No.494299

バカとBASARAと試召戦記

鉄の字さん

何してるんだろう………?
自分の小説、ほっときながら…………

2012-10-09 22:53:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3006   閲覧ユーザー数:2921

問題:以下の問いに答えなさい。

 

 

「調理の為に火にかける鍋を制作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい」

 

 

 

姫路瑞希の答え

 

 

「問題点………マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点。

合金の例…………ジュラルミン」

 

 

 

教師のコメント

 

 

正解です。合金なので「鉄」では駄目という引っ掛け問題なのですが、姫路さんは引っかかりませんでしたね。

 

 

 

 

土屋康太の答え

 

 

「問題点………ガス代を払っていなかったこと」

 

 

教師のコメント

 

 

そこは問題じゃありません。

 

 

 

 

吉井明久の答え

 

 

「合金の例…………未来合金(←すごく強い)」

 

 

 

教師のコメント

 

 

すごく強いと言われても。

 

 

 

 

真田幸村の答え

 

 

「問題点……………熱血が足りなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

 

 

 

教師のコメント

 

 

それは関係ありません。

 

 

 

 

 

 

 

ここは文月学園。

 

 

この文月学園には特殊なシステムがある。

 

 

その一つは教室設備。

二年に上がる前に振り分け試験を行い成績順にAクラスからFクラスに決まっていく。

最高位のAクラスは豪華なホテルの様な設備であるが最下位のFクラスは腐った畳に卓袱台だけである。

 

 

そして、もう一つは試召喚戦争。

自分のテストの点に比例した強さの召喚獣を使い戦うものである。

クラス同士が戦い、勝ったクラスは負けたクラスと設備を入れ替える事が出来る。

 

 

これが文月学園の最大の特徴である。

 

 

この物語はその過酷な設備に不満を訴える戦士達の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では始めて下さい。」

 

 

チャイムが鳴り、皆が一斉に紙を捲る音がする。

ここでは振り分け試験が行われており皆は必死に目の前の問題を解いていた。

 

 

そしてここにも…………

 

 

 

(あれ?三権分立って後一つ何だったけ?朝に雄二が言っていたのに。)

 

 

吉井明久も乏しい知識で何とか問題を解いていた。

 

 

 

 

(ん?いかん、三権分立の後一つを忘れてしまった。)

 

 

短髪にブレザーの下に黄色いフード付きのパーカーを着ている青年、徳川家康も明久と同じで乏しい知識で解いていた。

 

 

 

 

(Shit!昨日、小十郎に三権分立を教えてもらったのに忘れてしまったぜ。)

 

 

右目に眼帯を付け制服を着崩した青年、伊達政宗も同じであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ………………ハァ………………」

 

 

 

カラン…………

 

 

 

「ん?」

 

 

「お?」

 

 

何かペンが落ちる音がして明久は横を、家康は後ろの方を見る。

そこには床に倒れている姫路瑞希が居た。

 

 

「姫路さん!!しっかりして!!」

 

 

「おい!!しっかりするんだ!!」

 

 

急いで明久と家康は姫路を抱き起こして声を呼びかける。

姫路は顔が真っ赤で呼吸も苦しそうだった。

 

 

そんな中、先生が近づいてきた。

これで何とかなる。

しかし、先生から出たのは非情な言葉だった。

 

 

「途中退室は0点扱いになりますがいいですか?」

 

 

教師からこの言葉に明久と家康は先生に抗議した。

 

 

「そんな先生!!」

 

 

「何です吉井君?」

 

 

「たかが風邪位で0点なんて酷すぎます!!」

 

 

「そうです先生!!」

 

 

「…………吉井………君。」

 

 

先生に反発する明久と家康。

しかし、その努力虚しく姫路は途中退室で0点になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

(あれは明久と家康か。Hmm~、相変わらずCoolな奴らじゃねぇか。)

 

 

それを見ていた政宗はニヤリとニヒルな笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

桜が舞い散る中、文月学園は始業式。

 

 

それぞれが自分のクラスを確認してあるものは喜び、あるものは嘆いている。

 

 

そして、家康も今、クラス発表が書かれた封筒を貰おうとしていた。

 

 

「おはようございます鉄…………西村先生!」

 

 

「む?徳川か。今さっき鉄人と呼ぼうとしてなかったか?」

 

 

「ハハハ、そんな事言うわけありませんか。」

 

 

危うく西村先生を鉄人と呼びかけた家康は内心冷や汗をダラダラかいていた。

 

 

「そうか。それにしても、お前は制服をちゃんと着る気はないのか?」

 

 

鉄人が言うとおり家康はブレザーの下に黄色いパーカーを着ている。

一年生の時に鉄人に何回も注意された事があった。

 

 

「あー、まぁ、そんな事はいいじゃないですか!ワシのクラスは何処ですか西村先生?」

 

 

「思いっきり話を逸らしたな。まぁいい、ほら、お前のだ。」

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

家康は鉄人から封筒を貰うと直ぐに封筒を開き、綺麗に折りたたまれた紙を開く。

 

 

振り分け試験は意外と解けた。自信はある。

 

 

そう思い、紙に書かれた文字を見る。

 

 

 

『徳川家康 Fクラス』

 

 

 

「おめでとう徳川。お前はFクラスだ。」

 

 

「はぁ!?」

 

 

 

 

 

 

家康がFクラスに行き、数分後、政宗ともう一人青年がやって来た。

 

 

青年はオールバックの髪に左頬に傷跡がある。

 

彼は片倉小十郎。政宗の相棒的存在である。

 

 

「よぉ、Iron man。」

 

 

「貴様、白昼堂々と俺を鉄人と呼ぶか。」

 

 

「政宗様、仮にも人間ですぞ。」

 

 

「片倉、お前も一緒だ。」

 

 

政宗は家康みたいに言い換える事なく堂々と呼ぶ。

小十郎は政宗を注意するが逆に鉄人に注意された。

 

 

「それより、俺達のclassはどこだ?」

 

 

「お前といい徳川といい…………ほら、これとこれだ。」

 

 

鉄人から封筒を渡され、政宗達は封筒を開き中を確認する。

そして、書かれていた事は

 

 

 

『伊達政宗 Fクラス』

 

 

『片倉小十郎 Fクラス』

 

 

 

「What!?おい鉄人!!俺は今回、英語が結構出来たぞ!?何でFクラスなんだ!?」

 

 

「英語“だけ”はな。他は全部悪かったぞ伊達。後、西村先生と呼べ。」

 

 

「政宗様、この小十郎、政宗様の近くにいる為、政宗様がFクラスになるだろうと思い振り分け試験を思いっきり手抜きしました。」

 

 

「小十郎、Followになってないぞ。」

 

 

政宗は舌打ちしていると後ろから大きな声が響いた。

 

 

「西村先生!!おはようございます!!」

 

 

政宗が振り返り見ると、赤い鉢巻を頭に巻いて首には六文銭がかけられていて、いかにも熱血が似合う青年、真田幸村が居た。

 

 

「よぉ、真田。Good morning。」

 

 

「む!政宗殿!おはようで御座る!!」

 

 

お互い挨拶を済ませると幸村は封筒を貰い開いた。

そこには………………

 

 

 

『真田幸村 Aクラス』

 

 

 

「「「ハァ!?」」」

 

 

これには政宗と小十郎、そして本人の幸村も驚いたようだった。

 

 

「おい、鉄人!?何でこいつがAクラスなんだ!?」

 

 

「西村先生と呼べ。真田は筆記はダメだったが記号問題で満点をとっていたぞ。」

 

 

「まさか、適当に書いたのに当たるとは某、思いもしなかったで御座る……………」

 

 

「んだそのMiracleはよ?」

 

 

幸村の強運に政宗は地味にひいていた。

 

 

「お前ら、もうすぐホームルームが始まるから部屋の中に入れ。」

 

 

「OK、行くぞ小十郎。」

 

 

「御意。」

 

 

「失礼するで御座る西村先生!」

 

 

 

 

 

 

そして、チャイムが鳴って数分した後、明久が走りながらやって来た。

 

 

「遅いぞ吉井。」

 

 

「あ、鉄じ……………じゃなくて西村先生。おはようございます。」

 

 

「今、鉄人と言おうとしてなかったか?」

 

 

「ははっ、気のせいですよ。」

 

 

「はぁ~、お前らと言う奴は…………」

 

 

「あれ?他に誰かいたんですか?」

 

 

「色々と………だ。ほら、お前のだ。」

 

 

「あ、ありがとうございまーす。」

 

 

明久は鉄人から封筒を貰う。

封筒を開こうとしたが鉄人の言葉に手が止まる。

 

 

「吉井、今だから言うがな。」

 

 

「はい、なんですか?」

 

 

「俺はお前を去年一年間見て『もしかすると、吉井はバカなんじゃないか?』なんて疑いを抱いてたんだ。」

 

 

急に感慨深く言う鉄人。

 

 

明久は意外と振り分け試験には自信があり、もしかしたらCクラスかもしれないとおもっていた。

 

 

「振り分け試験の結果を見て、先生は自分の間違いに気が付いた。」

 

 

糊付けされた封筒を開き中の紙を取り出してクラスを確認する。

 

 

 

『吉井明久 Fクラス』

 

 

 

「お前はバカだ。」

 

 

こうして明久達の最低クラス生活が幕を開けた。


 
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