学校の階段。
というラノベがあった。映画とかにもなってたっけ。
そして今、俺には学校の階段が地獄だ。脚が、脚がー。ひょこひょこ。昨日の往復八十キロのせいだ。昨日は楽しいのは楽しかったが、花火大会なのか自転車大会なのか分からなかった。そして、今日は筋肉痛大会だ。ヘロヘロになって、教室に真奈美さんを届けてから美沙ちゃんと一緒に食堂に移動する。ちなみに、俺が制服を着ていない件に関して、佐々木先生はただ一言。「制服はなるべく着た方がいいわよ」と言っただけだった。
テーブルに突っ伏す。
「ロードの自転車か、電動アシスト自転車欲しいなぁ…」
つい呟いてしまう。
「そういえば、お父さんも欲しがってました。ロードの電動アシスト自転車」
「ロード『の』電動アシスト?」
そんなものがあるのか…。
「お母さんに怒られてました」
「そうなんだ」
「八十万円もする自転車買うなって」
なんだそれは?自転車か?車じゃなくて?うちのママチャリの八十倍するんだが…。
でもまぁ。そうだよな。自転車が一万円で売っているほうがおかしい気もする。どうやって、材料費と運送費を含めて一万円で自転車一台を作っているんだろう。型押しみたいにして、がっしょんがっしょん自転車を作っちゃう機械でもあるんだろうか?テーブルに突っ伏したまま、そんなとりとめもないことを思う。
「え…と、お兄さん」
「なに?」
「え…と…、その…ですね」
いつもハキハキとしている美沙ちゃんらしからぬ言いよどみ。
「?」
「テーブル…硬いですよ」
うん。硬いな。
「だから、あの…。お兄さん…昨夜も硬い縁側で寝てたし…。昼まで、ちょっと寝ててもいいですし…。姉のことで迷惑たくさんかけてるし…。その。だから…」
美沙ちゃんの乳白色の透明な肌にみるみる朱がさしていく。ほんのり桜色にそまる頬がかわいらしい。どきどきするなぁ。
「…だから、ちょっとだけサービスしてあげます。こ、こっち来て、ひ…膝枕していいですよ。」
ごくり…。まじで?
「しょ…しょれじゃあ…」
だめだ、喉が引きつってる。
椅子から立ち上がって、美沙ちゃんの座っているロングシートのほうに移動する。美沙ちゃんが無言で奥の方にずれてくれる。ロングシートに寝るように背をあずけて、頭は…。
いいの?まじで?
美沙ちゃんのスカートの上に。
もじっ。
頭を載せた瞬間、頭の下で柔らかな脚が動く。
どきどきどきどき。
眠るどころではない。美沙ちゃんは…。目を上に向けて様子をうかがう。
うおっ。
至近距離から、美沙ちゃんの可愛い顔が見下ろしてきてる。やっぱり恥ずかしいんだな。顔が真っ赤だ。無理しなくていいのに。いや、無理してくれ。素敵なご褒美すぎる。
極至近距離にDカップ・イン・制服。
どどどどどどどどきどきどきどき。
やっべー。息が荒くなっちゃってないかな。大丈夫か。しまった。昨夜も今朝もシャワー浴びてないんだった。
「お、俺、汗臭くないかな?」
「…え…。す、少し匂うけど…」
やっぱり。
「…でも、その…嫌な匂いではないですよ」
「………」
「………」
しばし無言になる。
目を閉じて眠ったほうがいいのかな。
想像していたのやエロゲの主観膝枕CGとは違った。膝枕というのは、思いのほか相手の胸とかは視界に入ってこない。よほど目を上に向けないと見えない。そのかわり、癒し度は想像以上。食堂の天井を見てても仕方がない。
目を閉じる。
安らいでしまう。さっきまで美沙ちゃんの脚の上に頭を載せるんだとか、Dカップ至近距離とかで興奮していたのに…。なんでこんなにリラックスできるんだろう。美沙ちゃんは不思議だな。女の子は、みんなこうなのだろうか…。
わからないな。
意識が遠のく。
「お兄さん?寝ちゃった?」
最後に聞くのは、微かな美沙ちゃんの呟き。
ああ、これは夢だ。
夢の中で、美沙ちゃんと公園にいた。二人で歩いている。涼しい風が吹いている。エアコンっぽい風だなと思う。いつか、真奈美さんに抱きつかれた公園だと気がつく。だけど、周りの道は昨日の帰り道に通った上り坂みたいでもあって、位置関係がおかしい。夢ってそんなものだよね。ベンチに二人で腰掛ける。
「お兄さん」
隣の美沙ちゃんが呟くように話す。
「お兄さんは、私が夜中に電話しても駆けつけてくれる?」
美沙ちゃんが無表情でそう言う。あれだけ表情をころころ変える美沙ちゃんが無表情だ。なにか答えたいが、声が出ない。夢の中って、自分は意外としゃべれない。声が出ない夢ってある。今日の夢もだ。こっちはなにも言えない。
「私が抱きついても、背中をぽむぽむしてくれる?」
「私が泣いたら、お姫様抱っこしてくれる?」
「私が一緒にいてと言ったら、なにも言わずに一晩中いっしょにいてくれる?」
返事もしない俺に、隣に座る美沙ちゃんが無表情でいくつも問いかける。たくさんのイエス・ノーを求める。全部、イエスの答え。しゃべれない俺は、それを返せない。
「お姉ちゃんじゃなくて…私を選んでって言ったら、私を選んでくれる?」
無表情のまま、淡々と美沙ちゃんが続ける。
夢の中の俺は、イエスを返せなくて…。
美沙ちゃんの目に涙が溜まる。夢はいつも都合がいい。美沙ちゃんが、こんなことを言うわけがないのに。すばらしくテンプレなギャルゲ展開だ。夢に妄想が現れるとは、俺の夢ぐっじょぶと言いたい。
「私。本当は、お姉ちゃんより面倒くさいんですよ。我慢してるだけなんだ…」
「お兄さんが、彼氏だったら…。うんざりされるくらいわがまま言うよ」
「でも、お兄さんは、わがまま聞いてくれるよね。お兄さんは…」
「お兄さんは…私にぞっこんなんだもんね。お姉ちゃんの面倒をあんなに見るのも、私に頼まれてるからだもんね。私に会いたくて、毎朝来るんだよね。お姉ちゃんじゃないよね」
夢、俺の願望丸出しすぎるだろう。美沙ちゃんがこんなデレモードに入ったら、いいなぁ…。夢くらい都合よくすすんで欲しい。
「真菜がね。お兄さんの部屋でエッチなゲームを発見したって言ってたよ」
夢が都合よくない。
これが予知夢だったら、帰宅後すぐに妹を私的裁判にかけて処罰せねばならないところだ。
「私に似たキャラを攻略してたって…」
都合よくないどころか、ここから悪夢になるのか?
これが予知夢だったら、帰宅後すぐに妹の口を封じねば未来はない。夢の中で、俺は断固とした措置を検討する。
「私だよね…。攻略してるのは。お姉ちゃんじゃなくて」
やはり夢の中の美沙ちゃんは、エロゲ展開だ。俺は末期エロゲ患者なのか。CTを撮ったらなにか写るかもしれない。死因、エロゲのやりすぎ。死神がやってくるかも。お前、そろそろ時間だって言って。
「そろそろ、時間だよ」
来た。
「お兄さん」
お迎えは死神じゃなくて天使だった。昇天タイム。
美沙ちゃん。本日二回目の美沙ちゃん膝枕での覚醒。神様ありがとう。俺が死ぬときのお迎えは、美沙ちゃん似の天使でお願いしたい。
壁にかかる時計を見ると十一時五十五分。あっという間に三時間がすっ飛んでいる。
ところで俺は、目を覚ましたときに寝返りをうって枕に顔を押し付けるくせがある。寝ぼけた頭が、それをやりそうになる。
あぶねぇ…。
あやうく美沙ちゃんの股間に顔をぐりぐり押し付けるところだった。
「…ん…」
起き上がって、伸びをする。んじゃま、真奈美さんを迎えに教室に行きますかの…。
「お兄さん…」
呼び止められて振り返る。美沙ちゃんも居眠りしてたようで、少し目が赤い。
「なに?」
「なんでもなーい。ひっかかったー」
そう言って、ほっそりした指で頬をつついてくる。それは先に指を構えておいてから、振り返らせるというトラップだったと思う。振り返った相手に後追いで攻撃していいというルールではない。
天使の笑顔だから、むしろ得した気分。
そういえば、妹も振り返った相手に一定時間無制限に攻撃をしかけていいというルールだと勘違いしてたな。あいつは同じパターンで振り返りざまにグーパンチを振りぬいてきたんだ。クリーンヒットして意識を持っていかれかけた思い出だ。美沙ちゃんマジ天使。妹マジ悪魔。
学校の廊下。ひょこひょこ。アシモ歩きの俺。情けない。
「終わりましたー?」
教室のドアを開けて覗き込む。
「終わったわよ。いいわよ」
佐々木先生が手招きする。アシモ(俺)がのたのたと教室に入る。美沙ちゃんが続く。
「二宮くん。私の電話番号知ってたわよね」
そんなことを佐々木先生が言ってくる。確かに知っている。先日のバイトのときに携帯電話の番号も、固定電話の番号も住所も教えてもらった。
「はい」
「万が一、夜中に出歩いて補導されたりしたら電話してきていいわよ。学校に連絡される前に私に電話しなさい。いいわね」
そっか。
その可能性もあったな。花火の帰りくらいならともかく、夜中の二時に駅前で真奈美さんに抱きつかれて路上に転がるのは、本気の『おまわりさんこっちです』だ。略して、まじまわりだ。
「やめろとは言わないんですね」
「…しない方がいいけど、仕方ないじゃない。それとも二宮君、市瀬さんの家に居候でもする?」
「先生、やめてくださいっ!」
と言ったのは美沙ちゃんだ。そんなに嫌がらなくてもいいじゃないか。そりゃ、そんなことをするつもりはないけど。しかし、美沙ちゃんの家に居候か…。美沙ちゃんがお風呂上りにバスタオル一枚で歩いているところに出くわしちゃったりして…。バスタオルが外れちゃったりして…。ストップ。
※エロゲのやりすぎは、あなたの健康を損なうおそれがあります。
帰り道。
アシモ(俺)とヤシガニさん(真奈美さん)と天使(美沙ちゃん)のわけの分からない取り合わせで歩く。駅を出たところで、『筋肉ドクロ』という頭だけ骨で身体が筋肉モリモリマッチョのイラストがプリントしてあるTシャツを着た妹と合流する。ますますヘンテコな取り合わせになった。
美沙ちゃん発案の計画はこうだ。
市瀬姉妹のお母さんから、タクシー代を往復分五千円を貰っている。往路に二千円使ったが、まだ三千円残っている。だから電車で帰って、浮いた三千円でみんなでパフェを食べようというのだ。
喫茶店に入る。入りなれた例の店だ。
計画を繰り返そう。美沙ちゃんが妹を呼んで、この店で「パフェ」を食べようというのだ。嫌な予感しかしない。
「ファランクス・チョコブラウニー・ベヒーモス・サンデーお願いしまーす」
天使の笑顔をひらめかせながら、美沙ちゃんが嬉々として注文する。パフェの名よりも、対艦ミサイル防御システムの名前にふさわしいソレを注文する。
妹と美沙ちゃんは楽しそうだ。真奈美さんは、いつもの魔眼じー状態だ。
ごろごろごろごろ。
やがて店内にワゴンを押してくる音が聞こえてくる。ウェイトレスさんがニコニコとトレイに載せて持ってきたりはしない。店の中のほかの客が羨望というか、好奇をまなざしをウエイトレスさんの押すワゴンが集める。向かう先はもちろんここだ。
ファランクス・チョコブラウニー・ベヒーモス・サンデーがやってきた。この店のパフェは今日も最高に盛れている。
ファランクスとは、古代マケドニアの長槍を持った歩兵の密集形態のことだ。パフェから無数のポッキーがあたかもファランクス形態を組んだマケドニア軍のように生えている。
ベヒーモスとは、旧約聖書に出てくる巨獣のことだ。パフェ本体を構成するアイスを積み重ねたその巨躯はまさにベヒーモスだ。
「ベヒモスきたぁーっ」
妹も最近、よくベヒモスというバンドの曲を聴いている。ネルガル、オリオン、セト、インフェルノの四人のバンドだ。その姿は黒いマントと革のボディスーツをまとった死体だ。夜中に隣の部屋で聴かれると本当に怖いサウンドだ。
「ファランクス・チョコブラウニー・ベヒーモス・サンデーお待たせしましたー。よい…しょ」
どずん。
テーブルを震わせて、ファランクス・チョコブラウニー・ベヒーモス・サンデーが俺たちの前に立ちはだかる。
「いただきまーす」
銀に輝くスプーンを閃かせて、白銀の姫騎士のごとく美沙ちゃんが巨獣に立ち向かう。
「いくっすー」
輝く鉄のスプーンをふりかざし、地獄の闇から現れた暗黒騎士のごとく妹が巨獣に喰らいつく。
「…き…ます」
「いただきます」
真奈美さんと俺は横から、ちまちまとポッキーを抜いてぽりぽりいただく。アイスに冷やされたポッキーはチョコ部分がしっかりしていて美味しい。
向かい合って、身を乗り出してパフェをざくざくと食べ崩す妹と美沙ちゃんを見ながら思う。
美沙ちゃんはいい。食べた栄養、とくに生クリーム部分などがどこに行っているかは分かる。そう。かの素敵な部分に行き、ここまで素敵な状態になってもなお途上なのだ。
しかし、妹よ。お前の食べたパフェは、いったいどこに消えているんだ?そんなにひょろひょろしてて、すとーんと絶壁で、どこに消えているんだ?全部エネルギーになって燃え尽きているのか?それとも、そのままスルーして翌朝もチョコブラウニーなのか。食べてるときに汚いことを描写して申し訳ない。
それにしても、ニコニコと身を乗り出してテーブル中央のパフェに向かう美沙ちゃんのなんと可愛いことよ…。前かがみになってると、そのエネルギーの貯蔵先というか、愛の貯蔵先が十五歳という年齢を超えている。それなのに、輝く笑顔は十五歳のかわいらしさだ。花のかんばせとは、こういう笑顔のことを言うのだろう。
ふと気がつくと、店のほかの客がちらちらとこちらを見ている。『なに?その細っこい女の子二人で行くの?お前はなにしてるの?四人で食うんじゃないの?』そんな視線だ。忘れているかもしれないが、俺はニュータイプらしいのだ。
わかったよ。がんばる。
大部分のポッキーを食べ終わり、ファランクスによる防御壁を崩した本体にスプーンを向ける。
…。
でも、あんまり食べてお腹壊しても嫌だな。
けっきょくチビチビとしか食べない俺、まじチキン。
真奈美さんも、チビチビと食べてる。
「あ。真菜ー。ここ、チョコじゃなくて、コーヒー味だよー。ほらー」
「こっちは、バニラかと思ったら、ヨーグルトアイスっすよー」
妹と美沙ちゃんが、あーん、あーんってやりあってる。ほほえましい。
「にーくんも、もっとガツガツ行くっすー」
うぼっ。
隣に座る妹が俺の髪をわしづかみにすると、スプーン山盛りにチョコアイスを盛って口の中に押し込んでくる。しかも何度も連続で。わっしわっし。
これはけっして微笑ましくない。
「い、いいひゃげんにひゅとっぷ」
口の中が冷たくて、上手くしゃべれない。
「お、お兄さん!ほら。こっちもー」
美沙ちゃんが、コーヒー味のアイスを載せたスプーンを差し出してくる。これは嬉しいよ。 むふふ。
身を乗り出して、斜向かいの美沙ちゃんの差し出すスプーンにぱくっと喰らいつく。俺は恵まれているな。
「ほらほら、お兄さん、もっと頑張って食べてください」
「ってか、あれっすよねー。ブラウニーだと、茶色系のアイスばっかりで、このサイズを食べてるとちょっと飽きてくるっすねー」
「あ、実は私もそう思ってた。ほら、お兄さんどーぞー」
さては、お前ら食べ飽きたから押し付け始めたな…。残りの量を全部食べさせられたら、さすがにたまらない。だいぶ減っているけど、一人じゃきついくらい残ってる。
「ほらっ。真奈美さんも!」
真奈美さんにも頑張ってもらおう。若干やわらかくなり始めたアイスを掬い取って、真奈美さんに差し出す。
「…ん」
一口で、はむっと食いつく真奈美さんは前髪で顔が隠れているので、なにか特殊な生き物みたいに見える。よし、その調子で頑張ってくれ。また次のアイスを掬って差し出す。はむ。掬って差し出す。はむ。ひょい。はむ。ひょい。はむ。ひょい。はむ。
だんだん楽しくなってきた。
「にーくん。ずるいっすー。私にもくれー」
勝手に食え。食べ飽きたんじゃなかったのか。
「お姉ちゃんばっかり、ずるいです。」
…えっと。み、美沙ちゃんにあーんするのか。するのか…。
ちょっと、スプーンの先を震わせながら、美沙ちゃんにチョコレートアイスを差し出す。
ぱくっ。
前もやったけど、慣れないなこれは…。ってか、真奈美さんにするのは平気だったけど、美沙ちゃんだと意識しちゃうな。自意識過剰だ。
「にーくん、私もー。もー。もー」
だから勝手に食えってば、ほれ。
さっきの復讐も兼ねて、スプーンに乗り切らないほどのアクロバティクな盛りでバニラアイスを掬い取って妹に差し出す。
「ほーれ」
妹の頭を掴んで、半ば強引に口にスプーンを押し込む。
一回ですむと思うな。すかさず次の鬼盛りバニラをまだ飲み込みきれてない妹の口に投入する。
「むごごごごご。むぷっ」
妹は、ちょっと涙目だ。
あ、こぼれた。
入りきらなかったバニラアイスが口の端からあふれている。
「ひ、ひーふん…。ほんなに、いっはい、はいらないれひゅうー」
…うっ。
涙目の妹が口から溢れないようにやや上を向いて、口の端から白いものがあふれ出てる。しかも俺が片手で妹の頭を押さえつけている。意図せずに、そういう状況が作り出されてしまっている。
「お兄さん?」
「…なおと…くん?」
違うんだ!美沙ちゃん!真奈美さん!別に狙ってやったわけじゃないんだ!
「…んく…くはぁ…あふ。お、お兄ちゃんの…お、おいひぃれす。」
今のはわざわざ狙って言ったよね。わざわざ『お兄ちゃん』とか言うな。
動揺する俺。妹の顔に邪悪の笑みが浮かび上がる。まずい…。
「くひひ…にーくんに、無理やりドロドロした白いもので口の中いっぱいにされたっすー」
この妹、意味わかんないよ。
「お兄さん」
美沙ちゃんが現実でも無表情で告げる。
「それは、リアル妹です」
わかってる。エロゲと現実の区別がつかなくなったわけじゃないんだ。
(つづく)
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