「だって、その方がもっと早く香椎に会えただろ?」
どきっ
やだ、不意打ちは卑怯よ。
竜児はものすごい鈍いくせに、たまにこういうことをいうから困る。
(まあそういうところも大好きなんだけどね!)
奈々子は自分の幸せをかみしめていた。
「もうそんな恥ずかしいこといってないで行きましょ。
せっかく早く来たんだから思いっきり遊ばなきゃ」
そう言ってにやけ顔を見られまいと先に歩き出す奈々子。
それでもあわてながら追いかけてくる彼氏が可愛くて
またにやけてしまう自分には無駄な努力かもね、と心の中でも笑っていた。
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夏休み直後ということでらくーじゃも人がごった返しているわけではなかった。
なにより亜美のくれた1日パスというのが相当すごいものだったらしく
施設の待ち時間はほとんどないに等しいし、食事までただだというのが驚きだ。
奈々子このデートが終わったら改めて亜美にお礼をしなきゃなと改めて思う。
二人はある程度のアトラクションを遊び終え、いったん甘味処で休憩を取っていた。
そういえば前に竜児と話したのもこの甘味処だったな、等と奈々子が考えていると
テレパシーでも伝わったのか竜児が口を開く。
「香椎は覚えてるか分かんないけど、ここのプールって前にも来たよな。ほら大河と3人で」
「もちろん覚えてるわよ、だって私そのころから竜児のこと好きだったのよ」
「そうだったのか。あ、ありがとう」
「でもあの時は結構ショックだったなあ。竜児2人の女の子が気になるって言ってたでしょ?
あれ絶対みのりちゃんと逢坂さんのことだと思ってたもん」
「だ、だからおれは香椎と櫛枝のことを、なんかそのすまん」
「ううん、いいの。だってこうして竜児はいま私といてくれてるしそれに」
「私のこと好きっていってくれたでしょ?」
「も、もちろん!いまはもう香椎一筋だ、誓ってもいいぞ」
「ありがと、私も竜児君のこと大好きだよ」
メニューを持ってきた店員が軽く引くぐらいに二人の世界を作り出す彼女たちだったが
幸せそうなので良しとしよう。
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32です。
よろしくです。
突然で申し訳ないんですがアンケートです。
今回の投稿分の続きを書くかどうかです。
一応プロット的なものは出来ていますが、文章に起こしてないので少しゆっくりになりそうです。
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