「流超一郎の、ライダァーラ~ジオッ!」
(♪~!)
「はい、ファンの皆さんはご存知かと思いますが、
若菜姫が急遽活動停止を発表したため、ヒーリングプリンセスは放送休止となっております。ご了承ください。
というわけで、本日は私、総合格闘家のナガレ・チョウイチロウが巷で噂となっている現代の神話、仮面ライダー特集の第二回をお送りします。
番組では仮面ライダーに関する質問、そして曲のリクエストを募集しております。
電話番号は×××‐×××‐××××、メールアドレスはhutolove@×××.jpとなっています。
では、今日のゲストをご紹介します。前回に引き続き、仮面ライダー研究家、八十 四郎さんです]
(~♪)
「ヤソ・シロウです。いやぁ、聞いてくださいよ、流さん」
「いきなりですね。なんですか?」
「観光しようと思って昨日風都入りして、風都博物館行って来たんですよ。恐竜とかスミロドンの化石見たくて」
「ほー」
「そしたら館長の都合だかで休館日だったんですけど、その近くで若菜姫見たんですよ、あ。これ、証拠写真」
(ゴソゴソと写真を出す音)
「八十さん、ラジオで写真を出されても、リスナーの皆さんには通じま…でも確かに若菜姫ですね。いつもの笑顔じゃなく…なんかこう、妙な表情ですけど」
「で、少し調べて見たら、あそこの館長の苗字が園崎なんだってな。若菜姫の親戚かな?」
「さあ? 何かの話で聞いたことがあるような、ないような…と、八十さん、ところで今日のお話は?」
「今日は昭和に活躍した1~10号までの仮面ライダーと、それと戦った悪の組織の話をしに来ました」
「放送時間に限りもありますので、サクサク行きましょう…って、八十さん、何ですか、それ?」
(何かを出す音)
「ん? 俺の集めた仮面ライダーの目撃写真だけど?」
「…ラジオでは、そういうのをお持ちいただいても…紹介のしようがないんですけど」
「なにーッ!? そうなのかッ!?」
「…繰り返し失言ですが、バカですか。八十さん」
「まあ、いいや、とにかく最初の組織…ショッカーだな」
「あの“イー!”って云ってる覆面の集団ですよね」
「それはショッカー戦闘員だよ。しかも黒限定。個人的には赤とかベレーの方が好きなんだけどな」
「? 戦闘員に種類があるんですか?」
「最初の組織ってことで、戦闘員の最適化がされてなかったんだろうな。
後の組織では戦闘員の種類も減って、簡素化されてくけどショッカーは男女が混じってたり、かなり種類がある」
「ほほー…」
「パロディやイベント、バラエティ番組なんかでショッカーをやると毎回戦闘員が黒バージョンな風潮はやめて欲しいんだよなぁ。
目撃情報や現在あるデータから考えても、一番有名なのは戦闘員の中でもベターではあるが、唯一ではないというのが通説だな。
で、当のショッカーは一説にはナチスドイツの流れを汲む世界征服を企む秘密組織ということになっている。異論を唱える研究者も多いが」
「ほほう」
「まあ、状況証拠的にナチス残党が含まれていることが事実らしいけどな。初代日本支部の大幹部、ゾル大佐も旧ドイツ軍所属の軍人だからな」
「ほぉー…初代幹部ということは、そのゾル大佐が一号ライダーの改造を計画したんですか?」
「いいや? よく勘違いされるが、ゾル大佐は二号ライダーとの因縁が強い。
初代幹部と云っても、日本支部には当初は大幹部は居なかったからな。
最初の大幹部はライダーとの戦いが激化して転任してきた形で…指揮系統を図にしたのを持ってきた。こんな感じ?」
(何かを出す音)
「ですから、八十さん、イラストはラジオでは…ああ、でも、わかりやすいですね
初期は、
『大首領→(日本支部に指令)→それを遂行できる改造人間が活動開始』
っていうシンプルだったが、ゾル大佐就任後は、
『大幹部が作戦立案→大首領が承認→それを遂行できる改造人間が活動開始』
…と」
「ああ。 日本支部攻略に全力を出すようになったのはゾル大佐が来てから。
その後もスイスの死神博士、アジア支部の地獄大使が派遣されてきた」
「…え、そんなところまで支部があったんですか?」
「うん。だから大規模な組織だよ、ショッカーは。
まあ、大幹部が居なくなった支部がどうなったかは分からないが、少なくとも大幹部を失って勢力は衰えただろ。
他の支部にも多大な影響を与えたという意味では、間接的に仮面ライダーは日本だけでなく世界を守ったと言える」
「ほほー…あ、ここでCMです」
(~♪ ようつべ東映公式ドメインにて、仮面ライダーストロンガー配信中! 天が呼ぶ地が呼ぶようつべが呼ぶ!)
「はい、それではCM前から引き続き、八十さんには仮面ライダー悪の組織について語っていただきたいと思います。
ですが、残念ながら、第一組織ショッカーについては時間の関係でここまでです」
「ええええぇっっ!? っちょ、いや、まだまだ沢山有るんだけどッ!? 三大幹部とか、その目的とか!」
「今回は1号から10号までが戦った組織を全て解説するのが趣旨ですので…では、あと三十秒で纏めてください」
「いきなりだなッ?
えーっと、えーっと…ショッカーはあれだけ噂は有るのに最終目的が不明な組織。
世界制服は目的ではなく手段だからな。世界を征服した後、どんな世界を考えていたのやら…。
あ、あと、ショッカーで一番カッコイイ怪人はシオマネキングとアリガバリッ! 異論は認めない!」
(ゼーハーゼーハー と息を切らせる音)
「では、お次の組織をお願いします」
「次はゲルダム、そしてゲルショッカー。
一号・二号の手で滅んだショッカーを、アフリカを根城にしていたゲルダム団が吸収合併した組織だな。
ただこのゲルダムという組織も正体がよくわからない。
ショッカー残党を処刑したという噂もあるくらいだから、完全な味方ではないんだが…。
一説によると大本の大首領は同一の宇宙生命体だった、っていう話が有力だ」
「…えーっと、つまり、経営者は同じですが、子会社同士は運営上ではライバル…ということでしょうか」
「ショッカーとゲルダムは、小学館と講談社みたいなものだな。いつもは商業上のライバルだが、メリットさえあれば金田一少年VSコナン、とかやるような」
「金田一とコナン(笑)」
「明らかにゲルショッカーの改造人間にはショッカーと似たような技術が使われていたし、ギブ&テイクなんだろうけどな。
ショッカーは、飛蝗の仮面ライダー、蜘蛛のクモ男、ってな具合にひとりの改造人間にひとつの動物の能力を与えていた。
だが、ゲルショッカーではひとつの改造人間に、ふたつの動物の能力を与え、パワーアップを図っていた」
「ふたつの動物?」
「代表的なのは、大幹部ブラック将軍・真の姿、ヒルカメレオンか。
蛭の吸血能力、カメレオンの迷彩色と両方の長所というか特徴を使いこなす改造人間だった」
「ほほー」
「ただまあ、片側しか使えてない怪人とか、全く関係ないような能力持ってるヤツとかも結構居たけどな。
この動物+動物というアイデアは、次なる暗黒組織デストロンの武器+動物、という形式に直結する…あ、あのランプが点いたらCMなんだっけ?」
「ええ、そうです。というわけで、続きはお知らせの後です」
(~♪ ニコニコ東映オフィシャルにて、仮面ライダーBLACK、響鬼配信中! この不思議な番組に出会うと君の中で何かが変わって来ますよ)
「だから、裸にタイツっていうからエロい意味かと思ったらさ、コントで使う全身タイツだったんだよ~」
「ぶはっ。あ、それってアレですか。女の子って」
「そう、その子その子…って、あ、始まってるな」
(笑いを無理に抑えるような呼吸音)
「くく…失礼しました。ではデストロンについてお願いします」
「デストロンは、ショッカー・ゲルショッカーの流れを汲む世界征服を策謀する暗黒組織だ。
改造人間もCM入る前に触ったが、武器+動物という構成になっている」
「武器と動物というと、スッポンランチャーとかですか」
「惜しい(笑)! バズーカを背負っているカメの怪人がカメバズーカとか、ハサミを背負ってるジャガーのハサミジャガー」
「まんまですね(笑)」
「怪人にこういうのは不謹慎かもしれんが、そのシンプルさが強くてカッコイイんだよ。
組織単位でカッコイイ怪人軍団を挙げるなら、俺はデストロンを推すね」
「ほー…組織そのものはどうですか?」
「基本は前二組織と変らないが、その中にナントカ族という派閥ができるようになった。
基本スペックに長けるキバ一族、飛行ユニットが多いツバサ一族、防御力のヨロイ一族…まあ、そうでもないヤツも居るけどな。
ラスボスは、角の生えた獣の頭部を持つガイコツ。正体は不明」
「ショッカーに続き、こちらも正体不明ですか」
「んー、コイツに関してはあっさり死ぬし。ライダー四号の育ての父親、って以外はマジで情報がない。」
「…? ん? 四号の育ての親がデストロンの大首領? なんですか?」
「ああ、デストロンは未来の幹部育成のために孤児を引き取って育てたりしてた。
だが、ヨロイ元帥っつーデストロンのナンバー2がその座が怪しくなると判断して、元孤児の科学者を処刑しようとしていた。
そいつが九死に一生で生還し、正義に目覚めたのが仮面ライダー4号だ」
「…気のせいか、デストロンの負けたのって全部、そのヨロイ元帥って男のせいな気がするんですが」
「そうだよ。っていうか、四号のような正義感と情熱の塊みたいな男を育てられるってのは…。
デストロンの育成能力はそこらへんの真っ当な養護施設にも負けない気もするけどな(失笑)」
「…それでは、次の組織のお話をお願いします」
「次はガバメント・オブ・ダークネス、略してG・O・D、ゴッドだ」
「直訳は闇の政府、といったところでしょうか」
「その通り。GODは日本転覆を図るため、列強外国が資金を出し合って結成した組織だ」
「外国って…当時だと…ソ連とかでしょうか」
「云うなって。証拠はないし、あくまでも噂だ。
ただ、当時から日本には世界的にも優秀な科学者が多く居たし、GODはその技術を横取りしようともしていたともされる」
「ほほう」
「改造人間は、神話怪人と呼ばれる神話上の英雄やモンスター、ケルベロスとかアキレスとかをモチーフにしている。GOD秘密警察第一室の系列怪人たちは」
「…第一?」
「うん。後にキングダークこと呪博士率いる各国有名人怪人軍団。アルセーヌ・ルパンとかヒトラーとかの子孫や生まれ変わりが主力になる」
「…いや、あの、スイマセン、アルセーヌ・ルパンって架空の人物なんですが…?」
「ウソォ!? え、じゃあ、アレの三世とかってどうなの?」
(パイプ椅子がずっこける音)
「…失礼ですけど…あんた、何歳だよ…?」
「とっくに社会人っ!」
「…いや、うん、まあ…いいです、ハイ」
「で、話戻すけど、秘密警察第一室長が五号ライダーの当面の敵だ。
聞かれる前に答えるが第二室は不明、そして大首領は名前も姿も明らかになっていない」
「は? え?」
「呪博士が大首領とする説もあるが…名前の通り、呪博士は日本人だ。日本転覆を図る組織の長が日本人って在り得るか?
それにキングダーク…呪博士の別名みたいなものなんだが…が、自分より上位の存在の話が何度か出してる」
「それだったら…各国の指導者たちに連絡していたのでは?」
「有り得なくはないが、ここで別のデータが別の大首領の存在を示唆している。
それは、GOD悪人軍団の一角のタイガーネロ戦。このときにライダー二号と三号は五号を助けに来ているんだ。
このふたりは怪人を倒したところで、そのあとの呪博士=キングダークとの決戦の前に姿を消す。
五号曰く、ふたりにはふたりの戦いが有ったらしいんだが…変だろ? キングダークがGOD最大の敵だったなら、それよりも優先すべき敵が居るってのは?」
「あ…!」
「さらに五号ライダーも呪博士を倒したあと、仲間たちに別れも言わずに次の戦いへと向かう。
そして、この次の悪の組織、ゲドン、ガランダー、ブラックサタンまでの戦いでは先輩ライダーたちは助けに来ない」
「…つまり、五号がGOD、六号がゲドン、ガランダー、七号がブラックサタンと戦っていた間、先輩ライダーたちが戦っていた悪の組織がある、と?」
「状況証拠しかないが、状況証拠だけは腐るほどある形だな。
研究者の中ではGOD秘密警察第二室か、デルザー軍団とするのが一般的だな。
七号がデルザーと戦っている間、ヨロイ騎士、ジシャク師団長、マシーン大元帥は三・五・六号たちと戦っていたとされているしな。
デルザーについては、前回のライダーラジオで云ったが…じゃあ、次はゲドンだな!」
「お話が盛り上がってきましたが、残念ながら放送終了のお時間となってしまいました」
「って、オイぃいいっっっ!? またかよぉおおおおおおっっ!?」
「ハイ、それでは八十さん、今日はありがとうございました」
「いやっ、下手なことを云うとまた殴られるけど…前に解説したデルザーを除けば…あとたった七組織だけじゃんっっ!?」
「…いや、全然“たった”じゃないでしょ」
「皆ぁあああ! 次回! 次回やるから! ゲドン、ガランダー、ブラックサタン、ネオショッカー、ドグマ、ジンドグマ、バダンのファンの人ぉおおおお!」
「ああ、うるせぇ…」
(何かを締め付けるような音に続き、倒れこむ音)
「お別れは、仮面ライダー五号といえばこの人、水木一朗さんの曲でお別れです。
曲は“懐かしくってヒーロー!”、“燃えよドラゴンズ!”、では、どうぞ」
(曲が流れて、フェードアウト)
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ライダーラジオ第二段!
風都ラジオ局から配信される、ショッカー、ゲルショッカー、デストロン、GODの四組織の解説。