No.507671

なんか神の不手際で転生するらしい

さん

第十一話:皆の鬼門がやってきた。

2012-11-13 08:05:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:13555   閲覧ユーザー数:12331

あのジュエルシード事件以降、数週間が経過した。瞳力は回復させたが今度は万華鏡の模様が八芒星になった。

しかし、あの魔導書、見れば見るほどカオスだった。家に帰って風呂沸かしていたら。勝手に湯船に入ってふやけていたりしていたし、すぐに修復されたが。しかも風呂が気に入ったのか今じゃ毎日入っているし……そして俺が晩飯食っていたら物欲しそうに見ていたから試しに刺身の切れ端を少し上げたら普通に食っていたしおかげでアイツの分の飯まで作る羽目になった……ちなみにアイツは基本雑食だ。それでもちゃんと俺の言うことには従ってくれるからいいのだがな。留守番とか……従わなかったら修練の門に入れていた。

 

 

 

そして今、学校は全生徒たちにとっては鬼門ともいえるテスト期間となった。この小学校実は結構レベルが高かったりする。

まあ問題ないが、だってサラリーマンの部長(順調にいけば死ぬ次の年にはなっていた。) になれるくらいは努力していたし。まだ親が生きていた小学校の頃も塾とかでいつも成績は塾の先生の計らいで受けて中学生全国テストは常に30位以内には入っていたからな。まあバイトや仕事先の人たちが気遣ってくれたり世話になった塾の先生が偶に俺に勉強を教えてくれたりしてくれたおかげでなんだがな。今でも感謝している。そして―――――

 

 

 

「うぇーん!アリサちゃん、すずかちゃん、勉強教えてー(泣)」

 

 

隣に入る魔砲もとい魔法少女が絶賛大ピンチだった。

 

 

 

「あんたね……。途中で学校休むからそんな事になるのよ」

 

「まあまあアリサちゃん、それくらいにしてあげなよ」

 

 

 

なのははジュエルシード集めで学校を休んでいた所の勉強が不安らしい。

 

 

 

「そうだ麻井、榊原。あんたもこいつの勉強会に付き合いなさいよ」

 

「二人とも何気に勉強できるもんね」

 

 

 

そう言って俺に声をかけてくるが、とりあえず俺たちは周りを見渡しあのバカどもが教室にいないかどうか確認してから――――

 

 

 

「お前ら、頭いいから別にいらないだろ。あと何気って心外だな」

 

「だよな~」

 

「ふぇ!?な、なんか仲良いね皆。何かあったの?」

 

「別に、こいつ等が何でここまで口を利かないのか、あんたが休みの時に聞いたのよ。」

 

「それで……」

 

「その時の言葉が『お前らと関わるとあのバカどももやってくるから迷惑だ。』って言われてね。」

 

「でもあの時はあいつらもいなかったからね。おかげでみんな気兼ねなくこいつらと話せたってわけ。」

 

「うう~いいなぁ……」

 

「だ、大丈夫だよ。なのはちゃん、伸君も刃君もあの二人がいないときはちゃんと話してくれるから……」

 

「本当!?」

 

「俺等は基本面倒事に巻き込まれなきゃそれでいいんだよ」

 

「じゃあ――――」

 

「「ゴルァテメエら!何(ry」)」」

 

 

 

「…………(空気よ(め)(んで)(みなさいよ)!)」

 

 

 

 

今、この瞬間だけ俺達の心は一つになったと思う。そしてチャイムが鳴った。

 

 

 

 

そして次の休み時間

 

 

 

 

「それじゃ、今度の日曜日、私の家でね」

 

「分かったの」

 

「うん」

 

「俺、場所知らないぞ?」

 

「俺もだ」

 

「それじゃあ迎えを寄越すわ」

 

「お前俺らの家の場所知ってるのか?」

 

「う……」

 

「それじゃあ翠屋はどう?私の家が経営している喫茶だけど……」

 

「ああ、そこなら知っている。結構有名だからな。」

 

「それじゃ、翠屋に集合で」

 

 

 

 

 

――数日後

 

 

 

 

 

俺たちは待ち合わせの時間の10分前に翠屋についた。

 

 

 

「どうしてこうなったのかねぇ~」

 

 

 

本当ならこの時間は魔法の研究とかしたかったんだけどなぁ~

 

 

 

「あ、麻井君~榊原君~」

 

「よお」

 

「うーす」

 

「君たちがなのはが言っていた転校生の……」

 

「麻井伸です」

 

「榊原刃です」

 

「礼儀正しいのね、私は高町桃子。なのはの母親です。」

 

「あ、これはどうもご丁寧に………『若!?』」

 

 

 

その後、高町の兄の恭也さんがいきなり木刀を二本持ってきて襲い掛かってきたけど何とか回避。避けなかったら間違いなく死んでいたね。だって、アスファルトに皹入っていたし。

その後、桃子さんに彼の使っている剣術を聞いて俺が「そんな大層な剣術持っているのに、それを力の無い初対面の子供に剰え手加減なしの殺しの一撃を入れるとか今までのご先祖や先代に申し訳ないとか思わないんですか?それともあなたは殺人鬼か何かですか?」と言い、さらに刃が「もしかして、シスコンの域を通り越して親近相姦の気でもあるんですか?だとしたらさすがに引きますよ。ただでさえ学校にもヤバいのがいますので。」と言われ、そして面白がった桃子さんに「恭也………あなたそうゆう気があるなら今すぐ直しなさい。忍さんやすずかちゃんが悲しむから。」と弄りという名のとどめを刺されorz状態になり完璧に精神を折られた。因みに、高町は言葉の意味がよくわからなかったようだ。

と言っても多分、彼がこのような行動をとったのはあのバカどものせいだろう。なぜって?アイツ等はいつも下校時にコイツ等に付き纏っているからな。この店に入って迷惑の一つや二つくらい起こしたりしているだろう。そもそも、アイツ等はコイツの家の家族温泉旅行とやらに無理やりついて行ったりしている前科持ちだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:なのは

 

 

 

私がアリサちゃんのお家の車を待っていると一台のバイクがやってきました。

 

 

 

「お、伸じゃねーか」

 

「あ、二階堂さん」

 

 

 

郵便屋さんの人が麻井君に声をかけてきました。知り合いかな?

 

 

 

「何してるんだ?」

 

「ちょっと、クラスメイトとテスト勉強を」

 

「小学生なのに大変だねぇ~、お、ついでだコレ……」

 

 

何か封筒のようなものを麻井君に渡しました。でも伸君の顔はそれを見た瞬間うんざりした様子だったの。まるで、皇魔君や聖火君に追い回されている時の私みたいな感じだったの。

 

 

「…………またですか。もうそっちで処分しちゃってくださいよ」

 

「いや~、それは流石にマズイからね。じゃあな、勉強頑張れよ!」

 

 

そう言って二階堂さんはバイクに乗って次の御届け先のところへと向かいました。

そして、麻井君は手に持った封筒を見向きもせず握りつぶしてしまいました。

 

 

 

「ちょ!?伸君……それって…」

 

「お前には関係ない」

 

 

 

さらに聞こうと思ったけどここでアリサちゃんのお家の車がやってきました。

 

 

 

 

Side:伸

 

 

一般人にはまず乗ることすら許されないような高級な車が現れた。え?リアクション薄いって?…………もう学校で見慣れたよ。

 

 

 

「お待たせしました。私はバニングス家の執事をさせてもらっている、鮫島と申します。以後お見知りおきを」

 

「初めまして、アリサさんの友達の麻井伸と言います。それでこっちが……」

 

「榊原刃です。よろしくお願いします!」

 

「麻井様に、榊原様ですね。アリサお嬢様がお待ちですので早速出発させてもらいたいのですが」

 

「分かりました。刃、高町、行くぞ」

 

「おう」

 

「分かったの」

 

 

 

俺達を乗せた車はバニングス邸に向けて走り出した。

 

 

 

 

車から予想はしていたが、バニングス邸はものすごい豪邸で犬屋敷ならぬ犬豪邸だった。そして途中迎えに立ち寄った月村の家もこれに負けず劣らずだったことを思い出すと格差社会の現実がヒシヒシと伝わった。貧乏性な俺にはまず縁のない家だ。

 

 

 

そして中に入り応接室の様な所で勉強会をすることになった。

 

 

そこで、なのははアリサに残りの俺等は三人で復習となったのだが……

 

 

 

「こうなってこうなるの……わかった?」

 

「わからないの」

 

「なんでこんなこともわからないのよ!」

 

 

 

開始十分にていきなり怒声が……

 

 

「うるさいぞ、………バニシング」

 

「誰がバニシングよ!」

 

「すまん、噛んだ。だが静かにしろ…集中できん。もうすこしクールダウンしろ。」

 

「刃君ここどうすればいいのかな。」

 

「此処はこうやって……そしたらこうなるから後は普通に……」

 

「成る程~」

 

「ふぇ~ん、このままじゃ補修になっちゃうよ」

 

「そこまで言うならあんたが教えなさいよ!」

 

「いいぞ。誰かに教えるほうが復習になるからな。高町何処がわからないんだ?」

 

「ここが……」

 

「ここはまずこういう意味に捉らえることができるから助詞の……助詞は解るか?」

 

「解らないの………」

 

「助詞というのはだな………」

 

「へぇ~」

 

「ちゃんと理解しているのか?」

 

「も、もちろんだよ!」

 

「ならさっき言ったことがわかるならこの問題はもう解ける筈だ。やってみろ。」

 

「ふぇえええ!?」

 

 

 

 

数時間後・・・・

 

 

 

 

「次は…」

 

「ねえ、少し休まない?」

 

「そうね」

 

「もうぶっ続けでやっているしね。」

 

「麻井ー、そっちは?」

 

「これだけ教えたら休憩にする。………でここから一揆の輩にプッツンきた信長がO☆HA☆NA☆SHIするべく……」

 

「伸君すごいね。文系が壊滅的ななのはちゃんにあそこまで理解させるだなんて」

 

「あんたも文章問題を無駄に深く掘り進むわね。答案見た先生の反応が見てみたいわよ」

 

「ははは、」

 

 

 

 

 

 

 

「ん、もうこんな時間か」

 

休憩後も高町に勉強を教えていた俺だったが、そろそろ日も暮れてきたのでお暇することになった。

 

「そうね、みんな今日はもう終わりにしましょう」

 

「やっと終わった……」

 

「ちゃんと帰ったら復習しとけよ。でないと信長の最後のようになるからな。」

 

「う、うん。解ったの」

 

 

 

そう言っているが相当頭を使ったらしい。まあ相当噛み砕いて教えたが飲み込みは悪くなかったから復習さえすれば補習を受けることはないだろう。

 

 

 

 

「今日はありがとう」

 

「気にするな。俺にとっても復習になった。」

 

「ねえ、」

 

「ん?」

 

「もし良かったら麻井君も榊原君も、その…私達とお友達になってくれないかな?」

 

「友達?」

 

「うん。折角こうやって一緒に勉強したんだし、できればもっとお話して仲良くなりたいなって……駄目、かな?」

 

 

 

 

そう言われてもな……

 

 

 

 

「俺等は基本知り合いや友達とかじゃなきゃこうゆう事には付き合わないぞ。な?」

 

「うん」

 

「本当なの!?じ、じゃあ、名前で呼んでく「嫌だ」なんで!?麻井君?」

 

「俺が苗字で呼ぼうが名前で呼ぼうが俺の勝手だ。指図は受けない。」

 

 

 

そもそも俺は基本、同姓の人間がいるときにしか名前で呼ばないし。

 

 

 

「じゃあせめて名前で呼んでいい?」

 

「別にお前が俺を名で呼ぼうが苗字で呼ぼうが勝手だろ。現に郵便屋の二階堂さんや月村の奴は名前で呼んでいるぞ。」

 

「本当!?じゃあまたね、伸君、刃君」

 

「「じゃあな」」

 

 

 

 

テスト当日

 

 

「ねえ伸君」

 

「なんだ?」

 

「今日どうかな?」

 

「さあな、少なくとも俺が教えたんだ。落ちることは許さん。上位30以内に入れ」

 

「ふぇえ!?いくらなんでも」

 

「なにか?([∩∩])」

 

「い、いえなんでもありません。(なんでだろう、今ものすごく寒気がしたの……ものすごくいい笑顔のはずなのに……そして入らなきゃ殺されるの!……多分)」

 

 

余談だがこの日の国語と社会のテストの時の高町は何かに憑りつかれたかのように答案とにらめっこをしていたらしい。そして、上位陣三人の答案の答えに「コイツ等本当に小学三年生か?」と言わしめたのはまた別の話。

 

 

 

 

 

そしてテスト返却日

 

 

 

 

 

この学校では学年テストの際、個別と総合部門でいつも上位30人……1クラス分上位メンバーが張り出され、さらに個別(国語・算数・物理・社会・英語)下位50人が強制補習と再テストを科せられる。総合の中に入った場合成績評価が良くなるという仕組みだ(ただし個別下位50に入った場合は別、総合合計点数が一定以下の場合は成績低下)。

 

 

 

 

結果、

 

 

総合

一位、麻井伸、アリサ・バニングス、榊原刃(満点。順番はあいうえお順)

二位、月村すずか(493点)

三位、高町なのは(475点。学年全体で見ると6位)

 

 

因みに月村は各教科でのちょっとした凡ミス(それでも総合2位(上位陣が三人いるから実質4位)だが)。高町に関しては言わずもがな(ちなみに国語が87点、社会が88だった。どちらも個別8位。残り満点。本人いわく信長のおかげで助かったとのこと)

 

 

「な、何とか生き残ったの……(入ってなかったらどうしようと思ったの)」

 

「なのはちゃんすごい!400点後半取ってるよ!」

 

「なんか……あいうえお順に並んでいるからアイツに負けた気がする。」

 

「でも頑張った甲斐があったの!」

 

「そうだね、私も二人に教えてもらっていつもより上がったし……」

 

「…………」

 

「どうしたの?」

 

「いやさ……俺たち初めてこの学校の本格的なテスト受けたからさ…一応総合下位も見てたんだけど……」

 

 

 

総合

 

皇魔王鬼:145(国語:45点、算数:21点、物理22点、社会:40点、英語:12点)

聖火深紅:145(国語:31点、算数:50点、物理:33点、社会:20点、英語:11点)

 

 

 

 

「「……………」」

 

 

 

もう言葉に出ないくらいひどい。いや、ひどいって言ったらひどいという言葉に失礼だろ、コレ。いくらレベルの高い小学校のテストと言っても小三のテストだぞ?神曰く、正規転生者の精神年齢は最低でも16だったはずだから俺のような特殊な事情か、小卒……中卒でもしていない限りありえないぞ。しかもあの時の飛行機は修学旅行生や研修旅行生も乗っていたからやけに煩かったんだよなー

 

 

「ああ、アイツ等はいつものことよ。前に先生がこれを行ったら「オリ主である俺には必要ねえ!」とかわけわかんないこと言っていたわ。」

 

「でもなぜか再テストの時は点数ものすごくいいの…」

 

 

そりゃ、多分お前狙いだろ。つか、だから高町の奴あそこまで補習受けたがらなかったのか。教えていた最中ものすごく必死だったし……何度か休憩入れようとしたら「まだやれるの!」とか言ってたし。つーかアイツ等ワザとかよ……どんだけ高町たちと居たいんだよ………

 

 

「ところで伸君……彼らがいつも口走っている『オリ主』ってなんだかわかる?アリサちゃんもわからないみたいで」

 

「………すまん、こればかりは俺にもわからん。おそらくアイツら特有の言語だろう。」

 

「理解したくもないわね」

 

「そう(なの)(だね)」

 

「よお!なのは、アリサ、すずか!」ニコ

 

 

 

噂をすれば何とやらだ。馬鹿一角の聖火紅帝が出てきた。俺と刃は瞬時に人ごみに紛れてすぐに遠すぎず近すぎずの場所にまで下がり自分の名が書いてあるかどうか確認するふりをしながら聞き耳を立てている。

 

 

 

「……なに?アンタと話すことなんてこれっぽっちもないんだけど」

 

「相変わらずアリサはツンデレだな~」ニコ

 

 

 

へらへらと笑っている(ように見える)バカ。それなりに近くで改めてみるとキモいというより気味悪いな。そしてバニングスは不機嫌顔を惜しげもなく出して拒絶している。

 

 

 

「そうだ、なのは。お前どうせ国語と社会またアウトだったんだろう?」

 

 

 

補習受けること前提で話進めるな。失礼だろ……

 

 

 

「また俺が教えてやるからよ」ニコ

 

 

 

あからさまに三人嫌そうな眼をしている。ま、当然だよな。つーか過去の高町の点数さっき聞かせてもらったがそれでも50、60点以上は取っていたぞ。

 

 

 

「……悪いけど私、今回は補習受けないの(そもそも教えてもらったことないしもらうつもりもないの。教えてもらうなら伸君の方がいいの……)」

 

「おいおい、何言ってるんだ?ちゃんと補習受けないと……」

 

 

 

お前の頭の中では高町が補習受けるのは確定事項なのか

 

 

 

「……だったら表を見ればいいの」

 

「……………なっ!?」

 

「これでわかったでしょ?なのはは今回補習は受けないの。受けるなら一人で受けて頂戴!」

 

「ちょっと待――――」

 

「おい、下位50に入った奴すぐに教室に入れ!時間割の説明と教室の場所を教える!」

 

「クソッ!!」

 

 

 

この補習受けないと留年させられかねないからな。こればかりは仕方あるまい。

 


 
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