「絶対に部屋の中の謎アイテムになるわ」
大和ミュージアムのミュージアムショップでも三島は冷静だった。橋本と上野が、我に返ってレジに持って行きかけた大和文鎮を陳列棚に戻した。
「二宮、あなたそれ作るの?」
海上自衛隊呉資料館の売店でも三島は冷静だった。俺は、そっと潜水艦おやしお型ペーパークラフトを棚に戻した。
「あと、それは使うの?」
潜水艦型六色ボールペンも戻した。
あぶないところだった。すでに京都で複数のクラスメイトが木刀を買っているのを目撃している。奈良での夜に、数人が法隆寺で買ったと思われる五重塔文鎮も見た。やつらをバカよばわりできなくなるところだった。旅先効果と、修学旅行中の懐にある千円札の量が高校生を間違わせている。八代さんの大和羊羹はギリギリおみやげとして納得できる範囲だ。家族の微妙な笑顔が眼に浮かぶようだが…。
三島は冷静だ。修学旅行中の買い物で、ここまで冷静でいられるとは将来はいい奥さんになるかもしれない。無駄遣いしたら、旦那は八つ裂きにされるだろうが。
そして、妹のおみやげに買ったあれは三島には見せられない。海軍の旗…あの朝日が昇っている力強いデザインのあれ…が全面にデザインされたバッグだ。確実にバカにされる。しかし、俺は知っている。妹は喜ぶ。妹が気に入るデザインはいつも見るものに衝撃を与えるデザインだ。いわゆるパンチの効いたデザインだ。うちの妹に喜んでもらおうと思ったら、まず引くところからはじめないとダメだ。第一印象で、ウッと思わないくらいのデザインだったらありふれている。
宿に向かう電車から海が見える。
「今日で修学旅行も終わりなんだねー」
東雲さんが、そんなことを言い出す。電車が揺れて、外に瀬戸内海が広がる。普段乗っている電車とは少し違ったモーターの音。違う車窓の景色。いつも通っている学校から何百キロも離れた土地。
現実感がうっすらとなくなっていく。非日常の空間に、いつもの友達がいる。
「そうだねー。楽しかったねー」
八代さんが、ゆっくりと言葉を返す。上野と橋本も三島も、なんでもない言葉を投げあう。楽しくてやわらかい時間。
この瞬間は思い出になるな。
そう思った。
「真奈美さんは、いい思い出作れてるかな…」
無意識に俺の口がつぶやく。
「そういや、市瀬さんとこはどこに行ったんだろうな?一組の工藤がいたからな。宮島とか行ったかな」
「あー。そっちもあったかー。厳島神社、わたし行きたかったかもー」
「今更、間に合わないだろ。ごめんちゃい」
すっかり男の子向け自由行動時間になってしまったのを上野が八代さんにわびている。三島がだまって俺を見ていた。なにか言いたげな顔で…。
また集合時間の六時に十五分ほど余裕を残して宿にたどり着く。ロビーの片隅に、旅行会社が運び込んでおいてくれた荷物がまとまっている。荷物を受け取る。
ロビーをぐるぐる回る。今日も生存確認をしなくちゃなるまい。
ヤシヤシ、ヤシガニやーい。
自動販売機の陰や、観葉植物の陰などは念入りに探す。石をひっくり返して探さないといけなくなったら、また別の生き物になるかなと思う。
いない。まだ、戻っていないのかな。そういえば、同じグループの連中も見ないしな。
とりあえず、部屋に荷物を置きに行く。
部屋では、早くもウノ大会が開かれていた。すっかりくつろぎペースだ。もみじ饅頭まで開いている。いつの間に買ったんだ。なにも言わずに、俺のスペースが空けられる。
「あ、ちょっと待って。俺、また後で…」
「お兄ちゃんは大変だよなー」
「お兄ちゃん?」
「まなみんのお兄ちゃん化してるだろ。二宮。長男って、そういう気質に育つもんか?」
上野が変な勘のよさを見せる。
「んー。どうだろな。でも、放置しておくと死ぬだろ。真奈美さん」
「あー。あれは、放っておくと死ぬかもな」
「由香里も放置しておくと寂しくて死んじゃうかもよ。二宮くん」
東雲さんが、くすくす笑う。たいへん素敵な癒しのスマイルだが、それは違う。寂しくて死ぬのはウサギ。三島はウサギのように足が速いが、ヴェロキラプトルなので寂しくても死なない。
「ヴェロキラプトルは集団で狩りをする恐竜だったらしいから、単独だと死ぬかもしれないぞ二宮」
「だまりなさい橋本」
橋本が惨殺されるシーンは見るに耐えない。そそくさと部屋を出る。
エレベータホールで一組の男子に会う。
「あ。お前…えーと、あれだよな。市瀬さんの保護者」
「保護者じゃないけど、なんだ?どうかしたのか?」
嫌な予感が胸のうちに広がる。最終日になってなんかあったのか?
「俺らのグループも市瀬さんのグループと一緒に、路面電車に乗ってたんだけどさ」
なんだか言いづらそうな表情を見せる。ますます嫌な予感がする。だまって、続きをうながす。
「…その。なんだ。市瀬さん、体調わるかったかなんかでさ。その、路面電車の中でさ…」
もう分かった。言いづらいだろうから、代わりに言ってやる。
「漏らしたのか?」
「…ま、まぁ、そうなんだよ」
「どこで?」
真奈美さんが、そのままでいられるわけがない。逃げ出したはずだ。宿に戻って来てない可能性が高い。ピンチに俺の脳は不思議と冷静だった。優先度の高いほうの情報を要求する。
「路面電車の駅名とか、周りにあった施設とかを教えてくれ。どっち行きの電車だった?」
「えーと、広島駅から俺らがこっち戻ってくる途中で…」
広島駅からこっちに向かう路面電車か。
「川の上あたりで漏らしたんだったかなぁ」
「次の停車場で真奈美さんは降りたんだな」
「ああ。そう…グループの連中も一緒に降りるかと思ったんだけど、なんか来ないで欲しいみたいなこと言ってて…よくわかんないけど」
最後まで聞かずに、部屋に取って返す。部屋でデイバッグだけ引っつかむと、階段を駆け下りる。
「あっ。二宮君!」
「わかってます!後で電話します!」
ロビーですれ違った佐々木先生にそう叫んで外に出る。丁度、タクシーがホテルの前で客を降ろしていた。走り出そうとするタクシーを止めて、後ろに乗り込む。財布の中にいくらあったっけ?いい。足りなければ真奈美さんを見つければ問題ない。見つけないというオプションはない。運転手さんに路面電車の川のひとつ前の駅まで移動してくれるように頼む。
考えろ。
真奈美さんが路面電車の中で漏らした。当然、そこにいられない。次の停車場で逃げ出す。どこに逃げる?漏らしているんだ。トイレだ。だが、そんな状態の真奈美さんが人と顔を合わせて「トイレ貸してください」とは言えない。公衆トイレだ。でも、土地勘がまるでない。どうしただろう。真奈美さんならどうしただろう。
考えろ。四ヶ月真奈美さんと一緒にいただろう。真奈美さんだったらどうするか考えれば分かるはずだ。
「お客さん、銀山町の停車場ならそこですよ」
「…。えと、そのまま、川のまん前まで進んでください」
真奈美さんは川のほうに向かったはずだ。絶対に人の少ないほうに進んだはずだ。
思いのほか川までも近い。料金を払って、タクシーを降りる。財布の中には千円札を三枚残すばかりになった。要らない土産を買わなくてよかった。三島に心の中で礼を言う。
そろそろ暗くなっている。川べりが公園のような遊歩道になっている。あるはずだ。
あった。
橋の横。探していた施設はすぐに見つかった。公衆トイレだ。信号が変わるのが待ちきれない、左右を見て赤信号を突っ切り通りを渡る。
公衆トイレの女子トイレに突撃する。おまわりさんが見てたり、使用中だったりしたらいろいろアウトだが、そのときはそのときだ。
「真奈美さんっ!」
トイレの個室の扉に向かって叫ぶ。中から声が聞こえる。なにを言っているのかは聞き取れないが、声で分かる。よかった。ビンゴだ。不幸中の幸い。川べりなら人がいない。そして遊歩道のようになっていれば、公衆トイレがある。真奈美さんが身を隠すのはそこしかない。
「真奈美さんだよな。着替え、持ってきたから上から入れるよ」
真奈美さんの声を聞き漏らさないように、トイレのドアに耳をつける。女子トイレに侵入して、ドアに聞き耳を立てる男子高校生の図が出来上がる。「神様、どうかお願いです。今だけは、このトイレを使おうと思う人がいないようにしてください」と祈る。
「…な…お…」
真奈美さんの声だ。よし。間違いない。トイレのドアの上を通してデイバッグを受け渡す。
中から、ごそごそという音が聞こえてくる。
「真奈美さん。と、トイレ出てすぐのところにいるからね」
これ以上ここにいるのは危険だ。禁断すぎる地をあとにする。
女子トイレから出てくるところも目撃されないでくれと神に祈りながらトイレを出る。今回の修学旅行は神様に祈る場面が多すぎる。困ったものだ。というか、運命は真奈美さんにこんなに酷いことばかりしているのだ、これで助けてくれなかったら神様なんて信じない。
トイレの中からドアの開く音がする。
「真奈…わ」
振り返った途端に抱きつかれた。真奈美さんの指が俺の制服の背中を鷲づかみにする。顔がぎゅうぎゅうと胸に押し付けられる。
むぎゅうううう。
とりあえず真奈美さんが落ち着くまで抱き枕されていることにする。
「ご…ごめ…。わた…また…も、もらしちゃ…」
そっと背中に手を回して、ぽむぽむと叩いてみる。真奈美さんの背中は固いな。さすると背骨のでこぼこが分かる。ちょっとやせすぎなんじゃないかな。そういえば、この旅行中あんまりちゃんと食べているところを見なかったな。また痩せちゃったんじゃないか。
「大丈夫だよ。着替え持ってるし」
むぎゅぎゅ。
俺の背中をつかむ手に力がこもって、ますます強く顔を押し付けてくる。真奈美さん鼻高いから、そんなにぎゅうぎゅうすると折れるよ。
遊歩道を散歩している老夫婦と目があう。あらあら、おじいさんや私たちも若いころを思い出しますわねぇとか言っているかな。あの二人は原爆が落ちたとき、広島にいた人たちなのかな。戦争から帰ってきた若いころのおじいさんに、おばあさんが抱きついて…ってシーンがあったのかな。そんなわけないか。あの二人だって終戦のときは子供だったよな。真奈美さんにぎゅうぎゅうされながら、そんなことを思う。どうにも感動の抱擁って感じにならない。まぁ、恋人同士というわけじゃないから、そんなものか。上野の言ってたように、妹…なのかな。真奈美さんは…。うちのリアル妹がアレだから、そんな風に思ったことはなかったけど、ひょっとしたら普通の妹ってのはこんな感じなのかもしれない。
真奈美さんの手が少し緩む。まだ抱きついていることには変わりないけど、しがみついているというほどでもなくなった。
そっと剥がせるか試みる。
むぎゅう。
ダメだった。
「真奈美さん。帰ろう」
「…ひ…い、や」
真奈美さんの手がまたしがみつきレベルにあがる。顔を押し付け、背中が震える。背中をつかむ手が緩んだら、そのまましゃがみこんでしまいそうだ。
「ちがうよ。宿にじゃなくて…家に帰ろう」
手が、緩む。顔が胸から離れる。前髪の間から鳶色の瞳が俺を見上げる。
真奈美さんは路面電車の中でもらしてしまうほど怖い目に会った。クラスメイトたちの何人かがいる目の前でもらして、逃げるように降りるしかなかった。しがみつかれて、ぐりぐり顔を押し付けられてわからないほど、俺は真奈美さん初心者じゃない。もう限界だ。真奈美さんの髪をなでる。
「お守り。持ってる?」
「…う、うん」
真奈美さんが、ジャージの襟元をあけて首から提げたお守りを出す。修学旅行に出る前に渡したお守りだ。
「じゃあ、大丈夫。行こう」
真奈美さんの手を引いて、橋を渡る。左に進めば広島駅だ。途中の店に入って、フリースとパーカーを買う。これで、俺の財布の中身はすっからかん。ついでに、真奈美さんからも千円借りる。真奈美さんにジャージの上着をフリースに着替えてもらう。俺もパーカーを着て、フードをかぶる。
駅に到着する。
「真奈美さん。お守りかして」
真奈美さんから、お守りを受け取る。巾着になっている中を開ける。元から入っていたおフダと、もっと現実的なお札が入っている。一万円札が三枚。漢字で書くとどっちもお札。後者のご利益は確実。高速バスの切符を二枚買う。ついでにお弁当と温かいお茶を買う。せっかくの広島だ。カキフライ弁当。
バスを待つ間に、携帯を見ると着信が山ほど入っていた。佐々木先生だ。まだ折り返さないでおこう。ただ橋本と上野に「荷物頼むわ。よろしく」とだけメールを出す。
バスがやってくる。真奈美さんを先に出して、後ろから俺が続く。背中を丸めた真奈美さんを介護するフリをして乗り込む。
一番後ろの席にそそくさと向かう。
高校生とバレないでくれと祈る。校章や学校名の入ったジャージの上やワイシャツはフリースとパーカーで隠してはいるけど…。
「じゃあ行ってくるねー」
ぜんぜん知らない、少しはなれたところに立っているおっさんに向かって手を振って乗り込む。偽装をやりすぎかとも思うけど、俺は臆病者だから念には念を入れる。特に止められることもなく乗り込めた。後ろの席へと移動する。一番後ろが空いてる。よかった。
真奈美さんを奥の窓側に座らせて、隣の席に落ち着く。通路の反対側はトイレがあるからだれもいない。他人から隔離されて真奈美さんが少し落ち着いてくれるといいな。
席に座ってすぐに真奈美さんが靴を脱いで裸足の足を宙に浮かせる。ほんのりと香る。
「あ。そうか。足も…か」
もらしたときに、立っていれば脚を伝って行き着く先は靴だ。
デイバッグのポケットにアルコールティッシュがあるといいな。入れてた気がするけど…。あった。アルコールティッシュを渡そうと…したところで抱きつかれた。またか。
むぎゅ。
「……ごめ…ごめ…」
ごめごめ?
「…ごめ…ん…なさ…」
いまさら迷惑をかけてどうこうなんて言う時間はとっくに過ぎていると思う。三ヶ月くらい前に。するすると摩擦係数の少ない髪を撫でながら思う。
そっか。やっぱり、これは妹なのだ。上野が言ったように、俺はすっかりお兄ちゃん化してる。
リアルの妹がアレすぎて気がつかなかったぞ。
お兄ちゃんだからな。
「いいよ…好きなだけ甘えて」
真奈美さんは妹なのに、甘える人がいなかったのかもしれない。妹なのに妹の美沙ちゃんしかいなかった。お兄ちゃんが必要だったんだ。
「…ん…うん……がとう」
真奈美さんが自分から頭を離す。初めてかもしれない。前髪の間の瞳。落ち着いて、こころなしか垂れ目に見える。俺が甘えんぼさんって思ってるからかもしれない。
「…ふい…て…ほしい…だ、だめ?」
拭く?なにを?
そう思って右手に持っているものを思い出した。アルコールティッシュ。
席の上でぷらぷらとゆれる真奈美さんの足。真っ白な、ほっそりとした足。
え…と。あれを、拭くの?おれが?
でも、ここで断るわけにも行かない気がする。甘えていいよとか言っちゃったし。
…やるか。
真奈美さんの左足を手に取る。一瞬震えて、すぐに俺の手に任せてくる。アルコールティッシュで甲の部分から拭き始める。骨かな腱かな、指につながる五本のスジ。透明な肌に静脈が透けている。肌が薄くて、強く拭くのがためらわれる。体育座りの格好で丸まった真奈美さんの足にかがみこんで、そっと掴んで拭いていく。手に取った足の裏までやわらかい。ベッドの上で過ごしているからかな。小指。小さくて、爪までなめらかな小指。それをそっと包んで拭く。
背中を丸めた真奈美さんの前髪が俺の耳に触れる。真奈美さんの呼吸音が聞こえる。
薬指。
真奈美さんの脚が動く。膝が内側に動いて、また戻ってくる。
中指。
薬指。
「……お…と…くん」
真奈美さんの声が耳元でささやく。俺の名前。
「どうしたの?」
見上げる。前髪の間。街灯の明かりに浮かぶセルロイド人形の顔。
「…く、くすぐったい…だけ」
「ん。がまんして」
親指。
アルコールティッシュを裏返して広げる。
足の裏。くすぐったいみたいだ。
真奈美さんの両膝が擦りあわされて、また開く。
「ん。左足終了。次、右」
新しいアルコールティッシュを取り出す。真奈美さんの右足を手に取る。少し遠い。少しだけ深くかがみこむ。
また、甲から始める。右足も左足の完全な鏡像。どこまでも左右対称。頭のてっぺんから、足の先まで、真奈美さんはCGみたいに完璧なバランス。その足を拭いていく。真奈美さんの膝が無意識の動きで、かがんだ俺の頭を押す。
「…ひう…ご、ごめ…ん」
くすぐったさを我慢している真奈美さんの声が上ずる。
「もう少し、我慢して」
なるべく優しく拭かないと…。
小指。
「…ん」
薬指。
「…な、なお…」
中指。
「…と」
人差し指。
「…くん…」
くすぐったさを我慢する真奈美さんの呼吸。吸って。吐く。吸う。吐く。
吐息が耳元をくすぐる。
親指。
真奈美さんの足が逃げる。追う。戻る。
「あと少しだから」
アルコールティッシュをたたんで右足を持ち上げる。足の裏。
おわり。
ほんのりとアルコールの香りがする。
「ほい。おしまい。できましたよ。お姫様」
顔を上げて驚く。五センチの距離に真奈美さんの素顔。あぶない。キスするところだった。
「…なお、と…く…ん」
真奈美さんの顔が近づいてくる。
「おわ…」
鼻がぶつかり、驚いてのけぞる。真奈美さんの前髪が俺の顔から滑り落ちて、セルロイドの顔を隠す。
心拍数が上がっている。
うわ。
真奈美さんの足を拭いて興奮したみたいじゃん。俺。やばい。激ヤバってこれか。
わたわたと慌てて、デイバッグから真奈美さんのソックスを出して渡す。
「ほら、まだ靴は乾かしておかないといけないから。せめて靴下…」
「…あ…う…うん」
真奈美さんが靴下を受け取り、のろのろと穿き始める。
いつの間にかバスは高速道路に乗っていた。尻の下でディーゼルエンジンがうなっている。
「…もう少ししたら。ご飯、食べよう」
「うん。そうだね」
真奈美さんが笑顔を浮かべた気がしたが、前髪に隠されていて見えなかった。
(つづく)
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今日の妄想。ほぼ日替わり妄想劇場。31話目。紳士の皆様、おまたせしました!どうぞっ!
最初から読まれる場合は、こちらから↓
(第一話) http://www.tinami.com/view/402411
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