No.494902

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第九十八技 虐殺劇

本郷 刃さん

第九十八話になります。
タイトル通りの物騒な話しです。

どうぞ・・・。

2012-10-11 10:06:01 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12913   閲覧ユーザー数:12052

 

 

 

 

 

 

 

第九十八技 虐殺劇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァルSide

 

「………貴方達は、全員僕が殺します。『黒衣衆』が一人【黒き閃光】………、

 『神霆流(しんていりゅう)』準師範代、【閃撃(せんげき)】のヴァル、参ります」

 

名を名乗ってから『神龍偃月刀』を構える。

 

「こ、こいつ…マジで()りやがった……」

 

「う…うぉぉぉぉぉ!!!」

 

「なっ、おい!?」

 

恐怖のあまりか一人の男が雄叫びを上げながら突撃してきた。

 

他の人が彼を止めようとするが、彼は止まらずにそのままダガーで突き刺そうとする。僕は《神速》で動く。

 

「ふっ!」

 

―――バキャンッ!

 

「あ…あぁ……」

 

―――パキャァァァァァン!

 

すれ違いざまに剣を破壊してからそのまま振り向きざまに体を真っ二つに切り裂いた。

 

これで二人……あと六人。今度は片手用の斧と(バックラー)を持つ二人の男を見やる。

 

「「ひっ!?」」

 

二人は恐怖で体を硬直させている。その二人の側に《神速》によって一瞬で近づき、

 

「神霆流闘技《輝電(きでん)》」

 

僕は神霆流の《輝電》を使った。

 

急所を狙った高速の連続突きを《神速》により視覚では完全に捉えられない速さで、

相手のHPバーが完全に尽きるまで行った。

 

「「えっ?」」

 

―――パキャァァァァァン!

 

二人は何が起こったのか分からないといった表情を浮かべたまま消滅した。あと四人。

 

「なんで……そんな速さで…」

 

彼女は疑問に思っているようだ。まぁ、冥土の土産にでも教えておいてもいいかな。

 

「いまのは僕のユニークスキル、《神速》です」

 

「なっ!?」

 

「そ、そんな…」

 

「ありえねぇ……」

 

「や、やめだ、こんなこと!」

 

曲刀を持った男が安全エリアから出ようと出口に向かって駆け出した。だけど、

 

「逃げられると思ったんですか?」

 

「あ…」

 

―――ザシュッ!パキャァァァァァン!

 

僕は男を縦一閃に切り裂き、HPバーが0になって消滅した。残るは三人。

 

「僕は貴方達を逃がす気なんてさらさらありませんから。

 貴方達は……僕の大切な人を傷つけようとした。その時点で…生き残る事はできなかったんですよ」

 

「ちっ…くしょーーーーー!!!」

 

「おぅりゃーーーーー!!!」

 

片手剣を持った男と両手剣を持った男が二人がかりで突っ込んできた。

 

「……その意気や良し、です」

 

僕は《神速》で彼らの間に入り込み、『神龍偃月刀』を縦横無尽に振り回した。

 

―――ザシュザシュザシュザシュザシュッ!

 

―――パキャァァァァァン!!!

 

HPが無くなって同時に消滅した二人。これで残るは一人だけ。僕はロザリアを睨みつける。

 

「ひっ!?……た、たすけ…て……」

 

怯える彼女は命乞いを始めた。

 

「そうやって助けを求める人を…貴女は何人助けてあげましたか?」

 

「そ……れは…」

 

「というわけですので、死んでください」

 

僕は『神龍偃月刀』を彼女に向けて振りかぶった。

 

「いやぁぁぁぁぁ!!!???」

 

「やめてぇぇぇぇぇ!!!」

 

叫ぶロザリアと刃の間にシリカが割って入ってきた。

 

「もうやめて、ヴァル君。もう……殺さないで…」

 

「シリカ………」

 

シリカの願いは叶えてあげたい。だけどそれは無理なんだ。

 

「ごめんね、シリカ……」

 

「え…?」

 

だって僕は、シリカの後ろにいる彼女の表情を見てしまったから。

 

「せめてあんただけでもーーーーー!!!」

 

「あ…、(ドン)っ!?」

 

彼女は持っていた槍でシリカに突きを繰り出した。しかし、それはシリカには当たらない。なぜなら、

 

―――ドスッ!

 

「ぐっ!」

 

「ヴァル…君……?」

 

「くっ!?」

 

シリカを庇って僕が刺されたから。僕のHPが微かに減少するが大して減りはしない。

 

やり方は間違えたけど、これで目的は達成できる。

 

「傷つけましたね、通常(グリーン)の僕を……」

 

「ぇ…ぁ……」

 

まだ(・・・)自分では誰も傷つけた事がなかったためにグリーンだった彼女だが、

同じくグリーンの僕を傷つけた事でそのカーソルがオレンジへと変化した。

 

これで彼女を合法的に殺せる。

 

「脱獄しただけならまだよかったでしょう。だけど、シリカを眠らせた薬……。

 あれはおそらく『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』が作った『睡眠PK』の手口に使われるもの。

 それこそが……僕が貴方達を殺す理由」

 

「…っ……ぃ…」

 

恐怖で言葉を発する事が出来なくなっているロザリア。それでも僕はさらに絶望を与える。

 

どのみち僕がシリカから離れるにはこれを言わないといけない。

 

だからこそ、シリカにも聞こえるように僕は言い放つ。

 

「……我、狩りし者を狩る者、『狩人の槍手(ランサー)(なり)

 

「っ……は、はは……あははははは!!!???」

 

「っ!?」

 

ロザリアは狂ったように笑い声をあげた。シリカはロザリアの様子に驚愕している。

 

「さようなら……『タイタンズハンド』リーダー、ロザリア。

 地獄で待っていてください。いずれは僕も逝くと思いますので」

 

―――ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュンッ!

 

僕は彼女の右腕を、左腕を、右足を、左足を斬りおとして、最後に首を斬りおとした。

 

―――パキャァァァァァン!

 

HPが0になり、ロザリアは消滅した。僕は纏っていた『憤怒』の『覇気』を収めてシリカをみた。

 

彼女は……震えていた。怖かったんだろう、僕の事が…。

 

だけどこれで僕は彼女を諦める事ができる。だから最後だけ……彼女に優しくしよう。

 

「宿まで送るよ……」

 

「………(コク)」

 

シリカが無言のまま頷いたので、僕達は≪転移結晶≫で街まで戻った。

 

ヴァルSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

オリジナル技

 

神霆流・闘技《輝電(きでん)

的確に急所を狙った高速の連続突きを行う技。

 

 

 

 

 

後書きです。

 

死刑執行タイム、終了です。

 

自分で書いておいてなんですが・・・やりすぎました(テヘペロ)。

 

あ、石とか投げないでください、すいません。

 

ゴホン、というわけですので戦闘は終わりました。

 

この後二人はどうなるのでしょうか。

 

次回をお楽しみに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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