No.506046 IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは> 第二十七話カルマさん 2012-11-09 14:17:57 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:4376 閲覧ユーザー数:4112 |
第二十七話 一対五? 負ける気がしない。
「始め!」
千冬姉の声とともにまず鈴が動いた。
鈴は先程俺に投擲しようとした『双天牙月』を双剣のように構え接近してくる。
鈴は垂直にその双剣を降り下ろした。
カキィィィン!
俺は右手に展開した『雪片弐型』で受け止める。
実力がかなりの者になれば、片方の剣で俺の剣を受け止めつつもう片方の剣で斬撃、なんてことが出来るだろうが、鈴の実力じゃ俺の剣を片方の剣だけで押さえ込むのは無理だ。
今の鈴を見る限り、
すると、後ろから気配を感じた。
「はあぁぁぁぁ!!」
そこには『打鉄』を身に纏い近接ブレードを構えた箒がいた。
箒は鈴と挟むように斬りかかってきた。
(なるほどな、一対一の近接戦じゃ勝てないってのを見越しての挟み撃ちってところか........)
最初に鈴を向かわせたってのもいいな。
箒には悪いが箒のISじゃどう考えてもパワー不足だからな、挟もうとしても持ちこたえられないからな。
まあ、どっちにしろ
ガシッ
「なっ!?」
箒は驚愕していた。
俺がやったのはひどく簡単なことだ。
空いている左手で箒の近接ブレードを掴んで
俺は右手で鈴を、左手で箒を押さえていた。
はっきり言うと今の状況、箒と鈴はいつでも墜とせたりする。
数秒の拮抗状態。
そして動いたのは箒でも鈴でも俺でもなかった。
ビュン!
両手が塞がっている俺のところに青いレーザーが飛んでくる。
俺はその瞬間、箒と鈴を
二、三メートル程飛ばしてやった。
箒と鈴はバランスを崩し、空中でのろけていた。
そして、俺は『雪片弐型』のワンオフ・アビリテイー『零落白夜』を発動し、ビームを切り裂いた。
『零落白夜』の効果は、自身のシールドエネルギーを犠牲にする代わりに相手のエネルギーを切り裂くというのだ。
それがエネルギー系統なら、ライフルのビーム攻撃だって切り裂ける。
かなり俺にとっては便利な武器だ。
「危なかったな」
そう言って、俺はそちらを向いた。
そのビームの矛先をたどれば、そこには蒼いISに身を包み『スターライトmkⅢ』を構えたセシリアがいた。
「無傷で防いでいておいてそれを言いますか..........」
セシリアは微妙な表情をしていた。
「でも、これなら!」
セシリアは『ブルーティアーズ』を展開した。
『ブルーティアーズ』は敵を追って自動で攻撃するBT兵器だ。
分かりやすく言うとファン○ル。
「よっと」
蒼いレーザーが何本も飛んでくるが、俺は順に回避していく。
「何で当たりませんのっ!」
セシリアは『スターライトmkⅢ』を構え、更にレーザーを撃ってくる。
しかし、俺は回避する。
セシリアの『スターライトmkⅢ』のビーム攻撃と『ブルーティアーズ』のビット攻撃を。
(セシリアは『ブルーティアーズ』の弱点に気付いていないのか?)
もし、そうだったのなら、後で教えとかないとな。
「はあっ!」
俺はセシリアの『ブルーティアーズ』を切断する。
ドンッドンッドン!!
連続で『ブルーティアーズ』が爆発する。
「くっ!」
セシリアは体勢を立て直そうと一旦下がろうとする。
俺はセシリアに追撃を加えようと接近する。
「いかせない!」
そう言って横から出てきたのは、近接ブレードを構えた箒だった。
恐らくセシリアの弾幕で近付けなかったんだな。
カキィィィン!!
箒の近接ブレードと俺の『雪片弐型』がぶつかり合う。
「くうっ!」
箒は俺の剣を受け止めるのだけで限界そうだった。
当たり前だ、俺はあの人たちから剣を教わった。
負けるわけにはいかない。
俺は、箒とのつばぜり合いを終わらすべく箒に
「箒!どいて!」
すると、声がしたかと思うと俺の所へ
箒は俺とのつばぜり合いを止め、後ろに下がる。
俺はその衝撃を避ける。
『衝撃砲』
空間に圧力を加え、それを見えない砲弾のようにして放つ第三世代型ISの兵器だ。
「鈴、数撃ちゃ当たるわけじゃないぞ」
「分かってるわよ!」
鈴は叫びつつも『衝撃砲』を撃ち出してくる。
「んなら、俺もいくぞ」
俺はそう言うと、『衝撃砲』を避わしながら、『瞬時加速』を使う。
いや、この場合は『個別連続瞬時加速』<<リボルバー・イグニッション・ブースト>>と言った方が正しい。
これは名の通り、連続で『瞬時加速』を使う技術だ。
『瞬時加速』は本来直線的な動きしか出来ないが、『個別連続瞬時加速』は自由自在に動くことができる。
極端に言えば、曲がることのできるドラッグマシンと思えばいい。
俺は『個別連続瞬時加速』で鈴に近付き、
「まずは、鈴」
そう言って俺は、鈴に『雪片弐型』で横に峰打ちで一閃する。
「きゃああああ!!」
鈴は声をあげながら地上に落下していった。
まあ、スラスターを破壊したし、『衝撃砲』も使えなくしたから、もう動けないだろう。
ちなみに
「鈴!」
箒が近接ブレードを構え、飛びかかってくる。
「そんなんじゃ俺には勝てないぞ?」
俺は、その瞬間、
そして、
「落とさせてもらうぜ」
シュン
その空気を斬る音とともに箒の持っていた近接ブレードは真っ二つに切断された。
更に、
「わぁぁぁぁぁ!!」
箒も同じように地上に落下していった。
「これで、二人_____次は」
そう言うと今度はセシリアが接近してきた。
「はぁぁ!」
セシリアは小型近接ブレード『インターセプター』を展開していた。
(それはダメだな..........)
恐らく、遠距離攻撃が俺に効かないと思ったのと、箒と鈴が落とされたのでちょっと自暴自棄になっているのだろう。
(ここはダメでも、遠距離攻撃を続けるべきだったな.......)
セシリアの持ち味は狙撃などの距離が離れた戦いに優れているところである。
それを捨てたら、近距離戦闘では訓練機の箒に劣るセシリアではまず俺には勝てない。
だから、
「セシリア、その戦法はアウトだぞ」
シュン
『雪片弐型』で横薙に峰打ちで一閃した。
『インターセプター』は切断され、
「きゃああああ!!」
先程の二人と同じように地上に落下していった。
三人は下でダウンしていた。
(謝んないとな..........)
そう心のなかで思いつつも俺は視線を
「んで?お前らはどんな戦法で来るんだ?」
そこには、空中で『打鉄弐式』を展開している簪と『ラファール・リヴァイヴ』を展開した本音がいた。
「流石オリムーだね~、強すぎだよ~」
「これでまだ本気じゃないんだからビックリだよね......」
その対称的な二人は俺を見てそう言った。
「箒達には悪いけど、一夏と戦うのにあの三人じゃまだ難しいからね」
簪はそう言った。
「まあ~、ひどい言い方をすれば足手纏い~?」
本音にしてはかなり毒舌な発言だった。
ちなみに会話の内容は下の人達には全く聞こえていない。
箒たちが聞いたら、まず怒るだろうからな。
ラッキーと言えばラッキーなのか?
まあ、本音の発言は的を射ている。
それにこの二人は相性がいいから、かなりいいコンビだろう。
「それじゃあ、行くよ、本音」
「分かったよ~、かんちゃん」
そう言って二人は俺の方を向いた。
「かかってこいよ。二人の実力見てやるよ」
そう言って、俺対簪、本音の戦いが始まった。
『..........』
クラスの皆は唖然としていた。
すぐ近くで繰り広げられている戦闘に。
目の前では一夏が専用機に乗っているセシリアと鈴、訓練機に乗っている箒をただ圧倒している一夏がいた。
専用機持ちの二人は候補生だとしても国の代表だ。
実力はとても高い。
しかし一夏はその二人を圧倒している。
それを見ていたシャルルは、
(これが、世界でただ一人の男性IS操縦者の実力......)
ラウラは、
(なんて実力だ......これで教官の足を引っ張った?あり得ない..........この実力があればそんなことは絶対ない.......)
二人は内心でそう思っていた。
(流石私の一夏だ、あの剣さばき、更に実力を上げているな。お姉ちゃんは嬉しいぞ........)
なんて思っているブラコンが居た。
そして箒、セシリア、鈴は落とされ、残ったのは一夏と簪と本音だけになった。
その三人の戦いはすごいレベルの戦いだった。
簪と本音が放った銃撃を一夏は舞うように避わし、一夏の斬撃(手加減あり)を簪と本音はギリギリで避わし、銃撃を放つ。
簪に至っては、代表候補生という肩書きだが、実質国家代表と戦ってもいい勝負だろう。
本音もその持ち前の観察眼でかなりの動きをしている。
こちらは訓練機でありながら恐らく、代表候補生と普通にいい勝負ができるし、国家代表には回避などの点ではかなり上回っている、というレベルだろう。
一夏との特訓の成果もあるが、やはり二人にはかなり才能があるということもあって短期間でここまで強くなった。
魔法を使えば更に強くなるんだろうが。
そして、そんな戦いにも今、終止符が打たれようとしていた。
「うん、かなり良くなってるな。俺としては合格点だな」
俺は目の前でバテている二人にそう言った。
「一夏......やっぱり、強い..........」
「はあ..........もうダメ~......」
二人は肩で息をしながら言った。
「んじゃあ、そろそろそっちも限界そうだしこれで終わりにするか」
そう言って俺は『雪片弐型』を構える。
「そうだね...私もこれを使う」
簪が展開したのは『山嵐』。
『打鉄弐式』の最大武装で八門×六の最大四十八発の自立型誘導式ミサイルポッドを放つ兵器である。
「私も行くよ~」
本音は『ラファール・リヴァイヴ』の装備の中で最も威力の高い武器『コメットランチャー』を展開する。
簡単に説明するとロケットランチャーのことだ。
威力がそれ相応が破壊力になっていること以外、ただのロケットランチャーだ。
「それはやり過ぎじゃないか?」
「これぐらいしないと一夏には勝てないからね.....」
「そうだよ~、オリムー相手に出し惜しみは一番ダメだからね~」
そう言う簪と本音。
俺は刀一本でミサイル四十八発にロケラン一発、計四十九発の弾幕を防ぐのか....
セシリア見たいに
俺はそんなことを考えながら、簪と本音を見据えた。
数秒間の沈黙。
そして、
「『山嵐』!」
「『コメットランチャー』!」
ドドドドドドドッ!!
合計四十九発の弾幕が降り注いだ。
「篠ノ之流攻式伍の太刀______________
___________________『篠ノ竜巻』<<しののたつまき>>」
次の瞬間、四十九発の弾幕は俺に届く前に、俺の剣から放たれた竜巻のような風によって全ての弾幕を爆散させられていた。
「篠ノ之流歩式壱の脚『疾風』<<しっぷう>>」
俺はその爆発によって生まれた煙の中を、
そして、
「俺の勝ちだ」
俺は『雪片弐型』で簪と本音を峰打ちで一閃した。
簪と本音はスラスターを落とされ、地面に落下していった。
二人ともISを装備しているので怪我はないだろう。
こうして、圧倒的に理不尽な一対五の戦いは俺の白星で幕を閉じた。
Tweet |
|
|
5
|
3
|
追加するフォルダを選択
もし、一夏が管理局最強魔導師と呼ばれていたらのifの物語。