現在は主要な産業は知識が不足している国民だけでやるには十分な供給をできないといった懸念から、国が管理して運営をしていますが、いずれか能力のある国民に安い価格で売り払い彼らだけでやっていくことになります」

 

「国が率先して雇うことで貨幣の流通も図れますし、購買力も高まるということですね。 その雇っているのはやはり農業に勤しむ人たちなの?」

 

「ええ。収穫を終えた出稼ぎ農民や職を失った貧困層の人々を雇っています。そのぶん農民、貧困層なら人件費にかかる費用もある程度抑えられますし、真面目に働く人も多いです。

 

さらに貧困層をなくすことで犯罪や百姓一揆の減少にも繋がっています」

 

私は建業の産業構造の説明をされた時にどうして朱里ちゃんが呉にこだわるのかが分かったような気がした。

 

彼らが取る政策一つ一つに無駄がなく、合理的だ。

 

「ほかの地方都市でも同じ政策を?」

 

「はい。私は行政府の者ではないからはっきりとは言えませんが、自分が知る限りでは実行に移していると・・・」

 

「そうですか・・・・」

 

私は鈍器で頭を殴られたかのように打ちのめされていた。こんな4~5年でこれほどまでに差がついているとは・・・。

 

蜀は豪族の力を借り統治するという漢王朝が採っていた体制であったがそこには豪族の利権があり聖域化されてしまっているのが否めない。

 

既得権を無くしたくないから政府に協力しない。だから政策でも妥協というか大幅な譲歩が必要となるし時間もかかるのだ。

 

そこが上意下達がしっかりとしている呉と決定的に違う。

 

「どうかなさいましたか?」

 

「いえ、ただここまで出来るのは正直すごいことだなって。どうしてここまで出来るのかなって」

 

「正直ここまで来るのには膨大な犠牲がありました。孫策を支持する旧体制派と孫権と周瑜中心の改革断行派での争いというのがありました。

 

逆らう者は特措法つまり通常法をも上回る効力をもつ法を制定し孫策派を追い出したことは知っていますか?」

 

それは知っている。それに反対した豪族たちは蜂起したが、国防軍により難なく鎮圧されたと聞いていた。

 

「やはり同士討ちということになるんですか?」

 

と彼の聞くと表情が暗くなるが肯定する。

 

「そうなりますね。同じ国民で殺し合うことになります」

 

「・・・・どうして?どうして皆が皆の幸せを願っちゃいけないのかな・・・?私には・・・」

 

やりきれなかった。そこまで割り切れるほど要領は良くはない。目指すべきところは同じはずなのにどうして・・・。

 

「・・・・・すこし歩きましょうか」

 

と彼は言って歩き出す。

 

 

と暫くしたら旅人などが休息する駅舎があり彼はそこで店の主人に何かを話したあと静かに椅子に腰掛ける。

 

私も彼にならい椅子に座ると主人がお茶と握り飯を渡してくれた。

 

「どうぞ。質素なもので申し訳ありませんが・・・・」

 

「いいんですよ。気にしてませんし・・・」

 

と恐縮する彼にそう言う。

 

辺りは静かでここだけが別世界のように感じる。

 

鳥のさえずりと小川のせせらぎが何処からか聞こえ疲れていた心が幾分か癒される感じがする。

 

「いい場所ですね。静かでゆったりとしていて・・・・」

 

「ええ。自分のよくここには通うんですよ。疲れたときや思いつめたときはここでお茶でも飲みながらのんびりと過ごしますね」

 

「そうなんですか・・・・」

 

兵士である彼がそんなことをしているのは意外だった。愛紗ちゃんや鈴々ちゃんみたいな武人はいつも体を動かしているからだ。

 

どちらかというとそんなことしそうなのは朱里ちゃんや雛里ちゃんといった軍師の人たちがするようなことだったからだ。

 

「意外でしたか?私はもともとは軍師でしたので・・・・。見習いでしたが」

 

「知ってますよ。私も反董卓連合のときに一回お会いしましたから・・・・」

 

「ほぉ。覚えていただき光栄です」

 

「あの白い服は・・・・?」

 

彼は今呉の将校が来てる茶色と緑を基調とした服を着ている。

 

「今は着ませんね。恐らくは死ぬまで着ることはないでしょう」

 

「・・・どうして?」

 

「はい?」

 

「どうして兵士なんかになったんですか?!孫策さんは貴方には兵士になって欲しくなかったはずです!なのにどうして・・・・」

 

彼は呆気にとられていたが机に置かれたお茶を口元に持っていくと思案顔を解き一言。

 

「劉備様。自分は孫策様が・・・・いや雪蓮が本当にそう思っていたのか正直疑問に思う時があるのです」

 

「疑問?」

 

「ええ。彼女はいくら破天荒な性格でも長期的な視点で考えた結果、本当に私に天の御使いもとい、種馬をさせたのかと。

 

いくらなんでもそんなことを彼女がするわけがないし、そんなことを期待していたわけではないと思うのです」

 

「・・・・・・」

 

「あくまでも私主観の解釈ですが、雪蓮は私に覚悟を見せて欲しかったのだと思います。この世界で生きていくにはどうすればいいのかを・・・。

 

私は争い、戦が嫌いでしたし今でもその気持ちは変わりはありません。

 

戦乱を終わらせたい。争いから解放された平和な日々を皆と過ごしたい。

 

それをあの頃主張はするけれどもその為にどうするべきかの具体的な行動を私自身実行に移すことはしませんでした。自ら実行せず、嫌われ者になろうともせず口だけ達者な輩の言うことなど誰が耳を傾けたでしょうか?

 

現に雪蓮、冥琳も私の外交戦略における提案に耳を傾けてはくれませんでした」

 

その後も湯飲み茶碗を持ち直して彼は続けた。

 

「雪蓮は私にそういう覚悟があるのかを問いたかったのだと思います。指摘するのではなく自分で考え自分で責任が取れるようにと・・・・。要するに何も知らないハナタレ小僧だったというわけですが・・・」

 

とやれやれといった感じで肩をすくめるが私は彼の言うことが胸の奥深くに突き刺さっていた。

 

自分は何もせず口だけが達者な男という台詞はまるで私を指しているようだったのだ。

 

できる限りなら皆と争うことなくいきたいと顔色ばかりを伺ってはそれに合わせることを優先としてきた。

 

でもそれではダメだったのだ。

 

自分の信念を貫くには自ら考え自立して行動をしていかなければならないことを・・・・。

 

例えそれがどれだけの人に蔑まれようとも成し遂げなければならないものであると・・・・。

 

 

「申し訳ありません。少々重苦しい話になってしまいましたね・・・」

 

と苦笑して頭を下げる彼に、

 

「そんなことありません。ただ・・・・羨ましいなって」

 

「羨ましい?」

 

「はい。そんなに考えてくれているなんてきっと孫策さんも嬉しんだろうなって」

 

と言うと北郷さんは何処か嬉しそうに目を閉じて少なくなったお茶を口に運んでいるのを見て胸がズキンと痛むがあえて無視して私も冷えてしまったお茶に口を通すことにした。

 

 

~another view end~

 

 

「徐盛一尉!魏が国境を超え侵攻を開始!!」

 

「なに!?数は?」

 

「およそ十万かと・・・・」

 

その数を聞いて徐盛は唖然とする。

 

「十万か・・・・。直ぐに大本営に通達を!残りは直ぐに軍議を始める」

 

「はっ!」

 

伝令兵が慌ただしく出ていく中徐盛はくだびれた服を整えて軍議室へと向かった。

 

「魏は今の進軍速度でいくとあと三ヶ月ほどで俺たちと会敵することになる。そのあいだに防戦を展開するには・・・・」

 

と朱然がいうと隣にいた軍師が反対を言う。

「無理です!!我が軍はその半分もない2万5千です。ここは撤退し北面方面軍と連携を取りましょう」

 

「彼の意見に賛成です。ここは一旦引き体勢を立て直すのが先決かと・・・」

 

しかし朱然は賛成はできなかった。ここを制圧されれば、魏はここを前線基地として使用することとなる。

 

魏は冬は雪が降るためこちらにはいけないがここならそうはいかない。

 

ここを取るということは補給線を確保することとなり、南征の成功に大きな影響を与えかねない。

 

それぐらい戦略性の高いところにこの基地は位置していた。

 

「だめだ。ここを取られたら我々は負けだ。防戦し相手を撃退する」

 

「しかしどうすれば・・・。数は相手が上。押し切られますぞ」

 

「石塁を作り防御面の強化を図ればいいんじゃねえか?」

 

いきなり徐盛が口を開いたので驚き静かとなり彼の声がよく聞こえた。

 

「しかし石塁を作る時間が・・・・」

 

「そうだ、そこが問題だ。だが一日中作業をしていたらどうなる?完成はあっという間だろう」

 

軍師達は徐盛に怪訝な眼差しをよこした。一日中作業するなど出来るはずもないからだ。

 

朱然は相方がまたバカをしでかしたと溜息をつきかけたが、急に思いつく。

 

「いやその考えは可能だ。交代制にすればいい。休む班と作業をする班とで行えば一日中作業を行える・・・!」

 

「「!!」」

 

それから四刻交代で作業を行っていくことを決め、トップである朱然が号令をだす。

 

「ではこれから石塁建造作戦を開始する!!非戦闘員は退避命令と政令第二十九号に基づく特別非常事態宣言を発令。住民には避難勧告を急がせろ!!」

 

「「御意!!」」

 

と軍師達は急いで配置へと戻っていく。

 

 

「全くその考えはなかったぜ朱然。さすがだな」

 

と徐盛は肩をポンと叩いて労いの言葉をかけるが朱然は目をつぶり首をふる。

 

「いや、お前の一言がなければどうなっていたか。礼をいうぞ徐盛。これで活路が見いだせた・・・!」

 

「魯粛准将や呂蒙局長がいないなかお前が頼りだぜ朱然!!」

 

「おう、お前も頼んだぞ。体を動かすのはお前の得意分野だろ。脳筋の力見せてやれ」

 

「うっせ!一言余計だよ」

 

とツッコミを入れるがニヤッと笑いじゃあなと親友と別れる。

 

実は結構追い詰められていた。何気なく助け舟を出してくれる友人に感謝の言葉も出てこない。

 

彼はいつもバカをやってそうでその行動に何らかの理由が必ずあるのを朱然も知っていた。

 

相手を立てるところは立て、引くところは引く。

 

それを意識してやらず無意識にやってしまうところが彼の長所でもあったりする。

 

全く馬鹿なのか頭がいいのかわからんと聞こえないよう呟くと俺も指示を出すべく踵を返した。

 

それから急いで突貫工事が行われた。兵士が土木作業をし建築技術がある民間人が指示をする形にした。

 

朝から晩まで休みなく、それでいて休みがある状態で作業が進んでいった。

 

夏侯淵はこの南征の指揮を任されていた。

 

といっても呉を本気で制圧するわけではなく示威行動を含めた前哨戦と彼女は考えていた。

 

最近成長が著しい呉がどの程度のものなのかを見極めるなんともまぁ大規模な偵察といったところか。

 

だがもし呉の実力が噂にそぐわないものであれば、夏侯淵は南征の魁(さきがけ)として殲滅戦を展開しても良いと命令されていた。

 

現時点での最終目標は敵拠点の制圧だ。

 

(さてどうでるか・・・・)

 

十万の兵を相手にどうするか、夏侯淵は胸が踊る。

 

聡明な彼女でもやはり姉の血が流れているらしくこれから起こるであろう戦闘に興奮を覚える。

 

いつも戦いでは前に出たがる姉の手綱を握る彼女だが、今姉はいないし心理的負担が減っているのもあるのだろう。

 

敵拠点から約二十里ほど離れたところに陣を構え、偵察隊を派遣させ様子を伺っているところだ。

 

制圧戦になるためできるだけ情報が欲しい。情報なしに突撃しては兵を無駄に消耗させるだけである。

 

敵がどのように動くにあたってどのように部隊を動かすかが重要となる。

 

手堅いがこれが一番と彼女は判断した。

 

その偵察隊が戻ってきた。数は幾分足りない。おそらく襲撃を受けたのだろう。

 

「どうだった?」

 

彼女が聞くと兵はどもってしまう。何かあったのかと聞くと、

 

「長江沿岸部に凄まじい長さの石塁が我々の行く手を遮っています。まるで万里の長城のようでありました・・・・」

 

「なんだと・・・・?」

 

万里の長城とまではいかないだろうがその例えは想像がつきやすかった。

 

敵は沿岸部に石塁を立てて歩兵と騎馬兵を動きを止める策を使った。我々は今回騎馬兵よりは歩兵が多い。

 

おまけに偵察隊を発見し撃退していることから、兵の練度もかなりのものだ。

 

物量で攻めてもその先に何が待ち構えているかは不明でありかなり危険が伴うことは予想がつく。

 

たった数ヶ月で大規模な建造物を立てる国だ。きっと何かあるはず・・・。

 

攻め込んでも勝ち目は薄い。

 

そう判断した夏侯淵はほかの聞いていた軍師たちの顔を伺うと皆彼女の目をみて何かを語っているようであった。

 

恐らく意見が皆一致しているはず・・・。

 

「全軍に通達。呉を攻め込まず我々は撤退する。残念だが呉の底力を見れただけよしとしよう」

 

「・・・・・御意」

 

皆悔しそうに顔を歪ませるが彼女は何故か爽快かつ心地よい気分を味わっていた。

 

そう、それでこそ我が主に対抗する敵だと賞賛を投げかけると同時に撤退を開始した。

 

戦わずして曹操の軍を撃退したこの戦いは後に、

 

「不戦戦争」

 

と言われ後世にまで語り継がれるようになるのだがそれはまた別の話。

 

 

皆さんこんにちわ、こんばんわ、そしておはようございます。コックです。

 

今回は桃香さんがウジウジする回でしたが次回は結構すごいことになるんじゃないかなと予定してます。

 

嫌われても~とか、蔑まされても~とか言ってますからね・・・・。

 

そしてあの朱然、徐盛コンビが戦う(?)場面がありましたが、これは確かうろ覚えですが224年の曹丕が長江沿岸部で徐盛が強行した偽の陣つまり城をみて勘違いをして撤退したという話からとっています。

 

徐盛さんはこのエピソードがいいんじゃないかなと思いこれに決めました。

 

どうでした?皆さん(^^;

 

え?!つまらない?(´・ω・`)

 

気にしない気にしない!!ケセラセラの精神でいきましょう(棒)

 

PS:コメント欄で桃香さんが

 

「どうして北郷さんは兵士なんかに~」

 

という台詞が君主として不適切ではないかというコメントをいただきました。

 

確かに不適切です。

 

これが桃香さんの今の現状なのだと考えてくださったらと思います。

つまりまだ君主として、一人前の人間として成長が不十分だという思いで「なんて」という言葉を用いました。

 

桃香さんは今右腕でもある朱里さんに逃げられており、今まで彼女任せにしていた桃香さんはかなり苦労しています。彼女がここまで苦労したことはないんじゃないかという感じで見てくれたらいいですね。

 

精神的に、肉体的にも追い込まれたらどうしても本音が出てしまうものです。

 

桃香さんはこれまで関羽、張飛といった兵士が支えてきてくれたことをまだ本質的には理解できていないんです。そのため兵士でもある一刀に「なんて」と言ってしまったんでしょう。

 

ですがそのあと一刀は兵士の生き様と本当の責任がなんなのかを桃香さんに間接的ではありますが教えています。まぁ彼も桃香さんと同じ境遇に立たされていたようですし、自分のようにならないで欲しいというある種反面教師のような思いもあるのでしょうね。

 

と説明不足かもしれませんがそのような意図で桃香さんは発言してます。どうでしょうか?

 

納得いただけたでしょうか?

 

このように本質をズバっと言ってくださる方には本当に感謝しています。

 

そういった本質が出てくるほど私の話を真剣に読んでくださってるのだなぁとそう思うからです。

 

こういったコメントを出してくださる方をむしろ大事にしなければいけないんでしょうね。

 

ではまた!!


 
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