○○が倒れて緊急搬送されてから翌日、ミーサから弁天丸クルーに状況が報告された。
茉莉香「ミーサ!○○君は!○○君の様子は!!」
ミーサ「落ち着いて茉莉香!」
チアキ「落ち着いてなんていられないわよ!どうなの!!○○は大丈夫なの!」
百眼「副船長も落ち着け!」
クーリエ「・・・・・・」ギュッ
ルカ「・・・・・・」ポン
クーリエ「ルカ・・・」
それぞれ落ち着かない状況を、静めるために茉莉香達をなだめていた。
ミーサ「皆落ち着いて聞いてね。○○はある病気に感染した可能性があるの。」
ケイン「ある病気?一体なんだそれ?」
ミーサ「その病気の名前は・・・。」
茉莉香「名前は・・・」ゴクッ
ミーサ「宇宙デビルス!つまり、激しい痛みや熱等に教われるの。○○の場合は、まだ熱だけみたいだけど、そのうち激しい痛みにも襲われるわ。場合によっては、死ぬ可能性もある病気なの。」
チアキ「どうにかならないの!ミーサ!あなたこの船の船医でしょ!」バン
チアキは、座っている机を思い切り叩いた。
ミーサ「残念だけど、私にはどうすることも出来ないわ・・・」
茉莉香「そんな・・・」
ミーサの一言に船内に沈黙が走っていた。しかし、その空気を破る人物がいた。
ルカ「ちょっといいかしら?」
ルカである。普段からは考えられないルカの行動に、茉莉香達は驚いた。
ミーサ「どうしたのルカ?」
ルカ「多分だけど、○○の病気治るかもしれないわ。」
茉・チ「ホントに!!」ガバッ
茉莉香達はルカに詰め寄りながら問いかけた。
ルカ「皆聞いたことないかしら。この銀河の何処かに、どんな病でも治せる薬を作る薬剤師の噂を。」
ミーサ「聞いたことがあるわ。確かに、基本的に一ヶ所には居なくて、銀河をウヨウヨしているって。でも、それって単なる噂だって聞いたわよ?」
ルカ「それがそうでもないの。私の知り合いで、凄く酷い病気を持っていた人がいたんだけど、その薬剤師の作った薬を飲んだら、たちまち嘘のように治ったのよ。」
チアキ「じゃあその薬剤師を見つけて・・・」
茉莉香「薬を作ってもらえれば・・・」
ルカ「そう言うこと。」
ミーサ「そうと決まれば、これからその薬剤師の情報を集めるわよ!」
皆「了解!!」
こうして、弁天丸のクルー達は己が思う場所に情報を集めに行ったのだった。
・・・加藤家・・・
茉莉香「ねぇ梨理香さん。宇宙一の薬剤師の噂って聞いたことある?」
梨理香「宇宙一の薬剤師?聞いた事はあるけど、何でまたそんな事を聞きたがるんだい??」
茉莉香は、今日弁天丸で起きた○○の事を梨理香に話した。
梨理香「何だって!?○○が宇宙デビルスにかかっただって!!何でもっと早くに言わないんだい!私も知り合いに聞いてみるから、茉莉香も明日学校でも情報を集めておくれ!!」
茉莉香「うんわかった!ありがと梨理香さん。」
こうしてこの日の捜査(?)は終了したのだった。そして翌日の放課後・・・
・・・ヨット部部室・・・
リン「チアキから大体の話は聞いた。まさか○○がそんな事になっていたなんて・・・。」
ジェニー「そうね、茉莉香さんにチアキさん。その話、私達ヨット部のメンバーも参加させて頂けないかしら?」
茉莉香「本当ですか!?ありがとうございます!!」ペコリ
グリューエル「勿論、私達もご協力は惜しみませんわ。」
チアキ「グリューエルまで・・・本当にありがとう!!」ペコッ
リン「それじゃあまずは、その薬剤師の所在を掴まないとな。」
ジェニー「そうね。うちの者達にも捜させては見るけども、そう簡単には見つからないわね。」
皆「う~ん・・・」
茉莉香達は、あまりにも少ない情報しか持っていないため、直ぐに調べることが出来ないのである。すると、チアキからある提案が出たのだった。
チアキ「無理かもしれないけど、保険組合のショウさんにでも相談してみましょうよ。」
茉莉香「そうか!その手があったね!!早速ショウさんに聞いてみようよ!!」ピッ
茉莉香は、直ぐに通信でハロルド保険組合に通信を入れた。
ショウ『アォ!ハロルド保険組合のショウだ!!おや?船長に副船長、それにヨット部こお嬢様方までお揃いで、いったい全体どうしたんだい?』
いつもの調子で出てきた巨大アフロの男、ショウである。
茉莉香「すみませんショウさん。実は折り入って相談があるんですが・・・。」
ショウ『おや?何やら訳ありの様だな。何があったんだい?』
チアキ「実は・・・。」
チアキは、今現在起きている状況を説明した。○○が宇宙デビルスの病気にかかっていること。自分達が宇宙一の薬剤師を捜している事等、そしてハロルド保険組合でその事を知らないかを。
ショウ『成る程・・・確かにその宇宙一の薬剤師の噂は俺も聞いたことがある。だが、残念だがハロルド保険組合にもその薬剤師の情報はない。』
茉莉香「そうですか・・・」シュン
茉莉香やチアキ、それにヨット部のメンバーも残念な顔が並んでいた。
ショウ『しかし、あの料理人の少年がそんな事になっているなら、こちらも協力しよう。』
茉莉香「えぇ!?」
チアキ「なぜ急に??」
茉莉香達はお互いの顔を見合わせた。
ショウ『な~に、そちらの料理人にはこちらも大変お世話になったからな。だから、こちらからの恩返しだ。』
リン「恩返しって、ハロルド保険組合は○○に何か恩があるんですか?」
ショウ『あぁ、以前街で少年に会って1週間ハロルド保険組合の食事を用意してもらってな。だから、そちらの料理人にはハロルド保険組合はお世話になっていたのさ。』
ジェニー「ま~、○○さんたらそんな事もなさってたんですね。」
ショウ『そう言うこった。では、情報が解り次第おってこちらから連絡するので。』
茉莉香「よろしくお願いします。」
ショウ『ほんじゃね~!!』ブツン
ショウとの通信を終えて、茉莉香達はこれからどうするかを考え始めた。
リン「さてと、取り敢えずハロルド保険組合からの連絡は待つとして、アタシ等も動かないとな。」
ジェニー「そうね。しかし・・・どうやって捜せば良いのかしら?」
チアキ「こうしてる間にも、○○の命は危ないってのに!」ギリギリ
グリューエル「チアキさん、少しは落ち着いてください。でなければ何時までたっても○○さんをお助けできませんわ。」
チアキ「そうね・・・ありがとうグリューエル。」
グリューエル「いえいえ、どういたしまして♪」
グリューエルの言葉に、チアキは落ち着きを取り戻したのである。
茉莉香「取り敢えず、私とチアキちゃんは、これから宇宙ステーションに行って情報を集めるつもりです。」
リン「それじゃあアタシも行こう!ここからは二手に別れて行動した方がよさそうだな。」
ジェニー「そうね。それじゃあリンとヤヨイさんと茉莉香さん、そしてチアキさんはこれから宇宙ステーションに向かって情報を集めて来て。残りのメンバーは、ここに残って情報を集めましょう。」
一同「はい!」
ジェニー「それでは捜索開始!!」
ジェニーの掛け声で、皆はそれぞれの役割に取り掛かった。
リン「んじゃ、アタシ等も行こうか?」
チアキ「そうですね。ヤヨイ、茉莉香!行きましょう。」
茉莉香達は、宇宙ステーションへと飛び立ったのだ。
・・・宇宙ステーション・・・
リン「さてと、取り敢えず来たのは良いけど、どうしたものかな?(^_^ゞ」ポリポリ
チアキ「そうですね・・・まずは、この近辺で情報を集めましょう。」
ヤヨイ「そうですね。それなら二組に別れて集めましょう。」
茉莉香「そうだね!それじゃあリン先輩とチアキちゃんは向こうをお願いします。私とヤヨイちゃんはあっちに行きますので。」
3人「了解(です)!」
リン「そんじゃ集合時間は、今から一時間後に同じ場所で。」
ヤヨイ「わかりました。」
チアキ「それじゃあ先輩、行きましょうか?」
リン「そうだな。(^-^)」
リンとチアキは、街に情報を集めに行った。
ヤヨイ「それじゃあ茉莉香先輩、私達もそろそろ行きましょうか?」
茉莉香「そうだね。行こっか(^o^)」
茉莉香達は、チアキ達と反対方向に歩いていった。宇宙一の薬剤師の情報は手に入るのだろうか?
・・・それから一時間後・・・
リン「茉莉香とチアキは、まだ戻ってこないな?」
チアキ「ホントにもう!!私達には時間が無いってのに!!」イライラ
リン「まぁまぁ、茉莉香達も一生懸命情報を集めてるんだからさ(^^;」
チアキ「それは・・・そうですけど・・・」
リン「だろ?それにしても、○○の奴は幸せだな。こんなに心配してくれる相手がいるんだから。」
チアキ「べべ、別にそうでも///」
リン「照れない照れない!所でチアキは○○の事、どう思ってんだい?」
リンは、今までにないくらい真剣な顔でチアキに聞いた。
チアキ「私は・・・私は茉莉香の様に明るくもありませんし、それに、○○はとても優しいです。私も○○の事は好きです。でも・・・」
リン「でも・・・」
チアキ「時々、不安になるんです。私は、このまま○○を好きになってもいいのかと。○○は以前話してくれました。料理が好きだから、将来は自分の店を持ちたいと。いずれは私や茉莉香の前から居なくなるんじゃないかと!それでも、私は○○の夢を壊したくはないんです!!」
リン「・・・・・・」
リンは、そのまま黙りチアキの話の続きを聞いていた。
チアキ「でも、私は○○と離れたくはないんです!!茉莉香だって同じです!!!でも・・・でもどうしたら良いかわからないんです!」ポロポロ
リン「そうか・・・チアキ、先輩からの・・・いや、カップルと人生の先輩としてのアドバイスだ。チアキや茉莉香がそう思ってるなら、その思いを○○に伝えてやりな。伝えなきゃ、絶対に後悔する。私の時がそうだったから。だから、後輩には私とジェニーと同じ事をさせたくない。だから、その気持ちを茉莉香と一緒に、○○に伝えてやりな!!」
チアキ「・・・グスッ、はい!!」
リン「よし!!」
リンは、心に決めたチアキの顔を見て嬉しそうに頷いた。そんな二人の会話を、物陰に隠れて聞いていた人物がいた。茉莉香とヤヨイである。チアキの会話に覚えがあった茉莉香も、同じように泣いており、同じようにヤヨイに慰められていたのである。唯一違うのが、慰められていた相手が後輩であることだけ。それからお互いは、しばらくの間泣き腫れた目を静めるのに必死だったそうな。それからしばらくして、茉莉香は泣き止み、チアキも泣き止んでるのを確認すると二人が待つ場所に合流した。
茉莉香「お待たせ~!!」
ヤヨイ「すみません!約束の時間に遅れてしまいまして。」
リン「あぁ、別に良いよ。」
チアキ「ホントなら、説教をするつもりだけど、今回だけは見逃してあげるわ。でも、次はないわよ!茉莉香!!(-_-メ)」
茉莉香「は~い、気を付けます・・・(^^;」
リン「ハハハッ!で、そっちは何か情報を集めれたかい?」
ヤヨイ「いえ、それが宇宙一の薬剤師の事は、皆さん噂は聞いたことがあるだけで、実際に会ったことはないみたいです。先輩達はどうでしたか?」
リン「こっちも同じだ。あちこち聞いても、返ってくるのは噂を聞いたことはあるけど会ったことはないだ。どうしたものかね。ヽ(´ー`)ノ」
チアキ「そうですね・・・」
茉莉香達は、情報が入らずに悩んでいた。宇宙ステーションなら情報は少しでも入るだろうと、期待してただけに、この結果は最悪だった。これからどうしようかと考えていたときに、誰かのお腹の音が聞こえた。
・・・グ~・・・
リン「んっ?今誰の腹の音だ?」
茉莉香「あははは、すみませんリン先輩、私です///」
チアキ「もう!!何してるのよ!!茉莉・・・」グ~
茉莉香に説教していた、チアキのお腹も鳴り出した。
チアキ「・・・っ///」
リン「アハハ、そう言えばそろそろ夕飯の時間帯だな。」
ヤヨイ「そうですね。」
茉莉香「○○君の作ったご飯が食べた~い!!(>_<)」
チアキ「確かに・・・○○が倒れてから、ここ一週間食べてないわね。」
茉莉香とチアキは、○○の事を思いだし、再び泣きそうな顔になっていた。
リン「ほら、茉莉香にチアキ、そんな顔してたら○○に笑われるよ。」
ヤヨイ「そうですよ!!茉莉香先輩、○○先輩が治ったら好きなもの作ってもらえば良いじゃないですか。」
茉莉香「そうだね・・・よ~しチアキちゃん!!○○君が治ったら、私達の好きなの作ってもらお(^^)」
チアキ「そうね・・・そうしましょう!!」
茉莉香「うん!それじゃ久しぶりにおやっさんの所に行こうよ!」
リン「賛成!!(^^)/」
ヤヨイ「それじゃあ行きましょうか。」
茉莉香達は、夕飯と休憩をかねておやっさんの店に行くことにしたのだった。
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七章