ハヤテSide
俺は今、ルイズと馬車に乗っている
理由は『ハヤテ治療の魔法使えるんでしょ!?お願い!ちい姉さまを治して!!』
と言われたからだ
あんなに切羽詰った様子でお願いされたら断れないでしょ?
それに既に実家に手紙も出しちゃってたし…
「ルイズ。君のお姉さんの病気ってどういう病気なの?」
「それが…分からないの。いままで何人もの水のメイジが治そうとしたけど。…無駄だったわ」
「う~ん。じゃあどういう症状なのか分かるかな?」
「それなら分かるわ。いつも苦しそうに咳をしていたり、血を吐いたりしているの」
「…他には?」
「他には特に無いわね…。分かった?」
「大体ね」
ふう。これは結構難しくなりそうだ…
そうこうしているうちに、着いたらしい
馬車から降りて俺が見たものは
あれ?これ屋敷ってレベルじゃなくね?むしろ城じゃね?というような馬鹿でかい建築物だった
「ル、ルイズ…。これ、でかくない?」
「そう?これくらい貴族なら普通よ?」
いやいやアンタんち公爵でしょ!?明らかに普通の貴族の屋敷よりでかいって!
「あ、ジェローム!お父様たちに伝えて。ルイズが帰ってきました!」
「分かりましたルイズお嬢様。サンドリオン様たちは大広間でお待ちです」
そこに来たのはいかにも、といった風な老執事だった
その老執事はルイズについてきた俺に疑わしげな目を向けた
「お嬢様。失礼ですがこちらの方は?」
「ああ、紹介するわ。私の使い魔のハヤテ・ナミカゼよ」
「なんと!人間を使い魔にするとは…」
ジェロームさんは目を丸くして驚いている
「それじゃ、お父様たちのところへ行くわ」
「はい。分かりましたお嬢様」
ルイズはさっさと行ってしまったので、ジェロームさんに礼をしてから着いていく
大広間
「お父様!お母様!ルイズが帰ってきました!」
「おお、私の可愛いルイズや。よく帰ってきたね」
「お帰りなさい。ルイズ」
「それで、今日はどうしたんだい?まだ学院は夏期休暇に入っていないだろう?」
「はいお父様。ちい姉さまの病気を治せるかもしれません!」
「なんと!それは真かね!?」
「はい!手紙に書いていた、私の使い魔が治療の術を使えるのです!」
「ふむ、ルイズの使い魔というと…確か人間だったな?『男』の!!」
なんか、ルイズのお父さんらしき人が『男』の部分をやけに強調して睨んできたんだけど
「あなたがルイズの使い魔のハヤテさんですか。私はルイズの母のカリーヌと申します」
「はい。私がルイズ嬢の使い魔の波風ハヤテです。以後、お見知りおきを」
…こうしてみると流石『烈風』。歩き方やしぐさに隙が無い
「ふん。たかが傭兵に、いままで何人もの水のメイジが治せなかった病気が治せるのかね?」
「『あなた』。ハヤテさんに失礼ですわよ」
「うっ。す、すまんなカリーヌ」
やべえ。あの人やべえよ。綱手師匠と同じ感じがしたよ…
ん?ドアのあたりで誰か聞いてるな
「では、ハヤテさん。あなたに治療して貰いたいのは、次女のカトレアです」
「はい、ルイズ嬢から伺っております」
「それでは単刀直入にお聞きしますわ。あなたはメイジではないとルイズからは聞いています。そのあなたが『どうやって』カトレアの不治の病を治すと言うのですか?」
…さすが。気迫が違うね
「まず、この部屋全体にサイレントの魔法をお願いします。それと…」
俺はドアのほうに静かに近づいていき、いきなりドアを開ける
「きゃぁっ?!!」
すると豊かな金髪の女性が倒れこんでくる
このままだと地面に倒れてしまうので、手を取って支える
「聞くのなら、中に入って聞いたほうがいいんじゃないですか?」
「姉さま!?」
「///そ、そうね。中に入らせてもらうわ」
ルイズに姉と呼ばれた人が顔を赤くした
「エレオノール…」
カリーヌさんが頭に手をやっている
「カリーヌ様。この方は?」
「ああ、私たちの長女のエレオノールです。エレオノール。ハヤテさんに挨拶をしなさい」
「わ、わかりましたわお母様。初めまして。私はエレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールです」
「これはご丁寧に。私はルイズ嬢の使い魔の波風ハヤテです」
「それでは、話の続きをしたいと思います。その前に『サイレント』!これでいいですわね?」
「ええ。ありがとうございます。ではお話します」
そしてヴァリエール家の面々に写輪眼、白眼、忍術のことを話した
「そんな…メイジがいない世界があるなんて…」
「事実ですよ。エレオノール様」
「…あなたが普通の傭兵ではないことは分かりました。ですが、どのようにしてカトレアを治療をするのかを聞いてはおりません」
「今から、そのことをお話します。先ほどお話した忍術には治療忍術もあります。それとこれも先ほど話した白眼と併用して、診察しながら治療をしたいと思います」
まあ実際見るのは経絡系で、乱れてる場所を治すんだけどね…
「その治療忍術で、カトレアは助かるのですか?」
「十中八九、助かると思います」
「…わかった。ではお前にカトレアの診察と治療を命ずる。失敗したときには…分かっているな?」
「はい。心得ております」
「では、カトレアの部屋に向かいましょうか」
さて、ここからが本番だ…
ルイズから聞いた症状から推察するに…あの病気だろうな
「カトレア、入りますよ」
「はい、どうぞ。お母様」
カリーヌさんがドアを開けてその先に見えたのは
多数の動物に囲まれた、桃色の髪の優しそうな女性だった
この人がカトレアさんか。…もう生きる事を、半分諦めてるな
「ちい姉さま!お元気そうで何よりです!」
「あら、小さなルイズ。ふふ、私はいつも元気よ?」
ふ~ん、凄えなこの部屋。犬猫は愚か、熊に蛙…げっ!?蛇もいるぅ?!
「あらあらまあまあ♪」
ん?カトレアさんが近づいてくる…。いやな予感しかしない
「あなた。ルイズの恋人ね♪」
「ふぇっ!?ちょっ!ちい姉さま!違います!」
そうだよ!
「そうですよ。ルイズ嬢の言う通りです。私はルイズ嬢に召喚された使い魔ですよ。大体、ルイズ嬢見たいに可愛い人と、私がつりあうわけ無いでしょう?」
「なっ!?か、可愛い…また言った。また…///」
「…あなたやっぱりルイズの恋人ね♪」
「だから違いますよ」
このやり取りが大体五分くらい続いた後
「そういえば、今日はどういう御用事で?」
やっと本題に入れる…
「カトレア様の病気の診察と治療に来たのです」
「まあそうですか。わざわざありがとうございます」
「いえ、ルイズ嬢とヴァリエール公爵の命でもありますので」
さてそれじゃあ…『白眼』!!
ふむ。やっぱり胸の辺りのチャクラが乱れてるな
それに、両肺に腫瘍が出来てる…やっぱりか
「カトレア様の病気が分かりました」
「!ほ、本当かね!!」
「はい。カトレア様の病気は肺癌といって、普通の治療では治療が難しい病気です。発症して間もない頃ならまだしも、ここまで進行していると非常に難しいです。むしろ今までよく持っていたと思いますよ」
「そ、そうか…。やはりカトレアは…」
「何を勘違いしているんですか?」
「なに?」
「私は普通の治療で、と言ったんですよ?これから行うのは普通の治療ではありません」
「で、ではカトレアは…治るんですか!」
「ええ。確実に、ね。ではカトレアさん、ベッドに横になってください」
このくらいなら簡単だな
さて、カトレアさんも横になったな
「カトレア様。失礼ですが、私の手を握ってもらえますか?」
「え…?分かりました」
カトレア様に握られた手から、少量のチャクラを流す
「では行きます…!『チャクラ
俺は手のひらから、青白いチャクラの刃を発生させる
そして…
「『
チャクラの乱れを感知し、その部分をチャクラ
すると切開した部分から、黒い瘴気のようなものが出てきて霧散した
切開した部分は自動的に塞がれていった。チャクラ送ってたからかな?
そして俺はカトレアさんに質問した
「どうですか?胸の辺りにあった違和感がなくなっているでしょう?」
「え?ええ…さっぱりなくなっているわ」
「では、ゆっくり休んでいてください。かなり体力を消耗したと思うので」
「ええ、そうさせて…もらうわ」
そういうとカトレアさんはゆっくり眠った
とりあえず成功かな?
誤字脱字、ご指摘、コメントお待ちしております
Tweet |
|
|
9
|
4
|
追加するフォルダを選択
十五話です。