フランスでのドンパチを終えて、数日。シャルロットは正式にAD・VeX7フランス支社のパイロットとなり、代表候補生の看板を下ろさずに済んだ。尚、デュノア社元社長はフランス支社の経営を厳重注意(と脅し)で任せられている。現在、一夏は司狼、マドカ、ラウラ、そしてシャルロットと共にショッピングモールに来ていた。
「司狼さん、すいません、僕の買い物に付き合わせちゃって。」
「気にする事は無いさ、俺も久々の休暇でテンション上がりまくってるんだ。お前のISも改造が終わったし、パッケージも作り終わったし。」
「俺は使えないのが残念だな・・・・・まあ、DDウィングを
「素朴な疑問なのだが、企業のIS開発研究の責任者は一体・・・・?」
「ああ。そう言えばまだ会ってなかったな。中村創助と
ラウラの疑問にサラリとかなりとんでもない事をのたまった。
「あ、聞いた事ある!二人共三十路に入る前に物理とか量子とか・・・後は人体の研究で博士号を取ったって・・・・良くそんな人を雇えましたね。」
シャルロットが感心した様に唸る。
「今は一応イグニッションプランにも一役買ってるな。
「オルタナティブ、ゼロ?」
「そう。量産機の名前だよ。君の部隊にもテスト機として使ってもらおうと思ってる。」
「後、僕もちょっと疑問なんだけど、一夏や司狼さんが戦ってる時に動物っぽい物がいるのが気になって。」
シャルロットが小声で怖々とそう聞いた。
「俺達の持ってるISは単体でも充分強いしハイスペックだけど、基本的に
「へー。」
「ん・・・?!」
キイイィィイイイィイイイィイイイィィ・・・・
「久し振りに出たな。」
「そうですね。」
「待ち侘びていたぞ。」
「何がだ?」
「ついて来い。」
質問には答えず、人気の無い所に辿り着き、一夏と司狼はポケットからデッキを引っ張り出して二人に触らせた。
「え?!何なのあれ?!ガラスの中に・・・」
「あの化け物は・・・?」
「これが、俺達が戦っている相手でもある、ミラーワールドの住人、ミラーモンスターだ。」
マドカが自分のデッキを引っ張り出して低い声でそう呟く。
「おーい!」
「あ、弾!」
「モンスターの気配を感じて来たんだが・・・・」
「丁度良い、俺達で倒すぞ。久々に鈍ってるからな、俺も。」
「じゃあ、俺は二人が戦いを見れる様に残ります。ダークウィングは腹一杯なんで。」
二人にデッキを触らせたまま道をあけると、弾、司狼、そしてマドカはデッキを突き出し、Vバックルを出現させた。
「「「変身!!」」」
ヴォルフ、ファム、ライアはミラーワールドに飛び込み、ワイルドボーダーとシールドボーダーと戦い始めた。
「変わった・・・・?!」
「それに鏡の中に入り込んだ・・・・・」
「これが俺達の命を賭けた戦いの一部だ。」
「凄い・・・・」
「だが、これは当然世間には公表されていない。男でも使えて、ISをも軽く凌駕する力。世界中から狙われる。だから、この事は絶対に言うな。お前達を信じてこそ見せたんだからな。」
「あ、ああ・・・・」
「分かった。絶対に言わないよ。」
「あ、そろそろ決まるな。」
「「え?」」
『ファイナルベント』
「うおおおおりゃああああああああ!!!」
ハイドベノンを食らったシールドボーダーは爆発してエネルギーの塊が残った。一方、ヴォルフはデュアルーパス達の角を模した二振りの剣、『フェザードファング』を使ってワイルドボーダーを追い詰め、倒した。こちらもエネルギーの塊をデュアルーパス達が捕食した。
「あのボールって・・・・」
「俺達が契約しているミラーモンスターの餌だ。ミラーモンスターは契約していない殆どの場合人間を餌とする。契約していれば、俺達がコイツらの飯の世話をしなきゃならない。適当なモンスターを捜して倒して残骸から現れるエネルギーを定期的に食わせれば良い。まあ、ペットみたいなもんだな。」
「契約、とは?」
「契約と言うより支配に近いな。CONTRACTのアドベントカードで適当なモンスターと契約を結べる。だが、契約はお互いにメリットがあるから結ぶんだ。俺達はモンスターの力を借りて戦い、その力で俺達は餌を提供する。時折人間を食わせる事はあるがな。」
「そんな!」
ラウラの質問に対する答えにシャルロットは非難の声を上げる。
「良いか、餌を長期間与えなければ契約破棄と見なされる。その場合、契約者が捕食対象になるんだ。食わせると言っても死体だから問題は無い。俺達は二十四時間死ぬか否かの崖っぷちで生きてるんだよ。」
「うわっ!!」
ガラスの方から声がしてそちらに眼を向けると、レイドラグーンが三体いた。ライアは防戦一方だった所をヴォルフに庇われながら戦っている。
「まずい・・・・あいつはもうファイナルベントを使っている・・・弾、待ってろ!
「心配は無い。私が片付ける。」
ファムがブランバイザーにカードを装填した。ブランウィングがレイドラグーン三体を突風で飛ばし、ファムがブランバイザーとウィングスラッシャーでそれを切り刻んだ。
「司狼さん、本当なんですか?!その、人間を食べさせてるって・・・・」
ミラーワールドから出て来た所でシャルロットがそう問い詰める。
「主に死体だがな。お前達がやる事は少ないと思うが、俺達はまだ中小企業だ。世界の四分の一にも渡らない。だから、仕事の依頼が来たらそれで稼ぐ。死体の処理もその一つだ。その方が早いし、証拠も残らない。」
「じゃあ、戦わなければ」
「俺達が食われる。そして生き残る為には戦うしか無い。オーディンに勝てるライダーはいないからな。ミラーワールドを閉じる事も出来ない。」
シャルロットの質問に弾は淡々と返す。
「オーディン?」
「言うなれば、俺達ライダーの中でも最強クラスの奴だ。奴に勝てる奴は・・・いない。たとえ織斑千冬だろうが、精々持って五分位か。俺でも運が良ければ相打ちかもしれないが。だから、アレには逆らえない訳だ。」
「そう、ですか・・・・」
「まあ、今はこの気分を満喫しようぜ。太陽と海と、冷た〜い飲み物でバカンス気分で行きたい。」
暫く歩いてからレゾナンスと言う店で水着を新調しに行った。だが、そこには、セシリア、鈴音、箒の姿が・・・・
「お前ら・・・・・(待ち伏せしてやがったか・・・・)」
「お久し振りですわ、一夏さん。」
「ああ。最近調子はどうだ?最近会わないが、特訓してるんだろう?」
「はい!少しですが、BT適正値も上がりましたわ!一夏さんのお陰です!」
「そりゃ良かった。鈴も元気そうだな、相変わらず。」
「ふふーん、まあねー。」
「箒・・・・・ちゃんと考えてくれたか?この前話した事。」
「・・・・ああ・・・・」
(これは恐らく脈無しだな。)
「お前達も水着買いに来たんだよな。」
「ええ!よろしければ一夏さんに選んで頂きたいのですが・・・・」
「あ、わ、私も・・・!!」
「まあ、俺でいいなら、別に構わんが。」
「じゃあ、一夏、お前その二人の事頼むぞ?俺はこの二人の水着を選びに行く。」
「分かりました。さてと、行くか。」
六人が半分に分かれてそれぞれ水着を見に行った。
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ショッピング編です。基本的に仲間になった連中にはライダーの存在を知らせる感じで行きます。