No.495433

ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第十三話 独りにしない

やぎすけさん

大変お待たせいたしました。

2012-10-12 21:51:27 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2430   閲覧ユーザー数:2337

しばらくしてシリカもエルフィーも少しずつ落ち着いてきた。

デュオはそれを確認するとオレンジたちがドロップしていった2人の装備を拾って

シリカの装備はシリカに手渡し、エルフィーの装備はクラインに向かって投げる。

デュオはそれをシリカに装備させてから、優しく言った。

 

デュオ「帰ろうか。」

 

シリカは、小さく頷く。

デュオは微笑むと、クラインとエルフィーを呼び、

ポーチから回廊結晶を取り出して叫ぶ。

 

デュオ「コリドー!オープン!」

 

デュオの手で結晶が砕け散り、その前の空間に青い光の渦が出現する。

 

クライン「おいおい、それ回廊結晶じゃねえか。いいのかよ?」

 

デュオ「いいんだよ。それに今はすぐに家に戻りたい。」

 

デュオはそう言って立ち上がると、シリカを抱きかかえて回廊に入っていった。

クラインとエルフィーもそれに続いて回廊に入った。

 

4人はデュオのホームのリビングに出現した。

4人が部屋に入ると回廊は消えていった。

 

デュオ「今日はもう遅いから、ここに泊まっていけよ。」

 

クライン「いいのか、俺まで?」

 

デュオ「ダメだったら、連れてこないさ。」

 

デュオはそう言うと、奥にある2つの部屋にベッドを呼び出して設置する。

 

デュオ「カスタマイズしてないから、殺風景だけど我慢してくれ。」

 

クライン「気にすんな。」

 

デュオ「ありがとう。じゃあシリカ・・・って・・・」

 

シリカはデュオに抱かれたまま、眠っていた。

エルフィーもクラインの腕の中で同じように眠ってしまっている。

それを見たデュオとクラインは、お互いに顔を見合わせて苦笑する。

 

デュオ「余程疲れたんだな・・・起こすのもあれだし、このまま部屋に運ぶか。」

 

クライン「そうだな。」

 

デュオ「・・・変な気起こすなよ。」

 

クライン「す、するかよ!」

 

デュオとクラインは軽口を叩いた後、

シリカとエルフィーをそれぞれの部屋に運んで、ベッドに寝かせた。

その後、2人もそれぞれの部屋で眠りについた。

 

デュオ視点

深夜、俺はなぜか目が覚めた。

ウインドウ画面を開いて時間を確認すると3:45と表示されている。

 

デュオ〈まだ起きるにはちょっと早いな・・・〉

 

俺はそう思ってもう一度眠ろうとした。

その時、あることに気が付いた。

寝惚けていて気が付かなかったが、ベッドに俺以外の誰かがいる。

俺はゆっくりと布団を捲ると、そこにいたのはシリカだった。

 

デュオ〈どうして、シリカが・・・?〉

 

俺は慌てて記憶を探る。

家に戻った後、シリカとエルフィーをベッドに寝かせて

その後で、自分のベッドに入って寝た。

つまり、どういうわけかシリカは自分で俺のベッドに入ってきたということになる。

 

デュオ〈どうするか・・・?〉

 

年下とは言っても同年代の(しかも下着姿の)女の子と一緒のベッドで寝るのは、

さすがの俺でも気が引ける。

 

デュオ〈別の部屋に移るか。〉

 

俺はそう思い、そっとベッドから降りようとした。

その時、

 

シリカ「デュオさん・・・独りに・・しないで・・・ください・・」

 

どうやら寝言のようだ。

だが、それ故にそれがシリカの本音なのだろう。

シリカの頬には涙が流れている。

俺は起き上がるのをやめて、再び布団を被るとシリカを優しく抱きしめ

そして耳元で小さく囁いた。

 

デュオ「シリカ、俺はお前を独りにはしないよ。」

 

俺がそう言うと、シリカの表情は安らかになった。

そして、頬を赤くしてこう言った。

 

シリカ「デュオさん・・・大好き・・です・・・」

 

デュオ「えっ・・・!?」

 

俺は驚きのあまり、一瞬硬直してしまった。

半ば放心状態のまま俺はシリカが俺をからかっているんじゃないかと疑ってしまった。

だが、どう見てもシリカは眠っている。

第一、シリカがそんなことするはずがない。

となると、さっきのは寝言ということになる。

 

デュオ〈この子なら大丈夫かな・・・?〉

 

俺は不意にそんなことを思ってしまった。

 

デュオ〈考えても、仕方ない。もう寝よう。〉

 

俺はそう思い、再び眠りに付いた。

 

通常視点

翌朝、早朝5時に目覚めたデュオはベッドから起き上がると

愛剣とコートを装備して部屋を出る。

そして家の外に出ると、ストレージから竹槍を10本呼び出す。

竹槍を適当な場所に刺して立て、そこから100mくらい遠ざかると

次に背中の剣を引き抜いてスタイルチェンジを発動する。

 

デュオ「【スローコントローラー】!」

 

デュオの周りに緑色のライトエフェクトが発生する。

デュオは剣を振りかぶると体を捻って剣を放り投げる。

剣は回転しながら真っ直ぐ飛んでいく。

デュオが手を右に振ると、それに従って剣は弧を描いて竹槍を切り倒すと

剣はそのままブーメランのように戻ってきてデュオの手に収まった。

切り倒された竹槍はポリゴン片となって消えるのを見ながら、デュオは呟いた。

 

デュオ「大剣も制御できるらしいな。」

 

デュオはそう言うと剣を背中に戻し、時間を確認する。

時刻は朝5:30と表示されていた。

 

デュオ「朝食作るか。」

 

デュオは家に入っていった。

適当な食材を4人分用意して朝食を作る。

ちなみに作ったのは野菜、肉、チーズのサンドイッチと自作したココアである。

朝食が出来上がると、時刻は7時を回っていた。

デュオは3人を起こすことにした。

最初に自分の寝ていた部屋に行くと、そこではシリカが

ベッドの上ですやすやと可愛らしい寝息を立てている。

その枕元には使い魔のピナが丸くなって眠っている。

デュオは思わず微笑むと、シリカの体を揺すって声をかける。

 

デュオ「シリカ、朝だぞ。」

 

シリカ「う、ううん・・・?」

 

シリカはゆっくりと目を開けると、眠たそうに2、3度瞬きする。

 

デュオ「おはよう。」

 

シリカ「おはようございます・・・」

 

シリカはデュオに挨拶する。すると急にシリカが驚いたようにデュオを見る。

それから、周りをキョロキョロと見渡してから、顔を真っ赤にする。

 

シリカ「あ、え、えと・・・」

 

シリカは何か言おうとするが、全く言葉が出てこない。

そんなシリカを気遣ったデュオは先に用件を伝える。

 

デュオ「朝ごはんできてるから、先に行って待ってて。俺はクラインたちを起こしてくるから。」

 

シリカ「え、あ、はい・・・」

 

シリカがそう言うと、デュオは部屋を後にした。

続いてデュオはクラインの部屋に入ろうとした。

すると、クラインとエルフィーが部屋から出てきた。

 

クライン「おう、デュオ早ええな。」

 

エルフィー「あ、デュオ君、おはよう。」

 

デュオ「よう2人とも。クラインも意外と早起きなんだな。」

 

クライン「まあな。だてにギルドリーダーはやってねえってことだ。」

 

デュオ「なるほどな。まあいいや。朝ごはんできてるから来いよ。」

 

クライン「マジでか!?いや~なんか悪いな。泊めてもらったうえに朝飯まで・・・」

 

デュオ「気にするな。」

 

デュオはそう言って2人をリビングに連れて行った。

デュオ、シリカ、クライン、エルフィーの4人は話をしながら楽しい朝食を摂った。

その後、クラインとエルフィーはデュオにお礼を言って帰っていった。


 
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